ライト文芸 再生 小説一覧

20件
1

【完結】痛いのは、歯だけじゃない

その子は、痛いと言わなかった。 我慢することに慣れてしまった子どもたちが、 ひとり、またひとりと訪れる歯科クリニック。 そこにいるのは、 容赦なく現実を突きつける歯科医・鬼崎。 「逃げるな。」 その言葉の先で、 彼は“本当の痛み”に向き合う。 ーーー痛いのは、歯だけじゃない。 これは、見過ごされてきた痛みを、 ひとつずつ拾い上げていく物語。
2

【完結】離縁されたので旅に出ます〜峠の向こうは時々異世界〜

57歳、離縁を機に中山道を歩き始めた恵理子。 気ままな一人旅のはずが、なぜか黒猫に付きまとわれ、不思議な出来事に次々と巻き込まれていく。 峠では「振り向いてはいけないもの」に遭遇し、知らぬ間に“あちら側”と繋がり始める世界。 それでも旅はやめない。 これは、人生をやり直すための一人旅――のはずだったのに。 ――峠の向こうは、時々異世界。 毎日20時更新。5/5完結予定。 他サイトでも投稿中ですが、ちょっと仕様を変えてあります。 ※本作は実在の地名を参考にしたフィクションです。
3

チョコレート・ドロップス・ライフ

閉じた村で生きづらさを抱えてきた悠人は、冬の東京で幼馴染の英明を訪ねる。 価値観の違いに戸惑いながらも、食卓を囲み、同じ時間を過ごす中で、悠人は少しずつ言葉を取り戻していく。 やがて明かされる過去と本音。 それぞれが抱えてきた孤独と向き合いながら、二人は自分の居場所を見つめ直す。 日常の温もりの中で描かれる、再生と選択の物語。
4

【短編023】 ホームの人:毎朝会う、その人は電車に乗らなかった

毎朝七時十二分発の上り電車を見送る女性がいた。 乗ることなく、ただホームの端に立ち続けるその人に、通勤途中の木下はいつしか心を留めるようになる。やがて二人は言葉を交わし、季節を重ねながら短い時間を共有していく。 しかし彼女には、十五年間そこに立ち続ける理由があった。 静かな駅のホームを舞台に描かれる、出会いと別れ、そして誰かを想い続けることの意味を綴った心温まるヒューマンドラマ。
5

人は見た目で、そうではないと、男が知った色々な現実 前編

コンビニで買いものをした男は一匹の猫を拾ってしまった。 連れて帰るつもりはなかったが、追い払ったりすることができなかったのだ。 その日、コンビニの前で男は女性から声をかけられた「猫、元気ですか」 自分のアパートで買う事は無理だろう、ふと、入ってくる前の女性の言葉を思い出し、店の外に出た男は女性に声をかけた。 猫は女のアパートに引き取られていった、いや猫だけではない、男もだ。 アパートには色々と事情のある、変わった人達が住んでいた。
6

楓は、忘れずに色を変える

祖母の死をきっかけに、十二年ぶりに故郷へ戻った柊谷緋乃。家を整理する中で見つけたのは、祖母が毎年書き続けながら、一度も送ることのなかった「かえで帳」だった。 「帰ってきてほしい。でも、あなたを縛りたくない」 遠慮から届けられなかった言葉と、十二年分の楓の葉。祖母の想いを知った緋乃は、失われた時間と向き合い、古い家に新しい命を与えることを決める。 「大切な思い出」「美しい変化」「遠慮」。 秋に鮮やかに色づき、春にはひっそり小さな花を咲かせる楓が教えてくれるのは、変わることは忘れることではないということ。 祖母と孫、故郷、そして受け継がれる記憶を描いた、静かな再生の物語。
7

落としもの喫茶

「落としたものは、心のかけら」 この喫茶店には、物を落とすように想いや感情を忘れた人たちが来る。 それは後悔だったり、夢だったり、言えなかった言葉だったり。 そして、それを見つけるたびに、ハク自身の“心”も少しずつ育っていく。   人と人との距離感が見えにくくなっている時代。 そんな今だからこそ――優しさを忘れずに、時には泣いたり怒ったり、 そんな物語。  
8

