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蔵屋家は白鳳・飛鳥時代から続く豪族であり、その権勢は備後地域一帯を支配し領土としての荘園を持っていたのである。
小説『くらや物語』の始まりである。
この小説は史実に基づく作品です。
物語は筆者である蔵屋日唱が脚色を加わています。
最近は異世界転生関連の作品が多くなりました。
そんな中、日本の古代史と言える歴史小説も面白いと思い立ち執筆するものです。
幸い、このくらや物語は私のご先祖の話なので、非常に執筆し易い。
この作品は第12回歴史時代小説大賞のエントリー作品です。
どうか、沢山の皆様にお読み頂き、この作品を応援して下さいますようお願い申し上げます。
どうか最後まで、お楽しみ下さい。
令和八年五月二十六日
蔵屋日唱
(自宅書斎にて)
文字数 1,956
最終更新日 2026.05.26
登録日 2026.05.26
江戸の裏長屋の入り口にぽつんと佇む小さな煮売屋『春亭(はるてい)』。十七歳の看板娘・おはるは、半年前に亡くなった父の跡を継ぎ、たった一人で店を切り盛りしている。
しかし、肉体労働で汗を流す江戸の職人たちが好む「ガツンと濃い甘辛味」をどうしても再現できず、喧嘩っ早いが情に厚い常連客の大工・辰次からは「味が薄え!」と文句を言われる毎日。父の味を守るべきか、己が信じる出汁を活かした新しい味に挑むべきか、おはるは思い悩んでいた。
そんなある日の昼下がり。店の隅で酒を飲んでいた初老の客・源兵衛が、ぼそりと一言「大根の面取りが甘い。冷める時に味を含ませろ」と呟く。そのたった一つの助言に従っただけで、おはるの大根の煮付けは驚くほど深く、澄み渡った極上の味へと変化した。
凄まじい舌と料理の知識を持つ源兵衛は、一体何者なのか?
正体を明かさない彼からの、そっけなくも的確な「料理指南」を受けながら、おはるは料理人としての才能を少しずつ開花させていく。食欲の落ちた長屋の女将さんや、喧嘩した丁稚たち……ワケありの客たちの悩みをおはるの作る「人情めし」が温かく解きほぐし、店は次第に活気を取り戻していく。
だが、そんなおはるの前に、やがて『春亭』と彼女自身の料理人としての矜持を揺るがす、思いがけない試練が立ちはだかる――。
一杯の汁、一皿の惣菜に込められた真心が胸を打つ。読めば必ずお腹がすき、明日への元気が湧いてくる絶品のお仕事時代。
文字数 37,822
最終更新日 2026.06.14
登録日 2026.05.31
南北に朝廷が分かれ、戦乱が列島を蝕む時代。
葉月は北朝に仕える影の諜報部隊・蛍蝶閣《けいちょうかく》、その最精鋭・月藍紗《げつらんしゃ》の一員だった。幼い頃に両親を戦で失い、誘拐され、気づけば暗殺と諜報に生きることを強いられていた。それでも平和を望む心だけは、誰にも奪えなかった。
ある任務で死闘が繰り広げられ、姉妹同然だった仲間・凛花が逝く。瀕死となった葉月は川に流され、河内の農村で老婆・加代に拾われる。「お稲」と名を偽り、稲刈り娘として静かに生きることを選んだ。
だが平穏は長く続かなかった。
北朝の官吏達が農村視察に訪れた際、賊の襲撃に体が勝手に反応してしまう。正体を見抜かれたお稲は、弱みを握られて蛍蝶閣へ強制復帰を命じられる。与えられた任務は、北朝の使者として、南北統一の密議を進めることだった。
