「歯」の検索結果
全体で1,325件見つかりました。
魔導都市ゴルモアの社交界で、彼はこう呼ばれている。
「無能な三代目」――魔力ばかり人並外れて、魔法ひとつ使えぬ穀潰し。酒に溺れ、女に甘く、会社は執事任せ。
けれど、私だけは知っている。
夜ごと霧の街へ飛び、罪人だけを狩る無音の処刑人「ブリムストーン」
裁きの前に、奪われた者たちの名を、たったひとりで読み上げる男。
十三歳の私、クロエ・アルジェントは、そんな主のもとへ半年前に押しかけた、筆頭執事。祖父の遺した技のすべてを叩き込まれ、彼の「もう一つの顔」を支える、たったひとりの相棒である。
誰よりも強くて、誰よりも優しいこの人が、どうして無能と嗤われ続けなければならないのか。歯がゆい。歯がゆくて、仕方がない。
けれど今夜も、私は水差しを傾ける。「ご主人様。朝です。正確には、とっくに昼です」
これは、罪と灰の街に生きる、英雄ではない男と、一人の少女の物語。
登録日 2026.07.15
【エピソード】
「ママを殺したのは自分だ」
とある街の普通の家族。遥か昔に伴侶を亡くした父、陸人、長男の陽翔(はると)と次男の照(ひかる)と従兄弟の樹(いつき)の四人で暮らしている。
とても仲が良かった家族はある日を境に歯車が噛み合わなくなった。
十九年前、あの時に望まない方が良かったのか。
十六年前、止めた方が良かったのか。
残された家族は幸せなのか。
悪かったのは誰なのか。
どうすれば歯車はまた噛み合うのか。
この問題は終着するのか。
この家族を通して日々のありがたみを感じ、そして見つめ直して欲しい。
当たり前が当たり前でない人がこの世に沢山いることをわかって欲しい。
命がどれだけ重く、存在することが奇跡なのかを知って欲しい。
【コメント】
当作品に興味を持って下さりありがとうございます。こちらはある家族が必死にもがき悩むストーリーです。皆の中にわだかまっているあることに果たして正解があるのか、はたまたないのか作者自身もわからずにいます。
でも読み終えた先に何かすっきりしたり温かくなったり、明日も頑張ろうと思えればこの4人の決断と行動が少なくとも間違いがなかったのかとも思います。
どうかこの4人を応援してあげてください。
文字数 31,999
最終更新日 2025.05.13
登録日 2025.01.29
この俺の人生日記を読んでくれてありがとう。君は数々の蔵書の中から選ばれた人だね。俺の名前はアリシア、よろしくな。
風変りなこの世界で、第二の人生を歩んでいる男だ……。正確には、男の部分はこの意識だけなんだ。
外見は、誰が見ても間違えようのない、超絶可愛い美幼女だ。三歳なのに、いまだにパンツとおむつを行ったり来たりしているが、気にしないでくれ。なかなか自分の思い通りに身体が馴染まなくて、歯がゆい思いをしているんだ。
とは言え、俺は、この第二の人生が嫌いじゃないよ。成績優秀、聖女と崇められる麗しいお姉ちゃんや、大魔法を操る美人なお母さん。筋骨隆々、頭も筋肉かと思えば、頭もキレる優しいお父さん。さらに、何でもこなす綺麗なメイドさん達が周りにいるんだ。嘘みたいだが、この俺も含めて、家族全員エルフなんだぜ。
おまけに、エルフの王女様や、純潔の百合魔王様とも、お風呂に入ったり、添い寝したりと親しくさせてもらっている。
俺は、家族やたくさんの仲間に愛されながら、スクスク成長しているから、ずっとこのままで良いと思っているのさ。元の世界に帰りたいなんて、微塵も感じた事がない。
まぁ、一見平穏そうに聞こえるけど、命を狙われる危険な目にも度々遭遇したけどね。世に言う、チートだとかギフトみたいなものを俺も使えるけど、これがまた使いづらい。肝心な時しか使えない上に、命まで削ってきやがる。この力のおかげで、俺は危機を脱する事が出来たんで、文句は言えないがな。
そんな力に頼らなくても、俺は、チート級の両親の子供だ。多分、成長すればかなり有能な能力者になれると思っている。
なれなかったら? そんな先の話は分からんね。俺がどうなっていくのか、この綴られる日記に新しいページが生まれるまで、期待して待っていてくれ。あぁ、そう言えば、この日記で、俺は自分の事を気取って「自分」って呼ぶようにしているが、そこは愛嬌って事で。
おっと、そろそろ俺の女児ボディが覚めそうなんで、この辺で失礼するよ。長い俺の人生日記だけど、いろんな思いが詰まっているんだ。
君が、最後まで読んで、この俺と分かち合ってくれる事を願っているよ。
それじゃ、この先で! またな!
