「見え」の検索結果
全体で6,234件見つかりました。
「……これは、傑作だ」
ラヴェンダーの投げ込んだ煙幕はほとんどその役を果たさなくなり、その残りが薄く絨毯の上を這うだけになった頃、男がぽつりと呟いた。
「まさかこんなところで再会するとは……思ったよりずいぶん早かったものだな」
クツクツと喉を鳴らす男に、ラヴェンダーは喉を震わせた。
落ち着きがあり、自信に満ちた声。暗く、影が差しているが、その分妖艶さも帯びている眼差し。
ナイフのように鋭利な空気を纏いながらどこまでも蠱惑的な男の顔が目の前にあった。
ひねり上げられた右腕と共に引き寄せられた彼女の細い腰は大きくのけぞり、それに覆い被さるように彼女の眼差しを覗き込んで来る男は、どこまでも優雅だった。端から見れば、二人はまるでダンスを踊っているようにも見えただろう。
けれどその実、男は圧倒的な力で彼女を押さえ込んでおり、泰然とした笑みを吐きながらの低い囁きは半ば恫喝だった。
「お前は、誰だ?」
「……答える義務はないわね」
震えそうになる自身を叱咤し、大きく胸を上下させてから返したその言葉。
それが、二人の”再会”だった——
アメリカのスラムの孤児院で育ったらラヴェンダーは、ヨーロッパの名家に引き取られながらも、その生活になじめずにいた。
性に合わない上品で退屈なお嬢様生活に飽き飽きしていた彼女に持ちかけられたのは、第二次世界大戦中に失われてしまったシューヴァンシュタイン家の美術品収集のための怪盗家業。
ブレインにしてリーダーのシューヴァンシュタイン家後継者のエリーゼと、その分家筋でハッキング担当のフェリスとともに、狙った獲物は決して逃さず、神出鬼没に盗み出す彼女は、予告状に描かれた黒猫のイラストに関連づけて、怪盗”黒猫(シュヴァルツ=カッツェ)”と呼ばれていた。
その怪盗黒猫が初めて対決した、”同業者”は、彼女が盗み出そうとしていた美術品だけでなく、もう一つ、大切なモノも奪っていって——
暇をもてあましたお嬢様の華麗な”怪盗黒猫”としての生活が幕を開ける。
登録日 2021.01.19
「お探ししました、公主様」
東雲国の青楼、群芳院で、幼い頃に楼主に拾われ、そのまま下働きとして生活をしてきた少女、紅蘭(コウラン)。
青楼の用心棒である幼馴染、清風(セイフウ)とともに、平凡な、しかし平和な日々を過ごしていた彼女は、ある日、隣の曼華国から死海を越えてきた二人の客人に、突然目の前で叩頭される。
彼らは紅蘭が曼華国王族の唯一の生き残りで、王となり国を支える責務があると言うのだ。そして、15年前に魔族に侵され、荒れに荒れた曼華を救えるのは、公主たる彼女しかいないということも。
曼華国に蔓延る魑魅魍魎を退治するべく、紅蘭たちは旅に出る。だがその道は険しく、先の見えない王の道であったーー
文字数 24,040
最終更新日 2019.11.25
登録日 2019.11.06
超自然的存在・妖(あやかし)が見える少年──稲生修一郎と、
様々な種類の妖達の物語。
ある日、修一郎は一人の少女に出会う。少女は自分の事を、
“座敷わらし”だと話すが……
■2006年に一般公開されたサウンドノベルのテキスト版です。
のちにアプリ版の際に追加されたシナリオが含まれます。
※全六日+追加エピローグで本作は完結してます。
七話以降の【あやかしよりまし逢魔】は2008年に公開された後日譚であり、続編です。
「連載中」に変更し、少しづつアップロードしていきます。
1作目の四、五倍ほどのボリュームでかなりの長編です。
作中の”一日”のテキスト量が2万字以上とかなり多いので、今後は分割していくと思います。
あらかじめご了承ください。
文字数 507,869
最終更新日 2020.07.08
登録日 2020.05.26
影山学園の高校一年生になったばかりの女子高生、高山 翠(たかやま すい)が同じ中学で一緒に高校に上がった友達
北川 帆野(きたかわ ほの)と、夢路 凛(ゆめじ りん)と普通の学園生活を送っていた。ある日、彼女達は中学で入部していた剣道部に高校でも入部しようと話していた。放課後に仮入部をするため道場に向かった。そこには何枚も札が貼られた日本刀があった。そして仮入部を終えた彼女達が帰ろうとしたとき不可解な現象に巻き込まれ始めた。何もいないはずなのに視線を感じたり、物が動くことが多くなった。しばらくすると何かが見え始める。それは妖怪だった。スリル満点のバトルや感動などをご賞味あれ!
