ククルの大鍋 ー Cauldron of kukuru ー
魔王と呼ばれる魔物の王が、人間を奴隷のように扱っていたのは昔のこと。
非道の限りを尽くした魔王を討ち取った勇者が初代国王となったヴァルト王国は、魔物に脅かされることはあっても、比較的平和な日常を過ごしていた。
そんな中で侯爵令嬢のククルーシュは、誰よりも幸せを噛みしめていたのである。
婚約者との婚礼の日取りも決まり、父からも数年後には家督を譲ろうという話が出て、ようやく勉学が実を結び、努力が認められたと喜んでいたのも束の間。
姉に階段から突き落とされ、意識不明の重体となってしまったのだ。
意識を取り戻したときには遅く。
姉に全てを奪われた後であった。
目撃者もいない中での立証は難しく、かといって婚約者を取り戻したいとも思えなくなっていたククルーシュは、自分なりの方法で復讐することを誓う。
全てを失ったはずの彼女が、【新しい訳ありの婚約者】と【勇者の遺物】に邂逅したとき、五百年前の勇者の想いと願いを引き継ぐことになる。
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