「満」の検索結果
全体で9,069件見つかりました。
ルキは旅の途中で知り合った幼い双子の踊り子たちと仲良くなっていた。そんなある日、踊り子たちが嬉しそうに見せてくれた飾りから異臭がして気になっていた。その日の夜、踊り子たちのキャンプが襲われ、魔物が現れた。目の前で起こる出来事に唖然としていたナギの前に現れたのは同じギルドで名前は知っているが一度も会うことができなかった男ルキだった。ルキがこの場所に現れたのに意味があって…
*ノベルアップ+のイベントにて書いたものです。
好きだった小説に感化されて設定だけ考えてずっと書けずにいた作品がもとになってるんですが、二人が出会う前の話が急に浮かんだので書いてみました。月見をしてる場合な状況じゃない話ですが…。ファンタジーは書けなくて、設定は浮かぶけど完結させれる自信がなくてずっと踏み止まってましたが短編なのでと思い頑張って書いてみました。
基本BL小説をメインで書いてる人なのでファンタジーになってもBLでした。あんまりBLしてませんが…。
文字数 4,207
最終更新日 2023.10.01
登録日 2023.10.01
近未来の日本、長時間労働と低賃金に苦しむ社会で、国民全員に月額11万円を支給するベーシックインカムが導入され、誰もが「生活のために働かなくても良い」自由を手にしたかに見えました。希望に満ちた時代が到来する中、人々は仕事から解放され、家族との時間や自分の夢に専念できるようになります。しかし、時が経つにつれ、社会には次第に違和感が漂い始めます。
『RICE WORK』は、経済的安定と引き換えに失われた「働くことの意味」や「人間としての尊厳」を問いかける物語。理想と現実の狭間で揺れる人々の姿を通して、私たちに社会の未来を考えさせるディストピア小説です。
文字数 14,634
最終更新日 2024.11.04
登録日 2024.11.04
イギリス、ハートフォードシャー州の霧深い郊外に佇む古邸、レスター・マナー。この由緒ある屋敷で、当主アーサー・レスター卿が不可解な死を遂げる。一見、自殺としか思えない状況だが、現場は完全な密室状態。姪であるキャサリン・ブラッドベリは、叔父の異様なまでの薔薇への執着と、死の直前に見せていた怯えた様子を不審に思い、名探偵シャーロック・ホームズに調査を依頼する。
ホームズと盟友ワトスン医師は、レスター・マナーへと赴く。屋敷に足を踏み入れた瞬間から、二人は異様な雰囲気に包まれる。甘美な薔薇の香りに満ちた温室、しかし、その香りはどこか不自然で、不吉な予兆を漂わせる。そして、家具や調度品に触れる度に感じる奇妙な感触。冷たいはずの金属が温かく、硬いはずの木材が柔らかく感じる。まるで、五感が歪められているかのようだ。
調査を進めるうち、ホームズは屋敷の構造に隠された秘密を発見する。設計図には存在しない隠し部屋、地下へと続く秘密通路、そして壁一面が鏡で覆われた奇妙な「鏡の間」。これらの空間は、レスター卿が密かに進めていたある研究と深く関わっていることが明らかになる。それは、人間の嗅覚と触覚を操作し、幻覚を見せるという、禁断の研究だった。
そして、事件は再び起こる。レスター卿の遺体が、再び密室状態の温室で発見されたのだ。まるで、蘇った死者が再び殺されたかのような、不可解な状況。ホームズは、この二重の密室殺人の謎を解き明かすため、鋭い観察眼と類まれなる推理力を駆使する。
薔薇の香りに隠された秘密、触覚の異常、幻覚、そして古代ケルトの儀式。複雑に絡み合った謎を一つ一つ解き unraveling 、ホームズは事件の真相へと迫っていく。しかし、その先に待ち受けていたのは、人間の狂気と、あまりにも悲しい真実だった。
この物語は、五感を操る前代未聞のトリック、緻密なプロット、そして息もつかせぬ展開で、読者を深紅の迷宮へと誘う、本格推理小説の傑作である。
文字数 20,428
最終更新日 2024.11.23
登録日 2024.11.23
「にゃーーーーー!!(待てやコラァーーーー!)」
野良暮らしを逞しく満喫中の長毛種の猫。その中身は、高慢な義母によって魔物の森へ捨てられた成人女性の転生者だった。
獲物の魔力を少しだけ「チュウチュウ」と吸って、お返しに相手をピカピカに浄化し、傷を癒す。
そんな能力のおかげて気楽な自給自足な生活を送っていたある日、主人公は誘拐されかけた少年を助け(というか魔獣に激突し)、血まみれの冷徹騎士団長・エリオットに拾われてしまう。
「汚い。……洗おう」
「にゃーん!(お風呂は嫌! 離しなさいこのイケボ!)」
お揃いのリボンを結ばれ、美味しい魔力のご飯を献上される至福の贅沢生活。
しかし、生活費代わりとして騎士団長の中にある魔力の淀みを夜な夜な癒やすうち、その力は「聖獣」として覚醒していき、邪な輩の目を引くことに。
「お前は絶対渡さないよ。お前の帰る場所は、私の元だけだーー」
騎士団長からのヤバい溺愛を盾に、幸せペット生活、守らせていただきます!