文字数 8,718
最終更新日 2025.01.15
登録日 2025.01.13
扉に手を挟んだら、私がふたりになっちゃった。
無人駅を出て私たちが驚いたのは、ふんだんにまぶしたきな粉のように、はっきりと見える数えきれぬほどの星であった。黒蜜の景色にきな粉の空。とんでもない甘党の神さまが、ここを作ったに違いない。おそらく、月はバニラアイスクリームだ。
冗談はさておき、視界いっぱいに広がるそれらはまぎれもなく美しかった。
私の知る空とは夜でも赤っぽく光っていて、星は見えない。光害と言われることは知識だけでなんとなく理解はしていたが、よもやこれほど違うとは。もしかして私がずっと良い子であれば、この景色を知ることができなかったのだろうか。
野生時代短編コンテストに参加中です。
登録日 2018.05.14
藤守つばさには、見えてしまうものがある。それは、普通の人はまず見ることのない、いわゆる「幽霊」という類のもの……。隣に住む幼馴染の黒沢斗哉と共に、つばさはさまざまな心霊現象に巻き込まれていく。ある日、学園祭の舞台練習を終えたつばさと斗哉は、忘れ物を取りに、“幽霊が出る”と噂される講堂の地下道へ行くことに。第二実験室に忘れたレポートは見つかるものの、つばさは噂の幽霊に遭遇してしまう。ずっと幼馴染だと思っていた斗哉との関係も、学園祭を機に微妙に変わり初めて……。エピソードⅢからは、霊能力を持つ転校生の神崎嵐も現れて、恋の方は三角関係に突入!?幼馴染ラブ×心霊ホラー×ちょっと笑える、かもしれない長編作品。
文字数 242,289
最終更新日 2020.12.18
登録日 2020.07.01
文字数 11,257
最終更新日 2022.04.12
登録日 2022.04.09
極々普通の高校2年生である蒼紫雪斗は女神とまで呼ばれている蒲倉詩奈とひょんなことから接点が増えた。そこまでは良かったのだが……垣間見える蒲倉のヤンデレ要素、日に日に増していく好き好きアピールに恐れすら抱いた蒼紫は、傷つけないようやんわりとフェードアウトしていく方向に持っていく。
が、その気遣いが仇となり、気付けば好感度は危険域にまで達していた…………
文字数 2,193
最終更新日 2022.06.14
登録日 2022.06.14
夏目八雲は国際ピアノコンクールに出場していた。
目的は優勝して幼少の頃からの夢に近づく事。
しかし演奏中にイレギュラーが発生して気が付くと、今までいた場所と明らかに違う。
そこは剣と魔法が存在する異世界。
ヤクモは今までピアノ一筋に生きてきたインドアマン。筋力もなければ、体力も魔力もない。
そんな何もできないヤクモの奏でる音楽【演奏効果】は、聞いた相手を強化する事を仲間に教えてもらう。その音楽【演奏効果】は常識の斜め上をいく凄まじいものだった。
異世界での始まりの地、シュタイン王国。
ここでヤクモにはいくつもの出会いがあり、そして仲間ができる。
その仲間達と一緒に戦い、依頼をこなし、ピンチを乗り越えていく。
そして見えてくる世界の変化。
個人の能力は低いが、音楽家としてのスキル【演奏効果】で仲間を強化して冒険していく。
いつか、ヤクモの周りに人が集まり、世界を救う旅になるとも知らずに。
登録日 2018.12.03
文字数 67,815
最終更新日 2026.06.11
登録日 2026.06.11
初の長編作品です。のんびりペースですが、見守っていただけると幸いです。
藍沢愛夏、14歳。中学2年生
運動神経は悪いけど、ソフトボール部。大して取り柄もないわたしが唯一目立つものがある。それが生徒会だ。
