「距離」の検索結果
全体で3,533件見つかりました。
高校生の千夏は橋の下で少女と待ち合わせた。
少女の方から、助けてほしいと千夏を頼ったのだった。
千夏は生命を奪った生き物のみ発する殺意の臭いを、少女から強く感じ取っていた。母親からの虐待に耐えられなかった少女は、千夏に電話をする以前にすでに自身に芽生えた殺意を肯定し、人を殺していた。
千夏はもう助けることができないと告げ、さらにその罪を背負わなければならない現実と少女を向き合わせる。
生きることに未練の薄い少女は言葉を受け入れ、持ち寄った母親の右腕と共に橋の下に埋められた。
少女にとって母親の右腕は、頬を撫でる優しさの象徴でもあった。
千夏には二歳上の兄がいた。
兄は殺意を肯定した場合の殺人被害者の遺体が消失することを知り、殺人事件が行方不明事案として処理されること、ひいては社会基盤の脆弱さを憂いていた。
兄は実験的に動物を殺めることで殺意の臭いをかぎ分けた。
家族想いの優等生、兄という表の顔を崩さないまま、自らの嗅覚を頼りに平然と生き続ける殺人者に正義を通し、死の裁きを与えた。
兄が家にいないとき、決まって街で事件が起きた。だが千夏は、兄の非情な本質に気付きながらも、距離を置いていた。
それから一年後、千夏は兄から離れた街へと呼び寄せられた。
地下で蹲る兄の腹には血が滲み、自分で刺したと事の顛末を打ち明けた。
この街の減らない殺意に絶望し、誰もいなくなってしまえばいいと、極端に考えるようになり、いつしか自身からも忌み嫌う殺意の臭いがした。
自らの殺意を晴らすためなら、まず家族を殺める。愛情や理性を無くした兄は、自身がリスクの軽減と効率性を重視して動く人間だと冷静に客観視することもできていた。
兄は呼び寄せた千夏を殺さないよう自身の腹を三度刺した。
血濡れたナイフを受け取れない千夏に、兄は「俺みたいにならないように、続けて欲しい」と告げ、静かに消えていった。
千夏の手にはナイフと、兄の温もりだけが残った。
文字数 22,175
最終更新日 2026.06.10
登録日 2026.06.10
「もし、相手の“気持ち”をスライダーで調整できたら──?」
高校二年の佐伯玲奈は、ある日スマホに見知らぬアプリ《Emotion Mixer》を見つける。
そこにはクラスメイトの名前と、“好意”“信頼”“怒り”などの項目。
しかも、フェーダーを動かすと相手の態度が本当に変わるらしい!?
最初はウザい同級生の好意を下げて遊んでいただけだった。
けれど、片思いの彼・湊くんの“好意”を上げていくうちに、
彼の瞳の奥が、少しずつ……おかしくなっていった。
上げるたびに距離が近づく。
でも、もうフェーダーは灰色で――戻せない。
ラブコメ×サイコサスペンス×青春ホラー。
文字数 9,029
最終更新日 2025.10.25
登録日 2025.10.23
隣の隣人?奇人?変人?宇宙人?
