「百」の検索結果
全体で5,595件見つかりました。
あの日、〈ぼく〉は独りで砂浜へ向かった──。
高校生活最後の思い出にと、百物語をすることになった語り部。
彼の友人・市ノ瀬が語ったのは、幼い日の、とある夜の話だった。
文字数 5,091
最終更新日 2023.03.06
登録日 2023.03.06
この物語は中世ヨーロッパに似た世界でかつて繰り広げられた戦いとそこに生きた人達のはるか昔の物語である。
キルス歴一〇九一年。
それまでも何度か小競り合いのあったロマリア帝国とタスタニア王国はほんの些細ないざこざからついに戦争へ突入した。
互いに国の先端部分に位置する要塞都市を攻略出来ず一進一退の攻防が続けられ、それ以上動けない膠着状態に陥った。
そして四年後のキルス歴一〇九五年。
タスタニアと帝国にそれぞれ歴史を動かす事になる人物が登場する。
一人はティファニー・オブ・エヴァンス。
もう一人はセリア・フォン・フレーベル。
違う国に生まれて性格も全く正反対の二人が歴史の表舞台に登場して以降、国と歴史を変える存在となっていく。
心許せる優れた才能を持った盟友たちに恵まれてティファとセリアは運命に導かれるが如く激突する事となる。
・時代設定は中世で西暦千から千二百年あたりとしています。
ただしそこは物語なので、一部それ以上に進んだ医学であったり遅れた兵器が出てきたりもします。
・作中に一部差別用語を用いていますが、設定上のもので、特定の人たちを差別する意図は一切ありません。
・あくまでも人間同士の戦いを描きたかったので、魔法、聖剣、怪獣、妖精などは一切出て来ません。
・挿絵はwife labsという無料のソフトウエアを使い、自分のイメージに一番近い感じのキャラを作成しました。
この作品はノベルアッププラスと小説家になろうにも掲載させて頂いています。
文字数 284,080
最終更新日 2024.07.08
登録日 2024.01.21
ある時彼女はタンポポの綿毛が飛んでいるのを見て、その昔の約束を思い出す。
時間には余裕のあるエルフの彼女はサーナ。
およそ四百歳になるエルフだ。
二百年ぶりに外の世界に旅立つ彼女を待ち受けるのは、時の流れに変わった世界だった。
彼女は寄り道をしながら、当時との違いを感じながら道行く風来坊。
そして彼女はその昔の記憶を頼りに目的の地へと旅するのだった。
文字数 57,373
最終更新日 2024.07.10
登録日 2024.06.20
山と海に抱かれた小さな児童養護施設・若葉園。そこには、13歳で最年長となった少女・百瀬凛が暮らしている。幼い園児たちの面倒を見て、朝の鐘を鳴らし、時にゲンコツを落としながらも、誰よりも優しい心で園を支える存在だ。園長・箕輪静香は、そんな凛を「特別」と抱きしめ、深い愛情を注いでいる。
若葉園は、温かく穏やかな日常に満ちているように見える。だが、園の裏手には三つの墓があり、園長は毎朝そこに祈りを捧げる。園児たちもその姿を真似るが、凛だけはアヒルの目覚まし時計を抱いて祈るという、不思議な習慣を持っていた。
そんな園に、新しい職員・結城さえがやってくる。前職の保育園で心をすり減らし、逃げるように辿り着いた若葉園。初日から凛に“知らない人”としてリネン庫に閉じ込められるという洗礼を受けるが、職員たちの温かさに触れ、ここでならやり直せると感じ始める。
しかし、さえはまだ知らない。
この園には、誰も口にしない“秘密”があることを。
凛が抱えるアヒルの意味も、園長が涙を流す理由も、そして——若葉園に眠る「過去」の正体も。
穏やかな日常の奥に、静かに影が揺れていた。
文字数 66,993
最終更新日 2026.03.28
登録日 2026.02.28
天使、”イオ”は大好きな大天使”ウリエラ”との婚約を結んでいた。
しかし、悪魔の襲来によってイオは死んでしまう。
死ぬ間際に、恋人に”また天使に生まれ変わり結婚する”ことを誓う。
