「岩手」の検索結果
全体で23件見つかりました。
西暦二〇二三( 令和五年 )、杉浦一は小児科医師で小児科内科クリニックを設立し働いていた。
バツイチで妻とは離婚し、子供も親権を取られて独身の四十七という歳を迎えていた。
しかし、彼は同居する女性、壱岐ライムと男性、烏間観月の三人で平穏に過ごしていた。
ある日、東北の岩手県、遠野から、日蔭吹雪という女性から他界した遠野蕨という女性の十七回忌に出席するように連絡が来た。
だが、一には遠野蕨という女性には心辺りがなく出席はしないことにするが、知らない内にライムと観月が手を回され、強制的に十七回忌に出席することに遠野へ連れて行かれる。
広く古い屋敷、遠野家に招かれた一だが他の出席している者達からは、白い目で見られ険悪な雰囲気だ。
参ったら、さっさと帰ろうと一は思っていると、吹雪から庫整理を頼まれる。
庫整理をしていると、ある箱の中に見覚えのある品を見つけて手に取る。
それは一つの、簪だった。
一は、誰のだろう。と不思議に思っていると、忘れていた一部の記憶が突然脳裏に浮かぶ。
今、持っている簪は、もう現在にはないはずなのに。
あの時、棺桶の中に眠る女性の手に、この簪を握らせてた。
しかし、顔が思い出せない。
すると一は、庫に現れる謎の童子と対面する。その者が姿を消すと、突然彼はめまいを起こし倒れてしまう。
簪を持ったまま気を失ってしまう。
一が忘れた十七年前、蕨と過ごした過去の記憶が蘇る。
怪奇ファンタジーと人と妖怪の切ない純愛ストーリー。
文字数 96,137
最終更新日 2023.08.18
登録日 2023.08.15
7年前の深い罪の重さに押し潰されそうになりながらも辛うじて生きている裕樹(ひろき)は、岩手県にある引退競走馬の牧場「シェアト」でひっそりと身を潜めるように日々を送っていた。
暴れだした牝馬三冠馬のシエロ。そのシエロの前に一人の女性が両手を広げ立ちはだかる。まるで踏みつぶされたいかのように。彼女の眼と表情、そして行動を見て裕樹(ひろき)は7年前の記憶が甦る。
◎主な登場人物
・簑島 裕樹(みのしま ひろき)、24歳
拙作の主人公。黒髪短髪で細マッチョタイプ。背は高い方。
7年前の出来事で自責の念に駆られ、トラウマから時折フラッシュバックを起こす。空を死神から救い出そうと奔走、したびたび果敢な自己犠牲を発揮する。
・空(そら)、28歳
拙作のヒロイン。サマーセーターに細いデニム。細くて薄くて軽くBMIも17と危険なほどの痩身。胸も絶壁。平均よりやや小柄、黒いセミロング。
シェアトにふらりと現れ、暴れるシエロを一瞬で鎮めた。裕樹に名を問われ、とっさに「空(そら)」と答える。明らかに重度のうつ状態で、なぜこうなったか誰にもわからない。
・シエロ(コレドールシエロ)、12歳
サラブレッド、元競走馬。正しくはコレドールシエロ。栃栗毛、左後脚に半白、流星鼻梁白鼻。
牝馬3冠9頭目の馬。さらには菊花賞も勝利している。生涯戦績は17戦11勝。脚質は典型的な逃げ。馬主(うまぬし)はもうずいぶんと老齢の海崎 知宏(かいざき ともひろ)。
非常に神経質で気が強く調教には向かないとみなされて殺処分されるところだった。海崎氏が破格の値段で購入した。
引退後繁殖牝馬としての道を断たれたが、それでも海崎氏は慰労のためコレドールシエロを預け、現在では穏やかな日々を送っている。
・原沢美奈、18歳
ショートボブ中肉中背。身長も平均。都内の農業高校を出てすぐにこの農場に就職した。右も左もわからないところを裕樹が手取り足取り教えてくれて以来裕樹に「ぞっこん」。気が強く思ったことをポンポン口にするたち。空の登場に強い不安を抱く。
・大城雅哉(おおきまさや)、30歳
やや色黒で逞しい体つき、短髪ではつらつとした目元。この農場一番のイケメン。自信家でそれゆえに独善的な面もある。社会人ボクシング選手権の優勝経験者。空に一目惚れをする。内心で裕樹を低く見ている。
⚠️拙作は自死自傷を推奨・称揚する意図をもって書かれたものではありません。自死自傷はご自身はもちろんのこと周りの人々をも深く傷つける行為です。くれぐれもそのような選択をなさらないことを強く祈ります。
