「鹿」の検索結果
全体で2,445件見つかりました。
筆頭聖女の私にはルカという婚約者がいる。教会に入る際、ルカとは聖女の契りを交わした。会えない間、互いの不貞を疑う必要がないようにと。
最初は順調だった。燃えるような恋ではなかったけれど、少しずつ心の距離を縮めていけたように思う。
けれど、ルカは高等部に上がり、変わってしまった。その背景には二人の男女がいた。マルコとジュリア。ルカにとって初めてできた『親友』だ。身分も性別も超えた仲。『親友』が教えてくれる全てのものがルカには新鮮に映った。広がる世界。まるで生まれ変わった気分だった。けれど、同時に終わりがあることも理解していた。だからこそ、ルカは学生の間だけでも『親友』との時間を優先したいとステファニアに願い出た。馬鹿正直に。
そんなルカの願いに対して私はダメだとは言えなかった。ルカの気持ちもわかるような気がしたし、自分が心の狭い人間だとは思いたくなかったから。一ヶ月に一度あった逢瀬は数ヶ月に一度に減り、半年に一度になり、とうとう一年に一度まで減った。ようやく会えたとしてもルカの話題は『親友』のことばかり。さすがに堪えた。ルカにとって自分がどういう存在なのか痛いくらいにわかったから。
極めつけはルカと親友カップルの歪な三角関係についての噂。信じたくはないが、間違っているとも思えなかった。もう、半ば受け入れていた。ルカの心はもう自分にはないと。
それでも婚約解消に至らなかったのは、聖女の契りが継続していたから。
辛うじて繋がっていた絆。その絆は聖女の任期終了まで後数ヶ月というところで切れた。婚約はルカの有責で破棄。もう関わることはないだろう。そう思っていたのに、何故かルカは今更になって執着してくる。いったいどういうつもりなの?
戸惑いつつも情を捨てきれないステファニア。プライドは捨てて追い縋ろうとするルカ。さて、二人の未来はどうなる?
※曖昧設定。
※別サイトにも掲載。
文字数 78,190
最終更新日 2024.08.01
登録日 2024.07.18
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
文字数 17,631
最終更新日 2024.05.10
登録日 2024.04.27
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
文字数 13,992
最終更新日 2023.03.25
登録日 2023.03.25
「王太子デニス・ハイランダーは、罪人メリッサ・モスカートとの婚約を破棄し、新たにキャロルと婚約する!」
わたくしはメリッサ、ここマーベリン王国の未来の王妃と目されている者です。
ところが、この国の貴族どころか、各国のお偉方が招待された立太式にて、馬鹿四人と見たこともない少女がとんでもないことをやらかしてくれました。
驚きすぎて声も出ないか? はい、本当にびっくりしました。あなた達が馬鹿すぎて。
※話自体は三人称で進みます。
文字数 12,517
最終更新日 2017.08.25
登録日 2017.07.30
次期侯爵のエステルは、3年前に結婚した夫マークとの離婚を決意した。
マークは優しいがお人好しで、度々エステルを困らせたが我慢の限界となった。
このままマークがそばに居れば侯爵家が馬鹿にされる。
夫を捨ててスッキリしたお話です。
文字数 4,236
最終更新日 2023.04.18
登録日 2023.04.18
「俺は、お前の様な馬鹿な女と結婚などするつもりなどない。だからお前と婚約するのは、表面上だけだ。俺が22になり、王位を継承するその時にお前とは婚約を解消させてもらう。分かったな?」
お見合いの場。二人きりになった瞬間開口一番に言われた言葉がこれだった。
初対面の人間にこんな発言をする人間だ。好きになるわけない……そう思っていたのに、恋とはままならない。共に過ごして、彼の色んな表情を見ている内にいつの間にか私は彼を好きになってしまっていた――。
好き……いや、愛しているからこそ、彼を縛りたくない。だからこのまま潔く消えることで、婚約解消したいと思います。
******
・感想欄は完結してから開きます。
文字数 77,800
最終更新日 2026.03.05
登録日 2020.09.25
26歳社畜喪女の湯川 瀬奈(ゆかわ せな)のストレス発散方法は、大人のおもちゃでひとりえっちすること。
連日の残業明けでストレス限界突破寸前の瀬奈は、自分へのご褒美に新しいおもちゃを買おうと行きつけのアダルトショプへ。商品棚を物色していると【店長おすすめ吸引バイブ】のPOPが目に入る。だが瀬奈はそれをすでに持っていて、威力が強過ぎて痛いだけだったため、試しに使った程度でお蔵入りにしていた。
吸引バイブを恨みを込めて睨んでいると、そこへ顔馴染みのちょい悪イケおじ店長の久下 雅哉(くげ まさや)が声を掛けてくる。瀬奈は久下に密かな恋心を抱いていた。
瀬奈が吸引バイブについて酷評をいうと、久下は笑いながら「あんたの使い方が下手なだけだ」とからかった。これにおもちゃ歴の長い瀬奈はカチンときて、つい「久下さんは使ったことないからわからないんでしょ」と言い返してしまう。
するとさっきまでヘラヘラした態度だった久下が真顔になり、すぐニヤリと意地悪な笑みを浮かべ「じゃあ瀬奈ちゃんで使わせてよ。イキ過ぎてマ◯コ馬鹿になるくらい良くしてあげる」と、すぐに店を閉め、瀬奈を店の奥にある自室へと誘った。目が笑っていない。
久下の雰囲気に呑まれたのと、実は前から久下のことを意識していて何度かひとりえっちのオカズにしていたこともあって、瀬奈は久下の挑発に乗ってしまう。だがそれが、ある意味瀬奈が願った幸せな快楽地獄のはじまりだともしらずにーー。
エロメイン。快楽堕ち。強引だけど愛も有り。
エロシーンは※ついてます。
※2/14 現在※
8話目改稿の上、再びアップしました!もう変えません!
