「たこ」の検索結果
全体で15,141件見つかりました。
施設育ちの辻村夏樹、十八歳。物心ついた頃から施設で育ち、誰かと繋がることを諦めてきた青年だ。退所後に一人暮らしを始めた直後、孤独と疎外感に耐えかねて死を決意する。観光雑誌で見た月の美しい川辺を最後の場所に選び、ロープをリュックに詰めてその場所へ向かった夜、夏樹は一人の少女と出逢う。
月城夏希、十八歳。余命一ヶ月を宣告された少女で、月の絵を描くためにその場所に毎夜通っていた。同じ読み方で字の違う名前を持つ二人は、お互いが死に近い位置にいたからこそ引き寄せられたのだと夏希は言う。夏樹の死への衝動を真正面から受け止めながら、自らの余命を淡々と告げる夏希の存在が、夏樹の中の何かを動かしていく。
夏希は毎夜その場所で月の絵を描き、夏樹はその隣に通い続けた。月の下でおにぎりを食べ、雨の夜には電話で話し、笑い合ううちに二人は恋に落ちた。夏希は夏樹への想いを胸に抱えながら月の絵を描き上げ、続いて夏樹の肖像画を描き始めた直後に倒れる。駆けつけた夏樹に、死に際の夏希は「生まれ変わって会いに来る」と約束し、二枚の絵と長い手紙を残して息を引き取った。手紙には夏希の想いと、生まれ変わりへの確信と、夏樹に生きていてほしいという願いが綴られていた。
夏希の死後、夏樹は清掃会社に就職し一人で生き続けた。部屋には夏希の絵を飾り、毎年命日に近い満月の夜にあの場所を訪れた。三十年間、一度も欠かさなかった。後輩の面倒を見て、偶然再会した施設の職員・静江さんに二十年越しのお礼を伝えながら、夏希の言葉を信じて生きてきた。しかし四十八歳になった夏樹はついに限界を迎える。信じ続けることと、信じ続けられることは違った。ある夜、食卓で箸が止まった。夏希と月の下でおにぎりを食べたあの夜だけが、三十年間の中で違った。もう十分だという気持ちになった夏樹は、再びロープをリュックに詰めてあの場所へ向かう。
川辺を右往左往しながら歩く夏樹の耳に、忘れるはずのない声が届く。「多分、ここだと思うよ」。コンクリートの上に、あの日のままの姿の夏希が座っていた。三十年ぶりの再会だった。夏希は月の王国での三十年間を経て約束を果たしに戻ってきていた。夏樹の三十年間の報告を聞き、今夜ここに来た理由を打ち明けさせ、笑い合って泣き合って、最後に手を繋いで月を見上げた。来ないとわかっていても三十年間あの場所に来続けたこと自体が、夏樹がまだ諦めていなかった証拠だった。今日も月が綺麗だ。でも今は、月より綺麗なものが隣にいる。
文字数 76,753
最終更新日 2026.04.28
登録日 2026.04.28
「教科書に書かれていることは同じはずなのに、なぜ、圧倒的に“できる人”と、全く“できない人”がいるのだろう?」
そんな、誰もが一度は抱いたことのある疑問に、涙と笑いで答えを示す、全く新しい青春下剋上物語が、いま始まる。
主人公は、中学三年生の佐々木健太。勉強アレルギーで、机に30分と座っていられない。テストの偏差値は、絶望的な「38」。そんな彼が、ひょんなことから、学年トップの才女で、誰もが憧れる白石莉奈と同じ、県内トップの超進学校「王葉高校」を目指すと宣言してしまう。動機はただ一つ、「好きな子と同じ高校へ行きたい」という、あまりにも無謀で、純粋な想いだった。
しかし、現実は甘くない。これまでサボってきた二年半という「失われた時間」が、巨大な壁となって彼の前に立ちはだかる。暗記しても、脳はザルのように知識をこぼれ落とし、参考書を買っても、実行できない自分に自己嫌悪。がむしゃらに努力しても成績は伸び悩み、報われないかもしれないという恐怖に、心は折れかける。「気合と根性」だけでは、決して越えられない壁がそこにはあった。