自死自傷の念に苛まれたり生き辛さを感じた時はためらうことなく精神神経科・心療内科を受診なさるかカウンセラーにかかるなど、速やかにご自身の心を守る行動を取って下さい。
文字数 158,366
最終更新日 2024.05.29
登録日 2024.01.20
「新婚旅行は思い切って、岩手県にしましょうよ」
「そうだね。東北には温泉が素晴らしい旅館が多いからね」
結婚式を挙げた私たち夫婦は新婚旅行先を岩手県に決めた。
「寝台電車で
文字数 904
最終更新日 2021.05.01
登録日 2021.05.01
鹿児島県の女子高生・山科愛は、曾祖父・重太郎の遺品の中から一枚の風景画を見つけた。
残雪を抱く高嶺を見晴るかす北国らしき山里の風景。その絵に魅かれた愛は、絵が描かれた場所を知りたいと思い、調べはじめる。
そして、かつて曾祖父が終戦直後に代用教員を務めていた街で、その絵は岩手県出身の特攻隊員・中屋敷哲が、出撃の前に曽祖父に渡したものであることを知った。
翌年、東京の大学に進学した愛は、入会した天文同好会で岩手県出身の男子学生・北条哲と出会い、絵に描かれた山が、遠野市から見上げた早池峰山であるらしいことを知る。
二人は種山ヶ原での夏合宿あと遠野を訪問。しかし、確たる場所は見つけられなかった。
やがて新学期。学園祭後に起きたある事件のあと、北条は同好会を退会。一時疎遠になる二人だったが、愛は、自身の中に北条に対する特別な感情があることに気付く。
また、女性カメラマン・川村小夜が撮った遠野の写真集を書店で偶然手にした愛は、遠野郷に対して「これから出合う過去のような、出合ったことがある未来のような」不思議な感覚を抱きはじめた。
「私は、この絵に、遠野に、どうしてこんなに魅かれるの?」
翌春、遠野へ向かおうとした愛は、東京駅で、岩手に帰省する北条と偶然再会する。
愛の遠野行きに同行を申し出る北条。愛と北条は、遠野駅で待ち合わせた小夜とともに「絵の場所探し」を再開する。
中屋敷哲と重太郎。七十年前に交錯した二人の思い。
そして、たどり着いた〝絵が描かれた場所〟で、愛は、曾祖父らの思いの先に、自分自身が立っていたことを知る――。
※ この話は「カクヨム」様のサイトにも投稿しています。
文字数 138,655
最終更新日 2021.09.25
登録日 2021.09.25
平安時代後期、陸奥の地の覇権を巡り、12年に及ぶ熾烈な合戦が繰り広げられた。
後に前九年合戦と呼ばれるこの大きな戦乱の中で、官軍将兵らを最も恐れさせ、そして心を奪った女武将がいた。
或る者曰く、美しき白狼の姫君。また或る者曰く――血肉を喰らう人狼、と。
それを討たんとするは、後に軍神と呼ばれる一人の若武者。
戦いの中で彼らはいつしか惹かれ合い、愛し合うようになるが、やがて二人の運命は悲劇的な結末を迎えることになる――。
(モチーフ:白糸姫伝説(岩手県)、金売り吉次伝説(宮城県他東北各地))
文字数 176,446
最終更新日 2021.04.05
登録日 2021.03.25
「東北へ慰安旅行に行くから」と伝えてくる夫。
「あら、そう」と、なんの違和感もなくそう返す私。
夫が旅行に出かけた3時間後、私はニュース番組を観ていたら画面に見慣れた顔が映った。
その顔を観て私は驚き、ブルブルと全身が震えてしまう…
文字数 1,304
最終更新日 2021.05.11
登録日 2021.05.11
文字数 1,657
最終更新日 2020.01.13
登録日 2020.01.13
友達ができずなかなか自分を上手く出せない少年、小鳥遊璃都は父の仕事の都合で転校が多かった。
あちらこちらと転校を繰り返していくなかで璃都は人間関係、独特の"空気''にわだかまりを覚え始める。
そんな悩みに耐え切れないまま小学校を卒業し、ついには自分自身を見失っていた。
そんな時、父からまたもや引っ越しが告げられ、岩手県九戸村の祖母の家に住むことに。
そこで出会ったのは九戸の壮大な自然と、ある一人の少女だったーー。
本物の友達とは何か。生きるとは何か。
これは自分を捨てた主人公小鳥遊璃都の成長を紡ぐ、エッセイヒューマンドラマである。
文字数 85,586
最終更新日 2022.08.20
登録日 2020.03.11
【全26話+α:完結しました!】
大切な人のために、僕は命尽きる瞬間まで羽ばたき続ける!