よろしくお願いします!
文字数 64,253
最終更新日 2026.02.28
登録日 2026.01.29
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます
文字数 2,332,143
最終更新日 2026.01.31
登録日 2017.04.11
「グラツィア・レピエトラ侯爵令嬢この場をもって婚約を破棄する!!」
何言ってんだこの馬鹿。
いけない。心の中とはいえ、常に淑女たるに相応しく物事を考え…
「貴女の様な傲慢な女は私に相応しくない!」
はい無理でーす!
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
サラッと読み流して楽しんで頂けたなら幸いです。
※物語の背景はふんわりです。
読んで下さった方、しおり、お気に入り登録本当にありがとうございました!
文字数 6,161
最終更新日 2020.08.21
登録日 2020.08.19
学園生活も残りわずかとなったある日、アリスは婚約者のフロイドに中庭へと呼び出される。そこで彼が告げたのは、「君に愛はないんだ」という残酷な一言だった。幼いころから将来を約束されていた二人。家同士の結びつきの中で育まれたその関係は、アリスにとって大切な生きる希望だった。フロイドもまた、「君を幸せにする」と繰り返し口にしてくれていたはずだったのに――。
文字数 11,009
最終更新日 2025.05.25
登録日 2025.05.25
「まぁ、婚約者なんてそれなりの家格と財産があればだれでもよかったんだよ。」
2か月前に婚約した彼は、そう友人たちと談笑していた。
そうですか、誰でもいいんですね。だったら、私でなくてもよいですよね?
最初、この馬鹿子息を主人公に書いていたのですが
なんだか、先にこのお嬢様のお話を書いたほうが
彼の心象を表現しやすいような気がして、急遽こちらを先に
投稿いたしました。来週お馬鹿君のストーリーを投稿させていただきます。
お読みいただければ幸いです。
文字数 5,385
最終更新日 2021.08.06
登録日 2021.08.06
ローラ・ケレットは幼馴染のクレアとパーティーに参加していた。
すると突然、厄介令嬢として名高いジュリーに絡まれ、ひたすら金持ち自慢をされる。
ローラは黙って堪えていたが、純粋なクレアはついぽろっとジュリーのドレスにケチをつけてしまう。
それを聞いたローラは顔を真っ赤にし、今度はクレアの婚約者を馬鹿にし始める。
そしてジュリー自身は貴公子と名高いアイザックという男と結ばれていると自慢を始めるが、騒ぎを聞きつけたアイザック本人が現れ……
※短い……はず
文字数 17,846
最終更新日 2021.06.14
登録日 2021.06.01
【書籍第4巻が発売されました!】
謎の異世界人たちの侵略、そしてリュークの過去やスマホの秘密が明らかになっております。
蓮禾先生のイラストも素晴らしいので、是非ご覧になっていただけると嬉しいです。
4巻をもちまして物語は完結となりますので、今後はコミカライズをよろしくお願いいたします。
【コミックス第3巻発売中です!】
グリムラーゼ王女を救うため、リュークが王国最強魔導士ラスティオンに挑みます!
可愛いオマケ漫画も2本載っていますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。
【2024年10月23日コミカライズ開始!】
『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』のコミカライズが連載開始されました!
