「幼い」の検索結果
全体で4,975件見つかりました。
久瀬ノ戸槙、三十路を迎える高校教師。友達のような感覚で生徒と接する事から、生徒からは「槙ちゃん」と呼ばれ、人気のある先生だ。
都築織人は、高校三年生。母子家庭で、年齢を偽りバイトばかりをしている、授業をサボりがちな生徒だ。
そんな織人だが、槙の授業だけは欠かさず受けている…筈なのだが、春のある日、教室に織人の姿が見当たらない。探して屋上に出てみれば、「鬱陶しい」という悪態つきで、織人は槙にキスをした。
それに驚き戸惑う槙だが、過去にも織人から告白を受けた事があった。
槙と織人は、教師と教え子の前に、幼馴染みである。
槙が高校生の頃、まだ幼い織人と出会った。それからは、織人は槙にとって可愛い弟分、その小さな手のひらに救われたこともある、大事な存在だ。
織人の思いを受け入れられない理由は、色々ある。男同士、兄弟のような幼馴染み、今となっては教え子だ。
だが、それを抜きにしても、槙には織人の気持ちを受け入れられない過去があった。
槙は恋をしないと決めていた。自分は幸せになる資格はない、だって、恋した彼が亡くなったのは、自分のせいなのだからと。
桜を見れば、いつだってその心は過去に戻り、彼を思う。
過去に立ち止まる選択をした槙に、それでも織人はめげずに思いを伝えていく。
幼馴染みの特権とばかりに、槙の部屋で過ごす時間に。学校で、体育祭で、思いを込めた下手な絵に。
自分を許せない槙を代わりに許すように、丸ごと受け止めるように、もう、身を引いたりはしないと。
槙の友人達に見守られながら、槙を過去から連れ出そうとする織人に、槙は徐々に過去と向き合う決心をする。
恋した彼と、彼の家族、そして未来と向き合っていく。
教師と生徒で幼なじみ、そんな二人の、それぞれの初恋のお話です。
文字数 154,869
最終更新日 2025.10.27
登録日 2025.10.27
ある朝、主人公は自分の影がただの映像ではなく、独立した意思を持つかのように動き始めていることに気づく。
手を上げても影は追従せず、まるでこちらを試すように見つめ返す。恐怖と戸惑いの中、影に導かれるように歩き出した主人公は、忘れ去っていた過去と向き合わされる。
影の先にあったのは、幼い頃に自ら書き残した古びたノート。
孤独や悔しさ、叶わなかった夢など、心の奥に閉じ込めた感情が記されていた。影は主人公に「忘れてはならない自分自身」を突きつける存在だったのだ。
影はやがて再び主人公と重なり合い、日常に戻る。しかし、主人公の心には確かな変化が残る。影はただの影ではなく、自分を映し出すもう一人の「記憶」であり「真実」なのだと。
◆
この物語は、「人は自分の影から逃げられない。だが影は時に、自分を守り、思い出させてくれる存在でもある」というテーマを描いたショートショート作品です。
文字数 1,338
最終更新日 2025.09.04
登録日 2025.09.04
若旦那様、もっとあなたの愛が欲しいのです
レンタル有り雫は有名老舗温泉旅館の御曹司、瑞貴の婚約者で、仲居業を通じて若女将修業中。わけあって婚約のことは周囲に秘密だけれど、幼い頃から大好きな彼のため、今日も一生懸命に働いている。そんな彼女の悩みは、瑞貴があまりにも優しく、自分を女として見てくれているのかわからないこと……。結婚の話もなかなか進捗がないまま、雫は化粧を頑張ったり、もう一人の幼馴染に相談したりしていた。しかしある日、ひょんなことから瑞貴が外で女遊びをしているという疑惑を持つことに。その件について彼に尋ねたところ、瑞貴が豹変しこれまでになかった激しく甘い求愛をされて――!?
