「本」の検索結果
全体で48,353件見つかりました。
『がらくた屋ふしぎ堂』
――それは、ちょっと変わった不思議なお店。
おもちゃ、駄菓子、古本、文房具、骨董品……。子どもが気になるものはなんでもそろっていて、店主であるミチばあちゃんが不在の時は、太った変な招き猫〝にゃすけ〟が代わりに商品を案内してくれる。
ミチばあちゃんの孫である小学6年生の風間吏斗(かざまりと)は、わくわく探しのため毎日のように『ふしぎ堂』へ通う。
お店に並んだ商品の中には、普通のがらくたに混じって『神商品(アイテム)』と呼ばれるレアなお宝もたくさん隠されていて、悪戯好きのリトはクラスメイトの男友達・ルカを巻き込んで、神商品を使ってはおかしな事件を起こしたり、逆にみんなの困りごとを解決したり、毎日を刺激的に楽しく過ごす。
そんなある日のこと、リトとルカのクラスメイトであるお金持ちのお嬢様アンが行方不明になるという騒ぎが起こる。
彼女の足取りを追うリトは、やがてふしぎ堂の裏庭にある『蔵』に隠された〝ヒミツの扉〟に辿り着くのだが、扉の向こう側には『異世界』や過去未来の『時空を超えた世界』が広がっていて――⁉︎
いたずら好きのリト、心優しい少年ルカ、いじっぱりなお嬢様アンの三人組が織りなす、事件、ふしぎ、夢、冒険、恋、わくわく、どきどきが全部詰まった、少年少女向けの現代和風ファンタジー。
文字数 60,032
最終更新日 2023.08.27
登録日 2023.07.29
千家春樹(15)は、セリを名乗る女性に魅入られ白の世界へとやって来た。
そこには何もない異次元の空間が広がる――
「ご主人様……まさか……」
「あぁ、わかってる。向こうを向いてる」
「いや、そうじゃなくて……私にこれを着ろと?」
「……嫌ならいいんだが、これから先俺の楽しみはもうないんだ……きっと。この何もない空間で静かに死んでいくんだ……」
真っ白な空間の向こうを眺める春樹。
「はぁ……。わかりました」
春樹の気持ちを察してか、女性はバニーガールに着替える。
ごくり。
「え、うそ……こんな格好……はぁ」
「もういいかい」
「まだですっ!ちょっと待ってください!」
(しかしこの歳で生のバニーガールを見れるとはついてる。この世界も悪くないのか)そんなことを春樹が思っていると……。
「も、もう大丈夫です……」
恥ずかしそうな女性の声がする。ドキドキしながら春樹は振り返る。
「!?」
何ということでしょう!その姿は!!
頭から伸びたうさぎの耳。おしりから突き出たモコモコの白いシッポ。そしてスラッと伸びた足に……大きな胸。
ごくり。
「ちょっ!ちょっと!ご主人様!目がオオカミみたいにっ!!」
逃げ出す女性。追いかける春樹。
「お嬢さんお待ちなさい……」
「いやぁぁぁぁぁ!!」
欲望に飲まれ、性格が崩壊していく春樹。
「あはは!待てぇぇ!あはは!……って!ちょっと待て!」
「え?」
――続きは本編でお楽しみ下さい。(15禁)
異世界雑魚ぴぃ冒険たん制作委員会
2023.11.1公開
文字数 100,000
最終更新日 2023.11.24
登録日 2023.09.26
ある惑星でのお話です。
実はこのお話、ある惑星では出版およびネット上での掲載は禁止されております。
ですので作者である私は、ある惑星から日本に逃げてまいりました。
でも日本は素晴らしい!
どんな表現も許される素晴らしい国です。
目つきの悪い不細工イサバの悪行を雑誌に書きましたら、即発禁。
そして今私は民意無視のイサバの追手から逃げております。
電車の中でサクッと読んでください。
そしてすぐお忘れください。
面倒なことは避けたいので。
ところで、あなたの国は大丈夫ですか?
