「それ」の検索結果
全体で50,097件見つかりました。
夢を「診断」し、そこから心身の異常を治療する文化が根付いた都市――《夢界都ユーメリア》。 人々の夢は「夢晶」と呼ばれる薬石に記録され、薬師はそれを調合して治療薬を作り出す。夢は記憶や感情、呪い、過去を映す鏡とされ、正しく扱えば人を癒す力となる。
しかし、夢を悪用すれば人の心を狂わせ、現実そのものを歪ませることも可能だった。 やがて都市を覆う陰謀が動き出す――夢を奪い、操り、売買する者たち。夢晶に刻まれた秘密は、街の存亡と人々の存在そのものを揺るがす。
夢を守る薬師リセは、自らの存在に潜む謎影に直面しながら、「真実」へと歩みを進めていく。
文字数 25,422
最終更新日 2025.11.24
登録日 2025.11.21
①登場人物の紹介
聖矢は、余り物のパンや野菜から人の心に刺さる一皿を作る男子高校生。相手の食べ方や沈黙から弱っている部分を言い当てるせいで、「味覚のサイコパス」と呼ばれている。ただし、料理の腕は確かなのに、自分の名前で責任を引き受ける場面からは逃げてしまう。
舞桜は、派手な髪飾りとラメ入りのリップで空気を変える女子高校生。祖母が残した海辺の店「コーヒーの木」を守るため、お金も場所も信用も全部ほしいと口にする。聖矢のずれた観察眼を見て、彼を朝昼の軽食作りに巻き込む。
直樹、綾夏、裕志郎、夏波子、丈貴、彩耶加も、それぞれの言葉、会計、映像、交渉、書類、看板で店を支えていく。
②あらすじ
九月一日。光浜学園の食堂棟で水漏れが起き、始業式が一日延期される。生徒たちは「夏休みが終わらない」と笑うが、寮生や運動部員は朝食と昼食に困ってしまう。購買裏で廃棄予定のロールパンを見つけた聖矢は、即席の温かいサンドを作り、一年生を泣かせるほどの味を出す。
その場を見ていた舞桜は、祖母の空き店舗「コーヒーの木」を予約制の軽食販売場所にすると宣言する。店の奥からは、祖母が残した手描きのすごろく盤が見つかる。そこには「ほくろ」「鏡に映った君の顔」「夜明けの海」など、不思議な言葉が並んでいた。
利益を追う舞桜と、責任から逃げる聖矢。かみ合わない二人は、朝ごはん、値札、看板、会計、手紙、謝罪をひとマスずつ進みながら、終わらなかった夏休みを九月の朝へ変えていく。
文字数 207,452
最終更新日 2026.07.23
登録日 2026.05.19
都市伝説「ファムファタールの函庭」。最近ネットでなにかと噂になっている館の噂だ。
男性七人に女性がひとり。全員に指令書が配られ、書かれた指令をクリアしないと出られないという。
そして重要なのは、女性の心を勝ち取らないと、どの指令もクリアできないということ。
そんな都市伝説を右から左に受け流していた今時女子高生の美羽は、彼氏の翔太と一緒に噂のファムファタールの函庭に閉じ込められた挙げ句、見せしめに翔太を殺されてしまう。
残された六人の見知らぬ男性と一緒に閉じ込められた美羽に課せられた指令は──ゲームの主催者からの刺客を探し出すこと。
誰が味方か。誰が敵か。
逃げ出すことは不可能、七日間以内に指令をクリアしなくては死亡。
美羽はファムファタールとなってゲームをコントロールできるのか、はたまた誰かに利用されてしまうのか。
ゲームスタート。
*サイトより転載になります。
*各種残酷描写、反社会描写があります。それらを増長推奨する意図は一切ございませんので、自己責任でお願いします。
文字数 100,655
最終更新日 2023.05.07
登録日 2023.04.13
