「水」の検索結果
全体で9,263件見つかりました。
地方都市の古いビル,その地下1階にある小さなベーカリー。22歳の見習いパン職人,木村詩帆は,深夜2時から朝6時まで,一人で仕込みをしている。変わりたいと思いながら変われない。前に進まなければと思いながら,足が動かない。それでも毎晩,粉を量り,水温を測り,生地を捏ねる。繰り返しの中に,自分を,かろうじて,置いている。
ある深夜,シャッターを叩く音がした。光が見えたから,と言って現れたのは,同じビルの4階に住む,名前も職業も知らない男だった。眠れない夜に外を歩いていると,この地下の光が見えて,立ち止まれるのだという。詩帆はパンを売った。それだけのことだった。
それから,彼は週に3度,深夜に来るようになる。パンを買う。少しだけ言葉を交わす。また来る。ただ,それだけのことが繰り返された。でも詩帆の手は,彼が来る夜と来ない夜で,仕込みのリズムを変えていた。身体が,頭より先に,何かを知っていた。
包帯を巻いた夜があった。カウンターを越えて,その手を包んだ夜があった。厨房にコーヒーカップが2つ並んだ夜があった。深夜の厨房で,2人は話した。何について話したか,後から思い出せない。声の低さと,蛍光灯の白さと,コーヒーの冷め方だけを,覚えている。
やがて,彼の名前を知った。詩帆は,その名前を,のどの奥で,静かに,発音した。
2人の関係には,最後まで,名前がつかない。恋なのか,習慣なのか,それとも別の何かなのか。問いは宙吊りのまま,夜の中に,置かれる。でも詩帆は今夜も,ブリオッシュに丸印をつける。1つ,取っておくための,印を。来ても来なくても,焼く。待つことは,何もしないことではない。温度を保つことが,待つことだ。
停滞は,敗北ではない。前進も,義務ではない。変われない身体が,それでも夜の中を歩く。その事実を,この物語は,裁かずに,ただ,描く。
文字数 36,379
最終更新日 2026.04.25
登録日 2026.04.17
30歳オタクで引きこもりでニートだった俺。
最後まで庇ってくれていた母親が俺を見捨てたとき、この世界ですべての人間から必要とされなくなった。
そんな現実を突きつけられた時、待っていたとばかりに女神アメーデが現れ、異世界行きを命じてきた。
異常に事務的で良い印象を持たない女神だけど、内容は何ともおいしい話で、異世界の女騎士になれるっていう千載一遇のチャンス。
これはそんなこんなで水沢晃が異世界で女騎士になり、奮闘する物語。
文字数 13,913
最終更新日 2016.11.05
登録日 2016.10.27
父親が失踪し、残された借金だけを背負った高校一年生、桐生 悠真。
中学時代から新聞配達を続け、高校では授業のあとにコンビニ、休日には短期の仕事まで詰め込む毎日を送っていた。
食事も睡眠も削り、「生きるのに必要のないものは無駄だ」と切り捨てる悠真にとって、麻雀は父親と借金を思い出させる嫌いなものだった。
雀荘に満ちる煙草と酒の匂い、金をやり取りする大人たち、そして乾いた牌の音。
――そのすべてが、彼には同じものに見えていた。
そんなある日、校内で絡まれていた同級生、朝倉 明莉を助けたことから、悠真は麻雀同好会へ足を踏み入れる。
そこにいたのは、明るく距離を詰めてくる明莉、気さくに接する二年生の水瀬 夏希、そして悠真の無理を誰より早く見抜く部長、九条 琴葉。
三人が囲む卓には、煙草も酒も金のやり取りもなかった。
ただ、牌を打つ音と笑い声だけがあった。
順子、刻子、聴牌、立直。最初は「金にならない」と拒んでいた悠真も、一つずつルールを知り、自分で考えて一枚を選ぶ面白さを覚えていく。
やがて麻雀は、ただの遊びではなくなる。
待つこと、誰かを頼ること、失敗しても次を選ぶこと。
卓上で覚えたものは、借金を返すことだけに縛られていた悠真自身の生き方にも重なっていく。
しかし、置き去りにしたはずの父親と借金の問題は、再び悠真の日常へ迫ってくる。
すべてを一人で背負おうとする彼に、明莉たちや雀荘の男たちはそれぞれのやり方で手を伸ばす。
過去の責任と、自分の未来。
その境界に立たされた悠真は初めて、「どう生き延びるか」ではなく「これから何を選びたいか」を考え始める。
嫌いだった牌の音が、いつの間にか放課後の笑い声と結びついていく。
これは、明日を耐えることしか知らなかった少年が、誰かと卓を囲み、明日を楽しみにできるようになるまでの青春麻雀物語。
文字数 206,924
最終更新日 2026.09.14
登録日 2026.09.14
この世界で『魔法使い』は貴重な存在である。千人に一人と言われている魔法使いは、世界を脅かす魔獣の脅威を退けるための戦力であり、人々が快適に暮らすための恵みである。
水と氷の魔法使いであるレインも、人々から憧れの眼差しを向けられるはずだった。
彼女は国の命令に従わず、嫌がらせとして『無能』の烙印を押されてしまった。
そんな彼女が、魔法使いの最上位である『魔女』と呼ばれるまでのお話。
文字数 281
最終更新日 2025.08.30
登録日 2025.08.30
一六八九年、名誉革命と呼ばれる政変で英国王に即位したウィリアム三世とメアリ二世。
その戴冠式後の大祝宴で、事件は起こった。
史上初、国王の即位に対する異議申立。
若き国王の守護闘士サー・チャールズ・ダイモークは、時代に翻弄される誇りを貫き通すことができるのか?