まさかこんな馬鹿いませんよね。
もしそんな阿保がいたら国が滅びますよ。
選挙の際はくれぐれもご注意ください。
国の未来を間違いませんように。
お大事に。
それでは。
文字数 9,464
最終更新日 2023.11.03
登録日 2023.10.09
イギリス人の両親を持つ高校一年生のイヴァン・ファーマーは、生まれは日本、育ちも日本、習慣や言語、そして心さえも「日本人」として生きてきた。
だがイヴァンは、見た目や国籍によって周囲の人々に「勘違い」をされてしまうことが多々ある。
自らの人種と心のギャップに幼い頃から疑問を持ち続けていた。
そんなある日、イヴァンの悩みを理解してくれる人物が現れた。
彼が働くバイト先のマニーカフェに、お客さんとして来店してきた玉木サエ。
イヴァンが悩みを打ち明けると、何事にも冷静沈着な彼女は淡々とこう答えるのだ。
「あなたはどこにでもいる普通の男子高校生よ」
イヴァンにとって初めて、出会ったときから自分を「自分」として認めてくれる相手だった。進路についても、深く話を聞いてくれる彼女にイヴァンは心を救われる。
だが彼女の後ろ姿は、いつも切なさや寂しさが醸し出されている。
彼女は他人には言えない、悩みを抱えているようで……
自身のアイデンティティに悩む少年少女の苦悩や迷い、その中で芽生える特別な想いを描いたヒューマンストーリー。
◆素敵な表紙絵はみつ葉さま(@mitsuba0605 )に依頼して描いていただきました!
文字数 116,277
最終更新日 2024.06.09
登録日 2024.04.30
騎竜の民ヒュンナグの王太子ボルドゥの寵姫サラーナは、兵たちの忠誠心を試すためというだけの理由で矢の的にされた。
全身に矢を浴びたサラーナは、一族の守り神たる竜神に持たされていた鱗を身代わりの護符として、一命を取り留める。
父王を弑逆し王位を簒奪せんと目論むボルドゥに対し、サラーナと幼馴染ションホルの復讐が幕を開ける。
※本作は、拙作『ベルトラム王国物語』と、場所も時代も全く異なりますが同一の世界観です。
※主人公をはじめ、登場人物たちの倫理観はかなりぶっ飛んでいますが、この世界、この時代、この地域ではこういうものなのだと受け止めてください。まあこの世界以下略の中でも異常としか言いようのないキャラもいたりしますが(笑)。
※人によっては「寝取られ」と感じられる描写があります。ご注意ください。
※お気付きの方も多いかとは思いますが、匈奴の冒頓単于の鳴鏑の故事を元ネタに、「これってちょっとひどくね?」と思った作者によるざまぁが炸裂するお話となっております。冒頓ファンの方ごめんなさいm(_ _)m
※「小説家になろう」、「カクヨム」にも掲載しています。
文字数 69,720
最終更新日 2025.02.19
登録日 2025.02.08
『空のランドセル』は、阪神淡路大震災から30年を迎えた現代日本を舞台に、震災遺族として生まれた青年・長嶋悠介の心の旅路を描いた長編小説です。
主人公・悠介は、大阪の放課後デイサービス「ネーブル」で働く23歳。明るく穏やかな性格で、子どもたちに寄り添いながら日々を過ごしています。しかし彼の心には、誰にも語れない“空白”がありました。彼が生まれる7年前、震災によって兄と姉を亡くした長嶋家。その深い悲しみのなかに生まれた悠介は、いつしか「兄と姉を思う弟」としての役割を周囲に求められるようになります。兄のランドセルを背負い、追悼文を読み、新聞や書籍で“美談”として語られる自分。その姿は、誰かが望んだ「弟」であり、彼自身の本当の姿ではありませんでした。