しかし、次に目を覚ました時、イオは悪魔に転生しており、さらに悪魔になって二百年が経過していた。
しかも自分の横には悪魔の恋人付き。
天使の頃の記憶と悪魔の時の記憶でイオの心は大きく揺れ動く。
文字数 12,972
最終更新日 2026.03.18
登録日 2026.03.18
「私、うさぎなんだよね」
草野陽菜多(くさのひなた)は、幼い頃から真顔でそう言い続けている。
もちろん、耳や尻尾が生えているわけではない。どこからどう見ても普通の女子高生だ。それでも、葉物野菜を小さな口でかじり、大きな音に驚けば幼なじみの背後へ隠れ、狭くて薄暗い場所を見つけては段ボールの“巣穴”を作る。物静かでクールに見える彼女は、どうにも本気でうさぎらしい。
そんな陽菜多の幼なじみ、森田奈緒(もりたなお)は、ぶっきらぼうだけれど世話焼きな少女。毎朝起こしに行き、お弁当を用意し、人見知りの彼女に代わって会話をつなぐ。周囲から「飼育係」と呼ばれるたびに否定するものの、陽菜多を放っておけないのには理由があった。
奈緒にとって陽菜多は、ずっと忘れられない初恋の相手なのだ。
一方の陽菜多も、「うさぎは寂しいと死んじゃうから、一生面倒を見てね」と奈緒に甘え、彼女の隣を一番安心できる巣穴にしている。近すぎる二人の関係は、幼なじみのままなのか。それとも、とっくに別の名前へ変わっているのか。
そんなある日、陽菜多は学校の空き教室に巣穴を作ってしまう。勝手な教室利用から始まった巣作りは、自認がカニの陽気な少女、ハムスターのように臆病な後輩、善意で突っ走る教師まで巻き込み、なぜか「生物進化研究会」という怪しい同好会へ発展していく。
真顔で繰り出されるうさぎ理論。カニこそ進化の究極形態だと訴える友人。次々と増える巣穴に、常識人のはずなのに誰より深く巻き込まれていく奈緒。
けれど、最初は陽菜多ひとりが逃げ込むために作った巣穴も、いつしか誰かが安心して休める居場所になっていく。陽菜多を守っているつもりだった奈緒もまた、彼女に支えられていたことに気づき始める。
誰にだって、疲れたときに帰れる巣穴が必要だ。
これは、自認がうさぎの少女と、その飼育係を否定しきれない幼なじみが、笑って、寄り添って、互いの帰る場所になっていくまでの百合ラブコメ。
※この小説はカクヨムと小説家になろうにも掲載中です。
文字数 117,931
最終更新日 2026.09.11
登録日 2026.07.29
鬼の一族が統べる、縁|《えにし》国。
縁国は、ドラゴンエッグ大陸にある五つの国の一つ。
中央にスバン王国。
その四方に、
東に永久国。|《永久国《トワコク》》
西にルルド国。
南に縁国。
北にザリート国。
神話では女神と龍帝のから成り立つ伝承がある。
それぞれの国、各種族は女神の子孫と言われており、
中央部にスバン王国は、女神とガーゴイルの子孫。
東に永久国は、女神と龍帝の子孫の龍族。
西にルルド国は、女神とハーピィの子孫の有翼族。
南に縁国は、女神とオーガの子孫の鬼族。
北にザリート国は、女神とオークの子孫のクグル族
各女神の子孫も各種族とも王侯貴族が中心で、平民は基本的に普通の人間の種族、ニール族が多数を占める。
この物語の舞台は、縁国。
縁国の国王夫妻の第一子として誕生された、
姫君の物語。
『百年越しの求愛譚』以前の物語。
文字数 4,838
最終更新日 2026.04.23
登録日 2025.12.23
現世での行いの良かった者。不幸にも、天命をまっとうできなくても行いが良いこと、死に至ることにより翼が生えてくれば、迎えの先代の天使達に天界で住む資格のある者であると証明できる。そして、天国に昇り、天界における姿、すなわち精神が現世での姿を模ったもの(天使)として生活できる。この精神をさらに成熟させて現世を生きる人間達に祝福を与えることが精神修行となる。この物語は3人の天使とその相棒を中心に繰り広げられる無尽蔵の愛を現世で満たす為の精神修行のお話。だが、そこには地獄からの使者とそれぞれの人生において悩める人間達もまた邂逅する。
