ファンタジー お仕事ファンタジー 小説一覧
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16件
1
「銀貨三枚のことでしょう」と笑われたので、ギルドを辞めました。その後、王立会計院の監査が入ったそうです
王都の冒険者ギルド《金鹿の角》で管理官として働くイルゼは、王国の最低報酬額改定を受け、翌月から三名の職員が基準を下回ることに気づいた。
必要な増額は、一人につき銀貨三枚。
すぐに報酬表を修正すれば済む話だと思っていたイルゼだったが、上司から返ってきたのは思いもよらない言葉だった。
「銀貨三枚のことでしょう」
「そんなにすぐお金が欲しいのか」
「他にも直さなければならないところはいくらでもある」
けれど、その「他にもある問題」を一つずつ直してきたのもイルゼだった。
契約の不備、共済の加入漏れ、期限の切れた協定、誤った報酬計算。
過去の間違いを直すだけならまだいい。
これから起きる違反まで、なぜわざわざ増やそうとするのだろう。
最低報酬の是正そのものは、どうにか認めさせることができた。
それでもイルゼは、《金鹿の角》を辞めることにした。
その後、彼女は小さな管理事務所を開き、ギルドや商会の契約や帳簿を整える仕事を始める。
一方その頃、王都では別の大手ギルドを巡る問題をきっかけに、王立会計院が認可ギルドへの監査を強めていた。
そしてある日、《金鹿の角》にも監査官が訪れる。
「うちは、そこまで酷くない」
そう考えていた経営陣だったが、数年分の帳簿を調べ始めた監査官は、ある不自然な数字に目を留め――。
2
『異世界に派遣された転職だらけのサラリーマン ~剣も魔法も使えませんが、十の職歴で潰れかけの王国を立て直します~』
チートなし。剣も魔法もなし。武器は、現場で働いてきた経験だけ。
運送、製鉄所、建設、クレーン、製造、設備保全、品質管理、営業――。
転職を繰り返してきた45歳のサラリーマン・神崎鉄平に、突然「異世界派遣」の辞令が下される。
派遣先の王国を苦しめていたのは、魔王でもモンスターでもなかった。
赤字続きの商会。
事故の絶えない鉱山。
崩れかけた街道。
届かない物資。
老朽化した設備。
人手不足と技術者不足。
品質不正。
属人化した仕事。
途絶えかけた技能継承。
そして――
「昔からこうしている」
「まだ動いているから大丈夫」
「納期があるから止められない」
そんな現場に潜む、小さな“慣れ”と“見過ごし”だった。
鉄平は現代知識ですべてを解決する万能主人公ではない。
知らないことは職人に聞く。
分からなければ現場を見る。
専門的な判断は専門家に任せる。
彼の仕事は、問題を整理し、人と人、仕事と仕事をつなぎ、現場自身が答えを出し、鉄平がいなくなっても続けられる仕組みを作ること。
物流、設備保全、安全管理、工程管理、品質管理、改善、標準化、人材育成、技能継承――。
ブルーカラー職にも通じる現場の課題を、異世界ファンタジーとして描きます。
ただし、これは仕事の教科書ではありません。
安全を優先すれば納期が遅れる。
効率化すれば別の誰かに負担がかかる。
正しいはずの改善が失敗することもある。
「自分の現場だったら、どうするか?」
物語を楽しみながら、働くこと、安全を守ること、技術を次世代へ残すことを考えるきっかけになる――
チートなしの異世界×現場コンサルティングファンタジー。
全10部・全250話プロット完結済み。
各所に張り巡らされた伏線が、後半に向けてドミノ倒しのようにつながる時系列完全連動型。未完の心配はありません。
毎日20:00更新。
続きが気になりましたら、ぜひお気に入り登録して最後までお付き合いください。
3
【完結】召喚されて聖力がないと追い出された私のスキルは家具職人でした。
結城依子は、この度異世界のとある国に召喚されました。
呼ばれた先で鑑定を受けると、聖女として呼ばれたのに聖力がありませんでした。
そうと知ったその国の王子は、依子を城から追い出します。
異世界で街に放り出された依子は、優しい人たちと出会い、そこで生活することになります。
パン屋で働き、家具職人スキルを使って恩返し計画!
異世界でも頑張って前向きに過ごす依子だったが、ひょんなことから実は聖力があるのではないかということになり……。
※他サイトにも掲載中。
※基本は異世界ファンタジーです。
※恋愛要素もガッツリ入ります。
※シリアスとは無縁です。
※第二章構想中!