南朝の陣営で、お稲は一人の男と出会う。穏やかな眼差しの奥に、揺るぎない志を持つ男だった。敵同士でありながら、二人の望みは同じだった——この乱世を終わらせること。
陰謀と裏切りが渦巻く中、お稲は南北両陣営に人脈を張り巡らせ、民草の視点と諜報の技術で統一への道を切り開いていく。しかしお稲を嵌めた蛍蝶閣の黒幕が北朝内部に潜んでいることが判明。仲間が囚われ、愛した人に刃を向けなければならない瞬間が迫る。
統一後も乱世は終わらない。南朝残党のクーデター、そして明からの外圧と侵攻の脅威。お稲はその全てに、影として立ち向かう。
しかし、歴史にその名は刻まれない。
けれど稲穂の揺れるあの農村で、誰も知らない葉月の凱旋が静かに幕を開ける。
文字数 17,885
最終更新日 2026.06.07
登録日 2026.05.31
史実には存在せぬ毛利元就四男虎寿丸が行く戦国乱世!毛利家屈指の愛され子息である彼も喜怒哀楽が溢れる戦乱の波に呑まれていくことになる。そのなかで、彼はその目に一体何を映しその最期に何を思うのか。毛利元就が四男虎寿丸の完全オリジナルの人生を通じて描く戦国をどうぞお楽しみください。
❋なお、考証は曖昧な部分がありますがどうか温かく見守っていただけると幸いです。
文字数 20,817
最終更新日 2026.04.03
登録日 2026.03.05
天正3年5月21日、長篠・設楽ヶ原。
真田信綱・昌輝兄弟は、武田最強の赤備えを率いて織田の鉄砲三千挺の前に散った。
血に染まる赤い空の下、信濃先方衆は全滅。
武田の誇りは、潰えた。
──それでも、真田家は終わらなかった。
翌月、弟・昌幸が家督を継ぎ、9歳の信幸と6歳の弁丸の前に現れたのは、まだ2歳の五郎だった。
「父上の隠し子か!?」と大騒ぎする兄弟と、必死に否定する昌幸。
竹トンボが舞う館は、今日も賑やかだ。
そして元服を迎えたばかりの信幸は、
伯父の菩提寺で、5年ぶりに従妹・千草と再会する。
亡父の形見の櫛を手に、彼女は静かに微笑んだ。
「また来てね、信幸殿」
設楽ヶ原で失われた命の重さと、
それでも続く家族の絆と、初恋の予感。
史実の狭間に生まれた、真田家の「もう一つの物語」を、三つの短編で綴る。
(小説家になろう、カクヨムにも同時投稿中)
文字数 9,347
最終更新日 2025.12.18
登録日 2025.12.16
―お暇でしたら、狸の譚をいたしましょう。
とある村の食事処兼宿屋。うり屋。
瓜のようにまるっと可愛らしい女将が切り盛りして
いるその店は、女将が話す狸譚―狸の譚が名物のひ
とつ。
不思議な話を求める変わり者達がうり屋の暖簾を
今日もくぐる。
◇不定期に話をアップします。素人故ご容赦下さい。
◇創作民話です。実在の地名、人物、狸とは一切関係ございません。
文字数 10,184
最終更新日 2026.05.10
登録日 2026.05.04
島原の乱を最後まで見届けた狸は、あやかし狸乙女『たぬ子』になった。
乱から三十年以上の歳月がすぎ、空き屋敷に棲んでいたたぬ子は武者修行をしていた桃次郎に敗北する。
その強さに惚れたたぬ子は桃次郎についていくことにし、ふたりは助太刀屋をしながら旅を続ける。
旅から旅への自由気ままな生活をしていたが、見目麗しい兎之助の助太刀を引き受けたことで、多くの剣客を敵に回し、さらには幕府からも睨まれることになってしまう。
ふたりの運命は――? 恋の行方は――? たぬ子と桃次郎の過去の接点は――?