東京に出てきて、最初に覚えた言葉は「家賃」だった。
山村花子、十八歳。
田舎から逃げるように上京し、手に持っていたのはスーツケース一つと、ほとんど中身のない通帳だけ。
「とにかく安いところでいいです。
どこでもいいので」
不動産屋でそう言った瞬間、若い社員の顔がピタリと固まった。
パソコン画面を見つめ、キーボードに指を置いたまま、数秒。
数十秒。
やがて小さく咳払いをする。
「……安い、ですか」
花子はうなずいた。
「多少古くても、狭くても大丈夫です。
寝られればいいので」
社員は困ったように眉を下げ、首をかしげた。
そのときだった。
「――一軒だけ、あるぞい」
背後から、しわがれた声がした。
振り返ると、いつの間に立っていたのか、小柄な爺さんが一人。
不動産屋の制服でもなく、客にも見えない。
まるで、そこに最初からいたかのような顔をしていた。
「家賃五千円じゃ」
「……は?」
思わず声が漏れる。
社員も同時に振り返り、驚いた顔をした。
「い、いや、その物件は……」
「空いとる。
住めるかどうかは、本人次第じゃがな」
爺さんは、にやりとも笑わず、ただそう言った。
数十分後。
花子は、爺さんの案内で、都心から少し外れた場所に立っていた。
すんげー木造。
壁は歪み、廊下は軋み、今にも倒れそうな二階建てのアパート。
正直、見た瞬間、帰りたくなった。
――でも。
「家賃、月五千円」
その一言で、すべてがどうでもよくなった。
こうして、花子はそのアパートに住むことになった。
後になって、気づく。
このアパートには、奇妙なことが一つだけある。
隣人は変わらない。
隣の隣人が、毎回変わる。
昨日までいたはずの人が、翌日にはいない。
知らない顔が、何事もなかったように住んでいる。
なのに、誰に聞いても言うのだ。
「え?
隣の隣人?
最初から、そんな人いましたっけ?」
花子はまだ知らなかった。
――この距離が、一番おかしいということ
文字数 1,164
最終更新日 2026.02.07
登録日 2026.02.07
※此方は、『アゲハ舞い飛ぶ さくら舞い散る』で登場する二人のパラレル設定となっております。
※これ単体でも楽しめます。
⭐︎『聖なる夜』[完]
恋人達が集まる中、竜一と2人で大きなクリスマスツリーを見に行く事になり…
⭐︎『大晦日の夜』[完]
僕と竜一、そして幼馴染の夏生の3人で、初詣の列に並んでいると…
──『除夜の鐘』夏生ver.[完]
⭐︎『さくら色のバレンタイン』[完]
偶然、見てしまった。竜一が、バレンタインチョコを受け取っている所を……
──『violenceなValentine』夏生ver.[完]
⭐『6年越しの雛祭り』[完]
夏生のお姉さんに誘われて、6年ぶりに雛祭りのパーティーに参加する。幼い僕を引き連れて…… ──『越えられない一線』夏生ver.[完]
⭐『夜に咲く花 散る桜』[完]
雛祭りパーティー以降、何となく感じていた竜一との距離。春休みに入って、久し振りに夜桜を見に行った先で……
文字数 53,054
最終更新日 2025.08.07
登録日 2023.02.06
5年前。
わずか地球と月との半分程度。20万キロの距離をかすめて、飛び去った彗星。
その直径は数キロと予測され公転周期は数万年。
その彗星は、氷のコアから、何かを地球に振りまき、静かに去っていった。
太陽方向から来たため、発見が遅れ。
それはそれで、大騒ぎとなったが、その後……。
予測もしなかった、事態が起こり始める。
その事態は、些細なもの。
生きとし生けるものの、強制進化。
僕。斉藤総(さとし)高校2年生。
身長171cm。
成績並びに運動は中の下。
カテゴリーは、モブである。
顔は、悪くないと思うが、世間は僕と美的感覚が違うのだろう。
まだプロット作成中。ですが、今のところ完全ラブコメですね。
不定期更新。
文字数 98,191
最終更新日 2023.08.01
登録日 2023.05.30
男爵令嬢ミナは実家が貧乏で騎士団の事務員と騎士団寮の炊事洗濯を掛け持ちして働いていた。ミナは騎士団長オレンに片想いしている。バレないようにしつつ長年真面目に働きオレンの信頼も得、休憩のお茶まで一緒にするようになった。
ある日、謎の香料を口にしてミナは魔法が宿る眼、魔眼に目覚める。魔眼のスキルは、筋肉のステータスが見え、良い筋肉が目の前にあると相手の服が破けてしまうものだった。ミナは無類の筋肉好きで、筋肉が近くで見られる騎士団は彼女にとっては天職だ。魔眼のせいでクビにされるわけにはいかない。なのにオレンの服をびりびりに破いてしまい魔眼のスキルを話さなければいけない状況になった。
全てを話すと、オレンはミナと協力して魔眼を治そうと提案する。対処法で筋肉を見たり触ったりすることから始まった。ミナが長い間封印していた絵描きの趣味も魔眼対策で復活し、よりオレンとの時間が増えていく。片想いがバレないようにするも何故か魔眼がバレてからオレンが好意的で距離も近くなり甘やかされてばかりでミナは戸惑う。別の日には我慢しすぎて自分の服を魔眼で破り真っ裸になった所をオレンに見られ彼は責任を取るとまで言いだして?!
