現代文学 ライト文芸大賞エントリー 小説一覧

10件
1

眩暈のころ

 中学三年生のとき、同じクラスになった近海は、奇妙に大人びていて、印象的な存在感を漂わせる男子だった。  私は、彼ばかり見つめていたが、恋をしているとは絶対に認めなかった。  そんな日々の、記憶と記録。
2

バラ園の約束

三上沙羅は、高校を卒業してからずっと勤めてきた施設をやめた。近所のファミリーレストランでアルバイトをするようになって数か月。そこへ、高校時代の友人だった伊藤憲太がやって来た。伊藤に誘われ出かける事になったバラ園は、沙羅が小さい時、誰かに連れられてきたことのある場所だった。 人と距離を詰めるのが苦手な沙羅が、伊藤と関わっていく中で、心の成長をしていく物語です。
3

ライオンガール

「なあレオポルド、君の心臓を僕にくれないか?」  火の輪をくぐるライオンのように、強く勇敢であれたらーー。  アヴリルは、どこにでもいる普通の女の子だった。少し違うところがあるとしたら、ボーイフレンドが絶えないこと。好きでもない相手と付き合ってばかりで、心から愛する人には出会えない。  シドニーで暮らしていた彼女は両親の離婚により、南米アルゼンチンのブエノスアイレスに引っ越す。だがそこで待っていたのは、一人の女からの嫉妬による陰湿ないじめだった。  そんなある日、彼女はある理由からネロという青年に化けて、引きこもりの伯父ケニーとともにアルゼンチン最大のスラムであるバラックエリアに足を踏み入れ、銃撃戦に巻き込まれる。  命からがら逃げた二人が乗り込んだのは、イギリスから来たサーカス団『ミルキーウェイ・トレインサーカス』が移動に使うためのサーカス列車だった。  サーカスの最終公演地が大切な友人であるオーロラが引っ越したロンドンと聞き、アヴリルはネロの姿のままで旅に同行することに決める。  動物の世話や雑用をするという条件でロンドンまで乗せてもらうことになるものの、クラウンを演じることになり、冷酷で非道な団長の下練習が始まる。  喜びや痛みを分かち合える仲間たちと出会い友情を育む中で、アヴリルの中にこれまでとは違う感情が生まれ始める。 ※作中に出てくるパフォーマンスは宮沢賢治作『銀河鉄道の夜』プリシオン海岸のクルミ発掘の場面をモチーフにしていますが、実際の内容とはかけ離れた寸劇になっていることをご了承ください。 ※参考文献は最終ページに記載しています。 ※この物語はフィクションです。実在の人物、団体などとは一切関係ありません。
4

ひと夏の逃避行

高校一年生の少年、羽山真昼は自殺願望を抱え橋から水面を眺めていた。すると、不意に声を掛けてきたのは少し歳上と思しき端整な青年、彩氷。だけど、真昼は彼に覚えがない。茫然とする真昼だったが、ほどなく彩氷の導きで話し始める。本気で死を願うほどの苦痛となった、ある覚えのない書き込みについて。
5

ヒトリゴト~幸来(サラ)の読書暮らし~【完結】

30代。のんびりマイペースで過ごせる一人暮らし中の幸来(サラ)。 仕事をしながらも充実したプライベートを求める本が好きなフリー女子。(女子と言わせてほしい...) 何気ない本に繋がる日常生活。 共感!疑問?発見!?を!!!
6

僕の好きな人は桜色のコートを纏う

僕こと『秋田一(あきたはじめ)』と会社の先輩『神坂桜子(かんざかさくらこ)』、そしてその周りを取り巻く人達の物語。 時に甘く、時に苦しく、そんな日々を過ごす普通の会社員のお話です。 楽しいばかりじゃない日々を過ごす誰かの、あるいはあなたの。 心の片隅に残るようなお話になると嬉しいです。
7

永遠の謎

門田利昌、四十五歳。 今のこの時代に、だいぶ溶け込んできたような気がしている。 家に帰れば、妻の美沙子と娘の美結がBLドラマに夢中になり、世間は多様性で溢れていた。 ある日、妻と娘が留守の間に、懐かしい男と再会を果たして俺は思う。 この想いは、永遠の謎なのだと。
8

【完結】精霊馬

感想より 『時代に置いていかれた、中世的な趣をもつ過去の街。 石畳を照りつける殺人的な日差し、街の底には陽炎。 その一角、祖父の代からつづく喫茶店が話の舞台になっている訳だけど、その店内の様子が外とは相反して涼しげでいいです。 そしてラストがまたいい。 淋しい、しかし、みょうにすっとする。 お盆、っていい風習だなあ。余韻ののこる素敵な作品でした。』  お題「〇〇と××を残して」の一文で終わる小説を作成、夏らしい作品
9

君は誰に夢をみるか

白崎夕一は五十代の会社員。年金にも世界情勢にも不安を抱いており、妻との間に大きな問題を抱えている。彼はある日、生きづらい人々の会合に参加した。そこでは、介護疲れなど家族関係に悩む人々が、誰憚ることなく心の叫びを口に出していた。ストレスを言葉にし、吐き出してよい場所。明日へ向かうための休憩所。夕一もまた、抑圧に苦しむ女性の声に耳を傾けながら、行き詰った自分の世界の再構築に取り掛かる。救いのある展開です。全5話。
10

洋館の記憶

母とともに、母の実家で暮らすことになった深谷野薫は、入学した高校で風変わりな教師と出会う。その教師は、何故か薫が住んでいる嶋田家のことを知っていた。 十年前に嶋田家で起きた事件に囚われている人たちの、心の再生の物語です。
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