登録日 2020.03.13
主人公【カク】高校生。
ヒロイン【ユキ】25歳。
年の差、約10歳。
僕は、毎日が退屈で、できれば、地球は一度滅んでしまえば良いと思っている。そんな僕ではあるが、真面目に朝は高校へと登校、登校途中でコンビニに寄って月曜日発売の週刊少年漫画雑誌を立ち読みしていた。立ち読みしている最中に急にお腹が痛くなってしまい、慌ててトイレに駆け込む。お腹の痛みが治まって、外に出ようとするも開かず。しばらくして、トイレのドアは開いたが、そこに広がっていたのは荒野の真ん中に立ち尽くすコンビニであった。
店の前の自転車を拝借して、ひたすら漕いだ結果、たどり着いた歯科医院(廃墟)。そこに居た喋る黒猫ティム。彼と戯れるうちに、彼が住む町に案内してくれるというから、僕は彼についていった。
どこか見慣れた風景。古びた建物たち。僕はこの街を知っている……?
そして、山岳の中にある区域分けされた様々な場所を、僕は探検する。しかし、そこは平和な町ではなかった。僕はこの街で生き延びることができるのだろうか。そして、元の世界に帰ることができるのだろうか……
井上異世界ファンタジー第一弾(ローファンタジーです)
毎日更新(予定。時間は未定なので、毎朝チェックしてくれると助かります。ブックマークや感想を頂けると続きを書きまくる原動力になりますので、頂けたら幸いです!)
「世界には裏がある」
登録日 2016.01.04
もう若くないのに、親知らずが生えてきた
笑うしかない
ドキドキの抜歯記録です
もう一本残っているので、いつか抜くかも知れない未来の自分の為の抜歯顛末記
文字数 2,147
最終更新日 2021.06.07
登録日 2021.06.07
小説家になろうでジャンル別日間ランキング入り!
世界最強の剣聖――エルフォ・エルドエルは戦場で死に、なんと赤子に転生してしまう。
美少女のように見える少年――アル・バーナモントに転生した彼の身体には、一切の魔力が宿っていなかった。
忌み子として家族からも見捨てられ、地元の有力貴族へ売られるアル。
そこでひどい仕打ちを受けることになる。
しかし自力で貴族の屋敷を脱出し、なんとか森へ逃れることに成功する。
魔力ゼロのアルであったが、剣聖として磨いた剣の腕だけは、転生しても健在であった。
彼はその剣の技術を駆使して、ゴブリンや盗賊を次々にやっつけ、とある村を救うことになる。
感謝されたアルは、ミュレットという少女とその母ミレーユと共に、新たな生活を手に入れる。
深く愛され、本当の家族を知ることになるのだ。
一方で、アルを追いだした実家の面々は、だんだんと歯車が狂い始める。
さらに、アルを捕えていた貴族、カイベルヘルト家も例外ではなかった。
彼らはどん底へと沈んでいく……。
フルタイトル《文字数の関係でアルファポリスでは略してます》
魔力ゼロの忌み子に転生してしまった最強の元剣聖は実家を追放されたのち、魔法の杖を「改造」して成り上がります~父が老弱して家が潰れそうなので戻ってこいと言われてももう遅い~新しい家族と幸せに暮らしてます
こちらの作品は「小説家になろう」にて先行して公開された内容を転載したものです。
こちらの作品は「小説家になろう」さま「カクヨム」さま「アルファポリス」さまに同時掲載させていただいております。
文字数 142,636
最終更新日 2021.10.17
登録日 2021.07.16
沖縄県北谷町のアメリカンビレッジにあるビアガーデン付きレストランCHU♡LA Beach Gardenから始まった琉生と美海の物語。
当時大学生だったデザイナーの琉生と専門学生だった歯科衛生士の美海は北谷町のアメリカンビレッジにあるビアガーデン付きレストランのバイトで知り合う。
そして、知り合った約2ヶ月後、器用で包容力のある琉生に惹かれた美海は琉生に告白。
そして、琉生と美海は付き合う事に。