人生レンタル屋 ――あなたの後悔、お預かりします。

「人生を、一日だけ貸してください。」 会社を辞め、将来を見失っていた相沢奏は、路地裏で「人生レンタル屋」と書かれた不思議な店を見つける。 店主・雨宮静が営むその店の仕事は、生きている依頼人の「人生で最も後悔している一日」を代わりに体験することだった。 父に「ありがとう」と伝えられなかった息子。 仲直りできないまま別れてしまった親友。 大切な人との約束を守れなかった恋人――。 過去を変えることはできない。 亡くなった人が帰ってくることもない。 それでも、誰にも言えなかった想いと向き合えたとき、人はもう一度、前を向いて歩き出せる。 そして奏自身もまた、決して消えることのない後悔を胸に抱えていた。 これは、傷ついた心にそっと寄り添い、明日を生きる勇気を届ける、小さな店の優しい奇跡の物語。
9

冠の花は、まだ咲き終わらない

「完璧じゃないものを、わざわざ残す意味なんてないでしょう」 完璧な一枚を追い求める写真家・御厨璃子は、閉園を迎える故郷の植物園を記録するため、十五年ぶりに町へ戻ってきた。 そこで出会ったのは、蕾、満開の花、そして咲き終わろうとする花を一本の茎に同時に抱く、不思議な花「パイナップルリリー」。 花言葉は「完璧」「完全」。 そしてその花には、亡き祖母が残した小さな言い伝えがあった。 「昨日咲いた花も、今日咲く花も、明日咲く花も、全部合わせて一本の花なんだから」 言えなかった謝罪。 取り戻せない時間。 完璧になるまで帰れなかった自分。 一輪の花と一枚の写真が、璃子に問いかける。 本当の「完全」とは、いったい何なのか。 パイナップルリリーの花言葉から紡ぐ、後悔と記憶、そして再生の物語。
10

配達人の黎明

最終戦争から六十五年。汚染された灰色の空の下、人は空気清浄フィルターなしでは数時間も生きられない。四十五歳のベテラン配達人、ホウジョウ・エメスは、三十年間ただ荷を運ぶことだけを黙々とこなしてきた。 しかし、山中湖の施設へ荷物を届ける旅の中で、彼はかつての戦友や、絶望の淵で生きる子どもたちと出会う。やがて彼の手にある荷物の、そして荷物を運ぶことの意味が変わっていく。 孤独な男は、灰色のこの世界で何を見いだすのか。
11

さよならの湯気は、まだ台所にいる

三十二歳の編集者・高梨澪は、母の訃報を受け、十年ぶりに港町の故郷へ戻る。葬儀だけ済ませて東京へ帰るつもりだった澪だが、母が営んでいた小さな食堂「みなと日和」の常連たちに「最後にもう一度だけ店を開けてほしい」と頼まれる。 店の奥で見つけた大学ノートには、料理の作り方だけでなく、「離婚届を出した日の肉じゃが」「受験に落ちた日の卵焼き」「娘が出ていく朝の鰆」など、その料理を出した相手の事情が短く書き残されていた。母の食堂は、ただ空腹を満たす場所ではなかった。誰かが人生の節目に立ったとき、行く前に一度ちゃんと座っていていい場所だったのだ。 料理に自信のない澪は、一週間限定で昼だけ店を開けることを決める。味噌汁、焼き魚、小鉢。母の真似はできないまま、それでも目の前の客に食べられるものを出していく。進学で町を出る高校生、妻に先立たれた老人、娘を見送る父親。彼らに料理を出すたび、澪は母が見ていたのは「注文」ではなく、「注文の前の顔」だったと知っていく。 一方で、澪には母を許しきれない過去がある。上京が決まった日、母は「おめでとう」ではなく「そんな仕事、食べていけるの」と言った。最後までわかり合えないまま別れた母と娘。けれど遺品整理の中で、澪は自分の仕事の切り抜きや、出せなかった手紙、そして「澪が帰ってきた日に作る 春の炊き込みご飯」と記された一行を見つける。 帰ってくるはずのない娘のために、母は“帰ってきた日に食べさせるもの”を残していた。最後に澪は、その書きかけの献立を自分の手で完成させ、ようやく母に「ただいま」を返していく。 不器用な母娘の断絶と和解、町を出る人と残る人の小さな別れ、そして料理が言葉の代わりになる瞬間を描く、港町の食堂の物語です。
12

