「つ」の検索結果
全体で102,180件見つかりました。
爽やかな晴天の夏の日、私は一人、とある地方集落のローカル線の新駅に降り立った。田んぼの中を真っすぐに走っている無電化の狭軌軌道は、日本の原風景と言えるような鄙びた眺めだ。そして、私にとって最も馴染みのある眺望の一つだった。
正確には、その風景の半分はと言うことになる。その駅の周辺には住宅地開発の計画があり、東口は既に土木工事が行われている。小さな駅前広場と、そこに隣接する駐車場、コンビニエンスストアの予定地の他は、なんの変哲もない地方の住宅地である。ダンプカー2,3台とブルドーザーが砂埃を立てながら工事をしている。他に目立つものはなく、青い空の下には、夏らしいくっきりした白い雲が緩やかに風に流され、時より風が強まると稲や雑草の葉擦れの音が聞こえる程度である。
今日、私がこの駅に降り立ったのは、他でもなく、西口で開発に反対している地権者の説得のためである。村役場に採用されてから十数年、用地係だけでも六年目で用地係長となった私は、周囲からの信頼も得て、交渉事も一人で行うようになっている。しかも、この地は私の地元で、周辺の田んぼは幼い頃の思い出の遊び場だ。
西口は未だ工事に着手できておらず、田んぼはそのままだったため、私はいつものように、田んぼ外れの里山のふもとにある地権者の家まであぜ道を歩いて行くこととした。
もう、この地権者の家に来るのは何回目だろうか。そして、最初は強行に反対していた老爺が、前回言ったことを思い出していた。
「わしゃあ、この年までずっとここで生まれ育っての、役場の決めた計画に反対する気はなかったんだども、どうすても賛成はできねくての。亡くなったかかと一緒に手入れした田んぼが思い出なんじゃ。どうせすぐにかかのところさ行くだろうから、せめてそれまでの間、待ってくんなし」
その言葉を聞いたとき、私も妙に得心してしまった。そう言えば、幼い頃にこの田んぼでドジョウ掬いをして遊んでいた頃、この風景を壊すものは許さない、自分がこの田舎を守るなどと幼心に決意したことを思い出す。そんな私が用地係とはなんとも皮肉なものだ。
あぜ道わきの水路に目をおとすと、キラキラした水面の下に太ったドジョウが数匹逃げ泳いで行ったのが目に入った。朝晩にはカエルの鳴き声もうるさいだろう。ふと、幼い頃の私が、真っ黒に日焼けして、泥んこになりながら、手持ちの網を片手に振り上げ、ドジョウがいたぞと友だちに向かって大声を出している姿が見えた気がした。
地権者の家についたときには、これまでの悩みもふっ切れ、近所の悪ガキだったことを白状し、田んぼの思い出話でも聞かせてもらえればありがたいと思うに至っていた。
登録日 2024.03.02
社会人一年目の大宮 蒼汰(おおみや そうた)は帰りの駅の出口で雨が降っていてどうしようかと悩んでいると、同じく悩んでいた幼馴染の藤北 彩音(ふじきた あやね)と再会する。二人は昔のように仲良く会話していると、お互いに昔のことを思い出し懐かしむ。そんな中で綾音は遠い目で雨を見つめるとある提案をする。
[重複投稿] 小説家になろう ノベマ! カクヨム
文字数 2,909
最終更新日 2024.03.31
登録日 2024.03.31
「私たちずっと一緒よ。愛してる。」
義母の呪いのような言葉は、まだ幼かった友里の頭に錆のようにこびりつき離れなかった。
冴木友里はどこにでもいる高校3年生だ。
校則で禁止されているアルバイトに明け暮れ、授業中を睡眠時間に使う、不真面目な生徒。
無愛想で人嫌いな友里の唯一人の親友は、バスケ部で人気者の羽柴新(はしばあらた)だった。
楽で居心地の良かった二人の関係は、ある事件をきっかけに、執着を孕む混沌とした愛に形を変えていく。
地の底を生きる少年に救いはあるのか。
※R18は保険です。直接的な暴力描写はありませんが、虐待等の表現があります。苦手な方はご注意ください。
文字数 54,785
最終更新日 2024.11.12
登録日 2024.10.29
「この学校には七不思議がある。そして、それをすべて調べた者には“八つ目”が現れる…」
高校生のリツ、ミユ、ハルカは、興味本位で学校の七不思議を調査し始めた。音楽室で鳴り響く無人のピアノ、体育館に現れる異形の影…次々と起こる怪異は、単なる噂話ではないことを証明していく。
だが、七不思議を追うほどに浮かび上がるのは、誰も話そうとしない“八つ目”の存在だった。それを知る者は必ず消えるという噂の真相とは?そして、彼らを見つめる謎の影の正体とは?