文字数 184,121
最終更新日 2020.08.20
登録日 2020.08.20
一面の厚い雲海の上空に浮かぶ浮島で生活する人々の世界。島々を商取引のために航行している飛行船グース号に乗る幼いリクはある夜、空に単身で浮かぶ赤ん坊を見つける。グレック船長はその赤ん坊を今では知る人も少ない飛人(とびびと)の子ではと思う……
空の上をムクという鳥獣にのって颯爽と駆け巡るリクのまわりで、浮島のなりたちや厚い雲の下の世界など、さまざまな秘密が解き明かされていく。
登録日 2014.07.19
主人公、春日井日向は大学を卒業した二十二歳の春、トランクひとつだけを持って、地元を飛び出した。
「そうだ、海の見える町に行こう」
漠然と海の見える、落ち着いた町での生活を求めて、その場所にたどり着いた。
日向は、他の人とは違う眼を持っていた。
日向の眼には、人の『感情』が『色』として視えた。
そして、その眼が原因で、日向は幼い頃から、人との関係に悩み、心を擦り減らしてきていた。
そんな彼女が、海の見える町で仕事を探していると、この町でまことしやかに噂される、神様の話を聞く。
曰く、この町には猫神様がいて、町の人達に幸せをくれる。
曰く、その猫神様が運営する、喫茶店がある。
曰く、その喫茶店は、猫神様に認められた人間しか、店主になれない。
日向はその話を、おとぎ話のようだと思いながら、聞いていると、その喫茶店は実在して、現在は店主『マスター』が不在だという。
「仕事がないなら、猫神様を探しても良いかもね」
冗談半分で言われたその言葉を、頭の片隅に置いて、町を散策していると、一匹の黒猫に出会う。
その黒猫は自らを猫神だと名乗り、猫神達の主を助けて欲しいと持ちかける。
日向の眼の力が役にたつから。と言われた日向は、初めてこの眼が役に立つのなら。とその話を受け入れて、『マスター』になった。
『マスター』は心が弱っている人の、幸せだった頃の記憶を汲み取り、その記憶から、一杯のお茶を淹れる。
そのお茶を飲んだ人は、幸せだった頃の気持ちを取り戻し、辛い現実を乗り切る元気を貰う。
「幸せの一杯、お届けします」
この物語で、一人でも暖かい心になってくださる方が居ることを願って。
文字数 32,313
最終更新日 2018.11.02
登録日 2018.11.01
幼い頃から四人の幼馴染とお菓子作りを楽しんできた、バレンタイン。
今年も一緒に作りたいと思うかなえと由美子だが、中学が別れた杏、凛花の二人とは連絡を取り合っていない。
寂しく思っていたところ、買い出し先のショッピングモールでお洒落に変身した二人と偶然再会する。
女性としての自分に劣等感を抱いていたかなえは、一人置いてけぼりをくらったように感じるが……。
共感によってコンプレックスを乗り越える女の子の物語。
表紙:星影さきさん
※『黒いネコの友達』スピンオフでもあります。(本作は独立しています)
バレンタインまであと少しの主人公『高橋かなえ』は本編ではなにかとトラブルを起こす悪役? として登場しています。
文字数 45,766
最終更新日 2023.05.30
登録日 2018.01.31
山吹八幡宮の宮司である父の血を継いだ唐沢 言(カラサワ コト)は、幼い頃より高い霊力を発現し、占いや徐霊を行っていた。
そして、都内北部のキリスト教系私立高校に進学してからは、真言密教の総本山高野山から認可された正式な陰陽師として任務に勤しむ毎日を送っていた。
十七になったばかりの頃、コトはいつものように、怨魔を祓うため或る廃洋館に赴いた。
しかしそこにはこれまで遭遇したことのない、強大な呪毒を宿す、強震級の怨魔が在り……。
※あらすじ、キャラクター設定等は、公開ストーリーの進行度に合わせて加筆変更していく予定です
文字数 5,539
最終更新日 2022.02.01
登録日 2022.01.25
私は、幼い頃に命を救ってくれた『守護王』天城零様に恋をしたけど、その人の隣にはすでに「運命」の相手がいた。
その「運命」とは、千年前に国を救った『守護王』の生まれ変わりは、同じく共に国を救った『桜華姫』の生まれ変わりと結ばれるというもの。
届くことのない想いを閉じ込めて、それでも彼の役に立ちたくて、零様が長である妖魔専門護衛隊に入隊する。
国の安全を脅かす妖魔退治に勤しみ、日々鍛錬を積むが、私はどんどん事件に巻き込まれていき……。
そんな中で零様と接するうちにどんどん想いは膨らんでしまい……。
決して願ってはいけないのに。
「運命」を壊して、あなたと共にありたいなどと──。
※カクヨムで公開しておりました作品を一部改稿してお届けしております。
全13話の予定です。
文字数 27,181
最終更新日 2024.03.30
登録日 2024.03.29