※「カクヨム」様、「小説家になろう」様、「アルファポリス」様、重複投稿となります。
全17話予定 ※18話になりました。
第1話 ダイモーク卿
第2話 マーミオンの血脈 5月2日公開予定
第3話 即位大祝宴の夜 5月3日公開予定
第4話 ジョン・チャーチルと国王 5月4日公開予定
第5話 シュロウズブリ伯爵 5月5日公開予定
第6話 老人と娘 5月6日公開予定
第7話 ティターニア 5月7日公開予定
第8話 レディ・スノーデン 5月8日公開予定
第9話 森の水辺 5月9日公開予定
第10話 彼女の理由 5月10日公開予定
第11話 夏は来たりぬ 5月11日公開予定
第12話 それぞれの誇り(上) 5月12日公開予定
第13話 それぞれの誇り(下) 5月13日公開予定
第14話 ふたたび即位大祝宴の夜 5月14日公開予定
第15話 戦場の剣と守護の剣 5月15日公開予定
第16話 決闘の朝 5月16日公開予定
第17話 旅路の果て 5月17日公開予定
第18話 エピローグ ~ そして今 5月18日公開予定
文字数 44,962
最終更新日 2019.05.18
登録日 2019.05.01
私、マリアのお仕事はドラゴン達のお世話をする事です。
掃除、食事、お風呂の手伝い、ケンカの仲裁も私のお仕事。
ドラゴンってとても可愛いのに皆怖がるから不思議です。
※水曜日更新になります。
文字数 24,238
最終更新日 2021.12.05
登録日 2021.08.18
文字数 4,742
最終更新日 2022.06.23
登録日 2022.06.23
日常系です。日々ポイ活など得するコトに命を懸けるフリーランス男子が、コンビニのコーヒーの買い方が分からず、レジのギャル系女子とあれやこれやとやり取りするショートショート。肩の力を抜いて、コントとしてご覧ください。
文字数 6,140
最終更新日 2024.03.23
登録日 2024.01.21
駆け出しのアイドルグループ「マーメイドテイル」のメンバーだった私、水城乃亜(みずきのあ)は、ある日、誰かにナイフで刺された。
目が覚めると知らない世界で、婚約破棄をされたばかりのリーシャ・エイデルという伯爵令嬢に転生していたのだった。
婚約破棄を申し出たアルフレッドは、妹のアイリーンとの結婚を望んでいるようだが、そんなのどうでもいい。
とにかくダンスを! 歌を!
大人しいリーシャを執拗に追い詰めるアイリーン。
だけど私、やられっぱなしで黙っていられるタイプじゃないの!
正々堂々、受けて立つわ!
いつしか周りを巻き込んで、リーシャ(乃亜)は道を切り開く!
