弟がいた時間(きせつ)

15年ぶりに会った”弟”は、今でもちゃんと、”弟”だった――。


土壇場で結婚がダメになった奈留。仕事も辞め、マンションの契約ももうすぐ切れるというとき、ひょんなことから”かつての弟”勇樹と偶然再会を果たす。2人は昔、親どうしの再婚、そして離婚によって、2年の間だけ姉弟だったのだ。別れたときまだ小学6年生だった勇樹は立派な青年に成長し、カメラマンになっていた。

久しぶりの再会に乾杯し、話も弾む。酔った勢いもあって、奈留は半ば強引に、勇樹が1人暮らしをしている一軒家に少しの間置いてくれるよう頼みこんだ。

次に住む所が決まるまでの短い間だけれど、また昔のように姉弟で楽しく過ごせるかもしれない―。気楽に考えていた奈留だったが、勇樹の周りには女性の影がチラついて……。


やさしくて、どこか天然で、時々ちょっと頼もしい。

そんな、奈留が知らない時間を過ごして大人になった勇樹が、抱えていたものとは―。




※「恋する弟」として掲載していた作品を改題したものです

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