「筆跡」の検索結果

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ホラー 完結 短編
季節外れの朝顔が咲く庭。そこに現れた“名を呼んではならぬ女”と青年が出会う、祈りと記憶の幻想譚。 山深い旧家に派遣された若い庭師・湊。依頼書には依頼主の名もなく、ただ「庭の整備をせよ」とだけ記されていた。たどり着いた屋敷の庭には、秋にもかかわらず青紫の朝顔が五輪、音のない空気の中に咲いていた。風も鳥の声もない。不意に背を抜けた冷たい気配の先に、湊は青紫のワンピースを纏う女の姿を見る。月光の中、彼女は花を見つめ、囁くように言った。「……摘まないで」。それだけを残して、闇に溶けた。 翌朝も花は変わらず咲き続けていた。幻ではない。湊は屋敷を探り、埃をかぶった帳面の束の中から奇妙な一冊を見つける。そこには「朝顔咲ク夜、名ヲ呼ブコト勿レ」と墨で書かれていた。夜、再び女が現れ、湊はその言葉の意味を問う。彼女は微笑み、「咲いてはならぬ庭に、咲いてしまった人」と名乗る。名を呼べば花は散るという。湊は彼女の名を探す決意を固める。 納戸の奥で見つけたのは、祖父・榊原清三の日記だった。そこには同じ庭で“咲いてはならぬ朝顔”を見た記録があり、「咲けば忘れ、咲かねば憶え」と綴られていた。日記の筆跡は震え、「少女、名記せず。忘れ草なれば」と記されている。湊は悟る。祖父もまた、彼女に出会っていたのだ。 夜ごと現れる女は、次第に言葉を増やしていく。「咲くことは、忘れられること。わたしは、忘れたくないのに」と。湊は封印を解くように庭を掘り、朝顔の根元から一枚の木札を見つけた。そこにはかすれた墨で「澪」と書かれている。名を呼ぶことはできなかったが、彼女は微笑み、「忘れないでね」と囁き、月光の中に消えた。 やがて湊は知る。澪は愛されることに疲れ、誰の記憶にも残らぬよう咒となった存在だった。だが、湊の想いがその咒を変えた。彼女は再び現れ、涙をこぼしながら湊に触れ、「あなたに会えて嬉しかった」と告げる。ふたりの指が触れた瞬間、境界は消え、夜が光に包まれる。澪は穏やかな笑みを残して昇華し、朝顔は静かに散った。 一年後、湊は再び庭を訪れる。蔓は生きているが、花は咲かない。だがそれでいい。咲けば忘れ、咲かねば憶える。彼は風に向かい、「来年も来るよ」とつぶやく。花のない庭に、確かに“誰か”の気配があった。 咲くことは忘却、咲かぬことは祈り。澪が残したのは、咒いではなく、記憶を守る静かな美しさだった。
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小説 222,662 位 / 222,662件 ホラー 8,201 位 / 8,201件
文字数 18,645 最終更新日 2025.10.18 登録日 2025.10.17
ファンタジー 連載中 短編 R15
 魔族が蹂躙する世界である、ここインシュラでは【左羽】【核羽】【西羽】と呼ばれる人種が造り上げた、対抗勢力が日々魔族の脅威と戦っていた。  イントス・エフォートは幼い頃から憧れていた西羽の門を、【発現】と称されインシュラでは誰もが発症する「独自能力」を開化させた15の歳を数える年に叩いたが、公的任務の多い左羽や核羽と比べて、比較的門の広い西羽の入団審査に、魔力量に欠陥があるイントス・エフォートは、回数制限のない審査を何度も落ち続けた。かつての友人や知人がそれぞれの道を進み、30を越える年齢の現在も夢を追い続けたが、もはや少年の頃の光り輝く過去の夢は、その色を失い風化している。その事に気付きながらもイントス・エフォートは目を背け、無職であり続けた。  ──いつか、必ず西羽に入団できる。才能がある俺は、環境が悪いだけで本気を出せる場なら、こうはいかない。西羽に入団さえできれば、すぐにでも同世代を追い越して見返してやる──  言い訳を暗示の様に何年も自身でかけ続け、近所で「無職のおじさん」と子供達に後ろ指を指される彼に、ある日1通の手紙が届く。