◆
東京都の郊外で暮らしているレース鳩のツバサ。飛行能力は平均的で、レースでも目立った結果は出していない。彼は同じ鳩舎の仲間たちとともに、のんびりと過ごす毎日を送っていた。
そんなある日、飼い主である吾妻(あずま)ヤマオの家に彼の孫であるカケルがやってきた。カケルは十歳で、その日からヤマオの家で暮らすらしい。そしてたまたま目が合ったことをきっかけに、彼がツバサの飼い主となる。
もちろん、実質的にはヤマオが面倒を見続けているので、飼い主というのはあくまでも名目上のことではあるが。
ツバサへの想いが強いカケルは、一生懸命に世話を続ける。実はそれには深い理由があって……。
また、ツバサの心情にも変化が起き、彼自身に隠された秘密も明らかになっていく。
やがて迎えた秋の五百キロメートルレース。ツバサは同じ鳩舎の後輩であるオンソクや他の鳩舎のライバルであるシップウなどとともにこのレースへ参加し、スタート地点の岩手県から鳩舎のある東京を目指す。
彼らに待ち受けている運命は――
文字数 55,141
最終更新日 2022.12.11
登録日 2022.11.18
昭和〇〇年。
高校を卒業したばかりの若き剣術家・三千院静香(さんぜんいん しずか)は、父・炎香(ほのか)の病死により京都の名門・三千院家の第十六代当主となる。
しかし、盟友・百鬼院霊光(ひゃっきいん れいこう)との鍛錬中、乱入した闇の剣術家・暁月明染(あきづき みょうぜん)の手にかかり敗北、霊光は光を奪われてしまう。
一族が混乱する中、静香は岩手から名を上げるためやってきた少年剣術家・姫神龍聖(ひめがみ りゅうせい)と対峙することになる。
実力は互角であり、決着を望む龍聖は静香の家にまで上がりこんできた。
いっぽうで暁月明染は、盟友・似嵐暗月(にがらし あんげつ)から弟子として剣客・森花炉之介(もり かろのすけ)を預かり、暗月の盟主である秘密結社・龍影会(りゅうえいかい)の若き新総帥・刀隠影司(とがくし えいじ)もまた動き出す。
闇に蠢く者たち、そして自身の心と向き合いながら、三千院静香は「剣神」への道を歩んでいく。
自作小説「桜の朽木に虫の這うこと」シリーズのスピンオフ小説になります。
ほかのサイトにも投稿しています。
文字数 2,540
最終更新日 2023.05.18
登録日 2023.05.14
妻に先立たれた老人。愛妻の遺骨を抱いて向かったのは、彼女の故郷・岩手の実家。
妻が生まれ育った家の庭には大きな桜の木があった。
そこで老人を待ち受けていたのは……。
夫婦愛を描いた短編。
文字数 3,086
最終更新日 2023.05.31
登録日 2023.05.31
文治3年(1187)霜月、動乱を目前にした平泉を訪れる者がいた。
名を皆鶴。陰陽師、鬼一法眼の娘であり、鞍馬から出奔した源義経を追い、長い旅の末この地に辿り着いたのだという。
彼女を快く受け入れる者、或いは警戒する者、様々な思いが彼女を取り巻く中、やがて皆鶴は藤原一門の一人として迎えられることになる。
しかし鎌倉・源頼朝の執拗な圧力により、泰衡達兄弟の軋轢は深まっていき――
というようなつもりで書いた話です。
(モチーフ : 岩手県・皆鶴姫伝説)
※ご注意
わざわざ書くまでもないことですが、作中における「鎌倉」とは一部描写を除き主人公側と敵対する鎌倉殿またはそれに連なる武士団等を指しており現代における特定の地域・団体または居住者等を指して作者が悪い意図を持ってあれこれ書いているわけではありません。ましてや地方間の対立を煽るような大それた目論見もありません。念のため。
日本が平和でありますように☆