絶望の淵で彼が出会ったのは、市立図書館に潜む、謎の司書・田村さん。一見、定年間近の無気力な職員だが、その正体は、認知科学や学習心理学に精通した「勉強法のマニア」だった。
「英語は読むな、聴け!」「数学公式とは友達になれ!」「歴史は壮大な大河ドラマだ!」「国語はセンスではなく、パズルだ!」
田村さんから授けられる、目から鱗が落ちる「学びの技術」の数々。健太は、これまで自分が見ていた世界が、いかに狭く、浅かったかを知る。“できる人”たちには、全く違う世界が見えていたのだ。
これは、単なる受験マニュアルではない。
一人の少年が、勉強という行為を通して、物事の本質を捉える「視点」、困難を解決する「技術」、そして自分自身と向き合う「強さ」を手に入れていく、涙と笑いの成長記録だ。努力の方向性(ベクトル)とは何か。本当の学力とは何か。そして、少年が最後に流した涙の、本当の理由とは――。
勉強に悩むすべての中高生へ。そして、かつて同じように悩んだことのある、すべての大人たちへ。
一人の少年の、人生で最も濃密だった戦いの物語が、あなたの明日を、そして世界の見え方を、少しだけ変えるかもしれない。
文字数 54,534
最終更新日 2025.07.10
登録日 2025.07.01
大財閥〈篠沢(しのざわ)グループ〉の先代会長だった父の急死を機に、17歳でその後継者となった一人娘の絢乃(あやの)。
そんな彼女を献身的に支えるのは、8歳年上の秘書・桐島(きりしま)貢(みつぐ)。彼は自身をパワハラから救ってくれた絢乃に好意を抱いていて、その恩返しに秘書となったのだった。
絢乃もまた桐島に初めての恋をしていたが、自分の立場や世間の注目が彼に集まってしまうことを危惧して、その恋心を内に秘めていた。
ところがある日の帰宅時、桐島の車の中で彼にキスをされたことにより、絢乃は彼の自分への秘めた想いに気づいてしまう──。
初恋に揺れ動くキュートなお嬢さま会長と、年上ポンコツ秘書との身分の差・境遇の格差を越えたラブストーリー。
減筆版として、よりスタイリッシュにより胸キュン♡な内容に生まれ変わりました♪
※ちょっぴりアダルティーなおまけエピソード「聖なる夜に……」では、絢乃ちゃんのひとりエッチなど本編とは違ってオトナ♡な2人の姿も……。
文字数 142,355
最終更新日 2024.04.02
登録日 2023.12.16
都市の片隅の語学スクールで出会った二人の青年――
社交的だが内心は「支配欲」に苛まれる会社員・斎藤と、孤高をまといながら過去に囚われ続ける男・橘啓介。
偶然の酒席で、斎藤は恋人の髪を「自分の証」として切らせたことを語り、橘もまた十数年前の故郷での出来事を打ち明ける。
それは、修道院で人々の期待を背負いながらも迷い続けていたシスターが、一人の少年から贈られた業務用バリカンをきっかけに、すべてを剃り落として覚悟を得た――という物語。
その断髪の場面に立ち会った橘の心には、救済ではなく「残響」だけが刻まれ、いまもなお彼を縛りつづけている。
過去に救われたのは彼女か、それとも橘か。
そして現在、結衣の短い髪に触れるたび「自分もまた残響の輪に囚われている」と気づく斎藤は、果たしてどんな答えにたどり着くのか。
断髪という象徴を通じて、人が何を手放し、何を残して生きるのかを描く、心理ドラマ長編。
文字数 13,328
最終更新日 2026.02.18
登録日 2026.01.30