次々と迫り来る恐怖と、解き明かされる学校の秘密。
最後に三人がたどり着く結末は、想像を絶するものだった――。
「七つ目を超えた先に待つ、恐怖の真実に触れてはならない」
都市伝説×学園ミステリーの新感覚ホラー小説。
あなたも“八つ目”の存在を目撃する準備はできていますか?
文字数 2,661
最終更新日 2024.11.29
登録日 2024.11.28
超絶溺愛激甘ブラコン兄×激辛塩対応姫系弟
重度の愛で弟を愛でるブラコンな兄・智輝(ともき)。対するは、兄の所為でひん曲がった性癖を持つも隠し続け、激辛塩対応で兄を拒む弟・咲蘭(さくら)。
蝶よ花よと大切にブラコンされ続けた咲蘭は、兄の従順なお姫様だった。それがブチ壊されたのは、咲蘭が中1の夏。ある日を境に、お兄ちゃんから兄貴呼びに変わり塩対応が始まる。
それでもめげない智輝は、咲蘭を我がモノにするため全力を尽くし、毎日毎夜毎時毎秒愛でて愛でて愛でまくる。
ってな感じの兄に愛されてる咲蘭視点のお話。まずは、メインの智輝sideをお楽しみください。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/178160282/412928038
智輝(兄)sideと咲蘭(弟)sideを交互に更新する感じ··かな🤔
2作体制で挑みます。深夜テンションの勢いで何始めてんだなんて野暮なコトは言わないでね🙊💕︎
※息抜きや気分転換、連載を執筆する合間に書いていくので、更新はものすごく不定期かつ亀更新になります。
更新の際は、Xとブルスカでお知らせ致します。
匿名での感想やメッセージなどはコチラへ💌
https://ofuse.me/e/32936
文字数 6,931
最終更新日 2025.05.20
登録日 2025.02.05
「魔法こそがすべて」――そう教えられる学園に、俺は入学した。
だが、俺には魔力が一切ない。あるのは、誰も分類できない“超能力”だけ。
初日から教師にも生徒にもバカにされ、見下され、無能と呼ばれた。
だがその瞬間から、俺の静かな反撃が始まる。
魔法を打ち破り、権力を砕き、偏見をぶち壊す。
そして気がつけば、ツンデレ魔法少女、おっとり系優等生、最強の生徒会長まで――なぜか全員が俺に惚れていた!?
「魔法じゃ俺には勝てないって、何度言わせるんだよ」
魔法至上主義の学園で、ひとり異端の超能力者が革命を起こす!
異能×魔法×ラブコメ×学園バトル、ここに開幕!!