物語は、現在と過去を行き来しながら進行します。放課後デイでの子どもとの向き合い、気になる女性・すみれとの関係、そして周囲とのすれ違い。それらを通して、悠介は「自分とは何者なのか」と問い続けます。すみれの温かな言葉にも、心の奥にはまだ触れられない“何か”がある。そんな彼が、幼いころから封印してきた記憶と真正面から向き合い、ひとつの選択をする――。
“生き残った者”としての痛みと葛藤。優しさの奥に隠された孤独。そして、空っぽだったランドセルの意味を見つけていく過程が、静かで力強く描かれます。
この作品は、震災を知らない世代が、どう「語り継がれる物語」と向き合い、自分自身の物語を見つけていくかを問う、喪失と再生の物語です。
文字数 4,653
最終更新日 2025.05.04
登録日 2025.05.04
「他人の人生をなぞっても、幸せにはなれない──」
地味で冴えない日々を送っていた清掃員の雪平咲姫(ユキヒラサキ)は、ある日、WEB小説『マヤの物語』と出会う。強く惹かれた咲姫は、「私も変われるかもしれない」と、マヤの人生をトレースし始める。
一方、物語の作者喜多邑優(キタムラユウ)は、かつての恋人マヤをモデルにこの小説を書いた張本人。止まっていたはずの時間が、咲姫との出会いによって静かに動き出す。
ところが、書いたはずの物語が“どこか食い違っていく”ことに気づいた優は、次第に恐怖と疑念に囚われていく。
虚構が現実を侵食する時、人は"誰かの物語"ではなく、自分の人生を選び取れるのか。
──交差する記憶と願いが織りなす、切ないラブサスペンス。
文字数 76,832
最終更新日 2026.01.09
登録日 2025.12.18
ごく普通のOL・有栖川芽依には、二人の幼なじみがいた。
ひとりは正義感溢れる優等生、宮代守。もうひとりは少し悪で、自由奔放な皇悠人。幼い頃から共に過ごしてきた彼らとの日常は、穏やかでささやかなものだった――はずだった。
しかし、芽依を想う悠人の心には、ひそかな決意があった。自分は芽依に相応しくない――だからこそ、悪役として振る舞い、芽依を守に導こうとするのだ。
計画は秘密裏に始まり、芽依と守は気づかぬまま、悠人の演出に巻き込まれていく。
「ヒーローと結ばれるべきなのは、君だ…俺じゃない。」
悪ぶる悠人の心の裏には、芽依を思う純粋な愛が隠されていた。
けれど芽依は少しずつ、その本心に気づき、決して悠人の策略には振り回されない――。
身を引こうとする悪役と、揺るがぬヒロイン。三人の幼なじみが織りなす、切なくも温かい恋の物語。
「悪役さん、私をヒロインにしないで。」
文字数 4,411
最終更新日 2025.12.31
登録日 2025.12.31
王国を守る「聖女」でありながら、地味な結界しか使えない“無能”と蔑まれてきたエルサ。派手な攻撃魔法を操る妹と比べられ続けた末、婚約者である第一王子レオンから一方的に婚約破棄され、国外追放を言い渡されてしまう。
だが、誰も理解していなかった。
エルサの張っていた結界こそ、王都を魔物から守る最後の要だったことを——。
行き場を失い国境で倒れたエルサを救ったのは、隣国の冷徹無比と名高い竜騎士公爵カイル。呪いによる魔力不足に苦しんでいた彼は、エルサが無意識に展開した結界に触れ、生まれて初めて安らかな眠りを得る。
「君の魔力は、世界一美味しい」
そう告げた彼は、エルサを公爵邸へ半ば強引に保護。
戸惑うエルサだったが、公爵邸で“ただの結界職人”として働くうちに、自身の力が常識外れであることが徐々に明らかになっていく。
彼女の結界は、物理攻撃無効、腐敗防止、魔力増幅まで兼ね備えた規格外の万能結界だったのだ。
一方その頃、エルサを失った母国では防衛結界が急速に弱体化し、魔物被害が拡大。ようやく事態の深刻さに気づいた王子たちは、傲慢にもエルサを連れ戻そうと隣国へ押しかける。
しかし——
「私の妻に触れるな」
冷然と言い放つカイルに守られ、エルサは初めて自分の意思で告げる。