4
勇者じゃなくて運送屋ですが、王国の命綱です
田島壮太は、配送業に勤める四十歳独身の男。
仕事帰りではなく、仕事の真っ最中。
道路に飛び出してきた子どもを避けた結果、有料道路からトラックごと転落し、そのまま命を落とした……はずだった。
しかし次に目覚めたのは、見知らぬ異世界の森。
しかも体は二十歳前後へ若返り、事故で失ったはずのトラックは、固有能力《神速積載庫(ゴッド・ロジスティクス)》へと姿を変えて壮太の中に残っていた。
触れた荷物を収納し、傷めず、腐らせず、必要な場所へ届ける。
その能力は一見地味だが、物流が未発達な異世界ではまさに反則級。
食糧、薬、武具、建材、貴重品。
人々の生活も、商売も、戦場でさえも、運べるかどうかで運命が変わっていく。
前世では人付き合いが苦手で、気づけば四十歳独身。
だからこそ壮太は、若返ったこの異世界で人生のやり直しを決意する。
今度こそ、ちゃんと人と関わって生きていきたい。
できることなら結婚だってしたい。
とはいえ、不器用な性格はそう簡単には変わらない。
無口で愛想も薄い。
けれど根はお人好しで、特に困っている女性にはつい甘くなってしまう。
そのせいで依頼を軽く引き受けては、商会の揉め事、貴族の思惑、流通利権の争い、さらには王国規模の危機へと巻き込まれていくことに。
勇者でも英雄でもない。
けれど荷が止まれば、人の暮らしも止まる。
これは、元トラック運転手の青年化おじさんが、
異世界で運送屋として信頼と人脈を積み上げながら、
人を救い、町を支え、やがて王国の命綱になっていくお仕事ファンタジーです。
5
王立劇場を辞めた名無しの代役、外れ役紋【空白】で訳あり役者の旅一座を始めます~七つの町で今日も満員御礼です~
十二年間、彼女の名前がポスターに載ることはなかった。
王立劇場で働く二十九歳のリヴィアは、誰かが倒れたときだけ舞台に立つ「名無しの代役」。
彼女の役紋は、何も刻まれていない外れの【空白】だった。
どんな役にも一晩だけ合わせられるため、劇場からは便利に使われてきた。けれど、どれほど完璧に演じても、拍手も名声も看板女優のもの。リヴィアへ向けられる感謝はない。
王国中の貴族が集まる記念公演を救った夜、支配人は言った。
「代役に名前はいらない。お前の代わりもいる」
その瞬間、リヴィアは十二年間勤めた王立劇場を辞めることにした。
劇場の外で彼女を待っていたのは、人前に立つとうまく声を出せない脚本家ノア。
「今度は、あなたの名前を台本に書かせてください」
彼が率いる旅一座〈青い天幕〉に残されていたのは、穴の開いた天幕、古びた舞台馬車、たった三脚の客席だけだった。
しかも、巡業札の期限まで残り九十日。
一座を存続させるには、七つの町で客席を満員にしなければならない。
耳の聞こえない影絵師の少女。
美しい声を持ちながら、自分の役を見つけられない元歌姫。
英雄と呼ばれることを嫌う、片脚の元工兵。
リヴィアたちは旅先で出会った訳ありの仲間を迎え、それぞれが無理なく輝ける舞台を一つずつ作っていく。
石切り町では、英雄ではなく帰りを待った家族の物語を。
声を出せない風の町では、言葉を使わない影絵芝居を。
戦勝に沸く町では、鎧を脱いだ兵士たちが心から笑える喜劇を。
やがて明らかになる【空白】の本当の力。
それは、誰かの役を借りるだけの力ではなかった。
仲間と観客の心が重なったとき、この世界にまだ存在しない「新しい役」を生み出せる、特別な役紋だったのだ。
一方、リヴィアを失った王立劇場では、代役不足や若手の離職が重なり、公演が少しずつ立ち行かなくなっていく。
今さら名前を看板に載せるから戻ってほしいと言われても、もう遅い。
リヴィアが立ちたい舞台も、帰りたい場所も、共に歩きたい人も――すでに自分で見つけている。
これは、誰かの代わりにしかなれなかった女性が、訳ありの仲間たちと七つの町を巡り、自分の名前で拍手を受けるまでの物語。
温かなお仕事と仲間づくり、そして舞台に立つ女優と舞台に立てない脚本家の、ゆっくり育つ恋のお話です。
6
風待ちの魔女郵便
国境を越え、人から人へ手紙を運ぶ――それが、国際郵便組合に所属する「郵便魔女」の仕事である。
二十歳の郵便魔女、リネット・ファルン。通称リン。