長年勤めていた図書館が休館になって失職した町田紗耶香は、本を積んだワゴン車に乗って旅に出る。心の傷や悩みを抱えた人々の心の癒しのために、夫の蒼空(元雑誌編集者)が残した本を手渡そうとしていた。「旅の途中で、もし心を癒すために本を読もうとする人たちに出会ったら、あなたが選んだ本を手渡してください」という言葉を残して、蒼空がこの世を去ったからだ。ワゴン車を運転していると、紗耶香は常に蒼空が近くにいることを感じていた。最初に出会った居場所のない少女をワゴン車に乗せて、二人で移動することになる。旅の途中で、夢を諦めかけた青年、未送信の手紙を書き続ける女性、婚約者を失い時間が止まってしまった男性など、紗耶香は心に傷や悩みを抱えた人々に次々と出会う。紗耶香は悩みを抱えた人々と心を通わせて、心を癒すために選んだ本を渡すたびに、自分自身の心の傷も少しずつ癒していることに気づく。旅が終わりかける頃、紗耶香はようやく蒼空に渡せなかった手紙を書きあげるが、それでも、紗耶香の旅は続く。癒しの本を求める人々のもとへ本を届けるために。
文字数 12,834
最終更新日 2026.07.12
登録日 2026.06.27
生還したはずだった。
あの悪夢のようなゲームは終わり、少年少女たちはようやく日常を取り戻した――そう思っていた。
だが、数ヶ月後。
須藤颯たちは再び何者かによって拉致される。
目を覚ました先は、豪華絢爛な劇場『黒劇場(ブラック・シアター)』。
そこで待っていたのは、新たな参加者たち、より残酷に進化したゲーム、そしてすべてを操る謎の主催者だった。
仮面を纏い、王冠を戴くその男は、まるで舞台の案内人のように優雅に微笑む。
「ようこそ。第二幕へ。今回のテーマは――"罪"だ。」
命を賭けたオークション。
誰かの罪を暴く心理戦。
仲間を疑い、切り捨てることを強いられる極限状態。
それでも颯たちは、再び手を取り合い、この理不尽な舞台へ立ち向かう。
だが、その先で待ち受けていた真実は、彼らの想像を遥かに超えていた。
主催者は本当に黒幕なのか。
なぜ彼は悪役を演じ続けるのか。
そして、このゲームを作り上げた"上層部"とは何者なのか――。
絶望の中で芽生える絆。
悪役と主役が交わした約束。
二十人の少年少女が辿り着く、残酷で優しい結末。
これは、最悪のゲームを生き抜いた者たちが紡ぐ、第二の賭け。
錆びついた世界で、それでも人は誰かを信じられるのか。
『Rust Gamble II』
――最高の悪役は、最高の主役に未来を託す。
ようこそ、第二幕へ。
このショーはまだ終わらない。
文字数 8,171
最終更新日 2026.06.30
登録日 2026.06.15
「踊ろうぜ、才加」
亡き父から受け継いだ小さなダンススクールを運営する、元ダンサーの才加。
ある夜、突然スタジオに現れたのは、かつての教え子でアイドル見習いのサクヤだった。
同じメロディ。
重なるステップ。
そして、忘れられない夢――。
かつて、バディとして同じステージを目指したふたり。
しかし才加はケガでダンサーの道を断念し、サクヤだけがその続きを踊り続けていた。
言葉にはしない。
奪おうともしない。
それでも、人生を変えてしまうほどの想いがあった。
言葉の代わりに踊り続ける、静かで不器用なクソデカ感情。
これは、夢を諦めた先生と、夢を背負い続けたツンデレな元教え子の、恋と青春のストーリー。
サクヤは10年の淡い恋心から卒業し、次のステージへと進む――。
※dulcis〈ドゥルキス〉メンバー・サクヤが、アイドルとして輝く前の物語。
少年から青年へと成長するまでを描いた、原点となるサイドストーリーです。
※表紙・挿し絵はAIで作成しています。