うら若き乙女とそれを取り巻く人々の人間模様ー
聖なる乙女は何を想うかー
ナトリア(19)マードック協会に幼少期拾われシスターとして祈りを捧げたり、併設する孤児院を切り盛りしている。
出自は不明だが、どこか教養がある。
蜜色の巻き髪に、薄紅色の瞳。
愛くるしい容貌で、子どもたちと日々穏やかに過ごしている。
シャレア・ルザベグ(17)ルザベグ王国の姫君。明朗闊達で身分分け隔てなく接する女性。銀髪碧眼の神秘的で美しい姫だが、見た目に反して活発。
慈善事業でナトリアの営む孤児院を訪ねてから、彼女の運用に共感し、友人として足繁く通うようになる。
アルフォンス・ルザベグ(20)ルザベグ王国の王太子。眉目秀麗で、穏やかな佇まいだが冷静に見極め判断する伶俐な人物。
銀髪碧眼。シャレアのお転婆振りに頭を抱え、お忍びで跡をつけた先で、ナトリアに出会った。シャレアや親しいものからは、アルと呼ばれている。
エマ・ミカエラ(老女)マードック協会に昔からいる神職者。穏やかな物腰で、深くショールを被っている。彼女の周りは神聖な空気が流れており、古代の聖女ではと噂も。
いつからいるのか、謎多き女性。
幼いナトリアを拾い協会で育てた。
王家からも一目置かれており、民衆にも慕われている。
ミリオス・ルザベグ(45)ルザベグ王国の王。アルフォンスとシャレアの父。
厳格で公正な王様だが、恐妻家との噂も。
目下の悩みはお転婆姫シャレアの嫁ぎ先である。
ラマーテ・ルザベグ(40)ルザベグ王国の王妃。アルフォンスとシャレアの母。
銀髪赤眼の美女。夫を尻に敷いており、儚げな容貌と裏腹に強気で好戦的な面も。
子ども達の婚約者探しに躍起になっているが、恋愛ごとに鈍いアルフォンスとお転婆がすぎるシャレアのことが悩み。
リザ・クイーンズ(25)マードック協会のシスターで、ナトリアの先輩。
元々は伯爵家の末娘として、裕福な暮らしをしていたが、エマの生き方に感銘を受け、18歳の年に身分を捨てシスターとなった。
ガベラ・ノアール(22)ルザベグ王国のノアール侯爵令息。若い女性に目がない。貴族女性や妓女と浮き名を流す。ナトリアの様なシスターにまで手を伸ばそうとするが、、
イルミアーナ(???)有名な妓楼、妓女。
ガベラの噂を知っているが、つれない態度を取り、遊んでいる。花街街に買い出しで迷い込んだナトリアを助けたのが縁で、姉の様に気にかけている。
ダヒデ・リンクス(24)イルミアーナの馴染み。王宮で騎士をしている。伯爵家令息。
愛する女性に近寄るガベラを警戒している。
文字数 40,626
最終更新日 2025.07.11
登録日 2025.06.28
先月投稿した短編「サイコパスの見分け方」が私にとって嫌な読後感を残すお話しでしたので、自分の中でのバランス上、良い読後感を残すお話しを書きたく本作を書き始めました。上手くいったかどうかは判りませんが。
大学受験に失敗した次の日、主人公は幼い頃会ったきりで久しく会っていなかった祖母に会いに行きます。そこで主人公は、自分の祖母が実は人間ではなくとんでもない存在であったことを知ります。……えっと、まあ、そんなお話しです。
登録日 2020.10.07
(一緒だよ。僕達、ずっと一緒だよ――) あらぬ疑いによって村を追われた少女・緋桜(ひおう)。そんな彼女に拾われ、育てられた竜族の少年・樹來(じゅらい)。二人は幼いながら、お互いだけを見つめて生きてきたが、緋桜は樹來のためを思い、騙すような形で彼を竜族の仲間のもとに返すことに。やがて時は巡り、大人になった二人は再会を果たす。だが樹來の緋桜への想いは、運命に翻弄され、暗く歪んだ執愛と化していた。(アルファポリスから)
竜の紅石*執愛に揺れて(旧題:竜の紅石~紅は竜の愛しみに揺れて)の後日談や番外置き場。
文字数 40,635
最終更新日 2017.06.14
登録日 2015.12.01
剣と魔法の遺跡探求王道ファンタジー。
そこは宇宙の中の世界樹からなる小さな星。古来から魔法と共にあったその星には、先祖が残した遺跡や謎が満ちている。また、様々な種族が暮らし、幻獣や精霊といった存在もいる。
そんな星の、とある海の近くの街に住み、海岸を望む小さな丘に佇む少年がひとり。
彼の名はアラヌス・カーネル。幼い頃から遺跡探究が好きで、暇があれば遺跡へと足しげく通っている。
そんなアラヌスには幼馴染であるルチーナ・フォレイシュという少女がいる。何やらご立腹にようで、アラヌスを追いかけているようだった。
だが、その二人が行き着いた街の近くの海岸で、彼らの日常を覆す出来事が起きてしまった。突然、嵐でもないのに穏やかだった海が荒々しく波をうち始めたのだ。
このままでは、街が危ないかもしれない…。
アラヌスとルチーナは海が荒れた原因を探すため、魔法を使い、原因の元へ!
