「彼」の検索結果

全体で67,112件見つかりました。
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歴史・時代 完結 長編
ツンデレのデレがほぼない少年店主とわんこ系従業員兼用心棒兼家来の凸凹コンビが、花街の事件に挑む。 明治初期、東京府は赤坂の花街に、少年が店主の貸本屋がございました。彼には人に見えないモノが視えるという不思議な力がありまして、花街に起きる事件を次々と解決したそうな。 辻斬り事件、貸座敷の連続殺人、そして新選組。事件の裏側には、維新を不服とする侍の存在が見え隠れして、庶民らに広がる「維新の亡霊が出た」との噂――維新後間もない混沌とした東京の町が舞台の、ちょっとホラーテイストな事件に、小生意気な少年店主【朔太郎】と元家来の【三四郎】が挑む。もと新選組の斎藤一も加わって、大波乱の展開に。 *エブリスタで投稿していた小説の推敲作品です。
大賞ポイント 3pt
文字数 132,249 最終更新日 2024.05.21 登録日 2024.03.27
歴史・時代 連載中 短編 R18
戦国時代、尾張国に『槍の又左』と渾名される槍の名手がいた。 名は前田又左衛門利家。 織田信長の馬廻衆として、赤母衣衆として仕えた彼は義理の甥・前田慶次に負けぬ傾奇者であった。 これはその彼の愛と苦悩の物語。 *この物語はフィクションです。 *ムーンライトノベルズでも公開しています
大賞ポイント 3pt
文字数 27,555 最終更新日 2017.06.30 登録日 2017.05.31
歴史・時代 連載中 長編
それは慶長十七年。 世に云う船島の決闘において、巌流小次郎敗れたり――。 しかし小次郎は生きていた。 武蔵の一撃に脳に深刻な損傷を受けた小次郎は、多くの記憶を失った。だがそれなのに、あるいはそれだからこそ、異能ともいえる異常な集中力をも会得した。 現代にいう〝ゾーン〟に自在に入る力を得た小次郎は、武蔵に復讐戦を挑むべく旅立つが、彼を追う謎の剣士たちの姿があった。 果たして彼らの目的とは――? そして小次郎は、再び武蔵と相まみえることがでるのか。 これは「その後」の小次郎の物語である。
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文字数 2,210 最終更新日 2026.05.31 登録日 2026.05.31
歴史・時代 完結 短編
【あらすじ】 明の陽明学で有名な王陽明。彼には「三征」と呼ばれる武功があった。そのうちのひとつ、寧王の乱は、皇族である寧王・朱宸濠(しゅしんごう)の叛乱の鎮圧である。 寧王は南昌という地に蜂起し、南京制圧を目指して進軍していた。たまたま別の地方叛乱の鎮圧に近くまで出向いていた王陽明は、皇帝の許しを待つよりもと、自身の少ない兵力しかない中、叛逆者・寧王の討伐を策す。 王陽明は叛乱を鎮圧できるのか、そして、その鎮圧の果てに、王陽明を待つ運命とは―― 【表紙画像】 「ぐったりにゃんこのホームページ」様より
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文字数 10,482 最終更新日 2024.06.06 登録日 2024.05.31
歴史・時代 完結 短編
【あらすじ】 (朝(あした)の信濃に、雷(いかづち)、走る。 ~弘治三年、三度目の川中島にて~) 弘治三年(1557年)、信濃(長野県)と越後(新潟県)の国境――信越国境にて、甲斐の武田晴信(信玄)と、越後の長尾景虎(上杉謙信)の間で、第三次川中島の戦いが勃発した。 先年、北条家と今川家の間で甲相駿三国同盟を結んだ晴信は、北信濃に侵攻し、越後の長尾景虎の味方である高梨政頼の居城・飯山城を攻撃した。また事前に、周辺の豪族である高井郡計見城主・市河藤若を調略し、味方につけていた。 これに対して、景虎は反撃に出て、北信濃どころか、さらに晴信の領土内へと南下する。 そして――景虎は一転して、飯山城の高梨政頼を助けるため、計見城への攻撃を開始した。 事態を重く見た晴信は、真田幸綱(幸隆)を計見城へ急派し、景虎からの防衛を命じた。 計見城で対峙する二人の名将――長尾景虎と真田幸綱。 そして今、計見城に、三人目の名将が現れる。 (その坂の名) 戦国の武蔵野に覇を唱える北条家。 しかし、足利幕府の名門・扇谷上杉家は大規模な反攻に出て、武蔵野を席巻し、今まさに多摩川を南下しようとしていた。 この危機に、北条家の当主・氏綱は、嫡男・氏康に出陣を命じた。 時に、北条氏康十五歳。彼の初陣であった。 (お化け灯籠) 上野公園には、まるでお化けのように大きい灯籠(とうろう)がある。高さ6.06m、笠石の周囲3.36m。この灯籠を寄進した者を佐久間勝之という。勝之はかつては蒲生氏郷の配下で、伊達政宗とは浅からぬ因縁があった。