笑いあり、涙あり、剣戟ありのあやかし歴史浪漫小説です。
文字数 79,901
最終更新日 2025.06.24
登録日 2025.05.03
江戸の下町で代書屋を営むおりんは、長屋の軒下に置かれた小さな箱を見つける。箱には、墨のかすれた字で「未受理札」と書かれていた。
中に入っていたのは、夫と別れたいのに離縁状に何を書けばよいかわからない女・おせんの札。夫を憎んでいるわけではない。けれど、このまま同じ家で暮らしていれば、自分の声を失ってしまう。おりんはただ書面を整えるのではなく、おせん自身が本当に伝えたい言葉を探していく。
やがて未受理札の箱には、死んだ息子に謝れなかった母、名乗れないまま娘を守りたい父、濡れ衣を着せられた奉公娘に関わる願いが集まり始める。棒手振りの佐吉や町名主の手代・源右衛門の助けを借りながら、おりんは町の小さな揉め事と、人々の胸に残った後悔を一つずつほどいていく。
しかし、箱には何も書かれていない白紙の札が繰り返し入れられる。その紙の折り方は、亡き夫・清七が生前よく使っていたものと同じだった。人の言葉を代筆してきたおりん自身にも、夫へ渡せなかった一通の手紙がある。
言えなかった言葉、届けられなかった願い、受け取られなかった思い。
江戸の長屋を舞台に、代書屋の女が人々の「未受理」を受け取り直す、人情時代小説。
文字数 26,345
最終更新日 2026.05.03
登録日 2026.05.03
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※本作は「倒叙構成」を採用しています。
第1話が物語の結末となります。
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最後までお読みいただいた後、もう一度第1話をお読みいただくと、新たな発見があるでしょう。
——桃から生まれた英雄が、鬼を退治した。
誰もが知る桃太郎伝説。
しかし、もしこの物語の「本当の主人公」が、桃太郎ではなかったら?
戦乱の世、人々は飢えに苦しみ、生きるために奪い合い、やがて「鬼」と呼ばれる存在へと堕ちていった。
そんな絶望の時代に、一人の赤子が桃と共に川を流される。
光と名付けられたその子は、やがて「桃太郎」と呼ばれることになる。
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これは、桃太郎の物語ではない。
彼と共に生きた、もう一人の女の物語である。
彼女の名は時雨。
八歳で家族を殺され、復讐だけを糧に生きてきたくノ一。
彼女が桃太郎と出会い、きび団子を口にした時、凍てついた心が初めて溶け出す。
「この味を、次の世代に——」
彼女の願いは、やがて「時雨の焼印」として、未来へと受け継がれていく。
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これは、『桃太郎』の裏側に隠された、もう一つの真実。
飢饉が生んだ「鬼」の正体。
英雄の影で戦い続けた男たち。
母から子へ、兄から弟へ、そして未来へと託された、たった一つの想い。
全23話、14万文字超え。
伏線は100以上。
読み終えた時、あなたはもう一度、最初のページを開きたくなる——。
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「観る小説」と呼ぶにふさわしい、映像的な描写。
心情はすべて「行動」で表現され、読者の想像力に委ねられる。
何度でも読み返したくなる、仕掛けが随所に散りばめられている。
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今、ここに——歴史の表舞台から消え去った、もう一つの物語が幕を開ける。
あなたは、真実を知る覚悟はありますか?
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文字数 223,307
最終更新日 2026.04.20
登録日 2026.03.26
群雄割拠がひしめき合う戦国乱世の時代。
表舞台の主役が武士ならば、裏舞台の主役は忍びたち。
数多の戦いの果てに、多くの命が露と消えていく。
そんな世にあって、いちおうは忍びということになっているけれども、実力はまるでない集団がいた。
あまりのへっぽこぶりにて、誰にも相手にされなかったがゆえに、
荒海のごとく乱れる世にあって、わりとのんびりと過ごしてこれたのは運ゆえか、それとも……。
京から西国へと通じる玄関口。
高槻という地の片隅にて、こっそり住んでいた芝生一族。
あるとき、酒に酔った頭領が部下に命じたのは、とんでもないこと!
「信長の首をとってこい」
酒の上での戯言。
なのにこれを真に受けた青年。
とりあえず天下人のお膝元である安土へと旅立つ。
ざんばら髪にて六尺を超える若者の名は芝生仁胡。
何をするにも他の人より一拍ほど間があくもので、ついたあだ名が鈍牛。
気はやさしくて力持ち。
真面目な性格にて、頭領の面目を考えての行動。
いちおう行くだけ行ったけれども駄目だったという体を装う予定。
しかしそうは問屋が卸さなかった。
各地の忍び集団から選りすぐりの化け物らが送り込まれ、魔都と化しつつある安土の地。
そんな場所にのこのこと乗り込んでしまった鈍牛。
なんの因果か星の巡りか、次々と難事に巻き込まれるはめに!
文字数 169,667
最終更新日 2019.05.28
登録日 2019.04.30