二人がたどり着いたのは、とある遺跡のようだった。一体、こんな遺跡に何があると言うのか。
こうしている間も海は荒れ続けているという話になり、アラヌスとルチーナには焦りが見え始める。
突如、荒れ始めた海の原因はなんなのか!
アラヌス達は原因を探り、街を救い、問題を解決するため行動を開始するー!
アラヌスとルチーナは無事、原因を突き止め、街を救うことができるのかー…。
※こちらはエブリスタ、なろうでも掲載しています。
文字数 18,276
最終更新日 2019.08.15
登録日 2019.08.06
俺は夢を見ていた。
俺は、小学校を卒業するまで、実家のある佐渡が島に住んでいた。近所に住む陽子ちゃんとは、同い年の幼 馴染で、あまり子どもの多い集落でなかった事もあり、彼女とはいつも一緒に遊んでいた。
ある日、近所の公園で、ブランコに乗って遊んでいる時、立ち漕ぎしながら俺が、陽子ちゃんに話しかけ、彼女が俺の方を向いた瞬間、陽子ちゃんがブランコから落ちて、怪我をした。幸いな事に大事には至らなかったが、背中の肩甲骨下に、大きな目立つ痣が出来てしまった。
俺は、この傷を作らせてしまったのは、自分のせいだと思い、何度も何度も陽子ちゃんに泣きながら謝った。でも彼女は、
「私の不注意だから、譲ちゃんのせいじゃないよ」と言って、俺を抱き締め慰めてくれた。これではどっちが怪我をしたのか分からない。そんな優しくて可愛い陽子ちゃんが、幼い頃から大好きだった。
その後、小学校に入学しても、彼女とは変わらずに仲良く接していたが、小学校四年の秋、ある日突然、陽子ちゃんは東京に引っ越す事になった。引っ越す理由を、彼女に聞いても俺の母親に聞いても、教えくれなかった。
引っ越し当日、俺は陽子ちゃんの家の前に行き、彼女を見送る事にした。次々と家具が運び出され、大きなトラックに積まれて行くのを見ていると、寂しく泣き出しそうになった。お母さんと二人で外に出てきた陽子ちゃんは、
「これから船に乗って、東京に行くの」と寂しそうな顔をして言った。俺が、
「俺は、絶対に陽子ちゃんを見つけ出すから」と声を絞り出して言うと、彼女は俺にキスをして、
「譲くん大好きだよ。バイバイ」と言って、車に乗って走り去る。俺も陽子ちゃんも、お互いが見えなくなるまで、手を振り続けた。
過去の記憶そのままに、脚色すらない夢を見た。俺は、陽子ちゃんを見つけ出すって言ったのに、今では、バイクに乗って、各地を旅することに夢中になっている。
俺はヤマハのSR400と言う、一九七八年に発売されロングセラーとなっている、レトロなバイクに乗っている。俺は、何十年もバイクに乗っているベテランではなく、七、八年前に二十代半ばにして、テレビ番組の、しかも甘トークと言う、バラエティー番組に触発され、バイクに乗ろうと決めた、バイク乗りの中での変わり種だ。
バイクと言う鉄のおもちゃを手に入れ、公道を自由に乗りこなすことが出来るようになった俺は、手軽に行ける風光明媚なコースを設定し、週末になると走っていたが、そのうち、そのコースだけでは満足しなくなり、県外にも足を延ばしたくなってきた。それからは、マップとにらめっこし、山形県と福島県にバイクで旅をすることに決めた。
俺は、旅を通じて、様々な景色、食、そして人との出逢いを重ね、運命の糸に導かれるかのように、陽子ちゃんと遂に再会する。
文字数 78,406
最終更新日 2023.04.12
登録日 2023.04.12
「春を売るってなあに?」
幼いアリアはそういって周囲を困惑させたものだった……
【あらすじ】
豊穣の女神を祀った世界最小国家アリアソーンが、隣国の軍勢を前に陥落した。多大な犠牲を避ける為に差し出されたのは、前大神官の隠し子――アリアソーンの蒼き宝玉・姫巫女アリア。動物や植物を活性化させる歌声を持つアリアは、恋も知らぬまま紅蓮の暴君の妻にされてしまう……
