「蛍光灯」の検索結果

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ミステリー 完結 ショートショート R18
「南さん……念のため、もう一度言いますね」 医師はカルテから目を上げ、言葉を選ぶように一拍置いた。 「妊娠しているのは、あなたではありません」 南 恵子は、一瞬、自分の名前を呼ばれた理由がわからなくなった。 ここは産婦人科で、診察室で、白いカーテンの向こうにはエコー機器がある。 なのに。 「……隣の、西野さんです」 医師の視線が、ドアの方へ向く。 そこに座っていたのは、 隣の家の旦那――西野ゆうじ、三十五歳。 顔色は悪く、両手で腹部を押さえ、浅い呼吸を繰り返している。 汗で濡れた額が、蛍光灯の光を反射していた。 「冗談、ですよね……?」 恵子の声は、情けないほど震えていた。 男性が妊娠する。 そんな話、聞いたこともない。 SFか、悪趣味な都市伝説の類だ。 けれど、エコー画面には、確かに“何か”が映っていた。 「週数的には、六週前後です」 医師は淡々と告げる。 六週前。 恵子の脳裏に、はっきりとした日付が浮かんだ。 雷が鳴った夜。 停電。 夫は出張中。 そして―― 玄関先で、ゆうじと二人きりになった、あの夜。 「……嘘」 恵子は、思わず隣の男を見る。 ゆうじは目を閉じたまま、かすれた声で呟いた。 「やっぱり……そう、なったか」 その言葉が、何よりも恐ろしかった。 否定しない。 驚かない。 まるで、予想していたかのような口ぶり。 恵子は自分の腹ではなく、 彼の腹部から、目が離せなくなっていた。 ――この中にいる“何か”は、 一体、誰のものなのか。
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小説 12,290 位 / 222,785件 ミステリー 113 位 / 5,216件
文字数 15,008 最終更新日 2026.02.19 登録日 2026.02.19
BL 完結 短編 R18
夏の夜、インカレを終えた男子体操部の5人が、旅館の一室で繰り広げる熱い「団体戦」。試合後の解放感とビールの酔いが、仲間内のトランプゲームを過激な罰ゲームへと変貌させる。畳の上で汗とアルコールの匂いが混じり、蛍光灯の薄暗い光の下、男たちの欲望が暴走する。 4年生2人、3年生1人、2年生2人の5人の筋肉質な体操部員たちが、ポーカーで勝負。最初は腕立てや一発芸といった軽い罰ゲームだったが、ビールの空き缶が増えるにつれ、賭けは「10秒キス」「乳首舐め」とエスカレート。仲間たちの野次とスマホでの撮影が、羞恥と興奮を煽る。ついには「最下位がトップに犯される」という罰ゲームが登場。筋肉質な体が汗で光り、喘ぎ声と肉のぶつかる音が部屋を満たす。行為は正常位、バック、騎乗位と続き、視線とカメラに晒されながら、ノンケの彼らが快楽に溺れていく。行為の合間に交わされる軽口や、仲間同士の信頼感が、過激な場面に奇妙な親密さを添える。汗ばんだ肌、筋肉の収縮、脈打つ陰茎の描写が、読者を物語の熱気の中に引き込む。男同士の絆と欲望が交錯する中、羞恥に顔を赤らめながらも快感に抗えない5人のオスの姿。青春の熱気と背徳感が交錯する一夜を、仲間たちの汗と喘ぎ声とともに描きあげる。この狂気の一夜に、どこまで浸れるか? (過激な描写を含むため、18歳以上の読者に限定)
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小説 14,818 位 / 222,785件 BL 3,310 位 / 30,950件
文字数 19,048 最終更新日 2025.10.03 登録日 2025.09.29
現代文学 連載中 長編