文字数 10,359
最終更新日 2026.03.22
登録日 2026.03.08
某日某所。
ある事務所で、テレビを見つめる男女がいた。
女性……天才作家の京美楽生は、余裕な笑みを浮かべ、男性……担当編集の円堂連理は、焦った様に汗を拭いていた。
二人が見つめる先に映るのは、黒いバラと四葉のクローバー絡みついた変死体、通称『花死体事件』のニュースだった。
京美は花言葉、連理は石言葉でやり取りをしていた。
『今月中に原稿が届かなかったら、契約解除だ』と告げられたはずの京美。
しかし、月の最終日になっても原稿はまっさらだった。
それに、もう一つの時間制限が課された。
『本日中に花死体の推察を公開しろ。さもないと、次の花死体を咲かせる』と、ネタを提供しに来た男性……吉鳥談からの花束の中にあった手紙によって。
そして、持ち込まれたネタは『花死体事件』に関わる動画だった。
天才作家は花の知識で推察を語り、担当編集は石の知識で状況を把握する。
その果てに、明かされる残酷で儚い物語とは――。
時間制限×頭脳バトルで繰り広げられる、ダークサスペンスラブ。
文字数 20,643
最終更新日 2026.07.19
登録日 2026.06.18
⓵登場人物の紹介
森沢美鈴は、八年前に旧青藍工場の火災責任を負わされた父・森沢譲の名誉を取り戻すため、白砂ものづくり再生協会の受付補助として旧工場に入る女性。名札の間違いも、席の扱いも飲み込みながら、紙、床傷、映像、証言を静かに積み上げていく。
佐々原遼太郎は、旧工場の安全点検を任された設備点検士。無口に見えるが、床、階段、非常灯、搬入口の傷を見逃さず、美鈴が怒りに飲まれそうな時ほど、現場に残った事実へ戻らせる。
鷲尾郁也は、柔らかな声と白い手袋で町の信頼を集める再生協会の代表理事。旧工場を「町の未来」と語りながら、八年前の火災と現在の利権に深く関わっている。
菜瑚、朝霞、煌介、流清、怜生、悠飛、鮫島徹は、それぞれの持ち場から美鈴を支え、八年前に黙らされた証拠を少しずつ表へ出していく。
②あらすじ
汐凪市の海辺にある旧青藍工場は、八年前の火災で閉鎖された。責任を負わされたのは、森沢美鈴の父・森沢譲。けれど美鈴は、父が残した手帳の言葉を胸に、再公開準備の場へ受付補助として入り込む。
名札を間違えられ、補助席へ追いやられながらも、美鈴は資料の食い違い、防犯映像の反射、搬入口の床傷、透明な樹脂跡、浜辺の群生地に残った踏み跡、輸入雑貨倉庫の木箱番号を拾い集めていく。設備点検士の遼太郎は、感情ではなく現場に残った痕跡を見ろと示し、美鈴の復讐は少しずつ、父の名を取り戻すための記録へ変わっていく。
公開説明会の日、美鈴たちは鷲尾が隠してきた八年前の搬出と、現在も続く不正な権利取得の流れを順番に示す。罵倒ではなく、事実で白い手袋の善人像を崩した後、美鈴はようやく「森沢美鈴」として父の墓へ報告に行く決意をする。
文字数 89,167
最終更新日 2026.07.26
登録日 2026.06.05
「どうして生き残ってしまったのだ――お前だけが、たった一人で」
勇者アシェルは魔王を討った。
何よりも大切だった四人の仲間を犠牲にして。
司祭ラフェンディ――神聖皇国の次期皇位継承者。
女騎士ヴァネッサ――民衆を導く救国の聖女。
魔法使いメイゼル――次代の魔法使いを率いる天才。
盗賊シェルスカ――並ぶ者なき裏社会のカリスマ。
勇者アシェル。
聖剣に選ばれただけの、ただの孤児。
世界は彼を許さなかった。
理不尽な糾弾と断頭台から逃れた「元」勇者の首には賞金がかかる。
少年は当て所なく野山を彷徨った末、とうとう野盗に身を落とす。