【対象】18歳以上向け乙女ノベルです。新連載開始しました。大体2週間に一度の更新を予定しています。まだきわどい描写はありませんが、途中が一部<R-18>になる予定です。
文字数 5,840
最終更新日 2015.01.26
登録日 2015.01.24
貞姫は、4歳の春にすべてを失った。甲府の山を越え、叔母・松姫に抱かれて八王子に逃れた幼い日、見上げた空は血の色だった。父・武田勝頼と兄・信勝の最期は語られぬまま、心の奥に焼きついたまま、彼女の成長を静かに支配していく。
家康の命によって高力正長に引き取られ、徳川の庇護のもとで育つも、「朝敵の娘」であることは密やかに囁かれる。
父・勝頼の顔を、貞姫ははっきりとは覚えていない。兄も同様に、記憶は霧のように淡い。だが、父は敗者であった、ということだけは幼いころから知っていた。
その「敗者の影」を背負いながら、彼女は武士の女として品位を保ち、徳川の庇護下で慎ましく生きることを選ぶ。養父も養母も優しかったが、父を語ることはなかった。
ただ静かに、礼儀と節度を守る女として成長していく。
やがて宮原義久に嫁ぎ、ひとりの母となった日、ふと、父と兄が消えた武田の山々が夢に現れる。彼女は己の中にまだ「武田の血」が脈打つのを感じる。
老いの入り口に差し掛かった彼女は、亡き夫の十三回忌を前に、ひそかに甲府を訪れる。かつて火の手が上がったその坂で、彼女は初めて涙を流す――父と兄のために、生き残ったことへの贖いとして。
文字数 19,086
最終更新日 2025.05.31
登録日 2025.05.31
主人公マラはレオナ王国の姫。
マラは幼い頃亡き母、ミラノに読んでもらっていた大好きな絵本があった。
"二つの世界"という絵本だった。
その本にはかつて世界は二つに分かれていて全面戦争を四人の戦士が救い再び平和を取り戻すという話。
マラはその話が大好きだった。そして絵本通りに毎日国には笑顔が溢れ平和に暮らしていた。だが、ある日不可解な事件が起こる。
ー国の子供たちが消えていくー
何が起きているのかは誰にもわからない。ただ日が昇るにつれて子供が1人、また1人と消えていくのである。
国は大混乱に陥り国王のジルも兄のイアル、ハルトも解決策が見つからず困り果てていた。
するとある日マラの部屋に一つの小さな小包が届く。中にはマラの大好きな絵本と続きが…。
絵本の続きはあの全面戦争の直後当時の国王ギルが謎の死を遂げ4人の戦士(レオナを救った者達)が王を暗殺したと疑いをかけられた。もちろん彼らは否定したが誰も信じはしなかった。そして彼らは自分たちが助けた民たちにより東西南北の牢に閉じ込められたという…。
(国を助けたのに何故…)
その日の夜マラの夢に母ミラノが現れ、
「マラ、ごめんなさい。あの絵本は私が事実をすり替えたものなの。あなたが読んだ続き、あれは過去に実際に起きたもの。そして今国は大混乱に陥っているでしょう?あれはリオナ王国の仕業。かつて封印したリオナが…4人の戦士が弱っているせいで復活しつつあるの。」
「え、それって…。」
「そう。彼らはまだ生きているのよ。今もどこかに閉じ込められているけれど4人とも生きているわ。だから…マラ。4人を探し出すのです。そして再びこの国に平和を取り戻して…」
ミラノはそう言い残し暗闇の中に消えていった。
「お母さん…。」
翌朝マラは決心する。
4人を必ず見つけ出しこの国レオナ、この世界にまた平和を取り戻すと。
まだたった17の娘の冒険が今始まろうとしている。
文字数 5,405
最終更新日 2017.01.20
登録日 2017.01.10