天国の登場人物
優唯(ゆい):落ちこぼれの天使
凛(りん):優唯を大事に思うが素直に好意を伝えることができず空回りしている
紗理奈(さりな):読書を愛する博識の天使
またたび:優唯の相棒の猫天使
マナー:凛の相棒のAA(アスキーアート)天使、だが、本当の正体は……
ガオル:紗理奈の相棒の狼天使
地獄の登場人物
閻魔(えんま):現世のおける人間の罪を裁判にかける裁判官
零(ゼロ):閻魔の右腕の死神と吸血鬼の混血。だが時折の発作に自我を失い吸血衝動に駆られる
煉(レン):零を慕う純粋な死神
アーク:零の相棒の小型な死神
キラー:煉の相棒の吸血蝙蝠
現世の登場人物
花園 美咲(はなぞの みさき):星空中学校3年生、受験以上に龍二への想いが強い
百合(ゆり)星空中学校3年生、美咲に優しく勉強の補佐する幼馴染
桃(もも):星空中学校3年生、美咲に厳しく勉強の補佐する幼馴染
龍二(りゅうじ):美咲に慕われる元星空中学校の陸上部部長、現:月光高校1年生陸上部所属
疾風 颯人(しっぷう はやと):月光高校3年生、陸上部部長
文字数 66,509
最終更新日 2021.06.20
登録日 2020.08.06
連作物。共通項として1993年が舞台、40歳でリタイアした男性、コンセプトは興味関心の無いか薄い一般向け、興味関心のある素人向け、覚悟と実力のある見習い向け、実績がほとんどない新人向け、ある程度実績を積んだ若手向け、ある程度業界内に影響力のある中堅向け、かなり業界内に影響力のある重鎮向け、業界内の最古参で影響力の最もある大御所向けを意識。
正直小説の良し悪しはよく分からないので生成された物をほとんど推敲しないでほぼ脊髄反射同然で投稿していく予定。100%AI生成だと問題らしいので男性の名前を大吾郎に加筆修正していく程度。まとまったら後で18禁百合にでもしようかと思ってる。SFな裏設定も考えてる。3年で2500組以上を想定しているので1日に6組・6話ペースの投稿になるかもしれない。深夜12に投稿予定。(舞台が1983年だったのを修正、1日に3組・3話ペース、6組・6話ペースから修正、最初はGPTだけで行こうかと思ったけどGrokとGeminiも追加・適当にローテーションを組んでいく)。
文字数 416,626
最終更新日 2025.09.05
登録日 2025.07.07
私の厚ぼったい唇が彼女の薄く小さい唇に覆い重なっていると想像しただけでたまらなかった。それが今現実となる。あの晩私は初めて同性とキスした。親友に恋い焦がれる百合文学。
文字数 1,887
最終更新日 2022.01.29
登録日 2022.01.29
魔王と! 私と! ※!
そこはまた一つの時の流れの中——。
一つの時代——。
一つの歴史——。
まだ人間が、魚と話し、草花と歌い、虫の背に乗り、鳥と恋をし、エルフの森に通い、ドラゴンと友達であった頃のこと——。
世界にあまねく勇名を馳せる一人の女剣士がいた。
百年に渡る永き魔族と人との争いに終止符を打ち、大いなる闇の王と決着をつけた彼女の一太刀は天地を断ち、大気を鳴かせ、大陸に嵐を呼び起こしたという——。
それから数年後。
その世界最強の女剣士こと、その名——
『インベル・"レディ・ヴラッドヴェール"・ド・マリアンヌ』
職業:賞金稼ぎ。
二十六歳——未婚。
世界は救えども、我が人生に待ち人来らず——。
闇の王を制し、世界を救ったインベルは故郷を離れて根無草。行く先々で悪さをする魔物をこらしめ、立ち寄った村の平和を守り、その日その日を気ままに過ごす毎日を過ごしていた。
そんなある日、彼女は一匹のゴブリンと出会う。
〈ま、待ってくれ! アンタの強さを見込んで、一つ、お願いがあるんだ〉
命を懇願する亜人のその顔は、
肌は浅黒、髪は赤髪、目は黄金色に煌めき、鼻はすらっと高く、頬は程よく痩け、耳が長い、
紛うことなきモデル系イケメンのそれであったから(成長したら。有望な)さぁ大変?