真面目で責任感が強く、少しばかり仕事が好きすぎる彼女には、ほかの誰にもない力があった。
人や船が空を飛ぶために整備された魔力の道〈風路〉。リンだけは、その流れが消えたあとにも残る、ごく微かな痕跡を感じ取り、再び飛べる道として辿ることができる。
ある日、配達中のリンの目の前で、使われていたはずの風路が突然消失する。
失われた旧風路を辿り、十六年遅れの手紙を届けた彼女の鞄には、帰路で見覚えのない封筒が入り込んでいた。
押されていたのは、四十二年前に廃止された「風待ち郵便局」の消印。
便箋に記されていたのは、三日後に起きる、次の風路消失の予告だった。
やがてリンは、消えた風路の奥で、行き先を失った郵便物が集まり続ける古い郵便局へ辿り着く。
戦争で閉ざされた国境。
地図から消えた町。
受け取ることを拒み続けた人。
届けるには、あまりにも時間が経ちすぎた手紙。
手紙が届けば、止まっていた時間が動き出す。
けれど、届いた言葉が誰かを救うとは限らない。忘れようとしていた過去や、二度と戻らない人の思いを呼び覚ますこともある。
郵便魔女にできるのは、誰かの答えを決めることではない。
ただ、受け取るかどうかを選べる場所まで、その手紙を運ぶことだけだ。
それでもリンは、郵便鞄を背負い、箒にまたがる。
待っている手紙と、それを受け取るかもしれない誰かのために。
これは、風の途絶えた空を飛び、届かなかった思いをもう一度旅へ戻す、一人の郵便魔女の物語。
7
公爵家の洗濯女中〜底辺職場に転生した私、とりあえず泥臭く仕事してます〜
汚れを見つけると、洗濯せずにはいられないタチなもんで。
貴族社会と魔法が残る国、アルテリア。その北部にある、ノルデン公爵モンドシュタイン家の城の洗濯女中として働くミア。
賤業と言われる炭焼きの家に、前世の現代日本人の記憶を持って生まれた。
仕事は、きつい、汚い、危険な肉体労働。
底辺職場だが、個性豊かな洗濯女中の同僚たちと、何だかんだ楽しく生きている。
ある日、城内で黒い髪の少年に会ったことから、ミアの日常に僅かなヒビ割れが生じる。やがてそれは大きく音を立てて崩れることとなるのだが。
魔法もチートもない底辺女中にあるのは、前世の知識と物理(?)の力だけ。
公爵家の上級使用人たちの理不尽を、知識と絆で切り抜ける。しかし、次期公爵の座を巡る問題に巻き込まれることとなって――
仕事は洗濯ですので、お間違いなく。
頑固なシミ(やつら)なら、お任せください。命を懸けて、洗濯させていただきます。
(※近世西洋風の過酷な衛生環境や洗濯事情をリアルに描写しているため、虫や汚物などの表現が含まれます。苦手な方はご注意ください)
8
王立ギルド魔物被害調査課の白と黒
大砂漠の只中に、冒険者や交易商人に愛されるオアシスという村があった。しかしある日、オアシスは忽然と姿を消す。人口二百人ほどの村があったはずの場所に残されたのは、黒焦げの大地のみ。オアシスは驚くほどの短時間で全てを燃やし尽くされてしまったのだ。
元冒険者で、現在四十六歳である王立ギルド魔物被害調査課の職員であるロズは、大学校を卒業したての新入り職員ディーと共に、『オアシス消失事件』の調査を開始する。
二人の仕事は、事件を調査し、原因となった魔物の討伐依頼を発行することだった。
9
回復魔法では治せない――王国唯一の作業療法士は、失われた営みの糸を結び直す――
回復魔法によって、どんな傷も治せるようになったセルディア連合王国。
骨はつながり、失われた手足さえ元に戻る。
王国では、もはや「治せない傷はない」と信じられていた。
けれど、完璧に治ったはずの少年リュカは、なぜか木剣だけを握ることができなかった。
「握れるようになったら、何がしたい?」
そう問いかけたのは、回復魔法を使えない治療者、アルド・レイヴァン。
人と道具、場所、習慣、役割を結ぶ〈営みの糸〉を見つめ、その人が失った暮らしを共に探す、王国唯一の〈作業療法士〉だった。
身体を治せば、人は元の役割へ戻れる。
十二歳になれば〈適役判定〉によって、進むべき道が示される。
そんな王国の常識に疑問を抱きながら、アルドは「まだ決められない」と願う人々に寄り添っていく。