その内容は子供が書いたとすぐに分かる筆跡で、妹の誕生日が近いので西の海で採取できる【三色殻】を内緒で取ってきてほしいと書かれていた。 「まいにちたんれんをしていて、ほんとうはつよいとぼくはおもいます」  手紙の最後に書かれていた一文は、イントスに過去に見た夢の光を思い出させるには充分であり、手紙を読み終えたその日に彼は街を発つ。  無事に着いた西の海で災害に見舞われ、海の波に飲まれたイントスが次に目を覚ましたのは魔族が生ける地【デスペル】であった。魔族の食用人間が生活をする地である【育人村】に連行されたイントスに、とある魔族が彼の能力に目をつけ、イントスの欠点である魔力量の少なさを改善した。魔族の地で力を手にした彼は気付く。憧れていたのは、正義ではなく、無類の強さであったことに──
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小説 222,662 位 / 222,662件 ファンタジー 51,743 位 / 51,743件
文字数 8,287 最終更新日 2018.08.03 登録日 2018.08.03
ファンタジー 完結 長編
人類の総数はついに一億を切った。 人類の築き上げた文明は悪魔に敗北した。空は黒霧に閉ざされ、地上には異形が蔓延る。人類社会はバラバラに切り裂かれ、緩やかな滅亡を余儀なくされた。 一人の娘が旅するのは終わりゆく世界。 これは、黙示録の先にある絶滅の物語。 ※ 初作品です。アドバイス等頂けると嬉しいです。 また、タイトルを含め、思案中の部分が多いため変更が多くなると考えられます。ご了承ください。
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小説 222,662 位 / 222,662件 ファンタジー 51,743 位 / 51,743件
文字数 75,764 最終更新日 2022.07.01 登録日 2021.03.04
ミステリー 連載中 短編
父がいなくなったのは、梅雨入り直後の朝だった。 置きっぱなしの財布と、冷蔵庫に残った昨夜のビールの空き缶。 争った形跡はないのに、家の中の空気だけが妙に冷たい。 母は「そのうち帰ってくるわ」と言い、妹は父の話題になると露骨に顔をしかめる。 家族の反応が、失踪した父よりよほど不可解だった。 違和感を抱えたまま数日が過ぎた頃、物置の奥から古びた封筒が見つかる。 日付は十年前。まだ幼かった私は、その頃の記憶が曖昧だが、 妹は封筒を見るなり怯えたように手を払いのけた。 封筒の中身は、父が書いたと思われる手紙の束。 どれも筆跡が不自然に揺れていて、読むほどに胸がざわつく。 書かれていたのは、十年前の「ある事故」について――誰かを庇うような、言い訳とも懺悔ともつかない言葉。 やがて隣人の老女は、私を見るなり「また隠す気なの?」とつぶやく。 母は目を逸らし、妹はますます頑なになっていく。 調べていくうちに、十年前の事故の“真相”は家族それぞれの中で形を変えていることが分かった。 妹は父を犯人だと信じ、母は自分が加害者だと罪悪感を抱え、 父はその両方を背負うようにして精神をすり減らしていた。 つまり、誰も犯罪者ではないのに、誰も無実ではなかった。 失踪の理由は、父が真犯人扱いされることで、家族に真実が暴かれるのを防ぎたかったから。 罪をかぶるために逃げたのではなく、 「自分が犯人だと家族に思わせるために」 自分から姿を消したのだ。 しかし、父が守ろうとした家族は、父がいなくなって初めて、 互いが抱えてきた“別々の罪”を知る。 真相が明らかになったとき、静かだった家はようやく音を取り戻す。 けれどそこにはもう、父の居場所はなかった。
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小説 222,662 位 / 222,662件 ミステリー 5,215 位 / 5,215件
文字数 970 最終更新日 2025.12.06 登録日 2025.12.06