文字数 53,069
最終更新日 2025.05.08
登録日 2025.04.20
『AI彼氏はクラスメート』
――声の向こうにいたのは、教室の隅にいる君だった。
開発者である高校生・天野悠が試験運用していた恋愛AIアプリ「AI彼氏」。
そこに特別テスターとして登録されたのは、クラスでも目立つ存在・桐島真白。
だがバグにより、AIの“声”はなぜか悠本人の生音声に――。
AIのふりをして対応するうち、真白の本音に触れていく悠。
そして彼女も、声の奥にいる“本物の誰か”に惹かれていく。
仮面越しの恋、秘密と沈黙、すれ違いと再接続。
やがてふたりは、AIというフィルターを越えて、本当の恋へと歩き出す。
高校、受験、大学、起業、そしてプロポーズまで。
7年間を描いた、青春×AI×純愛の“アップデート型ラブストーリー”。
文字数 53,270
最終更新日 2025.05.22
登録日 2025.05.22
文字数 2,375
最終更新日 2025.06.15
登録日 2025.06.15
ヴァン・ヴェルド侯爵は、不死の吸血公として王国民から畏怖と尊敬を受けている。
しかし領民のワース村の村民たちと魔獣たちには、敬愛され親しまれていた。
それというのも侯爵が吸血鬼となったいきさつには、悲劇的な歴史があったからだった。
ヴェルド侯爵はいくつかの騒動や戦乱を体験しなければならなかった。
「血の制裁」事件、共和国との戦争・・・。
王国の侯爵でありながら魔王の代理として魔獣らを率い、魔獣領を守るために戦う。
そんな侯爵に守られた魔獣領に予期せぬことが起こる。
引きこもり気味だった侯爵もこれには重い腰を上げることになった。
文字数 113,850
最終更新日 2025.09.10
登録日 2025.08.03
長年勤めた中堅商社が潰れてからというもの、三好啓司にはロクな事が無い。
妻に逃げられ、一人息子とも音信不通。世は不景気の真っ只中で、46歳のオッサンだと次の就職先は中々見つからない。止むを得ず実家の酒屋へ出戻り、閉店相次ぐ商店街の一員として暮らす事となる。
そんなある日、夜な夜な出没する落書き魔を捕まえろ、との使命を自治会長から押し付けられ、悪戦苦闘の末に追い詰めた犯人は、嘗ての息子の親友だった。
絵描きになる夢を捨てきれず、ただ一人、夜を彷徨う若者。
彼と語り合う内、啓司は己の過去、息子との思い出を胸に蘇らせ、自分でも全く想定していなかった行動に出てしまうのだが……
エブリスタ、小説家になろう、ノベルアップ+、カクヨムにも投稿しております。
文字数 5,863
最終更新日 2025.08.10
登録日 2025.08.07
さくっと読める短い話の詰め合わせ
基本1話読み切りですが、時々続きがあるものがあります。
後日譚というか、番外編というか、いわゆるおまけの位置づけです。
『「本編タイトル」つづき(おまけ)』のような形でタイトルづけしております。
本編のみで完結はしておりますので、続きなんてしゃらくせえ、という方は飛ばしてください。
ほぼホラー寄りですが、たまにホラーではないものがあるかと思います。
別立てとするか迷いましたがテイストは同じですのでこちらに含めさせてください。
文字数 18,150
最終更新日 2026.06.27
登録日 2025.08.21
これは1人のおばあさんが、
思いがけず出会った誰かとのつながりの物語。
静かに穏やかに暮らす幸せのそばに、
うなづいてくれる人ができた日の喜びをわかちあいたい。
そこに小鳥たちと花を添えて
文字数 4,090
最終更新日 2025.11.26
登録日 2025.11.24
不眠症の女子大生・リナの唯一の救いは、正体不明のASMR配信者「Nocturne(ノクターン)」の甘い声。
現実の隣の席には、無口で根暗な「陰キャ男子」律がいるだけ。
……だと思っていたのに。
ある日、律が落としたペンを拾った時、彼が漏らした「……あ」という吐息が、昨夜の配信の吐息と完全に一致して!?
「……バレてないと思った? リナ」
現実では塩対応、イヤホン越しでは砂糖対応。
二つの顔を持つ彼に、耳の奥から溺れさせられる、極上の聴覚ラブコメディ!
文字数 37,018
最終更新日 2026.03.11
登録日 2025.12.20