文字数 40,628
最終更新日 2026.02.09
登録日 2026.02.06
ひたすら迷宮を作って勇者側の人間に攻略させるゲーム、「ダンジョンツクール」。
あまりにも時間がかかるため世にクソゲーと評されたダンジョンツクールだったが、ニート生活満喫中のゲーマー・水嶋彩人にとっては神ゲーだった。
そんな廃人ニートが、ある日突然、クール系天使と共に異世界に転生させられる。
これは、引きこもりがちな主人公が異世界を満喫し……ゆくゆくは魔王になったりもする物語である。
※がっつり迷宮モノというわけではないです。戦闘あります。たまに視点変更します。
※小説家になろう様にも投稿しています。
文字数 735,566
最終更新日 2023.07.16
登録日 2021.01.01
村の風習で「日長」「夜長」として生きることとなった女性二人の生活を緩やかに描写します。
友達以上恋人未満。
文字数 9,501
最終更新日 2022.03.03
登録日 2022.02.16
「わたしの兄は、ちょっと変わってる」
自宅でのんびりと休日を満喫しているわたし・櫻子のもとへ、兄の湊人は容赦なくナゾのトークテーマを持ち出してくる。
「モンスターを連れ歩けるとしたら、どんなやつがいい?」「自分の持ってる最強のステータスについて話そうぜ!」
あきれながらもけっきょく相手をすることになるわたし。どうせろくなオチもつかないだろう......なんて思っていたのに、トークは思わぬ方向に転がりだす!
とある一般家庭のリビングにて繰り広げられる、兄と妹の日常系トークバトルコメディ
※登場人物は兄・湊人と妹・櫻子の2人だけです
約5000〜7000文字に収めた一話完結のストーリーです。
エブリスタさんにも投稿しています。ぜひご一読ください!!
文字数 48,844
最終更新日 2023.11.13
登録日 2023.09.14
俺と同級生の向井は、大学で出会ったにも関わらず、お互いに居心地の良い相手として特に不満もなくルームシェアをしていた。
学校では学科も選択科目も同じで常に一緒にいるが、家では碌に顔を合わさない。彼女がいるくせに、向井の遊び癖はどうしようもなく、バカでクズでヤリチンで、そんな感想ばかりが芽生えていた。
今日も、向井は彼女の家に泊まると出掛けていた。それで油断してしまった俺は、台所という共同スペースで久しぶりの自傷行為に挑んでしまう。真新しい包丁を手首に押し当てたとき、隣からは聞き慣れた、でも今は決して聞くことのないはずの声がかけられる。
手首を切っていたことが向井にバレて、どうしてかベッドに乗せられてそのまま無理矢理に体を貫かれてしまった。痛いのが好きなら、いいよな。そんな言葉と共に膨張した雄でこじ開けられた体は、今までに感じたこともない痛みに悲鳴を上げた。
それから、何度も向井に抱かれた。抱かれるたびに手首を見られ、新しい一本線がないことを確認される。だがそんなある日、前振りも何もなくキスをされてしまい、そんなことをするくらいなら気持ちよくしろと言ってしまう。それに向井はどこか上機嫌な様子を見せて、心臓の上に噛み跡までつけてきた。
自分の気持ちも向井の気持ちも分からなくて、もう一度切ってみたら分かるだろうかとカッターを押しつければ、またあの時みたいに声をかけられる。やるな、どうしてた。押し問答を繰り返した結果、あいつからはお前は俺のだから、とだけを押し付けられる。
俺はそれに嫌な気持ちを覚えるよりも先に、優越感を覚えてしまう。俺がお前の物なら、お前も俺の物だよな。
俺たちのあいだにあるのは愛とか恋とか、そんなものではないけれど、俺たちにとってお互いがずっと傍にいるのならば、それでいい。それだけでいい。
*****
お前は俺のもんだって、もう決まってるんだよ。
文字数 43,418
最終更新日 2024.10.31
登録日 2024.10.31
暗い空をうっすらと金色に染めてゆく朝焼け。
その美しい光がリルムを照らすと、リルムは眩いばかりの光に包まれる。
『死』の土地となった大地の氷はリルムの発する熱で溶ける。
色とりどりのお花畑は息を吹き返し、美しい『太陽』の光に顔を向ける。
邪悪な者に凍らされし者達よ、生き返れ!