恋愛 完結 短編
美咲と藤原は運命的な出会いを経て、恋愛小説作家として共同の物語を生み出す。彼らの情熱と才能が融合し、感動と希望を与える作品が誕生する。成功を収めた彼らは、愛と創作の力を持ちながら自己成長し、多くの人々に影響を与える存在となる。彼らの絆は深まり、結婚を迎えながらも挑戦を続け、社会貢献にも取り組む。愛と創造の魔法が織り成す、輝かしい人生の物語である。
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小説 222,662 位 / 222,662件 恋愛 64,921 位 / 64,921件
文字数 3,774 最終更新日 2023.05.23 登録日 2023.05.23
恋愛 完結 短編
「運命の絵筆、愛の筆跡」は、偶然の出会いから始まった二人の才能溢れる芸術家が、互いの作品と愛を通じて結ばれる物語です。彼らは共通の夢に向かって励まし合い、最後のプロジェクトを共同で完成させます。しかし、愛する彼女の病気によって別れを迎えることとなります。彼女の死後、彼は彼女の遺産を守りながら、二人の作品を世界に届け、彼女の名前を永遠に刻みます。彼らの作品は、感動と美を伝え、読者の心を揺さぶります。この物語は、運命の出会いと愛の軌跡を描き、二人の芸術が永遠に語り継がれることを願っています。
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小説 222,662 位 / 222,662件 恋愛 64,921 位 / 64,921件
文字数 1,277 最終更新日 2023.05.22 登録日 2023.05.22
恋愛 連載中 長編
目覚めた瞬間、私は違和感を覚えた。 知らない天井、知らない部屋、知らない身体。 そして鏡にうつる自分の姿、それは確かに、それは自分の顔だった。 けれど、違う。 瞳は藍色に染まり、髪は元の黒から銀糸のような輝きを帯びている。 自分の顔のまま、異質な美しさを纏った別の誰かになっている。 「……ここ、どこ?」 けれど、自分がここにいることが「当然」であるかのような感覚。 『この世界は、あなたが創った小説の世界』 そう気づいたのは、部屋に残されていた一枚の手紙だった。 震える筆跡で綴られた言葉。 そして、最後に記された、私の「本名」。 この体の持ち主は、彼女の名前を知っていた。 まるで彼女がここに来ることを予期していたかのように。 けれど、彼女にはまったく心当たりがなかった。 彼女は物書きではあるが、こんな小説を書いた記憶はない。 なのに、どうして——? やがてヒロインは、この世界の「痛み」に触れる。 愛されない者、報われない者、劣等感に苛まれる者…彼らの抱える「傷」はどこかでみたことあるものばかりだ。 ——まるで、自分の人生のように。 ____________________________________ 物事を詳細に書きすぎてしまう癖があり、気をつけながら書くため、申し訳ないですが細切れな投稿になってしまうかもしれません。
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小説 222,662 位 / 222,662件 恋愛 64,921 位 / 64,921件
文字数 10,475 最終更新日 2025.03.09 登録日 2025.03.07
BL 連載中 長編 R18
妖怪が人間と交わり生きてきた世界。 雪女の末裔でありながら男として産まれた雪野原薫は、先祖返りの力抑えるために十数年もの間「少女」として過ごしてきた。十五歳になった春。薫は父から、産まれる前から「婚約者」がいることを告げられる。 相手は海外帰りの年上。美しい筆跡の手紙や花の香りに、薫は「優しくて理想的なお姉さん」とのバラ色の新婚生活を夢見ていた。しかし、待ち合わせ場所に現れたのは、かつて薫に妖力の制御を教え、数年前に姿を消した憧れの「お兄さん」――天麻だった。 再会した天麻は、かつての穏やかな面影を残しつつも、時折執着めいた赤い瞳を薫に向ける。自身が男であること、そして「お姉さん」を期待していたことを訴える薫に対し、天麻は余裕の笑みで「恋人」からのスタートを提案する。