文字数 60,963
最終更新日 2020.09.24
登録日 2020.09.18
あの日、あの海、生きる意味を教えてくれたのは彼女だった──
多くの死者がでる重大なバス事故を起こした青年、逢坂部賢悟(おおさかべけんご)
彼は静養のため全てのものを捨て、静養のため岩手県宮古市にある景勝地、浄土ヶ浜(じょうどがはま)を訪れる。
その地で彼は、白木沢帆夏(しらきさわほのか)と名乗る女子大生と出会った。彼女の母方の実家が営んでいるという民宿で滞在期間を過ごしているうちに、次第に彼女に惹かれていく自分に気がつく。
やがて恋に落ちる二人。だが、重大な事故を起こしたという重苦しい過去が、罪の十字架となって彼の肩にのしかかる。
「二年だけ、待って欲しい」
悩み抜いた末に結論をだした翌日。彼は、白木沢帆夏の驚愕の真実に触れる──。
※表紙絵はいぬちよ様からの頂きものです。
※「景勝地 浄土ヶ浜」の挿絵はファル様。「告白」の挿絵は騰成から頂いたファンアートです。ありがとうございました。
文字数 113,100
最終更新日 2019.08.22
登録日 2019.02.26
大阪の男子校に通う藤島浩也。高校二年生になり、彼女が欲しくなったものの、なかなかチャンスが巡り合えず、親友の恭平と琢磨に彼女がいることを知り、意気消沈していた。その時、琢磨が岩手から来た一つの手紙を浩也に差し出した。その修学旅行の行事の一つであるファームステイの宿泊先の人から届いた手紙には家族構成が書かれており、そこに(娘 友梨子)という文字を見て、浩也は自分にも恋愛のチャンスが来たと浮かれてしまう。そして、初めてその友梨子という一つ下の女子高生と出会い、運命の赤い糸を信じて、浩也は不器用ながらも走っていくのであった。モテないけど純粋な浩也と過去のトラウマで恋をしなくなった友梨子の温かい遠距離恋愛を楽しんでいってください!
登録日 2019.01.30
桜子、28歳のフリーランスライターは、新しい食文化を求めて盛岡市の古い町並みを歩く。彼女の冒険は、運命的な再会から始まります。ITエンジニアの健太、小学校教師の美咲と共に、盛岡の伝統と革新を巡る旅が展開されます。食、歴史、自然、そして地域の工芸に触れることで、それぞれが自身の生き方や価値観を見つめ直すことになります。
物語は、盛岡市の豊かな食文化に触れる「わんこそば」の体験からスタート。参加者たちとの共有を通じて、地域の食べ物がいかに人々を繋げ、また、文化を形作るかを描きます。岩手山の麓では、地元の工芸品の精緻さと美しさを追求。職人の手仕事からは、盛岡の歴史と自然が紡ぎ出す物語が明らかになります。
教育者である美咲との交流を通じて、桜子は文化的価値観の共有と教育の力を再認識。盛岡の歴史博物館を訪れた二人は、地元の歴史に触れることで、過去から現在へ、そして未来へとつながる盛岡の文化の重要性を学びます。
夜の盛岡はまた異なる顔を見せる。地元のビールを楽しむ中で、桜子と健太は、これまでの旅を振り返りながら、これからの人生に何を求めるのか、何を大切にすべきかを語り合います。新幹線の中で次の訪問を誓いながら、彼らは盛岡の深い魅力に改めて心を動かされます。
この物語は、読者に対しても問いかけます。私たちの日常に息づく「普通の」瞬間にこそ、非日常が隠されているのではないでしょうか。桜子、健太、美咲と共に、盛岡市の風景の中で新たな発見を求める旅に出ませんか?彼らの旅路と共に、自らの生き方を見つめ直すきっかけを提供する作品です。
文字数 7,733
最終更新日 2024.04.28
登録日 2024.04.28