だが。
たまたま襲撃した馬車には、理不尽に虐げられた少女達がいた。
「そんなの――許せないだろ」
例え苦境にあろうと、
それでも「勇者」であることを辞められない。
魔王をも屠った最強の「元」勇者は、その力で、その優しさで、
魔王なき世で、今なお苦しむ人々のために再び立ち上がる。
今度の敵は魔王でなく――この世界だ。
文字数 117,037
最終更新日 2026.06.27
登録日 2026.06.08
遠い昔。光の少女「パン」と闇の人工知能「ドーラ」が人間の底知れない業によって融合し、絶望の化身・パンドラが誕生した。
パンドラが放つ「黒霧」は人々を怪物に変えて自我を奪い、世界は争いのない「強制された平和という暗黒時代」へと沈んだ。
それから永き刻が過ぎた今。
怪物に家族と右腕を奪われた少女・オルガナは、無骨な銀の義手と、唯一パンドラを討ち滅ぼす黄金の光『蝶の羽剣(ステラシフォス)』を手に立ち上がる。
彼女の目的は、単なる「世界の救済」や「悪の討伐」ではない。
理不尽な運命に抗い、ただ真っ直ぐに「自らの意志」を貫き通すこと。
平和を強要する神に抗い、傷つく自由を取り戻すために血塗られた道を往く――「反逆の勇者」の物語。
文字数 81,137
最終更新日 2026.06.30
登録日 2026.06.26
「僕を、喰らってはくれないか」
魔王メレディスと対峙した『勇者』クライヴは、死の間際にそう言った。
メレディスはまだ息のある生物を喰らう事でその姿を模倣することができる能力を秘めていた。
魔族と人類が対立し、戦を繰り広げている現在、クライヴの提案はメレディスにとって非常に都合のいいものであった。
メレディスは望み通りにクライヴを喰らい、人の体を手に入れた。
そして人類の領土を内側から侵すべく、手始めにクライヴの故郷へと足を踏み入れたのだが……。
メレディスはそれをきっかけに、『勇者』の真実と人類の醜さを知ることになる。
「こんな腐った世ならば、いくら好きにしようが構わないだろう?」
『勇者』の姿を手に入れた魔王は腐った人間を圧倒的な力でねじ伏せる。
これは人類が魔王軍に敗するに至るまでの一幕である。
文字数 2,837
最終更新日 2026.06.30
登録日 2026.06.30
今や、人種族たちと魔族の戦いは! 魔族を圧倒して! ひっ迫させる状態にまで勢力を拡大していた!! それはまさに、『最後の切り札』!! 前の代の勇者を再呼出し(リコール)で召喚したのだ!!
これこそは、強力な即戦力だったのだ!! それで勢力を4分3まで取り戻していたのだ!!
そのため、銃後の魔族たちは、その日の食べる物にも、困っているのだった!!
ここにも、そんな困っている魔族がいるのだった!!
私は、初級者ダンジョン主の妻! この世界では下僕扱いされてるの。でも、一応の魔族なのよ! こんな状況でダンジョン主の代行もしているのよ!!
今日もダンジョンのみんなの、食べるものを確保にするのに、必死になってる。真面目なサキュバスなのですよ!!
こんな、ダンジョン主の代行が、やがて異世界の勢力図を変えちゃう物語になります。R15は念のために、入れています。
◎第一章 令和の日本で狩場をみ~つけ!(人種族の勢力図4分3➡2分1へ)<チョットしたラブコメも始まりますよ>≪本日終了≫
◎第二章 僕たちの青春を取り戻すの(勢力図、現状で良かった?) ≪4/11、お昼前から始まります≫
04/16、勢力図を変えちゃう行動が始まりました。
◎第三章 ウィンウィン(Win-Win)勢力図の拡大(奥様の同盟を始めます?)