風光明媚な瀬戸内海の東部に位置する塩飽諸島。唯一の高校である本島高校の新任教師・長島雄一は、完全に進退窮まり、途方に暮れていた。こんなことになると分かっていたら、初めから野球部の監督など引受はしなかった。赴任早々、歓迎会で校長から直々に頼まれ、断ることが出来なかったのだ。長嶋は、野球に関しては全くの素人だった。もちろん指導の経験もない。長嶋が監督に就任した時点では、確かに同好会に毛が生えた程度のチームに過ぎなかったのだ。丸亀の高校に栄転して行った前任者からの引き継ぎでも、万年一回戦負けの弱小チームだと聞いていた。ところが一年生エースの柚木拓也が入学して来たことにより、状況は一変した。柚木は「塩飽の怪童」と呼ばれるほどの好投手で、進学に際しては広島や大阪の高校からも推薦入学の誘いがあった。秋の香川県大会、柚木は本領を発揮すると、本島高校を準優勝へと導いた。本島高校の快進撃は、それだけに止まらなかった。初出場を果たした中国/四国大会では、辛くも初戦を突破すると、続く二回戦では延長線に縺れ込む死闘を演じて見せた。惜しくも敗れ去った本島高校だったが、そのひたむきな戦いぶりが評価され「二十一世紀枠」での甲子園出場が内定した。この明るいニュースに、塩飽の島民は全島を挙げて歓喜した。就任一年目の快挙と持て囃され、無邪気に喜んだ長嶋だったが・・・。重大な事実を突きつけられ、一瞬にして青ざめる。秋季大会での連投が祟り、絶対的エースの柚木が肩を壊していたのだ。部員数十一名の本島高校野球部には、柚木に変わる投手はいない。必死に代わりを探すも、生徒数が二百三十名の本島高校では限界がある。一度は出場辞退を決意した長嶋だったが、その前に柚木が現れ、信じ難い話を切り出した。自分の島に、自分を超える投手が居るという。とても信じられる話ではないが、何故か柚木の顔は自信に満ちていた。証拠を見せるという柚木の言葉に、長嶋は渋々獅子島行きに同意する。その夜、柚木家で大層なもてなしを受けた長嶋は、翌朝、爆睡中のところを叩き起こされる。早朝五時。極寒の最中に連れて行かれたのは、柚木が卒業した小学校だった。そこでは五十人ほどの島民が集まり、朝霧の中、無言で立っていた。それは、何とも幻想的な光景だった。長嶋が呆気にとられて見ていると、やがて島民たちは静かに動き出した。それは、中国の公園などで見掛ける太極拳の動作だった。問題は、その指導者だった。長嶋が正体を訊くと、堂島茜だという。長嶋が担任するクラスの生徒だった。もちろん茜の持つ素晴らしい才能には気づいていたが、女子生徒が甲子園のマウンドに立てるはずがない。一度は拓也の申し出を却下した長嶋だったが・・・。
文字数 97,955
最終更新日 2025.08.21
登録日 2025.08.21
西暦1804年。
フランス皇帝ナポレオン・ボナパルト、35歳。
戴冠を終え、栄光の頂に立ったはずのその瞬間――彼の視界は、突如として白く弾けた。
「何だ……?」
轟くような音。揺れる大地。
次の瞬間、ナポレオンは見たこともない場所に立っていた。
石畳ではない平らな道。奇妙な箱のような乗り物が唸りを上げ、空には見たこともない柱や建物が突き刺さっている。行き交う人々の服装も、言葉も、何もかもが理解できない。
「ここは……どこだ」
皇帝である彼にとってさえ、それは未知そのものだった。
そのとき――
「うるせぇよ、てめぇ! 少しは俺の気持ち考えろよ!」
鋭い怒鳴り声が通りの向こうから響く。
目を向けると、ひとりの若い女が数人の若者に囲まれていた。地味な色合いの服をまとい、派手さはない。だが、姿勢は凛としていて、怯えの中にも品があった。
「だから、俺と付き合えって言ってんだろ」
「やめなさい、常盤木くん。教師にそういうことを言うものではありません」
落ち着いた声。しかし相手は聞く耳を持たない。
「教師教師うるせぇんだよ!」