※結構ふざけたラブコメです。
恋愛が苦手な女性シリーズ、前作と同じ世界線で描かれた2作品目です(続きものではなく単品で読めます)。今回は無自覚系恋愛苦手女性。
ヒロインによる一人称視点。全56話、一話あたり概ね1000~2000字程度で公開。
前々作「訳あり女装夫は契約結婚した副業男装妻の推し」前作「身体強化魔法で拳交える外交令嬢の拗らせ恋愛~隣国の悪役令嬢を妻にと連れてきた王子に本来の婚約者がいないとでも?~」と同じ時代・世界です。
※小説家になろう、ノベルアップ+にも投稿しています。※R15は保険です。
文字数 106,026
最終更新日 2024.06.09
登録日 2024.04.21
この恋愛短編小説は、互いに不器用で遠回りをしてきた二人の恋の始まりを描いています。主人公(僕)は、真由子という女性に対して深い思いを抱きながらも、その気持ちを上手く伝えられず、距離を置こうとします。一方、真由子も主人公を避けるような態度を取りますが、実は彼女も主人公に対して同じような思いを抱いていたことが明らかになります。最終的に、二人はお互いの気持ちを素直に認め合い、少しずつ前進することを決意するのです。
文字数 946
最終更新日 2025.01.18
登録日 2025.01.18
――茶番だなと思うことがよくある。そんな穂足ゆうは、ややブラック気味の会社で経理をしている、アラサー女子社員である。
仕事にも人生にも嫌気が差しているのに、そこから抜け出すことができない。家族とは疎遠で、恋人もない。晩酌はいつもひとりで、それが当たり前になっていた。
そんな ゆう の後輩で、同じ経理課所属の八鍬みさき。ゆう より二歳下の彼女は、人当たりがよく、仕事もでき、容姿も整っている。気配りもできる八鍬を、ゆうは頼もしくも羨ましく思い、距離を保ったまま、先輩と後輩の関係を続けていた。
月末の最終営業日の金曜、午後九時。ゆうは八鍬にふたりだけで呑みにいかないかと誘われた。普段なら絶対に受けないお誘いを断りきれず、連れて行かれた茹でタンのお店で、まさかの八鍬の退職予定を告げられた。おまけに別れ際にキスされて――。
◆
退職宣言からはじまるかもしれない、恋愛経験なしのアラサー女子ふたりの新しい関係のお話です。
別名でピクシブに公開していたものを転載。
文字数 19,366
最終更新日 2020.03.15
登録日 2020.03.13
「雨の日の出会い」というタイトルで、恋愛小説を書きました。物語は、電車で出会った女性が、隣に座った男性に一目惚れし、毎日同じ電車に乗って会うようになるところから始まります。ある日、雨に降られた二人は手をつないで歩き、お互いに気持ちを自然と確認するようになります。遠距離恋愛を経て、男性が彼女にプロポーズするというハッピーエンドで終わるストーリーです。雨の日の偶然の出会いが二人を結びつけ、幸せな結婚生活を送ることになったという、ちょっぴりロマンチックな内容です。
文字数 433
最終更新日 2023.05.09
登録日 2023.05.09
古代中国、戦国時代。趙は隣国であり大国である秦に攻められていた。
そして時は二〇二〇年。東京の私立高校に通う藺はある日突然中国の将軍の記憶がなだれ込んできていた。これを機に、ハツラツとした性格の幼馴染の廉花との距離が縮まっていく。
作者が初めててがける百合作品。お手柔らかにお読みください。
文字数 5,402
最終更新日 2020.02.14
登録日 2020.02.14
高校時代までを勉強漬けで犠牲にしてきた友之は、サークル勧誘のお姉さんがタイプだったという理由だけで、現役部員はそのお姉さんひとりというサイクリングサークルに入部してしまう。
基礎体力のトレーニング、自転車整備、テント設営・・・そんな日常のレッスンの末に迎えた、ゴールデンウィークの長距離サイクリング。そこで、お姉さん部長からの特別レッスンが・・・?