ある夜、かつて炎剣の英雄と呼ばれたパン職人ガルドが、アルドのもとを訪れる。
十三歳の養女ミナが、一枚の置き手紙を残して消えたのだ。
『少しだけ、誰の娘でもない日にしてもらいます』
ミナが自ら向かったのは、苦しい記憶や役割から解放されるという〈無憂教会〉。
だが、彼女から伸びる白い糸の先には、死んだはずのアルドの師と、人から苦しみをなくすための恐ろしい計画が待っていた。
傷を治すことと、その人の人生を取り戻すことは同じなのか。
過去の夢を、今も選び続けなければならないのか。
これは、誰かを「元どおり」にするのではなく、迷い、拒み、選び直せる明日を取り戻すための物語。
10
異世界転生した騎士隊長が、僕のフィギュアの名前「ガブ代」をどうにもお気に召さないご様子
聞き覚えのない声がする。
何者かに襲撃され、壁と冷蔵庫が破壊された。
それでも翌朝には会社がある──なぜなら、有給はゼロ。
* * *
西暦2016年、よくある大手IT企業の話。
社会人失格の烙印を、近所のスーパーのスタンプカードくらい押されまくっている、新卒二年目の会社員・兄滋田。
正確にいえば、仕事ができない風を装っていても、周囲にはほぼ天才的であることがバレている。
ある夜。
兄滋田がこれ以上遅刻も許されない中で寝ていると、どこかから正体不明の、聞き覚えのない声が聞こえ始めた。
幽霊…?
幻聴…?
いや、これは確実に労災案件の匂い。間違いない。
そう思い込み、無視して寝入る兄滋田。
翌日、会社の始業時間を過ぎてもぐっすり寝ていた兄滋田は、出勤後にも常にトラブルが付き纏う。
昨日の声は何だったのか?
声の主を捜す兄滋田へ、何者かが見えない矢を放つ。
言葉の通じない襲撃者。
壊される壁と冷蔵庫。
減っていく敷金。
やがて兄滋田は、襲撃者が自分を「異世界から転生してきた騎士隊長」だと思いこんでいることを知る。
これは異世界へ行かなかった男と、異世界から来たと思っている、騎士隊長?のお話。
【次回更新:9/25】
11
魔王城すこや課、本日も無事社畜です!
過労で倒れた社畜女子シオンの転生先は、まさかの魔王城。
無邪気に暴虐無人な上司(魔王)のもとで便利屋事務員としてドタバタな日々を過ごすうちに、寡黙な悪魔レヴィアスの思わぬ優しさに惹かれはじめていた。
ある日、突然変異したモンスターの暴走によって魔王城での生活は一変。
ーーそれは変異か、陰謀か。
事態を解明するために、シオンたちは世界各地で奔走する。
直面したことのない危険や恐怖に立ち向かうシオンは、それを支えるレヴィアスの無自覚で一途な愛情に翻弄されて……?
働くことでしか自分を認められないシオンが、魔王城で働く魔物たちの心をほぐしながら自分の価値を見つけていくファンタジーお仕事じれ恋ストーリー。
※caitaでも投稿中です
12
定時は死神の領域(デスゾーン)です 〜高位死神、ブラック企業へ長期出張中〜
「ほう、虫ケラの分際で我にサービス残業を指図するか。」
世間が十連休に沸く裏で、過酷な現場に命を削られ、26歳で過労死した居酒屋社員・燈守梓。
その無念を引き継いだのは、死神界No.2――最高位の『終焉の調停者』ジルドヴァインだった。
「真面目に働く者が報われないなど、世界の設計が間違っている。」
死神は彼女の人生を背負い、人間社会へ”長期出張”する。
現場を犠牲にして利益を生み出すブラック企業。
搾取を正当化する管理職。
法律を知らないことにつけ込む制度。
異能は真実を暴くためだけに使う。
最後に悪を裁くのは、人間自身が作った労働基準法と就業規則。
高位死神が現場の命を守るため、人間社会のルールで悪意を断罪する。
『定時は死神の領域(デスゾーン)です』
これは、現場から奪われた時間を取り戻す、リーガル・ファンタジー。
13
異世界営業〜大事なのは剣でも魔法でもない。営業力だ!
これは、元やり手営業部長の青年が、その営業力を駆使し、転移した異世界で起業して成功する物語。しかしその道のりは困難の連続だった!彼の仲間は落ちぶれた魔導博士と魔力量だけが取り柄のD級魔導師の娘。彼らと共に、一体どうやって事業を成功させるのか?彼らの敵とは何なのか?今ここに、異世界に降り立った日本人青年の、世紀の実業ファンタジーが幕を開ける!