男が腕を掴もうとした、その瞬間。
「控えろ」
低く、場を制する声が響いた。
全員が振り向く。そこに立っていたのは、この国の者とも思えぬ異様な男。眼光と気迫だけで、その場の空気を変えていた。
「婦人に対して無礼が過ぎるぞ」
「はぁ? 誰だよ、おっさん」
侮辱だと悟ったナポレオンは眉をひそめる。男が肩をいからせて近づくが、ナポレオンは一歩も退かない。
「退け。さもなくば、後悔するぞ」
その一言で、不良たちは思わずたじろいだ。目の前の男が、数え切れぬ死線を越えてきた者だと本能で悟ったのだ。
「……っ、なんだよ!」
吐き捨てるように去っていく若者たち。静けさが戻る。
ナポレオンはゆっくりと女を振り向き、そして息をのんだ。
風に揺れる艶やかな黒髪。白く整った顔立ち。慎ましやかな装いの奥にある、凛とした気配。
その美しさは、宮廷の貴婦人たちとも違っていた。もっと静かで、もっと気高い。
――美しい。
「……ヤマトナデシコ……」
思わず、そんな言葉が口をつく。
女はきょとんと彼を見た。
「え……?」
ナポレオンは目を離せなかった。
「ビューティフル……いや、違う。貴女は――大和の美人、というべきか」
常磐京子、25歳。
彼女はまだ知らない。目の前の異国風の男が、かつて世界を震わせた皇帝ナポレオンその人であり、この出会いが自分の平穏な日常を根こそぎ変えてしまうことを。
文字数 90,544
最終更新日 2026.04.23
登録日 2026.03.18
高校三年生の理桜(17)は、予備校の面談で、担当講師アキハル(30)のお説教にうんざりしていた。お説教を早く終わらせたい一心で、理桜はとっさに「私、余命半年なんです」と嘘をつく。そしてアキハルも「実は俺も余命半年だ」と言い返すのだった。姉を白血病で亡くしている理桜はアキハルの嘘を真に受けてその日から勉強を頑張るが、アキハルも嘘をついていたことを知り、余命半年のウソをついたまま仕返しでアキハルの彼女になるのだった。そしてアキハルの彼女になった理桜はどんどんアキハルを好きになっていき……。余命半年のウソから始まった理桜の恋はどうなる?
文字数 9,711
最終更新日 2026.05.02
登録日 2026.04.11
罪の重さを測るものは何か。
罪に見合った罰とは、苦痛による死か。
それとも、罪以上の償いをすることか。
クロマチンという特殊能力が発見された現代。
ごく少数しか持ち得ないその能力を持つ者は、警察の特殊部隊に所属し、武装犯罪等の鎮圧に従事している。
クロマチン能力者である佐川亜紀斗は、少年の頃、荒れて喧嘩ばかりしていた。喧嘩の相手を病院送りにしたことが、何度もあった。
しかし、一人の少年課の警察官により更生した。
クロマチン能力の素養があった彼は特殊部隊に所属しながらも、罪を犯した人達を更生させ、償いながら生きていけるように尽力していた。
クロマチン能力者である笹島咲花は、幼い頃、大好きな姉を亡くした。
姉は非行少年達に拉致され、暴行と陵辱の限りを尽くされ、殺された。
しかし、少年達に下った刑罰は、犯した罪に比べてあまりに軽いものだった。
鬼畜にも劣る凶悪犯は、駆逐すべきだ。
残酷な事件に向き合いながら、咲花は凶悪犯達をその手にかけてゆく。
そんな二人が、亜紀斗の異動によって出会った。
異なる信念を持つ二人が、向かい合う。
文字数 608,183
最終更新日 2025.10.10
登録日 2025.05.01
小学生最後の試合で、僕のコーナーキックはアキラのゴールにつながった。
近所に住み、同じサッカークラブで一緒にプレイする小学六年生の僕(あーちゃん)とアキラ。サッカー選手を夢見るアキラは女子サッカー部のある附中を目指し、セットプレイが得意な僕もまた、アキラに誘われるように中学受験をすることになる。