フロリダ州のうだるような熱気と湿度を、分厚いコンクリートと鋼鉄の扉が完全に遮断する空間。 フラグメント郡に位置するその施設は、保安官から皮肉を込めて「グリーン・ルーフ・イン(緑の屋根の宿)」と呼ばれている。 そこは、北の歴史的な街並みと南の喧騒なビーチリゾートの中間に位置する奇妙な空白地帯だ。 一歩足を踏み入れた瞬間、外の世界の肩書きや人生の証明はすべて無意味となり、誰もが等しく厳格な手続きの波に飲み込まれていく。 「黄色い線の内側に立て」「壁を向いて、足を広げろ」 24時間、絶え間なく響き渡る無機質な命令の声。 靴紐を抜かれ、ベルトを外され、所持品を透明なプラスチックバッグに没収される。その過程で、かつての個性は削ぎ落とされ、やがて鮮やかなオレンジ色の統一規格の服へと着替えさせられる。 そこでは人間は「名」ではなく、ただの「番号」へと成り下がるのだ。 泥水の中を進むように重く遅い、外の世界とは切り離された時間の流れ。容赦なく効いたエアコンの冷気と、深夜3時を回っても消えることのない蛍光灯の光。 語り手である「私」は、静かに書類を整え、次々と運び込まれる「宿泊客」たちを迎え入れ続ける。 終わることのない、無機質なルーチン。窓のない息の詰まるような空間で、今夜もまた、この「宿」の静かな業務が続いていく。
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小説 222,785 位 / 222,785件 現代文学 9,331 位 / 9,331件
文字数 176,302 最終更新日 2026.04.16 登録日 2026.03.07
ファンタジー 連載中 長編
転校生は、未来からやって来た。 相原瞬のクラスに現れたのは、「未来交流プログラム」によって派遣された未来人の生徒たち。原則は“観察のみ”、干渉は禁止――そう聞かされていた。だが、授業中に一台の机が突如ホログラムを展開し、「クラス全員の相性診断」を勝手に開始。笑いと冷やかしでざわつく空気は、不審な増設モジュールの発見と、窓の外に現れた監視ドローンの接近で一変する。未来人の少女・みことは「これは仕込みだ」と断言するが、核心部分は頑なに口をつぐむ。 放課後、人気のない理科準備室裏で、みことは未来では絶対に禁じられている“過去への干渉”が、このクラスで意図的に行われている可能性を告げる。夕日の影と蛍光灯の境界がじりじりと迫る廊下、聞き慣れない足音が会話を断ち切り、胸の奥に冷たい不安が広がっていく。 その夜、校舎は外部からロックされ、通信は遮断される。闇に沈む廊下を満たすのは、見えない何かが歴史を“書き換える”気配。未来の技術なのか、別の存在の仕業なのか――。逃げ道を探す中で、教室や機材に刻まれた微細な変化が、確かに現実を変えつつあることを告げていた。 笑いから始まった未来人との日常は、いつの間にか監視と改竄、歴史修正の渦中へ。過去と未来の境界線が音もなく崩れていく中、瞬は悟る。これはただの事件ではない――すでに物語そのものが、誰かの計画の序章に組み込まれているのだ。
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小説 222,785 位 / 222,785件 ファンタジー 51,761 位 / 51,761件
文字数 62,691 最終更新日 2026.04.12 登録日 2026.04.12
恋愛 連載中 長編
夕立に追われた放課後、仲町商店街の古いトンネルで、和毅(ともき)はひとりの少女に出会う。 濡れた手で自転車のブレーキを直そうとしていた白鳥怜子(れいこ)。古風なセーラー服、指先から滑り落ちた小さな手鏡。受け止めた鏡面の像は、雨粒に揺らいで半拍だけ遅れる――その“遅れ”が、世界の蝶番(ちょうつがい)だとはまだ知らない。 二人が肩を並べてトンネルを抜けると、蛍光灯はガス灯に、アスファルトは板戸と砂利に変わる。 時間旅行ではない。同じ“いま”が、位相を違えて二枚重なっている。 駄菓子屋の飴の粘り、紙風船の乾いた音、山車太鼓の基音。和毅の指に残った感覚だけが、二つの現実を行き来する道しるべになる。 手鏡を合図に通う逢瀬は、約束ではなく座標合わせだ。 飴を割り、せんべいを分け、縁台に並ぶ。鏡の中の列は逆向きに流れ、像は半拍遅れて重なる。怜子は医師になりたいと語り、和毅は未来の常識――“血液型”という言葉を喉で止める。真実は嘘よりも簡単に世界を壊すからだ。 やがて新聞の縮刷版が告げる残酷な“別の確定”に、和毅は凍りつく。 《白鳥怜子、八月二十七日 路面電車事故で死亡》。 昨日まで笑っていた彼女が、こちら側ではすでにいない。 理工の友人・和也は言う。「過去じゃない。位相の違う“いま”が重なってるだけだ。 片方で選べば、もう片方が歪む」。救えば壊すかもしれない――それでも、和毅は怜子を選ぶ。 令和の免許証という硬い証拠、避難の動線、風下を避ける判断。 怜子は「祖母を置いていけない」と揺れ、和毅は「二人とも助ける」と言い切る。 