「事件」の検索結果
全体で8,735件見つかりました。
梅雨の湿気が染み込む六月、編集者の三崎麻子は浜田市の古いマンションに引っ越してきた。都会の喧騒を離れ、静かな環境で仕事に集中したいという思いからだった。家賃の安さに不審を感じながらも、海が見える最上階の一室に決めた。
引っ越し初日、階段を上がる途中で麻子は違和感を覚えた。三階と四階の間の踊り場が、どこか不自然に広く感じたのだ。蛍光灯の明かりも他の階より暗く、壁には黒ずんだシミが浮かんでいた。
その夜から、異変は始まった。深夜、誰かが階段を上る足音が聞こえる。しかし、ドアスコープから覗いても人影はない。翌朝、郵便受けに一枚の古びた写真が投函されていた。階段の踊り場で撮られたそれは、白いワンピース姿の女性が写っているものの、顔の部分だけが黒く染みたように潰れていた。
不安を感じた麻子は、管理人の山岸に尋ねてみた。しかし彼は「心配することはない」と言うだけで、それ以上の説明を避けた。その態度に不信感を抱いた麻子は、地域の古老を訪ねることにした。
そこで麻子は、二十年前にこのマンションで起きた連続失踪事件のことを知る。若い女性が次々と姿を消し、最後に発見されたのは階段の踊り場で の事故死だった女性の遺体だけだった。しかし、その死因には不可解な点が多かったという。
その後も麻子のもとには古い写真が届き続けた。写真に写る女性たちの表情は徐々に歪み、恐怖に満ちていった。ある夜、麻子は階段を上がる黒い人影を目撃する。追いかけると、それは不自然に広い踊り場へと消えていった。
壁を調べると、そこには隠された扉があった。扉の向こうには小さな祭壇があり、失踪した女性たちの写真が祀られていた。その奥には、山岸管理人の若かりし日の写真と、白いワンピースが保管されていた。
真相は、二十年前の山岸による連続殺人事件だった。彼は若い女性たちを踊り場の隠し部屋に誘い込み、儀式めいた行為の末に殺害していたのだ。最後の犠牲者となるはずだった女性との格闘の末、彼女は事故死として処理された。その後、山岸は管理人として潜伏し、新たな獲物を待ち続けていた。
麻子が真相に気づいた時、背後から忍び寄る気配があった。振り返ると、山岸が白いワンピースを手に立っていた。しかし、その瞬間、階段の影から複数の黒い人影が現れ、山岸に襲いかかった。それは、犠牲となった女性たちの怨念だった。
翌日、山岸の遺体が踊り場で発見された。事故死として処理されたが、その表情は深い恐怖に歪んでいたという。
それから一年後、マンションには新しい住人が引っ越してきた。階段の踊り場に立つと、今でも誰かの気配を感じることがあるという。それは、過去の悲劇を見守る者たちの存在なのかもしれない。
文字数 16,591
最終更新日 2025.02.08
登録日 2025.02.06
「この刃は、女子供を斬ってはおらぬ――」
時は文久三年。山陰の小藩、三万二千石の伊砂見藩。城下の西町職人町で、ただ一人の藩抱え砥ぎ師として生きる青年、浅葱十郎太。彼には、亡き父から受け継いだ類まれなる眼力があった。刀身に残された微細な傷、血脂の拭い跡、研ぎ減りの具合といった痕跡から、使用者の太刀筋や手入れの癖、斬った対象までも精緻に読み解く、究極の職人技「刃文読み」である。
ある日の明け方、十郎太の元に持ち込まれた一振りの刃。時を同じくして、城下では筆頭家老の弟が暗殺されたという瓦版が飛び交い、不穏な空気が立ち込めていた。やがて十郎太は、藩からの内々の依頼によって、下手人が使ったとされる脇差を研ぐことになる。しかし、静けさに包まれた研ぎ場でただ一人、蝋燭の灯りを頼りに刀身に向き合った十郎太は、そこにあるはずのない微かな痕跡から、事件における致命的な矛盾を読み取ってしまう。
真実を隠蔽しようとする藩政の暗部が蠢く中、十郎太の周囲もにわかに騒がしくなっていく。密かに男装して夜廻りをする幼馴染の女剣士結花。裏の顔を持つ謎めいた呉服問屋の女主人鵲。そして、九年ぶりに姿を現した脱藩浪人である兄弟子、月城九郎兵衛。それぞれの思惑と過去が複雑に絡み合う中、十郎太の推理は、一人の侍の単なる暗殺事件という枠組みを超えて、伊砂見藩の全体を激しく揺るがす深い闇へと繋がっていく。