14
透明な時計の時洗い師 ――夕焼け虹の裏側で、町の記憶をほどく――
【登場人物】
ライム:狩人見習いから、布・紙・縄・木材に残る「大切にされた時間」を洗い戻す希少職「時洗い師」になった青年。自分の長所に気づかないが、人の言葉を受け入れ、やがて町を支える仕組みを作っていく。
ルーカズ:ライムの幼なじみ。現場を整理して説明するのが得意な弓使いで、能力の新しい用途を誰より早く見つける相棒。
ティグルアン:最後の公認時洗い師。ぶっきらぼうだが、能力の危険と職人の責任を教える師匠。
シルヴィ:仕事を集める商会仲介人。商売を広げる一方、大量注文が能力の弱点を表面化させる。
エイヴァ:時洗いを軽視する腕利き狩人。厳しい検証を重ね、やがて安全を支える側へ回る。
ブリト:ケルン町長。時洗いを町の保守へ導入するが、一人の職人へ依存する危険にも直面する。
イア:橋や水路を設計する技術者。感覚で読むライムを、構造と数値で支える。
ダニエル:無機繊維を扱う隣領の技術者。再現性のない能力を公的設備へ使うことに反対し、ライムと安全思想を競う。
【あらすじ】
狩人として芽が出ない青年ライムは、母の古い外套を洗った日、布の上に「透明な時計」を見る。針が示すのは時刻ではなく、その品が誰かに大切にされた瞬間。
ライムは時洗い師となり、縮んだ服や弓弦の修繕から、紙の記録復元、橋や水路の点検、災害救助へと用途を広げていく。
しかし便利さが町へ広がるほど、同じ時間を戻し続ければ記憶の針が薄れること、新品や無機繊維には戻る過去がないこと、強い感情を偽装すれば判断を誤ることが明らかになる。さらに大量の時計を読んだライム自身も、他人の記憶に飲み込まれてしまう。
過去へ戻す力が通じない大災害を前に、彼が選ぶのは「昔に戻す」ことではない。住民全員の手入れを新品へ刻む新技法「今刻み」。
失われた母との時間を抱えた青年が、人と技術をつなぎ、「思い出は今日から作れる」と未来を選び直す。
15
パンツを見たら殺しますよ?
地味デブ眼鏡の冴えないOL花岡和代。
ある日テレビCMで見たランジェリーに一目惚れ。
この可愛いパンツが似合う素敵な女性になってやる!と一念発起。
ジムやエステでダイエットを頑張り、眼鏡をコンタクトに替えて美女に変身。
生まれて初めてのミニスカートを履いて街へ繰り出す和代。
あと少しで憧れのランジェリーショップに到着するはずが、ある事で死亡してしまう。
大きな未練を残して死んだ和代に、神様が新しい人生をプレゼントし、剣と魔法のファンタジー世界に転生。
新しい世界で17歳の真白として生きることになった元・和代。
神様に与えられたエステスキルは人々を癒したり魔物とのバトルにも使えます。
そして真白にはもう一つのチートスキル『羞恥心』があった―――
ある少女を奇麗にしたことがきっかけで自分のエステサロンを開業することが目標になった真白は、仲間と共に夢へ向かって走り出す。
絆と再生の日常系バトルファンタジー、ここに開幕!
16
追放郵便魔女は、配達不能を届ける 〜中央局に見捨てられた手紙、私が届けます〜
中央局が「配達不能」と判定した手紙を、クラリス・ヴェインは届けてしまった。
風標は消え、中継塔は朽ち、台帳から村の名は消えていた。
それでも空には、まだ箒一つ分の細い風路が残っていたからだ。
だが中央局にとって、それは功績ではなかった。
命令違反。
越権行為。
危険な独断。
かくしてクラリスは、郵便組合を追放される。
半年後。
辺境の町外れで、彼女は小さな私設郵便屋を開いた。
看板に掲げたのは、ただ一文。
配達困難郵便、承ります。
婚礼の日までに母へ届けたい手紙。
地図から消えた村に住む人への便り。
中央局が諦めた、けれど誰かがまだ待っている手紙。
赤い判を押されたからといって、想いまで届かなくなるわけではない。
旧風路を読める追放郵便魔女クラリスは、今日も箒にまたがる。
「不能ではありません。困難です。困難なら、まだ仕事になります」
誰にも届けられないとされた手紙を届ける、追放郵便魔女の辺境配達ファンタジー。
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