リルムは、母なるエネルギーを大地の全てのものに注ぎ込む。
茶色く萎れ凍っていた木の葉は、鮮やかな緑色を取り戻す。
白い小鳥達も、喜びに満ちた美しい声で囀り始める……。
リルムという太陽が、冷たく息を途絶えかけていた全ての生命体に再度命を吹き込んでゆく。
この世の全ての生命。
自分が守り通したい、愛おしくて堪らない命の息吹。
太陽となったリルムは、『生きたい』と願う全ての生命の躍動を全身で感じる。
「絶対に、あいつの好きにはさせない」
リルムの青く澄んだ瞳に、赤い決意の熱を含む光が煌々と灯った。
文字数 21,809
最終更新日 2020.05.13
登録日 2020.05.13
濡甘ダーリン ~桜井家次女の復縁事情~
レンタル有りモデルとして充実した日々を送る二十七歳の早紀。仕事は順調だし、今の生活に不満はないけれど、親しい友人達が次々と結婚するのを見ているうちに、心の奥底にしまい込んだ恋心が疼いてしまう。そんな時、早紀は、かつて将来を約束しながら、やむを得ない事情で別れることになった恋人と再会する。美貌のデザイナーで、忘れられない最愛の人――目が合った瞬間、そんな彼・杏一郎への想いが溢れ出し? 「愛してる、一生かけても愛しきれないほど」溺れるほどの熱情で焦がれ続けた心と身体を満たされながら、ふたたびの恋に甘く痺れて……。濡甘必至のハッピーエンド・ロマンス!
文字数 171,582
最終更新日 2021.01.15
登録日 2021.01.15
人類は世界を宇宙まで進出させた。
地球の「地上主権主義連合国」通称「地連」、中立国や、月にある国々、火星のドームを中心とする「ゼウス共和国」で世界は構成されている。
そして、その構成された世界に張り巡らされたのがドールプログラム。それは日常生活の機械の動作の活用から殺戮兵器の動作…それらを円滑に操るプログラムとそれによるネットワーク。つまり、世界を、宇宙を把握するプログラムである。
宇宙の国々は資源や力を、さらにはドールプログラムを操る力を持った者達、それらを巡って世界の争いは加速する。
・六本の糸
月の人工ドーム「希望」は「地連」と「ゼウス共和国」の争いの間で滅ぼされ、そこで育った仲良しの少年と少女たちは「希望」の消滅によりバラバラになってしまう。
「コウヤ・ハヤセ」は地球に住む少年だ。彼はある時期より前の記憶のない少年であり、自分の親も生まれた場所も知らない。そんな彼が自分の過去を知るという「ユイ」と名乗る少女と出会う。そして自分の住むドームに「ゼウス共和国」からの襲撃を受け「地連」の争いに巻き込まれてしまう。
~地球編~
地球が舞台。ゼウス共和国と地連の争いの話。
~「天」編~
月が舞台。軍本部と主人公たちのやり取りと人との関りがメインの話。
~研究ドーム編~
月が舞台。仲間の救出とそれぞれの過去がメインの話。
~「天」2編~
月が舞台。主人公たちの束の間の休憩時間の話。
~プログラム編~
地球が舞台。準備とドールプログラムの話。
~収束作戦編~
月と宇宙が舞台。プログラム収束作戦の話。最終章。
・泥の中
六本の糸以前の話。主役が別人物。月と宇宙が舞台。
・糸から外れて
~無力な鍵~
リコウ・ヤクシジはドールプログラムの研究者を目指す学生だった。だが、彼の元に風変わりな青年が現われてから彼の世界は変わる。
~流れ続ける因~
ドールプログラム開発、それよりもずっと昔の権力者たちの幼い話や因縁が絡んでくる。
~因の子~
前章の続き。前章では権力者の過去が絡んだが、今回はその子供の因縁が絡む。
ご都合主義です。設定や階級に穴だらけでツッコミどころ満載ですが気にしないでください。
更新しながら、最初から徐々に訂正を加えていきます。
小説家になろうで投稿していた作品です。
文字数 1,223,303
最終更新日 2023.12.01
登録日 2023.10.04
3度の飯より風呂好きで、サウナーならぬフロナーな俺、瑠女雄(ルメオ)。
いつものごとく、自宅の風呂でくつろいでいた俺。
そこへ突如、見知らぬ女性4人組が現れる。