「……私は、戻りません」
十年分の理不尽に、静かな決別を。
無能と追放された聖女の、遅すぎた評価逆転劇。
これは、地味だと思われていた少女が本当の価値を取り戻し、最強の竜騎士に溺愛されながら、自分の居場所を選び直す物語。
文字数 91,041
最終更新日 2026.03.12
登録日 2026.02.20
単身赴任で東京に来て一か月。二月三日の夜、主人公は終バスに間に合うよう、終電一本前の電車に飛び乗る。発車間際、慌てて乗り込んできた女のせいでドアが閉まりきらず、遅れが生まれる。苛立ちと疲れの混じった舌打ち。たったそれだけの瞬間が、なぜか胸の奥に引っかかった。
帰宅後、マンションの掲示板には節分のチラシが貼られている。だが、当日なのに妙に薄汚れていて、何年も前からそこにあるように見える。気味の悪さを振り払い、鍵を掛けて眠ろうとするが、深夜2時12分を境に部屋の空気が変わる。
一度きりの無言電話。廊下の気配。玄関のノック。言葉にならない独り言が、息のように続く。確かめたいのに、確かめるほど近づいてくる。やがて、玄関脇の小さな換気窓――閉めたはずの小窓が、わずかに開いていることに気づく。
隙間の向こうには、顔ではなく“眼”だけがある。こちらを見ている。確実に、見ている。節分の豆、薄汚れた紙切れ、止まったような時刻。日常の小さな道具が、どれも役に立たないまま恐怖だけが積み上がっていく。
それでも主人公は、この夜をやり過ごせば終わると信じようとする。だが「2時12分」は、次の夜も、その次の夜も、同じ形で訪れる。覗く女が近づいているのか、それとも自分が何かを招き入れてしまったのか――その境目が、少しずつ壊れていく。
文字数 7,988
最終更新日 2026.03.19
登録日 2026.03.12
高校一年生の相馬慎の同級生に、座馬すばるという女子がいた。容姿端麗な彼女は校内の男子たちからよく告白を受けていたが、そのすべてを断っている。
そのうち、不思議なうわさが聞こえてきた。
すばるに告白した男子の何人かが、告白したことも、またすばる本人のことも「記憶にない」という。
そして告白の記憶を保っている男子は、すばるからこう言われたという。「人が死ななくなる方法を教えてくれますか? それならつき合ってもいいですよ」……
一方、慎は人には言えないある能力を持っていた。その力を修練するために町中に出ていた慎は、思いがけなくすばると接近することになる。
自己肯定感の低い二人の主人公が、自分を大切にしてくれる人の存在とともに生き始めるまでの物語。
文字数 126,892
最終更新日 2026.03.20
登録日 2026.03.20
# 星末害帝(ガイト)
~世界を滅ぼした魔皇帝に転生した俺は運命を変えたい~
攻略難易度SSSSS。
公式最強ラスボス。
世界の七割を征服した魔皇帝――星末ガイト。
三徹の末、ようやくその魔皇帝を倒した大学生は、エンディング直後にPCの爆発へ巻き込まれる。
そして目覚めると――
そこはゲームの世界だった。
しかも転生した先は、未来の魔皇帝。
若き日の星末レグルス本人。
世界を滅ぼす存在になるはずの男だった。
だが彼は知っている。
この世界の未来を。
数十年後、レグルスは「害帝(ガイト)」と呼ばれ、世界征服戦争を引き起こすことを。
国家が滅びる。
王族が滅びる。
文化が消える。
そして最後には、自らも討たれる。
そんな未来を変えるため、レグルスは運命への反逆を決意する。
だが最初に待っていたのは、親友アークの願いだった。
「母と妹を助けてくれ」
公爵家を襲う災害級魔物。
動かない帝国議会。
そして時間のない救出劇。
その結果、彼が選んだ手段は――
まさかの皇位簒奪。
未来の魔皇帝は、世界を救うために父である現魔皇帝へ反旗を翻す。