謎の巫女、塾の横断幕、襟付きのシャツ、スカートのプリーツ、そして裏山の神社。
受験から八年後、アキラの運転する軽自動車で地元の風景を巡る中、二人はかつて神様に願ったことと、アキラがついた小さな嘘に向き合う。
文字数 20,915
最終更新日 2026.04.28
登録日 2026.04.28
高校2年生の朝風蒼汰は、不運な事故により、人生の全てを捧げてきた水泳選手としての未来を絶たれてしまった。
事故の際の記憶が曖昧なまま、蒼汰が不登校になって1年が経った夏、気分転換に天体観測をしようと海へと向かったところ、儚げな謎の美少女・夜海美織と出会う。
彼を見るなり涙を流しはじめた彼女から、彼は天文部へと入部しないかと誘われる。
2人きりの天文部活動の中、余命短い中でも懸命に生きる美織に、蒼汰は徐々に惹かれていく。
だけど、どうやら美織は蒼汰にまつわるとある秘密を隠しているようで――?
事故が原因で人生の全てを賭けてきた水泳と生きる情熱を失った高校3年生・朝風蒼汰 × 余命残り僅かな中で懸命に生きる薄幸の美少女高校生・夜海美織、ワケアリで孤独だった高校生男女2人の、夏の島と海を舞台に繰り広げられる、儚くも切ない恋物語。
※12万字数前後の完結投稿。8/11完結。
※青春小説長編初挑戦です、よろしくお願いします。
※アルファポリスオンリー作品。
文字数 125,825
最終更新日 2024.08.11
登録日 2024.07.13
幼い頃から、織田信人はいつも近くにいた。
家が近く、自然と言葉を交わし、気づけば隣にいるのが当たり前になっていた幼なじみ。
優しくて、まっすぐで、ときどき無神経なくらい正直な信人に、出光千愛は何度も心を揺らされてきた。
大人になるにつれて、その想いは少しずつ恋へと変わっていく。
それなのに、好きになればなるほど、胸の奥に小さな痛みが走る。
なぜか素直になれない。
なぜか心のどこかで、彼を許せないような気持ちが生まれてしまう。
子どもの頃は気づかなかった。
親同士は会えば会釈をするのに、どこかよそよそしく、微妙に気まずい空気をまとっていたことを――。
そしてある日、千愛は家の奥にしまわれていた古い記録を見つける。
そこに眠っていたのは、出光家が長い年月のあいだ隠し続けてきた、ある過去だった。
好きなのに、許せない。
許せないのに、離れられない。
幼なじみとして始まった二人の恋は、やがて家に刻まれた歴史と、親世代の叶わなかった想いまでも巻き込みながら、静かに運命を変えていく――。
文字数 23,072
最終更新日 2026.05.07
登録日 2026.03.26
ギタリストの兄貴を持ってしまった「普通の」もしくは「いい子ちゃん」OLの美咲は実家に居る頃には常に長男の肩を持つ両親にもやもやしながら一人暮らしをしている。
そんな彼女の近所に住む「サラダ」嬢は一緒にごはんをしたり、カフェ作りの夢などを話し合ったりする友達である。
ただ美咲には悪癖があった。
自由奔放な暮らしをしている兄の、男女問わない「元恋人」達が、気がつくと自分を頼ってきてしまうのだ。
サラダはそれが気に食わない。
ある時その状況にとうとう耐えきれなくなった美咲の中で何かが決壊する。それをサラダは抱き留める。
二人の夢に突き進んで行こうとするが、今度はサラダが事故に遭う。そこで決めたことは。
改行・話分割・タイトル変更しました。
文字数 157,612
最終更新日 2022.05.17
登録日 2020.04.25
学校を暴力と恐怖で支配する男、黒岩陽平。