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小説 222,662 位 / 222,662件 BL 30,946 位 / 30,946件
文字数 8,620 最終更新日 2026.03.01 登録日 2026.02.24
ミステリー 連載中 短編
資産家・藤堂和馬の死後、親族が集まった書斎で遺言書が公開される。そこには「庭の百日紅の根元に埋めた宝箱の鍵で、机の隠し引き出しを開けろ。そこに真の相続人を記した第二の遺言書がある」という奇妙な指示が記されていた。 長男・修一、長女・雅美、弟・進の三人は、遺産欲しさに必死に庭を掘り返し、ようやく見つけた鍵で引き出しを開ける。しかし、中は空っぽだった。困惑する一同に対し、顧問弁護士の佐伯は和馬の遺言に従い、三人の「手」を確認する。 犯人は、弟の進だった。彼は生前の和馬の筆跡を真似て、偽の遺言書(庭に箱を埋めたという嘘)を用意し、本物とすり替えていた。しかし、和馬は弟の企みを見抜いており、わざと偽物を用意させる隙を与えていた。進の手についていた「青いインクの染み」と、下敷きにされた便箋に残った「本物の遺言の筆圧」が決定打となり、進の犯行と強欲さが暴かれる。結局、全財産は寄付されることになり、欲に溺れた親族たちは何も手にすることができなかった
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小説 222,662 位 / 222,662件 ミステリー 5,215 位 / 5,215件
文字数 2,607 最終更新日 2026.04.08 登録日 2026.04.08
ミステリー 完結 短編
見覚えのある筆跡から始まる再会。――その客は、過去からやって来た。
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小説 222,662 位 / 222,662件 ミステリー 5,215 位 / 5,215件
文字数 40,746 最終更新日 2021.01.26 登録日 2021.01.07
ホラー 連載中 短編
目を覚ましたとき、私は知らない部屋のベッドにいた。見慣れない天井、聞き覚えのない声、そして、自分の名前すら思い出せない。そんな私に、穏やかな表情の男が静かに告げた。「あなたは一週間前に、死んだんです。」 これは、“自分”という存在の意味を探す再生の物語。 遺書に残された筆跡はたしかに私のもの。でも、そこに書かれた言葉に覚えはない。親友も、家族も、誰も私を「私」だと認識しない。ただ一匹の猫だけが、以前と同じように私にすり寄ってきた。 夢の中で囁くもう一人の「私」、診療記録に記された二重人格の兆候、そして“私”を取り巻く人々の不自然な沈黙。少しずつ明らかになる真実は、心に深い傷と決意を残していく。 昨日の私を、誰が殺したのか? この物語は、記憶を失った主人公が“自分”を再構築していく中で、過去と向き合い、今を生き直すヒューマン・ミステリーです。
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小説 222,662 位 / 222,662件 ホラー 8,201 位 / 8,201件
文字数 14,525 最終更新日 2025.04.14 登録日 2025.04.13
青春 連載中 長編
今年の春、高校生になった優希はある一人の美少女に出会う。その娘はなんと自分の婚約者といった。だが、優希には今好きな子がいるため、婚約は無効だ!そんなの子どものころの口約束だろ!というが彼女が差し出してきたのは自分の名前が書かれた婚姻届。よくよく見ると、筆跡が自分のとそっくり!このことがきっかけに、次々と自分の婚約者という女の子が出てくるハーレム系ラブコメ!…になるかも?