これは後に「害帝(ガイト)」と呼ばれる男が、世界の運命を変えようと足掻く物語。
国家運営、貴族制度、戦争、陰謀、友情。
そして運命に抗う一人の転生者の帝国戦記。
本作品はフィクションです。
登場する人物、国家、組織、歴史、制度等は全て架空のものであり、実在の人物・団体・国家とは一切関係ありません。
また、本作品に登場する政治制度、皇位継承、国家運営、軍事行動等は物語上の演出であり、特定の思想・政治体制・統治形態を推奨するものではありません。
なお、主人公「星末ガイト」は作者本人をモチーフとした要素を含みますが、作中の人格・行動・思想・発言はフィクションとして描写されており、実際の作者本人とは異なる場合があります。
本作品はエンターテインメント作品としてお楽しみください。
本作品は執筆補助ツールを活用しながら制作しています。
作品の設定・物語・キャラクターは作者オリジナルです。
文字数 5,355
最終更新日 2026.06.04
登録日 2026.06.01
■子供が泣きだすような絵しか描くことができない、売れない絵本作家、「上屋敷 頼子」(かみやしき・よりこ)は、新作絵本の感想も聞けず、活動方針転換の話しをされ、落胆しながら安アパートへ帰ろうとしていた。
■怪しい駅員の案内で乗った電車で居眠りをしてしまい、到着した駅は霧深い無人駅……。そこは【あやし】と呼ばれる異形の民が集って築き上げた都市が広がっていた。
■半年に一度しか来ない【うつつ行きの電車】の切符を手に入れるため、都市の秩序を守る“もふもふ様”の紹介で、「頼子」は街外れの「虎谷 弥栄」(とらや・いやさか)が営む【幽玄古書・田ねこ】で働きはじめる。
■都市伝説・異聞☆レトロチック・ローファンタジー☆
文字数 30,357
最終更新日 2026.08.18
登録日 2026.06.12
レイノルズとライジーアは、生まれる前からの婚約者。ところが、ある日突然、レイノルズから「婚約を破棄したい」と告げられる。理由を訊ねると、「君のことが大嫌いになった」と信じられない一言が。傷ついたライジーアはつい売り言葉に買い言葉で「わたしだって、あなたなんて大嫌い!」と叫び、二人は決別する。お互い好き同士なのに、すれ違う恋物語。初恋を諦めず、「大嫌い」の呪縛から逆転なるか。*本編&解答編+後日談、完結済み
登録日 2016.11.05
『ピエタ古美術・古道具店』。あなたが気まぐれで入ったその店は、薫かれている甘やかな香と古いもの特有の埃っぽい匂いに満ちていた。ランプ型の電灯が投げる橙(だいだい)がかった灯りで、店内全体がセピア色に染まっている。どこかで柱時計がものうげに時を刻んでいる。両側の棚や床には、小さなサイコロから瓶、等身大の像や盾まで置かれ、ほとんど壁が見えない。
出入口の真正面にカウンターがあった。その向こうで店主らしき人が大きめの本を広げ、座っていた。
黒い真っすぐな髪を一つにまとめ、栗色の眼の片方には銀縁のモノクル(片メガネ)。中性的な顔つきで、男か女か分からない。黒いシャツに厚手の茶色のエプロンを付け、その上からゆったりとした着物を羽織っている。
モノクルに着物なんて随分変わった格好だが、どこか現実離れした雰囲気のあるこの店では違和感がなかった。
あなたに気がつくと、店主は本を閉じた。表紙に『ファウスト』とあるのがちらりと見える。
「ここには『血を流したことのないような匕首(あいくち)もなければ、大丈夫でいた体へ、命を取る、熱い毒を注ぎ込んだことのないような杯もございません』。なんてね」
そう言って店主はあなたを見つめ、魅力的な笑みを浮かべる。
「いらっしゃいませ。気になる物があれば遠慮なく手に取ってご覧ください」
文字数 4,976
最終更新日 2017.02.12
登録日 2017.01.27