颯希先生が描いてくださるリュークやアニスたちが本当に素敵なので、是非ご覧になってくださいませ。
【ストーリー紹介】
幼い頃、孤児院から引き取られた主人公リュークは、養父となった侯爵から酷い扱いを受けていた。
そんなある日、リュークは『スマホ』という史上初の『Xランク』スキルを授かる。
養父は『Xランク』をただの『バツランク』だと馬鹿にし、リュークをきつくぶん殴ったうえ、親子の縁を切って家から追い出す。
だが本当は『Extraランク』という意味で、超絶ぶっちぎりの能力を持っていた。
『スマホ』の能力――それは鑑定、検索、マップ機能、動物の言葉が翻訳ができるほか、他人やモンスターの持つスキル・魔法などをコピーして取得が可能なうえ、写真に撮ったものを現物として出せたり、合成することで強力な魔導装備すら製作できる最凶のものだった。
貴族家から放り出されたリュークは、朱鷺色の髪をした天才美少女剣士アニスと出会う。
『剣姫』の二つ名を持つアニスは雲の上の存在だったが、『スマホ』の力でリュークは成り上がり、徐々にその関係は接近していく。
『スマホ』はリュークの成長とともにさらに進化し、最弱の男はいつしか世界最強の存在へ……。
どん底だった主人公が一発逆転する物語です。
※別小説『ぶっ壊れ錬金術師(チート・アルケミスト)はいつか本気を出してみたい 魔導と科学を極めたら異世界最強になったので、自由気ままに生きていきます』も書いてますので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。
文字数 603,704
最終更新日 2026.03.09
登録日 2022.10.19
婚約者には、自慢の可愛い妹が居る。
そんな妹と比較し馬鹿にしてくる彼に、嫌気が差した私は…?
文字数 1,567
最終更新日 2022.07.24
登録日 2022.07.24
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。
彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。
公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。
しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。
だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。
二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。
彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。
※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。
文字数 155,455
最終更新日 2026.03.16
登録日 2024.10.01
「エデワール・ミッシャ令嬢!貴方にはさまざな罪があり、この場での婚約破棄と国外追放を言い渡す!」
とある夜会の中で引き起こされた婚約破棄。
その彼らの様子はまるで……
「茶番というか、喜劇ですね兄さま」
「うん、周囲が皆呆れたような目で見ているからな」
思わず漏らしたその感想は、周囲も一致しているようであった。
これは、そんな馬鹿馬鹿しい婚約破棄現場での、傍観者的な立場で見ていた者たちの語りである。
「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹でもあります。
文字数 9,514
最終更新日 2018.01.24
登録日 2018.01.24
ヒロイン気取りの令嬢が、王女の婚約者である他国の王太子を籠絡した。
婚約破棄の宣言に、王女は嬉々として応戦する。
お花畑馬鹿ップルに正論ぶちかます系王女のお話。
※タイトルに「ヒロイン」とありますが、ヒロインポジの令嬢が登場するだけで、転生物ではありません。
※恋愛カテゴリーですが、ざまぁ中心なので、恋愛要素は最後に少しだけです。
文字数 3,611
最終更新日 2022.03.15
登録日 2022.03.14
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
レンタル有り「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
文字数 318,148
最終更新日 2023.10.13
登録日 2022.08.12
『二時間通勤でも、青瀬町に移住した理由』
地方都市の会社に勤める、ごく普通の「俺」。
三十代で念願の注文住宅を建て、三十五年のローンを背負い、家族三人の安定した未来を予約したはずだった。だが、完璧なはずの日常が、静かに俺の精神を削っていく。朝が来るのが怖くなり、積み上げたはずの「城」が、自分を閉じ込める檻のように見え始めた。
そんな時、ふとしたきっかけで訪れたのが、深い霧と清流の町――青瀬町だった。
ただ、川の流れを見つめていたかった。けれど、俺には全てを捨て去る勇気はなかった。
「一年間だけ、試させてほしい」
建てたばかりの家を売る決断もできず、退職する勇気もない。出した答えは、職場まで片道二時間、往復四時間の過酷な通勤を受け入れる「お試し移住」だった。冬は路面が凍り、ヘッドライトの先に鹿が佇む峠道。
周囲からは「無謀だ」「逃げだ」と囁かれながらも、俺はハンドルを握り続ける。
これは、大黒柱という重圧に押し潰されそうになった一人の父親が、安定という名の執着を手放し、本当の「家族の幸せ」を不器用に選び直していく、再生の記録。
『著者より』
もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858
文字数 31,618
最終更新日 2026.02.23
登録日 2026.02.16