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小説 222,662 位 / 222,662件 青春 7,849 位 / 7,849件
文字数 20,187 最終更新日 2018.09.11 登録日 2018.08.23
恋愛 完結 長編 R15
「復讐物語」ガッロ公爵家の令嬢マリアはマルティクス第1王子と婚約していた。将来王を支えられるように、厳しい教育を受けていた。それだけでなく、本来なら王子がやるべき政務まで押し付けられていた。1日の睡眠時間が3時間を切るような生活をして王子を支えていたのに、王子はマンチーニ男爵家の令嬢エリザと浮気をしていた。浮気どころか、、将来はマリアを形だけの正妃にして全ての政務を押し付け、自分はエリザと遊び暮らそうとしていた。ところが、エリザが暴走してしまった。王子の印章と便箋を盗み、王子の筆跡を真似して、マリアに毒薬を送りつけたのだった。
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小説 222,662 位 / 222,662件 恋愛 64,921 位 / 64,921件
文字数 112,090 最終更新日 2023.03.27 登録日 2023.02.11
恋愛 完結 短編
「絆の筆跡 - 愛と創造性の物語」は、恋愛小説の執筆を通じて結ばれた二人の作家の物語です。彼らはお互いの存在を通じて成長し、成功を収めますが、忙しさとプレッシャーによって関係が揺れ動きます。一時的な別居を経て、再び絆を深め、共同で執筆することによって真のパートナーシップを築きます。彼らの愛と創造性は読者に勇気と希望を与え、自身の成長と絆の重要性を描きます。
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小説 222,662 位 / 222,662件 恋愛 64,921 位 / 64,921件
文字数 2,573 最終更新日 2023.05.23 登録日 2023.05.23
SF 連載中 短編 R15
東京、深夜二時。 外は霧のような雨が降っていた。高層ビルの窓明かりがその粒を照らし、街全体が液晶 のようにぼんやりと発光している。 ヨハネ・ミナトは、ベッドに腰かけたまま、スマートフォンの画面を見つめていた。 画面の明かりだけが、暗い部屋の唯一の光源だった。 ――# 第一の封印が解かれた。 そのハッシュタグが、世界のトレンドを席巻していた。 CNN もBBC も、NHK までもが同時にその言葉を報じていた。 だが誰も「何が」封印され、「何が」解かれたのかを説明できない。 AI による誤検知か、あるいは悪質なジョークか――。 けれども、トレンドの震源地は確かに存在した。 アリア。 三年前、彼の恋人だった女性の名が、そこにあった。 彼女は突然、ネット上で“神を名乗った”ことで炎上し、 その後、行方不明になった。 彼女のアカウントは、凍結されたはずだった。 だが、今。 削除されたはずのそのアカウントが、再び動いた。 見よ――白い馬が来る。 その名は虚構。 彼の手には「フォロワー」が与えられた。 投稿には、彼女の筆跡に似た文字が並び、 添付された画像には、ミナト自身の顔が写っていた。 ――三年前の彼の姿。アリアの部屋で撮ったはずの写真。 だが、背景には見覚えのない都市が映っていた。 崩れたビル群、空に浮かぶ赤い月。 「……なんだ、これ。」 息を呑んだ瞬間、部屋の照明がふっと消えた。 同時に、モニターの電源も、冷蔵庫の音も止まった。 停電――のはずだった。 だが、スマートフォンの画面だけが、白く光り続けている。 そこに、音声が流れた。 女とも男ともつかぬ機械の声。 「お前が開けるのだ、ヨハネ。」 背筋に冷たいものが走る。 はアリアの声の、加工されたような響きだった。 「最初の封印は虚構。 二つ目は怒り。 三つ目は飢え。 そして――最後の封印は、お前自身だ。」 スマートフォンの画面が突然、赤く染まった。 中央にひとつの“目”が現れ、こちらを見ていた。 それは映像でも写真でもない。 “何か”がこちらを覗いているという実感だけが、確かにあった。 ミナトは震える指で電源ボタンを押した。 しかし、電源は切れない。 画面の中の“目”が、ゆっくりとまばたきをした。 “REVELATION_01: WHITE HORSE ” そう表示された瞬間、 ビルの窓という窓が、一斉に光った。 街が、まるで巨大な瞳のように開いた。 そして、遠くの空に―― 白い閃光が、まるで神話の馬のように駆け抜けた。 その光が通り過ぎたあと、 ミナトのスマートフォンに、一通のメッセージが届く。 「アリアは生きている。 ただし、“この世界”にはいない。」 ミナトは息を飲んだ。 指先が震える。
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小説 222,662 位 / 222,662件 SF 6,442 位 / 6,442件
文字数 9,359 最終更新日 2025.11.26 登録日 2025.11.25
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