私はカレンさん ―預言者シリーズ外伝―

「真希と出会う前、カレンはまだ“カレン”ではなかった。」 一人の人間として悩み、迷い、立ち止まりながらも―― 自分らしさを取り戻していく、そんな時間が確かにあった。 異世界転移コメディ『私が預言者?いいえ、ただのインチキ占い師です!』に登場するカレンさんの過去を描いたスピンオフ短編。 強くて優しいあの人にも、静かな始まりの物語がある。
13

色を分けあう葉(誕生花が紡ぐ、366日の物語 ~9月3日~)

父が遺した古い温室で、色鮮やかなカラジウムを守り続ける澄乃。 けれど温室は老朽化し、ついに手放す決意を固めようとしていた。 そんな彼女の前に現れたのは、旅をしながら絵を描く青年・真紘。 彼は、父が語っていた「喜びは分けても減らない」というカラジウムの言い伝えに心を動かされる。 やがて嵐で傷ついた温室をきっかけに、一株の植物とひとつの物語が町の人々へ広がっていく。 「喜び」「歓喜」「爽やかさ」「分かち合い」。 色とりどりの葉が教えてくれるのは、幸せも悲しみも、誰かと分けることで新しい色に変わるということ。 カラジウムが紡ぐ、優しく心に残る再生の物語。
14

25℃にサヨナラを。

「あなたの作品には、熱がない」 新しい編集担当の灯野終夜に、そう突然告げられた新人作家・冷野雪華。 スランプに陥り、思うように言葉が紡げなくなった彼女の前に現れたのは、無機質なAIアシスタントだった。 言葉を交わすたびに、冷えていた心と物語に、少しずつ火が灯っていく。 けれど、それは本物の“温もり”なのか、それとも――。 25℃の部屋で始まる、名もなき声との再生と恋の物語。
15

亡くなった母から、三年後にLINEが届いた〜止まっていた家族の時間が、切なくも温かい奇跡で動き出す〜

亡くなった母から届いた、一通のLINE。これは奇跡の物語ではない。残された家族が、もう一度「笑顔」を取り戻すまでの物語。 母が亡くなってから三年。 「もっと会いに行けばよかった。」 「最後に、ありがとうを伝えたかった。」 後悔を抱えたまま生きる会社員・大輔のスマートフォンに、ある雨の日、一通のLINEが届く。 送り主は、亡くなったはずの母。 『元気にしてる?』 ありえないメッセージをきっかけに、大輔は父と妹とともに、母が家族へ残した想いをたどり始める。 言えなかった「ありがとう」。 父が胸の奥にしまい続けた涙。 妹が一人で抱えていた寂しさ。 そして母が最後に願った、「家族が笑って生きていくこと」。 これは死者がよみがえる物語ではありません。 大切な人を失った家族が、悲しみを抱えながらも、少しずつ前を向き、「おかえり」と言い合える日常を取り戻していく物語です。 読み終えたあと、大切な人へ「ありがとう」と伝えたくなる、家族再生の感動長編。
16

モノクロマティック

 瑞原 螢(みずはら けい)の目に映る世界には色がない。  古い洋館で絵を描き、夜はバーで働く螢。穏やかな日々を送る彼の胸には、幼い頃の記憶と、誰にも打ち明けられない痛みが残されていた。  ある日、洋館の主であり恩師でもある画家・瑠璃子が禁じた部屋で、螢は不思議な絵に魅入られてしまう。  やがて、教師を目指す女性・美樹との出会いが、閉ざされていた螢の世界を少しずつ変えていく。  光と影だけの世界で絵を描き続ける青年と、彼を想う人々。そして、洋館に秘められた絵の謎。  失われた色の向こうに、圭が見つけるものとは――。  人の心が織りなす、静かな恋愛と幻想の物語。
17