04/21、朝から始めます。04/27、本日で完結になります。
◎第四章 ダーク同盟の始まり《コウキって勇者さまなの?》
07/18、朝から始めました。
文字数 73,515
最終更新日 2026.07.23
登録日 2026.04.01
臣と呼ばれる地方に
里の者が決して立ち入ることのない山があった。
その山は嘗ては「天狗山」と呼ばれていた。
しかし、長い歴史の中で
その山の名前は人々の記憶から消えていった。
ただ山だけがそこに存在していた。
深山幽谷には
人ではない何かが住んでいると言われている。
「夜霧」
それがこの山に住む一族の名である。
夜霧の屋敷は山の奥深くにひっそりと建っていた。
屋敷の広大な敷地には本宅を中心として、
七つの別宅があった。
北には子の宅。
東には卯の宅。
南東に巽の宅。
南には午の宅。
南西に坤の宅。
西には酉の宅。
北西に乾の宅。
ある朝、
十五歳の誕生日を迎えたばかりの四女の亡骸が
別宅の一つで発見された。
それは兄妹達の中に
否が応でも夜霧の掟を思い起こさせた。
今、その掟に従い
生き残りをかけた熾烈な世継ぎ争いの幕が
切って落とされた。
文字数 80,506
最終更新日 2026.06.07
登録日 2026.06.01
女子高校生の【サカナ カナ】は、尻もちをついてきた巨大ヒーローの臀部に押しつぶされて死んだ……本来なら阪名 華奈の女子高校生人生はそこで終了するはずだった。
しかし、お節介な黄金宇宙人【タマタマン】によって復活させられた華奈に、羞恥の受難がはじまる
「隠さず裸で闘え! サカナ カナ! 同性のバディをつけてやるから」しかし、サイタマンから紹介された同性のバディは、とんでもないアバズレ女だった。
「はぁ? 世界の平和? 怪獣から人類を守る? 知ったこっちゃない……人類なんて滅ぼしてやる」
どうなるサカナ カナ? 隠さず闘えサカナ カナ! 世界は君の羞恥な姿を待っている
裸体巨大ヒロイン【サカナカナ】の平行世界の外伝です
※どうせまた、読者ランキング至上主義のアルファポリス・コンテストですから、最初から期待はしていませんが
表紙はAI生成画です
募集要項抜粋
『その他、1〜3万字前後の短編でも、優秀な作品であれば「優秀短編賞」を授与する可能性があります。こちらも加筆した上で書籍化の可能性もあるので、初めて執筆される方もぜひ挑戦してみてください』
スケジュール的に一万文字程度でまとめるつもりです
※『R15』設定ですが、それほど過激なシーンにならないように配慮しています
文字数 14,146
最終更新日 2026.06.24
登録日 2026.06.15
雨宿り横丁の売却期限は、土曜午後六時。亡き蒔絵職人・照乃が遺した木箱には、「三時間で新しい名前を見つけ、八人全員の署名をそろえれば、三年間の使用権予約が発効する」と記されていた。
集められたのは、時計修理と木工を請け負う凌大、土地管理会社の調査担当・陽、喫茶店跡にこだわる獅門、手紙の異変に気づく佐矢香、書類の遅れを抱えた敬泰、理科知識で謎を解く巴海、防災用品を抱える久哲、夜に帳簿とおみくじを整えてきた裕希菜。八人はそれぞれ、知られたくなかった失敗や隠しごとを抱えている。
おみくじ型の参加票、ナス紺の値札、椿油の残る手紙、氷屋の気温表、朱色の印鑑箱、楕円時計の裏側。照乃が残した手がかりは、くだらないと思われていた暇つぶしの遊びと、横丁で過ごした時間につながっていた。誰か一人の正解ではたどり着けない。八人が自分の過去を認めたとき、雨宿りからはじまった場所の本当の名前が見えてくる。
文字数 109,095
最終更新日 2026.07.13
登録日 2026.06.23
埼玉県北西部の町・橙ヶ丘町。地上商店街の端で時計修理店を営む四十七歳の拓磨は、閉館寸前の山頂水族館レオを残すため、赤い時計型の募金箱を修理していた。口は悪いが、壊れた機械と交わした約束だけは放っておけない男である。
地域紙記者の柚希は、噂を拾う足が早く、拓磨の一個下の幼なじみに近い存在。彼の疑いを晴らすため、喫茶店店主の璃心、元設計士の玲英、町営バス運転士の泰梧、絵描きの菜泉、ケーブルカー整備員のまなぶ、観光協会事務担当の菜央香を巻き込み、町に残された小さな違和感を集めていく。
寄付金締切日の夜、赤い時計型募金箱から山頂水族館の改修寄付金が消えた。防犯映像に映っていたのは、拓磨と同じ橙色の作業着を着た男。さらに二十年前、拓磨がケーブルカー保守費の不正をめぐって町を去った過去まで掘り返される。
拓磨は本当に地上にいたのか。それとも、山頂で泳げない魚レオの水槽ポンプを直していたのか。赤い時計に残った橙色の粉、半音だけ高い発車ベル、熱で浮かぶ古い階段道、旅人の写真、寄付金台帳の削除履歴。町の人々が一度は飲み込んだ言葉を持ち寄るとき、無実の罪と、二十年前から続く沈黙がほどけていく。
文字数 127,204
最終更新日 2026.07.25
登録日 2026.05.25