副会長をやっている。
去年からやっていた生徒会に、新たな仲間が加わった。もちろん元のメンバーも一緒だ。
生徒会長 若葉萌
しっかりしてそうで、中々ボケてるところもある。みんなに好かれるタイプで、ここぞと言う時には、しっかりまとめてくれる。波が大きいので、調子を崩すととことん崩す。
もう1人の副会長 佐久間みなみ
完璧タイプで最高に頼りになる。とぼけがちな萌と愛夏を支えてくれる大事な存在だ。
書記 南野孝太(みなみのこうた)
ふぬけてそうな顔をしているけど、中身は結構辛口。今年から入ってきたにも関わらず、すでに私たちと変わらないぐらいの仕事をこなせる。
会計 小川龍太(おがわりゅうた)
会計とは思えないそこそこの適当さ。でも、周りをあっと言わせる創造性に満ち溢れている。運動神経もよく
腹が立つことに、女子にはもてている。
本部役員 松田鈴(まつだりん)
今年から入ってきた私の友達。生徒会をやるようには見えなかったから意外だけど、ちょっとアホでみんなを笑わせてくれる。
本部役員 本田奈緒 (ほんだなお)
1年生の期待の新星。多少大雑把なところはあるものの、やる気に満ち溢れている。いつも笑顔な、生徒会の太陽のような存在だ。
本部役員 松本大地(まつもとだいち)
いつも、人をからかってばかりいるが、その実とても誠実。とくに、奈緒とは仲が悪く見えるが、はたから見たら完全に好き同士である。
それ以外にも、私には彼氏がいる。佐藤史樹。一年前のホワイトデーに告白され、なんとなく付き合っている。好きとかよくわからないけど、楽しいからそれはそれでいいと思っていた。
そう、新たな生徒会が始まるまでは。
文字数 18,412
最終更新日 2018.11.11
登録日 2018.05.05
最初は地味なやつだと思っていた、俺の一個下で入ってきたそいつ。部活が同じでもなければ喋ることすらなかっただろう。
後輩は、黒髪のよくいる地味なやつ。よく見たら顔立ちは案外整っていたが、いつも前髪を下ろしているのでほとんど見えない。
だが、喋ってみると案外面白いやつで、趣味も合ってることが分かって。そこからはトントン拍子で仲良くなっていった。
俺自身髪の色のせいでヤンキーだと思われて仲良くしてくれる人間もいなくてぼっち同士、お互い仲が深まるのも時間の問題だった。
お互いが一人暮らしだから、仲良くなってからは互いの家を行き来して、そこで一緒にゲームをして飯を食って家に帰る。
そんな、いつもの事だと思っていた。今日も、平和にゲームをして終わりのはずだった。
あいつが唐突に俺の上に跨って、押し倒してくるまでは。
・基本アホエロです
※がついているのは🔞の話ですが、ストーリー上基本的にほとんど全ての話についています
文字数 27,783
最終更新日 2024.01.10
登録日 2023.11.14
水音(みずね)と千聖(ちさと)。
久々の再会だというのに、彼らはお互いもううんざりだという顔をして、相手を睨みつけていた。
今世でもまた出会ってしまった・・・何度生まれ変わっても顔を合わせる運命にあるらしい。
彼らは500年前、同じ男性を愛し奪い合った恋敵だった。
二人が愛した男の名はルビィ。
何度生まれ変わっても愛しいルビィの姿を見つけることが出来ず、二人は深い喪失感を抱えたまま苦しい人生を繰り返していた。
想い人に会えない二人。
何度転生を繰り返しても出会ってしまう恋敵との関係に、徐々に変化が見え始めて・・・
文字数 1,397
最終更新日 2024.07.20
登録日 2024.07.18