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文字数 15,178 最終更新日 2024.06.05 登録日 2024.05.31
歴史・時代 完結 短編
【あらすじ】 天和(てんな)三年。江戸。「はせを」という五分刈りの中年の男がいた。彼は、青物を売る娘「なな」の訪問を受ける。「なな」は天和の大火で見かけた、庄之介という侍が気になっていた。庄之介は吉祥寺の栴檀林(せんだんりん)というところで学ぶ身であり、おいそれと声をかけることはできない。そこで「はせを」は一計を案じ、「なな」に文(ふみ)を書かせて、それを庄之介に渡すという手段に出る。しかし庄之介は立身出世を目論んでおり、学問の邪魔と文を破り捨てる。怒った「なな」は栴檀林に火をつけるが……。
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文字数 10,916 最終更新日 2024.06.03 登録日 2024.05.31
歴史・時代 完結 短編
【あらすじ】 中国・北宋の末期、旧法党と新法党の党争という、国を割らんばかりの争いは極致に達し、時の皇帝・徽宗(きそう)の宰相、蔡京(さいけい)は新法党を称し、旧法党の弾圧を強行した。 その極致が「元祐党石碑(げんゆうとうせきひ)」であり、これは蔡京が旧法党と「みなした」人々の名が刻印されており、この「石碑」に名が載った者は放逐され、また過去の人物であるならばその子孫は冷遇され、科挙(役人になる試験)を受けることが許されなかった。 だがこの「石碑」に載っているのは、単に旧法党にとどまらず、蔡京に反対する者、気に入らない者も含まれていた……旧法党に属しながらも、旧法の欠点を指摘していた蘇軾(そしょく)のような人物も。 ところがある日、その「石碑」を倒した者がいた――その男、名を高俅(こうきゅう)という。 彼の見せた「意地」とは―― 【登場人物】 蔡京(さいけい):北宋の太師(宰相)。新法党を称し、旧法党弾圧の名を借りて、反対派を弾圧し、己が権勢を高めるのに腐心している。 徽宗(きそう):北宋末期の皇帝。文化人・芸術家としては秀でていたが、政治面では能力はなく、宰相の蔡京に依存している。蹴鞠が好き。 童貫(どうかん):宦官。兵法、武を極め、国軍の太尉(司令官)を務める。蔡京と共に、徽宗の政治への無関心に乗じて、国政を壟断する。 高俅(こうきゅう):禁軍(皇帝近衛軍)の太尉(司令官)。棒術、相撲等多彩な才能を持ち、中でも蹴鞠が得意。若い頃は不遇であったが、左遷先の黄州での「出会い」が彼を変える。 蘇軾(そしょく):かつて旧法党として知られたが、新法といえども良法であれば活かすべきと主張する柔軟さを具える。能書家にして詩人、そして数々の料理を考案したことで知られる。 ウルツ・サハリ:モンゴル帝国の中書省の役人。髭が長い。詩が好き。妻は詩人の家系の生まれ。 【表紙画像】 「ぐったりにゃんこのホームページ」様より
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文字数 10,985 最終更新日 2023.06.28 登録日 2023.06.24
歴史・時代 完結 長編
「異世界転移×ラブコメ×成り上がり! 童貞魔法使い、明治で日本を変える!」 29歳、陰キャな営業職の瓶田嶺。彼の日常は、天使な新人・結城幸の教育係になったことで激変。二人きりの出張中、愛車のEVバンごと迷い込んだのは、歴史の違う**「明冶時代」**だった! 現代知識というチートを武器に、没落貴族の美少女・桜と手を組み、石油、レンガ、造船事業で日本の産業革命をリード!? 天使な後輩と野心家の令嬢に挟まれ、俺の平穏(と童貞)は風前の灯火! さえないサラリーマンが贈る、ドタバタ異世界ビジネス・ラブコメディ!