九月一日、十一時五十八分。 大地が唸り、提灯が鳴り、街の配置は次々と正しさを失う。 境界は閉じる。だが残響は残る。 割れた手鏡の欠片に、焼け跡の少女が映る。 「生きることが、あなたへの返事」――声は届かないのに、意味だけが胸に届く。 百年を越えて和毅の講義室に辿り着くのは、一冊の帳面。 〈血液、混交し凝固す――異なる性あり。適合せざれば危うし〉 震える筆で綴られた観察は、未来の常識を予告する人間の眼差しそのものだった。 世界は一枚の鏡ではない。 だが、誰かを想うという行為は、位相を越える唯一の手段になりうる。 「時を超えて」ではなく、「いまどう生きるか」が、二つの現実を“同時に”現実にする。 雨の仲町商店街、ガス灯の淡い炎、太鼓の基音。 手鏡一枚ぶんのズレを抱えた二人が、祈りではなく選択でつないだ記録。 これは、未来に届いた大正の手記であり、過去から照らされた令和の証言であり、約束が約束に
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小説 222,785 位 / 222,785件 恋愛 64,962 位 / 64,962件
文字数 25,692 最終更新日 2025.11.10 登録日 2025.10.19
ライト文芸 連載中 短編 R15
大学入学を期に一人暮らしを始めた主人公日田壮太は、新生活に胸を膨らませていた。彼が荷解きをしていると、突如インターフォンが鳴り響く。引っ越し早々の来客。不審だ。勧誘か?それとも泥棒か? 警戒しながらドアを恐る恐る開けると、そこにはとても美人なお姉さんが立っていた。
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小説 222,785 位 / 222,785件 ライト文芸 9,415 位 / 9,415件
文字数 4,339 最終更新日 2019.01.11 登録日 2018.12.12
ホラー 完結 短編
 深夜二時。  薄暗い蛍光灯の明かりにぼんやりと映る鏡の中。  鏡面越しに見つめて来るもう一人の自分。  誰かいる。    そう。  自分にそっくりな誰かが。  そう。  鏡の中に誰かいる。
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小説 22,090 位 / 22,090件 ホラー 754 位 / 754件
登録日 2021.03.30
ライト文芸 完結 短編
美術の教科書でノルウエーのムンクが描いた「叫び」を見たとき 気づかれず 音が無いサイレンを意識しました・・ 
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小説 222,785 位 / 222,785件 ライト文芸 9,415 位 / 9,415件
文字数 584 最終更新日 2026.04.13 登録日 2026.04.13
ファンタジー 連載中 短編
30世紀、少子高齢化が進んだ日本は、人口がどんどん減少していった。生産や供給が少なくなる中、各国は援助を重ねたが、ついに日本から人は居なくなった。日本の土地は資源も枯渇し、気候も悪条件で災害も多くこの島を自国の領土に組み込もうとする国は存在しなかった。世界からも、そして有史からも忘れ去られた日本。しかし、その島の中にはまだ人類が存在していたのだ。そして、その人類の灯は、今消え去ろうとしている。
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小説 222,785 位 / 222,785件 ファンタジー 51,761 位 / 51,761件
文字数 1,875 最終更新日 2018.12.14 登録日 2018.12.12
BL 完結 短編
営業部のエース・佐藤悠真(31歳)は、結果を出し続ける一方で、私生活は空白のまま。 そんな彼の隣に残業で居合わせる経理課の新人・三浦直樹(24歳)。 淡々とした資料作成、数字への真摯さ、そして時折見せる不器用な笑顔――。 蛍光灯の片隅で重なる時間は、やがて噂となり、互いの胸に隠していた想いを揺さぶっていく。 仕事のためだけに過ごしてきた日々が、“誰かと分け合う時間”に変わる瞬間。 深夜の会議室、雨の出張、噂と沈黙、崩れる瞬間、朝焼けのプレゼン……。 数々の試練を共に乗り越えた二人が選び取ったのは、ただの同僚でも、上司と部下でもない、新しい関係だった。 ――残業フロアの片隅で始まった恋が、未来へと続いていく。