文字数 41,772
最終更新日 2024.12.06
登録日 2024.11.18
ボクト・サーバー (Bokuto Server)
あらすじ (Sinopsis)
かつて、この世界は青々とした大地と豊かな水に恵まれていた。しかし今、果てしなく続く砂漠と燃え盛る太陽の下で、人々は水を求めて苦しんでいる。水を操る力を持つ者、「水の神」はこの荒廃した世界に希望をもたらす存在だったが、その力を恐れ、憎む組織「ノアイ (NoAi)」によって滅ぼされていった。
そんな世界で育った少年、ボクト (Bokuto)。青い髪、青い瞳、そして一部の肌に宿る青い紋様を持つ彼は、「水の神」になることを夢見ていた。彼の故郷「シェンルン (Shen Lung)」の村は、ノアイに狙われ、仲間たちがさらわれてしまう。
怒りと決意を胸に、ボクトは仲間を救い出すため、そして世界に水を取り戻すために旅立つ。しかし、彼の前に立ちはだかるのは強大なノアイの戦士たち、謎の力を操る少年「サトゥカ (Satuka)」、そして彼の最も大切な弟、バキト (Bakito) の裏切りだった…。
絶望と希望が交錯する戦いの中で、ボクトは本当の「水の神」とは何かを知る。仲間と共に、彼は運命を変えることができるのか?
「水は命… その命を奪わせはしない!」
壮大な冒険と熾烈な戦いが繰り広げられる、戦士ボクトの物語が今始まる!
文字数 34,241
最終更新日 2025.02.22
登録日 2025.02.03
日ノ本の歴史である。
石器から縄文にかけて、日ノ本は、世界有数の文明を有した地域であった。
しかしながら、日ノ本の歴史は、古代と現代の狭間に、語ること難しく、お爺ぃは学ぶことを断念したことがある。お爺ぃでは、小説として描くも難しい。
ということで、行間の多い、個人名や出来事を具体的にはあまり記述しない、かなぁぁり変わった歴史を描いてみました。
参考資料
CGS動画 「目からウロコの日本の歴史」 小名木善行&神谷宗幣
文献資料:明治大学、黒曜石研究センター関連資料
誉田亜紀子著「ときめく縄文図鑑」
植田文雄 著「縄文人の淡海学」
瀬川拓郎 著「縄文の思想」
松木武彦 著「縄文とケルト」
西田正規 著「人類のなかの定住革命」
安田喜憲 著「森と文明の物語」
鬼頭宏 著「人口から読む日本の歴史」
滋賀県立安土城考古博物館「人・自然・祈り」共生の原点を探る
滋賀県立安土城考古博物館「水中考古学の世界-琵琶湖湖底の遺跡を掘る-」
サンライズ出版「滋賀県の歴史」
山形県教育委員会「押出遺跡発掘調査報告書」
山川登著 「倭国大乱は二王朝の激突だった」
寺本克之 著「倭国大乱 軍事学的に見た日本古代史」
倉本一宏 著「内戦の日本古代史」
今野真二 著「日本語の歴史」
兼好法師 著「徒然草」
清水克之 著「喧嘩両成敗の誕生」
関 幸彦 著「武士の誕生」
網野善彦 著「日本の歴史をよみなおす」
本郷和人 著「承久の乱」「軍事の日本史」
作者不詳 「伊勢物語」
原田信男 著「義経伝説と為朝伝説」
出雲隆 編「鎌倉武家辞典」
講談社 編「難波大阪 全三巻」
桃崎有一郎 著「武士の起源を解きあかす」
山内 譲 著「海賊の日本史」
呉座勇一 著「応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱」
桃井治郎 著「海賊の世界史」
曲亭馬琴 著「椿説弓張月」
本居宣長 著「日本人のこころの言葉」
太安万侶、鈴木三重吉、武田祐吉「古事記」
紀貫之 著「土佐日記」
菊池寛 著「応仁の乱」
日下雅義 著「地形からみた歴史」
関裕二 著「地形で読み解く」
鴨長明 著「方丈記」
黒嶋敏 著「海の武士団」
最近、電子書籍が多くなり、Amaz〇nさんに至っては、同人誌も個人出版という形で発売されるという状況となっています。なかなかに面白い時代となりました。
文字数 77,088
最終更新日 2019.02.28
登録日 2018.12.08
脳筋が取り柄の弱小氏族、レィミヤ族。例年のことだからと冬備えを甘く見ていたら、春が冬に食われる事態となる。
極限状態を走り回り凌いでいたところ、族長クルガの元に、救いの手のついでに嫁が来た。
嫁はお隣の有力氏族、ラルトィ族族長の娘、ウミと名乗った。表情からはじまり、色んなやる気がない嫁である。しかし、嫁の訳ありな部分は、翌日からきっちり仕事をはじめてしまった。
長い冬が明け、春を飛び越え夏が来る。背負う重荷に一人の娘が加わったって、今さらどうということはない。
短編から長編に変更しました。
文字数 55,219
最終更新日 2023.12.26
登録日 2023.11.29