二人は順調に交際を重ね、琉生は大学を4年、美海は専門学校を3年で卒業し、美海は那覇市のクリニックで歯科衛生士になるのに対し、琉生はデザイン会社に就職するため沖縄を離れて大阪へ。
そして、二人は遠距離恋愛となる。
琉生は社会人一年目は合間を見つけてはちょくちょく沖縄に帰省し美海と会ってたものの、年数を重ねるごとに琉生は多忙になり、美海からのLINEへの返信も疎かになり、沖縄への帰省回数も減少。
徐々に二人の関係はギクシャクし始める。
そして、琉生と美海が付き合い始めて4年目。
多忙を極める琉生は会社の先輩藤堂に誘われミナミのキャバクラ店へ。
ちょうどその時、美海から琉生に電話があり、琉生は美海に浮気を疑わるなどさらの二人の関係は悪化。
やがて二人は音信不通になる。
琉生との関係に悩んだ美海は先輩比嘉の誘いを断り、一人でおしゃれ居酒屋へ。
一人カウンターで飲んでた美海は、アパレル店の店長をしているパリピ風の具志堅にナンパされる。
その具志堅がその居酒屋の店長外間と幼なじみだった事もあり、三人で和気あいあいとした雰囲気に。
その4日後に美海は具志堅に誘われて瀬長島ウミカジテラスでデート。
二人楽しい雰囲気になるものの、美海は具志堅に車で誰も居ない公園に連れて行かれ、具志堅はその車内で美海に淫らな行為をする。
具志堅がエッチ目的だったと気づいた美海は隙を見て具志堅の車から脱走。
突然のゲリラ豪雨の中泣きながら歩いて帰宅した美海は、具志堅のLINEアカウントを消去するも、エッチ目的に利用された悔しさと琉生と音信不通が続く寂しさがさらにこみあげ自宅で泣き崩れる。
数日後、心機一転しようと美海は音信不通が続く琉生に別れを切りだそうとLINEを開く。
すると、仕事を定時で終えてジュエリー店を訪れた後、帰宅した琉生から美海に電話がかかってきた。
突然の電話に驚きながらも琉生からの電話に出る美海。
二人の関係は果たして…。
文字数 19,677
最終更新日 2022.01.22
登録日 2022.01.22
総入れ歯の老令嬢、ソーイ・レーバーとオレとの婚約を、親父が酔った勢いで結んできた。しかしオレは下品で醜いソーイと結婚する気など毛頭ない。
文字数 5,756
最終更新日 2024.05.25
登録日 2024.05.22
古びた廃墟が好きな私は、大学時代の先輩と、社会人になってからも一緒に旅して、廃墟を巡っていました。
その日は、バブル崩壊の煽りを受けて、造りかけのまま放置された、巨大公園の廃墟に潜入しました。
すると、先輩は「さっちゃんだ、さっちゃんの声だ」と言って、ドンドン歩いていきます。
先輩が方々を旅するのには理由がありました。
子供の頃、仲良くしていた幼馴染で、「将来、結婚をする約束をした」という、さっちゃんを今でも探しているのです。
小学生の時に、引っ越して別れてしまったさっちゃんの幻影を追いかけて、今日も、「さっちゃんが呼んでいる」とつぶやいては、先輩は何処かへ行ってしまう。
私は歯痒かった。
そんな幼馴染のことなんか忘れて、私を見て欲しい。
昔の想い出ではなく、今、実在する、私を想って欲しいーー。
でも、先輩の意識は、とうの昔に別れた、出逢うはずのないさっちゃんに向かうばかり。
そして、廃墟の巨大公園の中で、いつの間にか、先輩を見失いました。
私が慌てて探しに行ったら、とんでもない光景を目にすることにーー。
※他サイトでも掲載しています。
小説家になろうでは、ホラー短編作品集『あなたの知らない怖い公園』の1作品 『廃公園で、彼氏が幻の女に取られようとしています! 私の立場はどうなるの!?』として掲載しています。
文字数 5,515
最終更新日 2025.08.07
登録日 2025.08.06
体に痛みを感じ、少年が目を開けるとそこは一千年後の渋谷だった。
建物は倒壊し、109には巨大な木々が巻きつき、スクランブル交差点には一面に草花が咲き誇っている。
その光景はまさにファンタジーのようだった。
これは人類の可能性を信じる者達の戦い。
そして一人の少年をきっかけに世界の歯車が動き出す!