彼は自らの手を汚さず、脅して従わせた部下たちを操り、高みの見物を決め込む「絶対強者」として君臨していた。
そんなある日、陽平のグループによる暴行現場を優等生の花園美月に目撃されたことで、彼の退屈な日常は一変する。
正義感から止めに入った美月に苛立ちを覚えた陽平は、次の標的を彼女に定める。
執拗な暴力、策略による孤立――。しかし、どれだけ追い詰められても美月は決して陽平に屈しなかった。
その気高い姿に、陽平の冷徹な心は次第にかき乱され、いつしか執着へと変わっていく。
だが、陽平はまだ知らなかった。
美月が何故これほどまでに強いのか、そして彼女に隠された"真実"を――。
文字数 28,419
最終更新日 2026.05.12
登録日 2026.04.29
高校2年。
冬の出会い。うだるような夏。
あの日からずっと誰かを描くことが出来ない。
悩んでいたレイナの前に現れたのは、深く蒼い瞳をしたアヤト先輩。
「君に俺の絵を描いてほしい」
女性関係で有名な先輩だったとは知らずに、彼の絵を描くことになったレイナ。
兄の記憶がちらつく彼女に、また「誰か」を描くことができる日は訪れるのだろうか?
レイナとアヤト。
似て非なる二人が付き合っていく中で、互いのトラウマを乗り越えながら大人に近づいていくまでの物語。
※R15はなろうに、R18はムーンライトにあります。「向日葵の虚構」
※第15話以降の加筆のため、投稿ペースが遅くなっております。ご迷惑をおかけいたします。
文字数 18,215
最終更新日 2021.06.01
登録日 2021.04.30
看護師を志す親友同士、莉子と麻衣。国家試験に不合格となったことをきっかけに、彼女たちは自分を変えようと“剃髪”という極端な決断を重ねていく。床屋で初めて髪を失った瞬間から、恐怖と奇妙な官能を味わいながらも、「リセット」される感覚にすがりつくようになっていく二人。
一度は心理カウンセリングとの出会いを機に、国家試験への再挑戦に活路を見いだしかけるが、訪れる二度目の試験もまた彼女たちを容赦なく突き放す。どれほどもがいても報われない絶望の果て、最後の剃刀が深い闇へ二人を誘う――。
心と身体が壊れていく中で、彼女たちが追い求めた“新たなスタート”とは何だったのか。髪を失うたびに交錯する痛みと官能、そして看護師という夢に翻弄された二人の行き着いた“バッドエンド”を描く、痛切な青春小説。
文字数 68,980
最終更新日 2025.04.12
登録日 2025.04.12
高校三年生の野田潮は、目立たない平凡な高校生だ。隣の席には人気モデルの乃木大吾がいるが、住む世界が違いすぎると思い、まともに口をきいたこともなかった。
ある朝、乃木がSNSで炎上しているという噂がクラスに広まる。中学時代に同級生をいじめたという暴露だった。今まで乃木を中心に騒いでいたグループは手のひらを返したように乃木の悪口を言い始め、乃木は学校に来なくなる。
潮は毎週水曜日の放課後、誰もいない音楽室でピアノを弾くことを唯一の楽しみにしていた。ところがその日、演奏を終えると背後から拍手が聞こえた。そこにいたのは、学校を休んでいるはずの乃木だった。音楽室を「ねぐら」にしていたという乃木は、潮のピアノに感動したと言い、翌週からも聴きに来ると宣言する。
戸惑いながらも乃木と言葉を交わすうちに、潮は乃木の炎上の真相を知る。乃木はいじめた側ではなく、いじめを見て見ぬふりをした傍観者だったのだ。その告白は、潮自身の過去と重なった。潮もまた中学時代、親友がいじめられているのを知りながら助けられず、親友を失った経験を持っていた。二人は互いの傷を打ち明け、深く共鳴する。