父娘の和菓子屋、バズらせ計画

東京でWEBデザイナーとして働く米澤円は、父の顧問税理士の頼みで実家の和菓子屋へと呼び戻される。 しかしそこでは、頑固な父が“店を再生したい”と訪れた地域活性コンサルの青年に塩をまいて追い返すという、とんでもない光景が繰り広げられていた。 「今どき和菓子なんて厳しい」 そんな言葉に、円の中で何かが弾ける。 ――あの頃、母は言っていた。 「お父さんのお菓子で、お客さまが笑顔になるのが好き」 あの味を、“時代遅れ”で終わらせてたまるか。 「私が証明してあげる。この店には、まだ“残る理由”があるってこと」 SNSも、デザインも、全部使う。 頑固な父と、不器用なコンサルと、そして一人の娘。 これは、“世界一の栗きんとん”をもう一度輝かせる、父娘の再生物語。
18

シャッターチャンス ― 何回桜を ―

余命を告げられた美桜は、 もう何も感じられない自分に戸惑っていた。 そんな彼女の前に現れたのは、 画面の向こうに映る一枚の桜。 レタッチソフトを使い、光と色を調整していくうちに、 かすかな実感が胸に戻っていく。 撮ること、残すこと、 そして“いま”を生きること。 「あと、何回桜を見れるだろうか?」 その問いの先に、彼女が見つけたものとは――。 静かに心がほどけていく、春の短編。
19

【完結】レンタル孫 ―愛を知らなかった僕が、誰かを想うようになるまで―

“演じることでしか、生きられなかった青年が、 静かな部屋の中で、ほんものの愛に触れていく――。” ネグレクト気味の家庭で育った優真は、 “人に好かれるための笑顔”と“相手が求める言葉”だけを武器に生きてきた。 心は空っぽのまま。それでも社会に馴染むために、 今日も誰かの顔色を読み、求められた役を演じている。 ある日、偶然見つけた求人── 「レンタル孫サービス」。 高齢者のもとを訪れ、話を聞き、買い物に付き添い、 たとえ一時間でも“家族のように”寄り添う仕事だった。 最初は軽いアルバイトのつもりだった。 けれど、記憶が薄れがちな元教師・絹枝、 無骨な沈黙の奥に深い優しさを隠した元職人・国松、 静かに他者を見守る女性・鈴代と出会い、 優真の日々は静かに変わりはじめる。 「無理して笑わなくていい」 「黙っていても、そこにいればいい」 「よく生きてきたね」 演じるための笑顔ではなく、 “誰かの言葉に救われる”という経験が、 少しずつ彼を満たしていく。 そして、ある日届いた一枚のメモ。 そこに書かれていたのは―― 「あなたはいい子よ。また会えますように。」 さよならの向こう側に残された、その一行。 それは、優真の人生をそっと照らす光になる。 人は誰かと関わるたび、 少しだけ優しくなれる。 少しだけ強くなれる。 そして、ほんの少しだけ、新しい自分に出会える。 これは、演じることしか知らなかった青年が、 “愛されること”“愛すること”を学んでいく再生の物語。 静かに胸へ沁みるヒューマンドラマを、どうぞ。
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藍より青い約束

祖母の死を機に故郷へ戻り、藍染め工房を閉めようとしていた紬。 そこへ、顔から首に痣を持つ少女・花音が、祖母に託した卒業式用の白いワンピースを抱えて現れる。 「この痣よりきれいな色を着たら、下を向かずに歩けるって」 ――祖母が遺したのは、未完成の服と「仕上げは、あなた次第」という言葉だった。 桃色の小花を咲かせながら、葉の奥に幾千もの青を秘める藍。 染めるほど、風に触れるほど、布は新しい色へ変わっていく。 祖母の青から逃げてきた紬と、顔を隠して生きてきた花音は、染めむらの残る一着に、それぞれの明日を重ねていく。 花言葉「美しい装い」「あなた次第」から生まれた、受け継ぐ想いと再生、自分だけの色を選ぶ希望の物語。
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