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文字数 99,342 最終更新日 2025.07.19 登録日 2025.07.19
歴史・時代 完結 短編
だらしないけど最強――この町、守ってみるか。 かつて剣の腕で名を馳せた浪人・楽屋七乃助は、最愛の妻を失い堕落の日々を送っていた。 だが、町に現れた宿敵と、彼を慕う若き剣士との出会いが、再びその刃を呼び覚ます――。 酔いどれ浪人の命を賭けた戦いが始まる。 主な登場人物 楽屋七乃助(らくやしちのすけ)   宿敵との戦いで七乃助は勝てるのか・・・。全10話完結
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文字数 19,345 最終更新日 2025.07.23 登録日 2025.05.26
歴史・時代 完結 長編
飢饉、重税、拷問――。 江戸初期、島原の地は、松倉勝家の苛烈な圧政のもと、地獄と化していた。 かつて武士として生き、関ヶ原で全てを失った男、有馬新十郎。 今は寒村で妹を守りながら、百姓同然の暮らしを送っていた。 だが、理不尽な年貢取り立てが、ついに彼の怒りに火をつける。 「神などいない。だが、旗はいる――」 絶望の中で人々が縋ったのは、“神の子”と呼ばれる美しき少年、天草四郎時貞。 奇跡を起こす神童。民を魅了するカリスマ。 だが新十郎だけは知っていた。 その奇跡が、人の手で作られた希望だということを。 神を信じた民。 神を演じた少年。 そして、神を造った男たち。 これは、祈りでは救われなかった時代に、 飢えた民が命を賭して立ち上がった、島原の乱の裏側を描く、 壮絶なる反逆の戦記。
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文字数 69,556 最終更新日 2026.05.18 登録日 2026.04.12
歴史・時代 完結 長編
8世紀中頃の古代チベット王国(吐蕃)。 失脚した摂政ナナム・マシャン・ドムパ・キェの側近として流罪になったゲンラム・タクラ・ルコン。半年で都に呼び戻された彼に王は精鋭騎馬隊の設立を命じる。王の狙いは隣国唐の京師長安の征服だった。一方、マシャンの傀儡だった大相(筆頭大臣)バー・ナシェル・ズツェンはルコンの復帰を心の底では疎んじていて……。 『摂政ナナム・マシャン・ドムパ・キェの失脚』から続くお話です。 (これだけでもわかるようにはなっています)
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文字数 95,166 最終更新日 2021.06.20 登録日 2021.05.03
歴史・時代 完結 短編
「命令だ。お前はここに残れ――。」 一九四五年、終戦間近のタイ。敗走する二等兵・相沢義信は、かつて日本軍が現地民を徴用して建設した「日本街道」の傍らで、剥き出しの憎悪と飢餓に直面していた。 生き延びるために盗みを働き、殺生を犯す相沢。しかし、彼を見つめる一人の村の娘の瞳にあったのは、断罪ではなく底知れぬ「慈悲」だった。共に逃げ延びた中村軍曹は、かつて道を作った際に犯した殺人を相沢に打ち明け、桃色の寺院で自らの命を絶つ。 一人残された相沢に下された、軍曹の最期の命令。それは「僧となってこの地に留まること」だった。 名前を捨て、橙色の僧衣に身を包んだ相沢は、かつて略奪した村から托鉢で米を恵まれ、言葉を失ったまま五十年の歳月を石段の掃除に捧げる。なぜ彼は帰国せず、タイの山奥で掃き清め続けたのか。 二〇一五年、相沢がその生涯を閉じた時、かつての娘――いまは老女となった彼女が供えた「包み」が、止まっていた時間を動かし始める。ドリアンの甘く腐ったような匂いが漂う中、戦争の罪を一身に背負い、静かに消えていった一人の日本兵の魂の遍歴を描く感動の短編。
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文字数 12,202 最終更新日 2026.04.03 登録日 2026.03.30
歴史・時代 連載中 長編 R15