〈お、俺と彼女の仲をとりもってくんない?〉
「は? この私が? ゴブリンの? あろうことか恋のキューピッドをやれって? チリにしてやろうか?」
人と、魔物の、垣根を超えた世紀の婚活劇が、
今、始まろうとしていた——。
人間みたいな悩みを抱えたモンスター、悪魔のように悪どい人間たち。
種の垣根はいったいどこにあるのか?
ヘンテコに見えるかもしれないけど、皆、実はわりかし真面目に生きてるんだ——。
世界を救っても腹は減るし、職もいるし、理解のある人間の彼なんか現れなくて、結婚もできない!! それでも人生は続いていく——!!
不条理に満ちた章ごと完結型の異世界ラブストーリー、始まります。
※主人公組は一章から出てはきますが、活躍するのは三章からです。
※魔王はもっと先です。
文字数 360,565
最終更新日 2023.11.13
登録日 2023.08.01
真田亮、十五歳。いじめで不登校になり、通信制高校に通う日々。唯一の居場所は、雑木林の奥でひっそりと守り続けている小さな祠だった。
ある夕暮れ、祠の裏に黒い亀裂が走る。異形の化物が這い出てきたその瞬間、銀色の光とともに一人の少女が現れた。腰まで届く銀髪、紅い瞳、不敵な笑み——火之銀姫・ギン。四百年の眠りから目覚めた神は、亮に告げる。「おぬしは真田幸村の子孫じゃ。妾の神籬となれ」
神社は異界との門。日本列島の地脈に無数に開くその門から、光を失い滅びゆく冥界の軍勢が押し寄せてくる。亮は「灼銀」の異能に目覚め、風を操る剣士・奏、雷の拳を持つ大和、結界の巫女・結月、影を渡る忍、氷の凜——六人の仲間とともに戦いに身を投じる。
だが冥界にも事情があった。飢えた民を救うための侵攻。穏健派との出会い。そして冥王の心を蝕む「虚無の意志」の存在。亮は問う——敵を倒すだけが、本当の強さなのか。
弱さを力に変える少年が、恋と友情と喪失を抱えながら、二つの世界の未来を繋ぐ。神と人、人間と冥族。すべての境界を越えていく、新時代の和風バトルファンタジー。
文字数 15,450
最終更新日 2026.04.27
登録日 2026.04.23
銀座の喧騒は、元旦の鋭い冷気に包まれていた。
高級百貨店、三丸屋の特別室で、石川ルカは完璧な所作でお辞儀をした。彼女の着ている濃紺のスーツにはシワひとつなく、その表情からは一切の感情が削ぎ落とされている。彼女が扱うのは、ただの品物ではない。選ばれた者だけが手にできる特権そのものだ。
手違いは、初売りの熱気がピークに達した午前11時に起きた。
ルカが裏ルートで手配した、一億円相当の未鑑定ダイヤモンド入りの極秘福袋。政界への献金代わりとなるはずだったその紙袋が、配送スタッフのミスによって、一般販売の山に紛れ込んでしまった。それを手にしたのが、戸崎武史だった。
武史は、正月の商店街を歩くベージュのダッフルコートのように、どこにでもいて、どこにも居場所のない男だ。不運を絵に描いたような人生で、この日も貯金を下ろして買ったばかりの一万円の福袋を抱え、安アパートへ帰る途中だった。
「待ってください」
地下鉄の入り口で、ルカは武史の腕を掴んだ。息を切らしながらも、その瞳には凍てつくような光が宿っている。
「この袋、中身を間違えました。交換してください」
武史は目を丸くした。 「え、でもこれ、僕がちゃんと並んで買ったやつですよ。開運って書いてあるし」
開運どころか、それは破滅への招待状だった。袋を狙うのはルカだけではない。三丸屋の闇を知り、ダイヤを奪取しようとする謎の集団が、すでに二人の背後に迫っていた。
ルカは迷わなかった。武史の腕を強く引き、発車直前の地下鉄に飛び乗る。
「いいですか、戸崎さん。今、あなたの持っている袋は一億円の価値があります。そして、それを奪おうとしている人たちは、人を傷つけることを躊躇いません。私と一緒に来てください」