それは同時に、十年前に不審な死を遂げた研ぎ師の父と、忽然と姿を消した母の過去に直面することでもあった。権力者たちが刀を振るって隠そうとした真実を、ただ黙々と刃を研ぐことで暴いていく十郎太。亡き父の遺言を胸に秘め、決して自らは刀を抜かずに戦う職人の姿を描いた歴史ミステリー。神聖な研ぎ場から、幕末の動乱を映し出す真実の波紋が広がっていく。
文字数 5,750
最終更新日 2026.06.14
登録日 2026.05.31
【休止中】
『生み出す能力』と『操作する能力』の2つの能力が存在する世界。
本来なら10歳までに能力が覚醒するはずだが、白河空太は18歳になっても無能力のままだった。
無能が原因で虐められる中、妹である16歳の白河天音に助けてもらった後、事件が起きる。
異形の化け物達の侵略。
異形共に世界が破壊し尽くされる中、無能は生き延びることが出来るのか。
文字数 66,468
最終更新日 2019.05.27
登録日 2019.02.18
■■ シリーズ情報 ■■
東京都は新宿区、神楽坂。
お洒落で、どこかフランスに雰囲気が似ているとか似ていないとかいわれる坂の街。そのメインストリートを脇の横丁に、怪しく古いゴシック風洋館があった。
――『神楽坂怪奇調査コンサルタント事務所』――
横文字を使ってかっこつけているが胡散くささを隠せていない、摩訶不思議で奇想天外、怪しくも奇妙な事件を国内外や洋の東西問わず、時には異世界の世界線や時空を越えて扱う事務所である。
そんな事務所にいるメンツのこと――チートクラスにしてリボ払い式という諸刃の妖力を持ち、なおかつ見た目は美女にして性格クズの妖狐・神楽坂文。それから下僕の二人のダメ人間――陰湿で人間嫌いでナルシストの天パの中年男の綾羅木定祐と、一般ピープルを自認するも“こんなところ”にいる時点で充分変人なドジッ子の上市理可。
今日も彼らは怪しく胡散くさい事件に、協調性なく他力本願的、かつ怠惰でいい加減に解決するべく奮闘するのである。
■■ 主な登場人物 ■■
● 神楽坂文(かぐらざか・ふみ)
事務所副所長の肩書を持つ妖狐。
北川景子似の美女の外見にして、性格はクズでキモキャラ。声色は子安武人似。
チートクラスの力を持つも、その妖力はリボ払い式。
● 綾羅木定祐(あやらぎ・ていすけ)
事務所所長の中年男。
人間嫌いで仕事嫌いのダメ人間。
● 上市理可(かみいち・りか)
事務所助手。
武田玲奈似の20代女子。
文字数 13,652
最終更新日 2021.11.16
登録日 2021.11.12
文字数 2,387
最終更新日 2023.06.04
登録日 2023.06.04
殺かし:読み「あやかし」。人間の殺意を養分とする怪異。普段は殺意を吸い取ることにより、対象となった人間の殺人行為を未然に防ぐ益怪だが、時々気に入った殺意があると大きく育てようとするため、害怪とも言える。
そんな殺かしの存在を察知し、対処できる能力持ちの探偵・奥野が、殺かしに憑かれて害をなそうとする恐れのある人々を救う。
文字数 2,810
最終更新日 2025.01.04
登録日 2024.12.31
20××年、日本。
巷では全国で発生する連続不審死事件が話題になっていた。
しかし、そんなことは盛岡勇希(モリオカ ユウキ)にはどうでも良い。何故なら、彼は今から死のうとしているのだから。
勇希が首を吊ろうとした瞬間、突然腹に鈍い痛みが走った。そのまま吹き飛ばされた勇希が顔を上げると、目の前に見知らぬ男の姿が──
「俺の死に場所、勝手に取らないでくれる?」
この時から、勇希は怪事件の裏にある、人を喰らう化物──通称「死に変る者」の存在を知り、ある組織の陰謀に巻き込まれていく……。
死に変る者を作った組織の目的、そして、それと繋がっているかもしれない勇希の兄が失踪した事件の謎。
全てを明らかにするべく、勇希は“死にたがり”と共に組織と戦うことを決意する!
ネガティブ系化物討伐アクション、ここに開幕!