他人の家の風呂だというのに、男の俺には目もくれず、楽しそうに風呂時間を満喫しだす彼女たち。
都内の会社で営業職をしている芽玖(めぐ)、24才。
情(じょう)、高2、17才。
中2の別好(べす)、14才。
小6、12才の絵美(えみ)。
+マンボウのおもちゃのマンボウくん。
見知らぬ俺がいるにも関わらず、彼女たちはおしゃべりに興じている。
──しかし、別好だけあまり馴染めていないようだ。
風呂を満喫する彼女たちを見ていると、別好だけ俺のほうを見ているのに気付く。
みんなが風呂からあがったあと、別好だけが風呂に取り残される。
すると突如、彼女が俺に近付いてきて——?
文字数 10,282
最終更新日 2026.03.20
登録日 2026.03.20
これは廃部を賭けて大会に挑む高校生たちの物語。
挑むは★超絶! 悶絶! 料理バトル!★
そのルールは単純にて深淵。
対戦者は互いに「料理」「食材」「テーマ」の3つからひとつずつ選び、お題を決める。
そして、その2つのお題を満たす料理を作って勝負するのだ!
例えば「料理:パスタ」と「食材:トマト」。
まともな勝負だ。
例えば「料理:Tボーンステーキ」と「食材:イカ」。
骨をどうすればいいんだ……
例えば「料理:満漢全席」と「テーマ:おふくろの味」
どんな特級厨師だよ母。
知力と体力と料理力を駆使して競う、エンターテイメント料理ショー!
特売大好き貧乏学生と食品大会社令嬢、小料理屋の看板娘が今、ここに挑む!
敵はひとクセもふたクセもある奇怪な料理人(キャラクター)たち。
この対戦相手を前に彼らは勝ち抜ける事が出来るのか!?
料理バトルものです。
現代風に言えば『食〇のソーマ』のような作品です。
実態は古い『一本包丁満〇郎』かもしれません。
まだまだレベル的には足りませんが……
エロ系ではないですが、それを連想させる表現があるのでR15です。
パロディ成分多めです。
本作は小説家になろうにも投稿しています。
文字数 285,064
最終更新日 2017.12.30
登録日 2017.11.21
屋上から落ちた影は薄すぎて見えなかった
僕の言葉は薄っぺらくて誰にも届かなかった
僕の足が屋上から離れる
もう地面と接するまであと数秒もない
僕は走馬燈でこれまでの復讐を思い返した
さあ、種仕掛けはもう終わった
一世一代の大舞台
協力者も気合万端
史上初の大事件
―――――――復讐劇の 始まりだ
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~注意~
・作者はそこまで経験がありません(無学です)、駄作になる可能性があります
・シリアスが異常に重い(作者の主観)です
・ただの自己満足です
・主人公は第一話から死んでます、それからいきなり過去編につながります
・(作者が)シリアスに耐え切れずコメディになる可能性があります
・文法間違い誤字脱字が乱舞します
・暗い話です
・この話を見て自殺しようとか思わないでください
・この話を見るときは、想像力をできるだけ切り離して、空想から離れて、現実に影響しないように見てください
・もし、気分が悪くなる 体調が悪くなる 思考が暗くなる等の症状が出ましたら、いったん読むのをやめて、ひどくなるようなら、医師へ相談してください
予防線は十分張ったかな?
この駄作がそんなに影響を及ぼすとは思えないけれど、念のため
なにがあっても、作者は責任をとれません
あとこの作品はフィクションです
実在する団体・施設・物体・思想・人物・一から全まですべてに関係していません
主人公の行動をまねしないでください
フィクションだからできることです
上記の内容でいいという方
そんな奇特な方々はゆっくりドロドロした感情を育ててください
―――あ、すいませんやっぱ育てないで
文字数 1,348
最終更新日 2018.02.12
登録日 2018.02.12
水商売といってもかなり多くのカテゴリーに分かれますよね。そんな中わたしが働いていたのは…
【安キャバ】!!