武史は呆然としたまま、揺れる車内で自分の膝の上の袋を見つめた。 「一億円……。僕、一万円しか払ってないのに。そんなの、おみくじで大凶を引くより怖いです」
逃走劇は、正月の静まり返った東京を舞台に始まった。華やかなイルミネーションが、追ってくる黒塗りの車のライトと交差する。
文字数 1,440
最終更新日 2026.01.01
登録日 2026.01.01
今から数百万年後の太陽系であった伝説。
それは、地球と地球外文明との23回目の衝突から始まる——。
S暦X年の太陽系——
地球。
第二十三次地球外文明戦争では、68年間の激戦の末にかろうじて地球が勝利したが、相手側が月の破壊を試みたため、終戦後間もなく月は大爆発。
ムーン・インパクトである。
ムーン・インパクトは地球に大きな影響を与えたが、その数日後、地球をさらなるものが襲う…
文字数 546
最終更新日 2026.01.12
登録日 2026.01.12
トアル会社は『リアル美少女抱き枕』を販売した。三次元の美少女がプリントされた抱き枕だった。
そのリアルさと美少女の天真爛漫な笑顔が受けてたちまち大ヒットしたが……。小説家になろうやノベルアップ+にも投稿しています。
文字数 430
最終更新日 2022.11.30
登録日 2022.11.30
兵士の罪を、背負うことを定められた青年カイム。そして、最強の幼き人外である、無性別のヘルレイア。
愛なき契りを求められ、思惑で結ばれる二人は、本当の愛を見つけられるのか――。
兵士達をまとめる最高主権者、カイム・ノヴェクは、純黒の軍服まとい白百合を携える。その姿の彼を、誰もが天使と呼んだ。
死の具現、ヨルムンガンド・ヘルレイア。神話の大蛇を号して、世界最強の力を誇り、人界に災厄をもたらす死の神。
だが、この二人は生と死を違えた。
守るために殺め続ける人間。
過去の愛に不殺を誓う死神。
気紛れな糸に引き合わされた二人が、戦いの末に下す、決断とは――。
アルファポリス版 加筆修正有
世界へ災いを喚ぶ、双生児ヨルムンガンド。人間が認知しうる究極の美を誇り、黒い髪に白い肌、その瞳は青く蛍火のように灯る。双生児は人間と愛を交わすが為に美を具えた。
自身は性を持たず、番として交わった人間と、相反する性別へと自在に変化する。性別を得て初めて幼蛇は大人になり、番となった人間の地位に寄生し、己の巣として支配下に置くのだった。そして、双生児はただ互いを殺し合う為に存在する。双子は人間社会に死と苦痛を蔓延させ、紛争を裏から手引きして、終わりのない災禍を招くのだった。
ヨルムンガンド・ヘルレイア――ヘルレア。
王であるヘルレアは、十代半ばを迎えており、既に死期も間近に迫っていた。世界蛇は、番を得て性別を持たなければ、十代半ばくらいまでしか命がない。
そんなおり、民間軍事会社〈ステルスハウンド〉の代表――カイム・ノヴェクがヘルレアの番として名乗りを上げる。ヘルレアと交渉したカイムなのだが、彼の風貌で『お人形さん』と突っぱねられてしまうのだった。番の話しは破談。だが、些細なきっかけでヘルレアと再開。今度は、舞い込んできた紛争で、双方の思惑が一致し、共闘することとなる。
カイムの兵士――彼らは、自らを猟犬と呼ぶ。
猟犬の一人ジェイド・マーロンは、雪深い東占領区へと、ヘルレアと協力して潜入していくのだった。だが、猟犬達と王は仇敵。ジェイドはヘルレアへ憎しみを抱いている。ただ主人であるカイムの言葉を胸にして、王と歩む道を選んだだけにしかすぎない。
――王と猟犬。
相容れない二者は、苦難の道行きに希望を見い出せるのか。
双生児、その相対する二王の壮絶な戦いが始まる――。
文字数 596,201
最終更新日 2025.05.04
登録日 2024.11.15