登録日 2016.06.07
『大切にされたものには魂が宿る』
ぬいぐるみたちの声を聞く少女アリスは、ぬいぐるみネットワークを使い様々な事件を解決する。
【一章】
一人暮らしを始めた圭介は、毎日夢で泣き叫ぶクマのぬいぐるみのせいで寝不足になっていた。心配した友だちの紹介で、「アリスのぬいぐるみ専門店」に相談することに。
【二章】
久しぶりにぬいぐるみ店を訪れた圭介は、流れでアリスたちの仕事の手伝いをすることに、そこで血の繋がりのない三人がぬいぐるみ店を始めた訳を知る。
そしてぬいぐるみを届けるだけの手伝いは、目の前で受取人が誘拐されたことで、事件へと変わっていく。
カクヨムで掲載してる『アリスのぬいぐるみ専門店』改稿版
文字数 83,874
最終更新日 2022.01.07
登録日 2021.12.28
男子高校生の立川アスカは、ある日いきなり風紀委員のメンバー(ドエスキャラの研坂、自由な性格の水橋、癒し系のフミヤ)に囲まれ、風紀委員になる事を強要される。
普通の風紀委員だと思って入ったのだが、実は風紀委員の仕事は、学校内の人ではないモノが起こす現象を解決したり、静観したりする事だった。
アスカはそこで初めて自分が他の人間とは違い、「人ではないモノ」を見る能力が強い事に気づかされる。
アスカには子供の頃のあやふやな記憶があった。それは誰かが川に落ちる記憶だった。けれど誰が落ちたのか、そのあとその人物がどうなったのかアスカは覚えていなかった。
人の周りを飛び回る美しい蝶や、校舎の中を飛行する鳥、巨大キノコの出現や、ツタの絡んだ恋人同士、薔薇の花を背負った少女、ヘビの恩返しに、吸血鬼事件、さまざまな事件を風紀委員メンバーと解決していくアスカ。
アスカは過去の記憶についても、人ではないモノが関係していたのではないかと考えだす。
アスカの思い出した過去とは……。
(ミステリー要素ありの基本ほのぼのギャグです)
文字数 108,290
最終更新日 2022.01.19
登録日 2021.12.15
西川健介、降谷一真、雪城明美、太田悠馬、本間友梨奈、相川友葉の六人で構成されたYouTuberグループ『ヨナス』。
順調に活動をしていたが、ある時期を境にメンバーの友葉に異変が生じる。
良く物を落とす。何もない道で躓く事が増えた。彼女の異変を認識した『ヨナス』は、友葉を病院へ連れて行った。その結果、彼女が脊髄小脳変性症である事が発覚する。
突然の悲報に混乱するメンバーだったが、リーダーである健介を中心になんとか前を向いた。
しかし、その矢先に彼女が誘拐されるという事件が起きる。
犯人からの電話を受けた健介達は仲間を取り戻す為、指定された施設に向かうが、そこでは未知なる困難が待ち受けていた——。
犯人により開催された過酷な『実験』。その目的は何なのか。友葉の未来は。人間の極限状態をテーマにした、信頼と死の物語。
文字数 133,249
最終更新日 2022.02.28
登録日 2022.02.28
『という事で、本日てめぇの晩飯はなしだ』
『なんでやねん!』
いつもの夫婦漫才の流れで放った強力なツッコミが原因で妻は死んだ。
と思ったら、妻は最後の力を振り絞り血文字を残し始めた。
――これ、殺人事件になるのか?
登録日 2022.04.19
外国で旅行中、とある事件に巻き込まれて流れ弾を喰らったサバゲーの天才、久本国忠30歳は異世界に転生を果たす。
そんな彼に宿ったユニークスキルは最弱と謳われた「創造スキル」だった。
その効果は「自分の知りうる知識の中ならばすべての物を作りだせる」と言われている一見すごいスキルなのだが、学術のレベルが低く、魔法蔓延る異世界には圧倒的にいらないものとされていた。
おかげで生まれた王家から捨てられたのだが……!?
文字数 56,807
最終更新日 2022.06.10
登録日 2022.05.02
理論物理学の大学に通う池上は、4年生になり研修室に所属していた。
研究室のメンバーと仲良く過ごしていた池上であった。
ある日、池上は期末試験のために勉強をし始めたが、大事なノートを研究室に忘れていることに気づく。
休日でもあったが、勉強のためにノートを取りに自分の研究室に向かう。
だが、そこには研究室のメンバーと准教授が、変わり果てた姿になっていた。
そして、そこは不思議な格好の姿をした女子高生がいた。
池上は、声をかけるが、女子高生は逃げてしまう。
逃げる彼女を池上は追いかけるのであった・・・。
次々に現れてくる不思議な女の子たち。
女の子達の哀れな過去と、今の不思議な姿を結びつける秘密とは何なのか。
残虐な殺人事件の裏に隠れる真実とは何なのか。
様々な不運、不幸を背負い、命を無くしてしまった人達。
永遠の生命を生きている私たちに問いかける空想科学ファンタジーです。
「池上さん、さあ、彼女たちを導きましょうっ!」
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※ 4,5年前、ゲーム用に作成したシナリオを小説化しました。全てフィクションです。
※ エッチな描写は、ありませんのであしからず・・・。
※ この小説は地震、被災地についての記述があります。
熊本地震、東日本大震災などで亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災されました方々に心よりお見舞い申し上げます。
空想上のお話になりますが、不快感を覚える方もいらっしゃると思いますので、ご注意くださいますようお願い申し上げます。
※ 死をテーマにしているため、少し怖いシーンがあるかと思いますので、合わせてご注意頂ければと存じます。
※ その他、至らぬ点があれば、ご指摘頂ければと存じます。
登録日 2017.08.03