世間からしたら底辺に近いところで、それでも楽しくオラ営に励み、卒業するまでの日々を自己満更新していきます
己の容姿レベルも忘れて井の中の蛙、大海を知らぬままやいやい言ってさくっと卒業するまでの日々。口癖は
「お金なくてもATMがあるじゃん!」
「ATMが開発されたのは今日のためだよ!何のためのU〇J銀行だよ!」
めちゃくちゃなわたしとそれに付き合うちょっぴり愉快な愛すべきお客様方。ぬるま湯でちゃぷちゃぷ遊んでた頃のお話です。
ためになったり感動したりする類の話ではありません(・∀・)それはやり手の嬢の小説にお求め下さい。 小説とも言えない雑文になる予定ですが、お暇な方寄ってってくださいませ~
文字数 13,405
最終更新日 2020.12.07
登録日 2019.06.11
天正十三年、日の本を突如襲った巨大地震によって、飛州白川帰雲城は山津波に呑まれ、大名内ヶ島家は一夜にして滅びた。家老山下時慶の子・半三郎氏勝は荻町城にあり難を逃れたが、主家金森家の裏切りによって父を殺され、自身も雪の中に姿を消す。
そして時は流れて天正十八年、半三郎の身は伊豆国・山中城、太閤秀吉による北条征伐の陣中にあった。心に乾いた風の吹き抜ける荒野を抱えたまま。おのれが何のために生きているのかもわからぬまま。その道行きの先に運命の出会いと、波乱に満ちた生涯が待ち受けていることなど露とも知らずに。
家康の九男・義直の傅役(もりやく)として辣腕を揮い、尾張徳川家二百六十年の礎を築き、また新府・名古屋建設を主導した男、山下大和守氏勝。歴史に埋もれた哀しき才人の、煌めくばかりに幸福な生涯を描く、長編歴史小説。
文字数 219,218
最終更新日 2021.08.22
登録日 2021.02.21
まだ空気に湿っ気が乗っていないような朝、私は電車に乗り込んだ。ここが日本だと嫌でも解らされるように席は等間隔に空いていてそのシンメトリーさをいつも壊したくなくてというのは建前で、本当はある種の強迫観念のような座ってはいけない何かを感じドアの横に立つ。窓に目をやると走馬灯のように何軒かの明かりが飛び掛かる。その明かりの色はきっと今の季節のために用意したわけではないのだろうけど、心が落ち着く。私の家には数年間彼がいる。でも人の家の明かりにヤキモチを感じるくらいだから今までみたいな温もりはないのだろう。今朝も私のかけていた毛布を奪って明後日の方向見ているように寝息を立てていた。毎日見ようと約束して買ったプラネタリウムも今では新月を投影するだけになってしまった。そんな冷め切った関係に嫌気がさしていた。好きかと言われたら楽しいデートは想像がつかないしかといって喧嘩ばかりで嫌いなんてこともない。好きと嫌いは言わば2次元空間では考えることはできないのかもしれないと思った。どちらでもないから一つの行動でどちらかに傾いてしまう気がしてならないのだ。きっと旅行して共同制作できることをして美味しいものをお互い向き合って食べていいところを確認し合えば好きに傾くかもしれないし反対に別れを切り出して住処が変わればあっという間に関係は友達未満になり下げることだってできるだろう。いわばこのくらいの恋も丁度いいシンメトリーさに駆られている。だから私の中は堅苦しくて単調なものになってしまっているのだと思う。でも私は別にモてるような女性ではないしきっとこの恋が終わってしまったら長い間孤独にさいなまれることは分かっている。だからこのシーソーの支点から動けないのだ。しかし転機は突然訪れた。彼は私に婚姻を申し出てきた。朝疲れていたのは私の指に似合う宝石を探し求めていたことも知った。動けない私のシーソーの幸せ側に彼が座っていたのだ。少し前まで私は目が乱視になったかのように人生の平均台を歪ませていたのに、彼の行動一つで矯正されたのだった。そしてベランダに置いていた植物に色がつく朝、私は電車に乗った。相変わらず日本人は日本人であったし私も日本人だが空いていた席を迷うことなく座り眠りにつく。
文字数 936
最終更新日 2022.07.28
登録日 2022.07.28