文字数 15,610
最終更新日 2021.05.31
登録日 2021.04.19
前世の記憶を持つノエルは、学院の入学試験のときある少女に一目ぼれをした。
その瞬間、運命の歯車が動き出す。
互いに惹かれていき、遂に結ばれるが、その日々は儚く崩れ落ちていく
「ノエル君は私を守ってくれる?」約束も守れず、自分の手の中で死にゆく少女を見ることしかできない、己の無力を嘆く少年はその先になにを求めるのか?
文字数 28,862
最終更新日 2019.09.07
登録日 2019.09.06
この星で産まれた生物は、闘争を経て強くなる。
互いの尊厳を賭けた殺し合い、激情絡む奪い合い――己の命を削り魂を燃やしたその時、生物としての肉体強度が上がり、次の次元に昇華させる。
都市に語り継がれる神話にも登場する最古の迷宮「虚の枝」を内包する、迷宮を攻略する職業「勇士」が作り上げた迷宮城塞都市ベーラトールを舞台に勇士――では無く、雑用係の職業「傭兵」を営む男、大畔ナキの元へ護衛を連れた勇士の少女?が依頼を持ち掛ける。
彼女達の依頼をきっかけに始まる新たな出会いと別れ。
勇士の少女?との出会いをきっかけにナキの止まっていた運命の歯車が動き出す
モンスター、反勇士(モール)と呼ばれる犯罪者との生存競争。
星の内海、全ての生命を産みし「宇内の始原獣」、モンスターとは、迷宮とは――時代の流れに消えた世界の謎が今、解き明かされる。
訳ありの怪物傭兵が仲間達と共にあらゆる理不尽を迎え撃つ。
本作の主人公、大畔ナキは人知れず既に様々な冒険や悲劇や喜劇を経験している系主人公です。
主人公は最強クラスですが、周りの仲間達もめちゃつよ、敵も相当強い奴等が勢揃いです。
異世界転生物ではありませんが、してるキャラも出ます。
残酷な描写があります。
小説家になろう様、カクヨム様でも投稿中です!
文字数 154,110
最終更新日 2024.09.06
登録日 2024.08.16
※このBLは、極道×主従×獣人BLです※
15年前のある事件により両親を亡くした北山慈雨(18歳)は、祖父・北山雷が組長を務める老舗の極道・北山組に身を寄せひっそりと暮らしていた。かつて敵対勢力にあった仁楼会の元会長・桂喜重の出所を前に、慈雨は雷からイヌの獣人を護衛につけるようにと勧められる。一度は断る慈雨だったが、若頭・望の機転により、ウルフライクの闘犬である静を護衛につけることに……。
北山組と仁楼会に渦巻く因縁と陰謀。一人と一匹が出会い、運命の歯車が動き始める。
宿命に身を投じる主人と一途なイヌの、センセーショナル・ラブ。
文字数 77,986
最終更新日 2024.10.17
登録日 2024.10.10
本作の本文の大半は生成AIによって出力されたテキストをもとにしており、作者は軽微な修正のみを行っています。読み手の判断のため、その旨を明記します。
あらすじ
「愛など不要だ」と言い放つ機械伯爵。
その心臓は、誰にも直せないほど壊れかけていた。
身代わり花嫁として送り込まれたのは、蔑まれた時計技師クラーラ。
彼女だけが“機械の悲鳴”を聴き取ることができる。
「壊れていません。ただ、少しズレているだけです」
冷酷な伯爵と、感情を“調律”する少女。
触れれば壊れるはずの二人が、やがて同じ心音を刻み始める。
これは、不完全なまま愛し合うための物語。
文字数 60,180
最終更新日 2026.07.06
登録日 2026.07.06
主人公はある日、異世界転生する。そこは剣と魔法がはびこる世界。
気付けば銀髪の少年の姿。グラッドと名乗り異世界をテンプレ的に謳歌しようと決断
奴隷ちゃん【ターム】を連れてのほのぼの生活。
そんな中、新たな事実を知る事となる。
異世界での記憶が無かったグラッドであったが、彼は既に十六年前に転生していたのだ。グラッドを含め、かつて魔王の元で育った四人の少年少女。過去の遺恨が運命の歯車を交錯させていく。
魔術学園では、古代遺跡の秘宝【氷霧のフェンリオ】──原初の妖精を召喚使役できる魔道具。を手に入れるべく潜入した組織メンバーや同級生たちの暗躍に巻き込まれていく。そこで知る仲間たちの暗い過去と復讐心。
仲間たちの暗い過去を晴らすため、復讐に手を貸すグラッド。そこから見えてくる共通した復讐のターゲットとは……。王国を股にかけた戦いへと発展していく!