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小説 222,785 位 / 222,785件 BL 30,950 位 / 30,950件
文字数 10,063 最終更新日 2025.10.01 登録日 2025.10.01
ホラー 連載中 長編 R15
梅雨の湿気が染み込む六月、編集者の三崎麻子は浜田市の古いマンションに引っ越してきた。都会の喧騒を離れ、静かな環境で仕事に集中したいという思いからだった。家賃の安さに不審を感じながらも、海が見える最上階の一室に決めた。 引っ越し初日、階段を上がる途中で麻子は違和感を覚えた。三階と四階の間の踊り場が、どこか不自然に広く感じたのだ。蛍光灯の明かりも他の階より暗く、壁には黒ずんだシミが浮かんでいた。 その夜から、異変は始まった。深夜、誰かが階段を上る足音が聞こえる。しかし、ドアスコープから覗いても人影はない。翌朝、郵便受けに一枚の古びた写真が投函されていた。階段の踊り場で撮られたそれは、白いワンピース姿の女性が写っているものの、顔の部分だけが黒く染みたように潰れていた。 不安を感じた麻子は、管理人の山岸に尋ねてみた。しかし彼は「心配することはない」と言うだけで、それ以上の説明を避けた。その態度に不信感を抱いた麻子は、地域の古老を訪ねることにした。 そこで麻子は、二十年前にこのマンションで起きた連続失踪事件のことを知る。若い女性が次々と姿を消し、最後に発見されたのは階段の踊り場で の事故死だった女性の遺体だけだった。しかし、その死因には不可解な点が多かったという。 その後も麻子のもとには古い写真が届き続けた。写真に写る女性たちの表情は徐々に歪み、恐怖に満ちていった。ある夜、麻子は階段を上がる黒い人影を目撃する。追いかけると、それは不自然に広い踊り場へと消えていった。 壁を調べると、そこには隠された扉があった。扉の向こうには小さな祭壇があり、失踪した女性たちの写真が祀られていた。その奥には、山岸管理人の若かりし日の写真と、白いワンピースが保管されていた。 真相は、二十年前の山岸による連続殺人事件だった。彼は若い女性たちを踊り場の隠し部屋に誘い込み、儀式めいた行為の末に殺害していたのだ。最後の犠牲者となるはずだった女性との格闘の末、彼女は事故死として処理された。その後、山岸は管理人として潜伏し、新たな獲物を待ち続けていた。 麻子が真相に気づいた時、背後から忍び寄る気配があった。振り返ると、山岸が白いワンピースを手に立っていた。しかし、その瞬間、階段の影から複数の黒い人影が現れ、山岸に襲いかかった。それは、犠牲となった女性たちの怨念だった。 翌日、山岸の遺体が踊り場で発見された。事故死として処理されたが、その表情は深い恐怖に歪んでいたという。 それから一年後、マンションには新しい住人が引っ越してきた。階段の踊り場に立つと、今でも誰かの気配を感じることがあるという。それは、過去の悲劇を見守る者たちの存在なのかもしれない。
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文字数 16,591 最終更新日 2025.02.08 登録日 2025.02.06
ファンタジー 連載中 長編 R15
ある日突然、彼は前世を思い出してしまった。 貴婦人ではなく、貴“腐”人だった記憶を。 取り急ぎ問題点を上げるなら、どうやら現代系学園乙女ゲームに色々酷似している事と、今現在の自分の立場。 彼はただの事務員であり、そして38歳のワイルド眼鏡ダンディだったのだ。 ​─────攻略対象?ンな事よりもそこの蛍光灯交換していい? マイペースなダンディがテキトーに過ごしながら、攻略対象者やヒロインを傍観しようとして地味に巻き込まれたりするお話。 ※他の連載の息抜きに書いているだけなので、一話一話が短く、更新も不定期です。 基本的に見切り発車ですので、どうか生温く見守って下さい。(小説家になろう様、ノベルアップ様、ノベルバ様にも載せています)
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文字数 8,970 最終更新日 2019.04.04 登録日 2019.04.04