 十七世紀後期、アフリカの希少部族、マヒ族は奴隷狩りによって滅ぼされた。  生き残ったマヒ族の若き狩人、デンババとカンガの二人はその特殊な能力を認められてオランダへ、さらにカピタンに転売されて日本へと連れてこられた。  江戸で黒人に興味を持った水戸光圀の手によって、彼らは水戸へと赴くこととなる。  だが、光圀には二人に目を付けた理由があった。  水戸藩が建造した巨船「快風丸」に乗せ、蝦夷地(北海道)へ向かわせるためだ。 「石狩アイヌの長老、ハウカセに会え」  それが二人に課せられた密命だった。  快風丸は一路、北へ。  石狩の奥地へ向かった二人は身に覚えのない罪でアイヌたちに捕えられる。  そんな二人を救ったのは「村はずれ」と呼ばれる二人の少女イリカとエマリヤだった。  私利私欲に走る次郎左にそそのかされた急進派のサマイカチはデンババたちと少女二人を抹殺しようと謀る。  四人を襲う危機また危機!  決戦の時が迫る。  デンババたち二人は密命を果たせるのか。  命を狙われた少女たちの運命やいかに。  水戸と北海道を舞台に驚異のアフリカン・パワーが炸裂する!  寒山時代劇アワー・水戸黄門外伝第三弾!   異色のハードボイルド時代冒険活劇、堂々登場!  麺屋寒山、渾身の一品です。  とくとご賞味あれ。
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文字数 102,207 最終更新日 2025.08.02 登録日 2025.05.08
歴史・時代 連載中 長編
刀を抜けば命のやりとり。 忍びに生まれた少年たちは、戦場に青春を投げ出すしかなかった。 偉才の戦忍・澄真と、彼を守り支える魁、彼らを取り巻く戦友たち。 秘められた恋と絆の行方が、血に染まる戦場で試されていく。 戦国を駆ける少年たちの、約束と祈りの物語。
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文字数 18,182 最終更新日 2025.11.26 登録日 2025.08.10
歴史・時代 完結 長編
 勇猛果敢な仕事ぶりから魁先生と称され、小柄な美青年であり、局長近藤勇はじめ隊士らから愛された新選組八番隊隊長・藤堂平助。  しかし、後に新選組と袂を分かつ伊東甲子太郎を引き入れたのも、近藤勇の暗殺を画策したのもまた、藤堂平助である。  真実の彼は、正義か悪か。答えは明快にも、どちらでもない。  その苦悩と煩悶の半生。
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文字数 91,687 最終更新日 2025.07.27 登録日 2025.07.27
歴史・時代 完結 短編
昭和初期、まだ「モダン」が新しかった時代。 着物とミニスカート、下駄とストラップシューズが交錯する街角に、美しくおしゃまで、おしゃれが大好きな少女がいた。彼女の名は花村蘭子。 商店街のポスターに幼い頃から笑顔を咲かせてきた彼女は、やがて町の「顔」となり、その美貌と佇まいが静かに評判を呼び、18歳で女優への道を勧められる。 けれど、蘭子の胸にはずっと想いを寄せる相手がいた。 それは、商店街の魚屋「江本鮮魚店」の息子、江本晋平。無口で不器用で、でも誰よりもやさしく、しっかりと彼女のことを見ていてくれた幼なじみ。 この物語は、二人の間に“声にならない言葉”がいくつも積もっていく、甘くほろ苦い恋の記録。 派手な告白も、大きな事件もない。 あるのは、昭和の商店街のぬくもりと、雨の日の傘の静けさと、 そして、「好きです」と言えなかったふたりの心がすれ違うたびに少しずつ育っていく、本当の愛のかたち。 沈黙の中に宿る優しさと、声にしないまま伝える強さを描いた、 静かでおしゃれで、少し切ないレトロロマンス。 あなたの心にも、きっと蘭子のまなざしが残ります。
大賞ポイント 2pt
文字数 35,424 最終更新日 2025.06.06 登録日 2025.06.06
歴史・時代 連載中 短編 R15
“歩き巫女”の一族の分家に産まれた嫡男“忍海(おうみ)”。泰平の世をひっそりと生きてきた一族であったが、江戸末期の黒船来航を機に在り方を見直す事になった。嫡男である為、跡継ぎから外された忍海は自由に生きる事を許される。だが、歩き巫女としての生き方しか知らない彼は、自分の生き方を見付けるための旅に出る。 歩き巫女シリーズとしての短編集となります。 試し読みとして公開中。続きは、XもしくはHPにてチェック! ※本編とは別に制作しており、別途本編として長編を発表する予定をしています。
