婚約破棄されたので、王太子はもう何も決めません

王太子コンラートは、婚約者であった令嬢エマとの婚約を破棄する。
それは恋愛感情によるものではなく、「正しい判断」だと信じての決断だった。

――だが、その日を境に、彼は“何も決めない王太子”になる。

国の危機。
地方経済の停滞。
民の不満と不安。

これまでなら、王宮が答えを出し、命令し、守ってきた。
しかしコンラートは、あえて決めない。
支えない。
導かない。

「自分で考え、自分で選べ」

そう突き放された現場は、混乱し、迷い、時に怒り、時に失敗する。
だが――それでも、誰かが声を上げ、責任を引き受け、次へと渡していく。

一方、婚約破棄されたエマは、王宮の外から静かに変化を見つめていた。
奪われた立場。
失われた未来。
それでも彼女は、“決められなかった国”が少しずつ自立していく姿を、確かに見届けていく。

これは、派手なざまぁでも、劇的な復讐でもない。
答えを持たないことを選んだ王太子と、
「誰かのせい」にしないことを覚えた人々の物語。

――王が何も決めなくなったとき、
国は、本当に壊れるのか?

静かで、苦くて、それでも確かな“逆転”の物語。

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