ファンタジー 連載中 ショートショート R15
真夜中のコンビニ。蛍光灯の冷たい光が、雨に濡れたアスファルトに反射していた。雨音だけが耳に響く中、二十歳の青年、蓮見翔太はレジ袋を抱え、ゆっくりと歩いた。バイト帰りだ。 彼は、いわゆるひきこもり気質の大学生だった。友達は少なく、会話は苦手。大学にもほとんど行かず、オンラインゲームとコンビニ食で日々を繋いでいた。そんな彼が、この平凡な帰り道に、異世界へ召喚されるなどとは、夢にも思っていなかった。 突如、視界が歪み、耳をつんざくような音が響いた。気が付くと、そこは鬱蒼とした森の中だった。コンビニのレジ袋は、しっかりと彼の手に握られていた。 パニックになった翔太は、辺りを見回した。見慣れない植物、奇妙な鳥の鳴き声、そして、空には見慣れない星が輝いていた。恐怖と混乱が、彼の心を締め付ける。 「ここは…どこ…?」 震える声で呟いても、返事はない。一人ぼっち。何もない。ただ、不安と恐怖だけが、彼の周りに渦巻いていた。 数日間、彼は森を彷徨った。飢えと渇きに苦しみ、野生の動物を恐れた。知識も技術も、そして頼れる人間もいない。何度も倒れそうになりながら、彼は必死に生き延びようとした。 あ...
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文字数 1,520 最終更新日 2025.09.01 登録日 2025.09.01
ホラー 完結 短編
終電を逃した夜、俺は新宿駅の地下で途方に暮れていた。時計は午前1時を回り、改札はシャッターで閉ざされている。タクシー代をケチりたくて、始発まで駅のベンチで時間をつぶすことにした。地下のコンコースは静まり返り、蛍光灯の薄い光がタイルの床を冷たく照らす。遠くで、換気扇の低いうなり音だけが響いていた。
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文字数 1,289 最終更新日 2025.05.16 登録日 2025.05.16
ホラー 連載中 長編
The Backroomsは海外掲示板発祥のカルト的な人気を誇る都市伝説的なオカルトシェアコンテンツです。 ある日、何気ない現実の日常からあなたは巨大な迷宮に足を踏み入れることになります。 そこは日常に近い景色でありながらどこか奇妙で異質な空間。 おそろしい罠や正体不明の生物に遭遇することも珍しくありません。 生還するためには、wikiに記載された世界中の放浪者から寄せられた情報が頼りです。 The Backrooms自体はストーリーを持たない「みんなで考えた設定」の集合体に過ぎません。 この作品はそんなThe Backroomsの設定を元に小説化したものになります。 読み進め始めたら止まらないThe Backroomsの世界の素晴らしさを一緒に体感できたら幸いです。 "あなたが注意を怠って、おかしな所で現実から外れ落ちると、古くて湿ったカーペットの匂いと、単調な黄の狂気と、最大限にハム音を発する蛍光灯による永遠に続く背景雑音と、約十五兆 m2 を超えて広がるランダムに区分けされた空き部屋に閉じ込められるだけの ”The Backrooms” に行き着くことになるのです。 もし、近くで何かがうろうろしているのが聞こえたら、それはきっとあなたが出す音に気付いていることでしょう。あなたに神の救いを" なお、執筆にあたり日本語版wikiの内容を引用させていただく箇所がございます。 The Backroomsのwikiは常に更新され続けているため、同期しきれない箇所があることをご了承ください。 作者独自の解釈、改変を行う可能性があることをご了承ください。 それでは良い旅を。
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文字数 12,559 最終更新日 2022.09.11 登録日 2022.09.09
ライト文芸 連載中 短編