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文字数 15,865 最終更新日 2025.06.07 登録日 2025.03.28
歴史・時代 完結 短編
【あらすじ】 (繋ぐ糸の色を教えて ~紹鴎~) 「利休の師」とされる武野紹鴎。そんな彼の茶の湯は、名物をつかった茶の湯を好み、「わび茶」ではなかったという説がある。弟子も、「一の弟子」は辻玄裁という豪商であり、利休ではない。では、なぜ紹鴎が、珠光に始まる「わび茶」を、千利休に伝えたとされるのか。拙作はそれについての、ひとつの想像である。 (六花とけて、君よ来い) 応仁の乱という戦乱がようやくに収束の方向を見せる中、足利義政は東山山荘(のちの銀閣)を作ろうと考えていた。銀箔を用いた銀閣という、北山の金閣の対となる存在を作るのではないか――人々はそうささやく。そのささやきと、己の美について考えの中、迷い悩む義政。そんな義政に、一休からの誘いがあった。 【表紙画像】 「ぐったりにゃんこのホームページ」様より)
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文字数 11,906 最終更新日 2024.06.02 登録日 2023.05.31
歴史・時代 完結 短編
【あらすじ】 摂津源氏・源頼政は以仁王からの密かな訪問を受ける。以仁王は、平家の専横を打倒すべく、挙兵を企図していた。そのため、頼政に兵を出すように要請。頼政に声をかけた理由は、摂津源氏の渡辺津が福原遷都により存在価値が無くなるからである。共に平家の「被害者」として起てと訴える以仁王。彼はさらに、宋銭を取り出し、この国の「貨幣」である絹の価値が下落し、その原因が、平家の日宋貿易による宋銭流通にあると説いた。頼政の憂鬱は深まるばかりであった。 【表紙画像】 「ぐったりにゃんこのホームページ」様より
大賞ポイント 1pt
文字数 10,185 最終更新日 2023.06.03 登録日 2023.05.31
歴史・時代 完結 長編
歴史小説『払暁の風』は、室町時代初期、足利幕府の権力基盤が固まりつつある激動の時代を舞台に、一人の若き武士の成長と、過酷な運命に翻弄される愛を描いた壮大な物語です。 物語の主人公は、美濃の守護・土岐氏に仕える沼田又太郎。弱冠二十歳の彼は、瑞々しい感性と正義感を持ち合わせ、兵法の修行に励む志高い青年です。冒頭、京の鴨川のほとりで、恋仲である早希と過ごす穏やかな時間は、中世の静謐な美しさを象徴しています。しかし、その静寂は、幕府内部の権力闘争と土岐一族の内紛「康行の乱」によって無残にも破られます。 時の将軍・足利義満は、強大な勢力を誇る守護大名の弱体化を画策していました。その標的となった土岐氏では、義満の意を受けた土岐満貞が、宗家の康行を追い落とそうと策動します。又太郎はこの政争の渦中に否応なく巻き込まれ、初陣として「黒田の合戦」へ向かうことになります。 本作の最大の魅力は、凄惨な戦場のリアリズムと、そこに生きる人々の心の機微が見事に融合している点です。初めて人を斬る恐怖、信頼していた仲間との決別、そして戦乱の中で引き裂かれる早希との約束。作者は、華やかな室町文化の裏側にある、武士としての忠義と個人の幸福の狭間で揺れ動く若者の葛藤を、緻密な時代考証に基づいた格調高い筆致で描き出します。 特に印象的なのは、又太郎のライバルとなる長井掃部介との関係です。同じ女性を愛し、敵味方に分かれて刃を交えることになる二人の運命は、武家社会の非情さを象徴しています。最終盤、戦いの果てに又太郎が下す「ある決断」は、読者の胸を強く打ちます。それは単なる敗北や逃避ではなく、動乱の時代を生き抜いた一人の男が辿り着いた、深い祈りと悟りの境地でもあります。 タイトルの『払暁の風』が示す通り、暗い夜が明けようとする瞬間の冷徹さと、わずかな希望の光を感じさせる結末は、歴史小説としての風格に満ちています。室町という、一見捉えどころのない時代に鮮やかな命を吹き込み、現代を生きる私たちの心にも通じる「誠実に生きることの難しさと尊さ」を問いかける傑作です。歴史ファンはもちろん、一人の青年の魂の遍歴を追いたいすべての読者に贈る、珠玉の文芸作品といえるでしょう。
大賞ポイント 1pt
登録日 2026.04.28
171 56789