※作者は自転車系はもちろん、サークルや部活動とは無縁に過ごしてきました(中・高時代に図書委員をしていたくらい)。だからサークル内の描写について「?」と思われる方もいるかも知れませんが、「こういうサークルもあるんだ」と目をつむってください。多様性の時代だから。
文字数 14,907
最終更新日 2024.04.20
登録日 2024.04.17
時は江戸。九尾狐の曙は日々、人々の生活に溶け込み、人の世を無為に眺めて暮らしていた。だがある日、曙は売れない浮世絵師の淀屋庄助に出会う。不器用ながらも夢を追い続ける庄助の姿に曙は少しづつ惹かれていき、いつしか彼の夢を応援するようになる。庄助の夢に協力する度に二人の距離は縮まっていくが、相容れぬ妖と人間という立場によって二人の関係に暗雲が立ち込める。二人はこの世の荒波を乗り越えられるのか。
優しく前向きな浮世絵師×面倒見のいい流離の九尾の狐
文字数 14,026
最終更新日 2026.06.21
登録日 2026.03.22
普通の進学校に通う高2のケンは顔も普通、運動神経も普通、成績も普通とごく平凡な人間であった。
しかし彼には一族代々受け継がれし使命があった。それは神子を守ること。そのために、現神子のナツミと同じ高校に入学したのだが当の本人は自分が神子という事実を知らない。
それゆえ陰ながらナツミを守るケンだったが、だんだんとナツミに惹かれて行くケン。しかし従者の家系であるケンとナツミの恋は本来あってはならないもの。しかしある事件をきっかけに2人の距離は急接近し…??
文字数 6,269
最終更新日 2020.01.14
登録日 2019.02.16
戦場に聖女として派遣されてましたが、終戦と同時に婚約者に捨てられました。
文字数 1,403
最終更新日 2022.04.30
登録日 2022.04.30
秘密というのは厄介だ。
隠し通すには彼らとの距離は近過ぎて。
とりあえず、婚期を逃したくないから魔王退治を頑張る三十路主人公のお話。
全体的にふわっと進みます。色々ふわっとしています。終わり方もふわっとしています。ジャンルは恋愛ですが糖分は少なめ。というか、え?砂糖入ってる?レベルなのであしからず。
ーーを改善したい加筆修正を行う予定。
小説家になろうからの転載。
文字数 17,688
最終更新日 2025.09.04
登録日 2020.08.12
幼稚園の頃から、毎朝一緒に坂を登ってきた。
それが当たり前だった晃次と小夜子。
高校三年の春、文化祭の準備が始まり、二人の距離にわずかな変化が生まれる。
実行委員として走り回る小夜子。
裏方に回る晃次。
帰り道がずれる日。
歩幅が合わない階段。
視線だけが交わる瞬間。
言葉にしないまま、関係は少しずつ形を変えていく。
「兄貴みたいな顔で隣にいるの、やめる」
「じゃあどうするの?」
告白はしない。
それでも位置は変わる。
坂のむこうで、二人は並ぶ。
幼馴染が“ただの幼馴染”でいられなくなるまでを描く、
静かな高校生恋愛小説。
文字数 5,135
最終更新日 2026.02.16
登録日 2026.02.16