地方都市の古いビル,その地下1階にある小さなベーカリー。22歳の見習いパン職人,木村詩帆は,深夜2時から朝6時まで,一人で仕込みをしている。変わりたいと思いながら変われない。前に進まなければと思いながら,足が動かない。それでも毎晩,粉を量り,水温を測り,生地を捏ねる。繰り返しの中に,自分を,かろうじて,置いている。 ある深夜,シャッターを叩く音がした。光が見えたから,と言って現れたのは,同じビルの4階に住む,名前も職業も知らない男だった。眠れない夜に外を歩いていると,この地下の光が見えて,立ち止まれるのだという。詩帆はパンを売った。それだけのことだった。 それから,彼は週に3度,深夜に来るようになる。パンを買う。少しだけ言葉を交わす。また来る。ただ,それだけのことが繰り返された。でも詩帆の手は,彼が来る夜と来ない夜で,仕込みのリズムを変えていた。身体が,頭より先に,何かを知っていた。 包帯を巻いた夜があった。カウンターを越えて,その手を包んだ夜があった。厨房にコーヒーカップが2つ並んだ夜があった。深夜の厨房で,2人は話した。何について話したか,後から思い出せない。声の低さと,蛍光灯の白さと,コーヒーの冷め方だけを,覚えている。 やがて,彼の名前を知った。詩帆は,その名前を,のどの奥で,静かに,発音した。 2人の関係には,最後まで,名前がつかない。恋なのか,習慣なのか,それとも別の何かなのか。問いは宙吊りのまま,夜の中に,置かれる。でも詩帆は今夜も,ブリオッシュに丸印をつける。1つ,取っておくための,印を。来ても来なくても,焼く。待つことは,何もしないことではない。温度を保つことが,待つことだ。 停滞は,敗北ではない。前進も,義務ではない。変われない身体が,それでも夜の中を歩く。その事実を,この物語は,裁かずに,ただ,描く。
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小説 222,785 位 / 222,785件 ライト文芸 9,415 位 / 9,415件
文字数 36,379 最終更新日 2026.04.25 登録日 2026.04.17
ホラー 完結 ショートショート
大学のために上京し、古いマンションの3階、303号室に引っ越した。築40年の建物は壁にひびが入り、廊下の蛍光灯は半分が切れている。家賃が安いのが唯一の救いだった。引っ越して数日、夜中に隣の304号室から奇妙な音が聞こえた。ガリガリと、何かを爪で引っかくような音。壁越しに聞こえるから、ペットでもいるのかと思った。
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文字数 1,324 最終更新日 2025.05.19 登録日 2025.05.19
ファンタジー 連載中 長編
正月だった。 別に特別な予定があるわけでもなく、こたつに入りながらスーパーで買った切り餅を焼いていた。 テレビでは正月特番がうるさいくらいに芸人を騒がせている。外は雪。部屋はひとり。まあ、いつものことだ。 「ん……この餅、ちょっと固いな」 なんて、誰に聞かせるわけでもなくつぶやいて、油断していた。 ズン、と喉に詰まった瞬間、視界が霞んだ。 胸を叩く。水を飲もうと立ち上がろうとする――が、うまくいかない。 (マジかよ……これで死ぬの……?) 誰かが言っていた。「人間、最後に見るのは走馬灯じゃなくて天井だ」って。 たしかに、蛍光灯のシミばっか見てた。 あっけない。何も成し遂げないまま、人生が終わる。そんな感覚だった。 …… (――いや、まだ生きてる?) 目を開けると、草原だった。 空が広い。馬が走る音が遠くに聞こえる。 なんか、服も変だ。トゲトゲの肩当てとかついてる。 それより、手がめちゃくちゃ若い。 鏡がないから確かめられないけど、たぶん10代後半くらいの見た目になってるっぽい。 「……あー……もしかして、これ……」 転生ってやつか? 餅で死んで、剣と魔法の世界に、若返って――。 しかも、なんか手に光る紋章的なやつまで浮かんでるし。 「でも、別に魔王とか倒したいとかじゃないんだよな……」 せっかく生き返ったんだ。のんびり生きて、畑でも耕して、できれば村長とかになって……。 なんか、そんな人生でもいい気がしてきた。
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小説 222,785 位 / 222,785件 ファンタジー 51,761 位 / 51,761件
文字数 5,020 最終更新日 2025.07.15 登録日 2025.07.14
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