隣の席という偶然から始まった対照的な二人の友情物語。
文字数 19,383
最終更新日 2026.04.11
登録日 2026.04.11
僕は僕でしかない。そんなことはわかりきったことだけどね。少年漫画のヒーローに憧れ、麗らかなヒロインに恋してしまう、そんな、そんな普通のはずの、僕だ。でもその僕にとっての普通さが、僕を、自分自身を苦しませる。僕は僕でしかない。そんなことは……わかってる。
そんな高校生和泉紫苑は自分の抱く普通さのせいで、周囲と合わず、気にしてしまいとても息苦しい日々だった。そんな時、自分に声をかけ、正面から向かい合ってくれたのは藍川大河という存在だった。
時は過ぎ、二人は同じ大学の文学部。和泉紫苑にとって、藍川大河の隣はとても呼吸が楽であった。一緒に文芸サークルに入るにあたり、個性豊かな先輩に出会ったり、藍川大河の中学以来の同級生に出会ったり……。和泉紫苑は時折感じる自分の普通に対する感情と、藍川大河に対する言い知れぬ思い。そんな、普通な和泉紫苑の日常です。
文字数 9,951
最終更新日 2026.04.24
登録日 2026.04.24
*この小説は「やわらかな風が吹く丘の上で待つ君に、この言葉を音にして届けられたら」のパラレルワールドバージョンです。一部の話が重複しています。
◇あらすじ◇
音を失った主人公の東條美咲と、光を失った南川作。
美咲は聴覚障害を抱えながらも健常者と対等に生きようと奮闘し、想いを伝える音声認識ツール「ポケモジ」の開発に挑んでいた。ある日、美咲と親友で手話通訳者の絵里は、マッサージ師として自立して生きる元天才球児の作と出会う。
絵里は作に惹かれるが、作と美咲は同じ痛みを知る者同士として深く共鳴していく。
親友の想いを知り恋に臆病になる美咲と、愛する人と対等でありたいと願う誇り高き作。そして、二人の特別な絆に疎外感を抱く絵里。
三人の想いが交錯する中、不器用な恋の行方は。互いの欠落に寄り添い、心の声を届ける感動のヒューマンラブストーリー。
◇登場人物◇
東條美咲
28歳
音を失った主人公。聴覚障害者。親しみやすく誰にでも親切に接するが、どこか人を寄せ付けない雰囲気がある。その奥底には障害者だからこそ健常者と対等になろうとする意識がある。仕事では毅然としている反面、プライベートな感情表現(特に恋愛)には極端に臆病。「どうせ自分の本当の言葉(声)は届かない」という諦めが根底にあり、傷つく前に自ら壁を作ってしまう。
西原絵里
28歳。主人公。手話通訳の資格保持者。美咲の親友にして最大の理解者。作に惹かれていく。
二人が心を通わせれば通わせるほど「自分には視覚も聴覚もあるのに、二人の間にある特別な絆(領域)には入れない」という健常者としての残酷な疎外感を抱く。
南川作
光を失った主人公。23歳。高校野球ピッチャー、ドラフトで有名球団入りが決まっていたが最後の試合で折れたバットが顔面を直撃し、視力を失う。
マッサージ師として自立し、自分の足で立とうとする誇り高さを持っている。そのプライドゆえに「美咲の重荷になりたくない」「同情されたくない」と意地を張り、素直に助けを求められない。彼の葛藤は「愛する人と対等でいられないことへのもどかしさ」。
新谷孝雄
美咲の上司であり「ポケモジ」プロジェクトマネージャー。美咲を障害者扱いせず、一人の社員としてドライにみている。
滑川行司
営業部役員。新谷のプロジェクトが進んでいるのをよく思っていない。過去セクハラ事件を起こしたことがあるが、うやむやになった。それによりセクハラをしてもまたうまく誤魔化せると思っていた。
文字数 41,126
最終更新日 2026.04.09
登録日 2026.03.29