文字数 61,492
最終更新日 2020.01.06
登録日 2019.11.09
この体は、全ての細胞を使って『暑い』という感覚を激しく知らせる。
テレビの天気予報も『暑い』と言い切る。
この4畳半のアパートも暑さにきしんでいる。
風鈴を手にとり、耳元でうるさく鳴らせる。
鳴らせた後、投げ壊し、目の前にあるそうめんを食べることにする。
わさびを入れようとあたりを探す。
新旧入り混じった雑誌の間。
投げ飛ばしたタオルケットの下。
留守電のランプがちかちかしている腹立だしい電話の後ろ。
机の下。スーパーの袋の中。洗濯ものの間。
壊したばかりの風鈴の残骸周辺。
無い。無い。無い。
あった!
と思ったら、からしだった。
テレビの天気予報も『そうめんにはわさびを入れましょう』と言い切る。
でも、無い。無いものは無い。ここには無い。
どうしようかともう一度テーブルの上に眼をやる。
そうめんではない。
サンドウィッチがてんこ盛り皿にある。
そうめんじゃなかったのか。だったら、からしでいいわ。
白い手でサンドウィッチをつかむ。
思っていたより重くてあわてて両手で持つ。
別の小さな皿にひとまず置いて、中にからしをたくさん塗りこむ。
口からよだれを1滴落としてから、サンドウィッチを入れる。
パクッ、モグモグ。
腕が2倍に膨らんだ。
凄いカロリーなのだな。
運動をしなくては。
家を出てジムに向かった。
しかし、今日は定休日だったので山に登ることにした。
道は無い。これは何という山なのか。
木の枝に何度も突っつかれる。
やめてくれよ~、と、一人でじゃれてみた。
寂しくて泣ける。
『なはははは~』
と大笑いしてみた。
声が木霊する。
『なはははは~』
新旧入り混じった悲しさと不安で泣ける。
突然、雪が降り始めた。
思わず楽しくて笑顔になる。
泣いた後の笑顔。鼻水と苦しさの混じる顔。
寒くて寒くて、歯をガチガチいわせる。
その音に酔う。
あの時、そうめんを食べなかったから急に冬がきてしまったのだな、と思う。
ふもとに下りると、夕日がいた。
あっ、夕日だ!っていう感じに夕日がいた。
ノースリーブに着替えなおし、家に帰った。
ドアを開けると、電話が鳴っている。
新旧入り混じった雑誌がある。
スーパーの袋が風でティッシュの箱に覆い被さっている。
壊した風鈴はそのまま。そのまま壊れている。
ここが自分の居る場所なのだな、と思う。
ここに居ながら生きなきゃいけないのだな、と思う。
テレビの天気予報が『夏にそうめんを食べない人は罰する』と言っている。
電話は鳴り続ける。
わさびは無くともそうめんだ、と思い、なべに水を入れ、火をつける。
風鈴が壊れたまま少し鳴った。
電話にでてみようかと受話器をもつと直前で切れた。
行き場の無い右手。行き場の無い虚しさ。
台所に戻る。麺つゆが無い。
台所から部屋を振り返る。
夕日は沈む。
わさびと麺つゆを買いに行こう、と思った。
文字数 1,209
最終更新日 2020.07.12
登録日 2020.07.12