「血」の検索結果
全体で7,363件見つかりました。
妖し者と呼ばれる神代の悪霊たちの名残が蔓延る大正の世。
人に害成す妖し者を滅する力のある異能持ちが、華族として権力の中枢にいた。
その中でも帝に次ぐ地位を持った天花寺家。
天花寺純佳はその家の次女として治癒の異能を持ち生を受け、何不自由ない生活を送っていた。
だが、十の年を迎えたある日、突然治癒の力が使えなくなってしまう。
無能となってしまった純佳は、天花寺だけでなく華族の恥さらしとして蔑みと嘲笑に晒されるようになった。
そうして七年の時が経ち、十七となった純佳。
毎年行われる華族全てが集まる夜会へ、蔑まれることが分かっていながらも参加する。
そこには、遠征で何年も帝都にいなかった冷血と噂の軍人・不知火閃理も来ていた。
神代の異能を持つと恐れられている閃理に見初められた純佳は、攫われるように不知火の屋敷へと連れて行かれる。
そうして不知火の屋敷で過ごしているうちに、純佳の治癒の力が戻ってきて――?
これは、力をなくした令嬢と、心を失った軍人の――奪還の物語である。
*不定期更新です。
文字数 26,333
最終更新日 2026.01.07
登録日 2025.12.31
「私は、騎士を辞める」
異変に気づいた時には、すでに遅かった。
仕組まれた罠、麻痺成分が混入された薬、そして仲間の絶叫――。
帝都を離れ、聖地へ移住してきた錬金術士シルヴィオ。
彼が「伯爵令息で皇宮騎士」だった頃の、ある遠征の記録。
本編主人公を支える穏やかな錬金術士の、哀しくも決然とした「騎士廃業」の全貌がここに明かされる。
(全3話)
*長編小説「魔剣がうるさいので冒険できません!」のスピンオフです。
*本編のコメディ日常ファンタジーとは違い、こちらはシリアスで若干ドロドロ残酷な流れになっています。
多少の暴力・流血表現があるのでご注意ください。
文字数 9,243
最終更新日 2026.04.22
登録日 2026.04.19
「私が目を閉じたら、別れていいよ。死んだら、別れてください」
「……無理なダイエットで貧血起こしただけで天国とか寝ぼけるやつが簡単に死ぬか、あほ」
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散々嘘を吐いた。けれど、それでも彼は別れない。
「俺は、まだ桃花が好きだよ」
どうしたら別れてくれるのだろうか。
分からなくて焦った私は嘘を吐く。
「私、――なの」
彼の目は閉じなかったので、両手で隠してお別れのキスをした。
――――
お見合い相手だった寡黙で知的な彼と、婚約中。
自分の我儘に振り回した挙句、交通事故に合う。
それは予期せず、防げなかった。
けれど彼が辛そうに自分を扱うのが悲しくて、別れを告げる。
まだ好きだという彼に大ウソを吐いて。
「嘘だったなら、別れ話も無効だ」
彼がそういのだが、――ちょっと待て。
寡黙で知的な彼は何処?
「それは、お前に惚れてもらうための嘘」
あれも嘘、これも嘘、嘘ついて、空回る恋。
それでも。
もう一度触れた手は、優しい。
「もう一度言うけど、俺は桃花が好きだよ」
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性悪男×嘘つき女の、空回る恋
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元銀行員ニューヨーク支社勤務
現在 神山商事不動産 本社 新事業部部長(副社長就任予定
神山進歩 29歳
×
神山商事不動産 地方事務所 事務員
都築 桃花 27歳
ーーーーーー
文字数 95,601
最終更新日 2019.11.21
登録日 2019.11.12
カーラは近くの大学の帰りに全身黒い服を着た男を見つける。その男の近くには血を流して倒れている女性がいた。カーラを見つけた男はカーラにぶつかって、逃げて行った。
通報を受けた警察がパトカーのサイレンを大きく鳴らしてカーラの近くに止まった。
パトカーから降りた警官は事情聴取のためとカーラを警察署に連れて行った。
事情聴取だけで済むはずだった警察署で、カーラは身に覚えの無い罪を次々と持ち出される――。
刑務所で出会った囚人の協力を仰ぎ、脱獄を計画する。
だがそこは”何かがおかしい“ことにカーラは気づく。
カーラ達は異変の中、脱獄を成功させることが出来るのか――。
文字数 14,692
最終更新日 2020.05.31
登録日 2020.04.18
ふと気がつくと、なんと異世界に転生していた。びっくり!
前世は周囲に気を使いすぎて自分のことを疎かにしてしまった。
今生は自分の幸せを第一に掲げて生きて見せる!と決心してすぐ、村で蔑ろにされている黒髪の男の子を見つけてしまった。
なんでも、この世界では黒髪は魔王の髪色で忌避される対象で、男の子の親も周囲も遠巻きに見るばかり。
そんな環境を見過ごせない主人公が、黒髪の男の子の見方になったことをきっかけに、少しずつ周囲の対応が改善されていった。
血も涙もない冷酷な魔王の誕生を人知れず阻止した主人公だったが、今度は自分が聖女の髪色を持っていることで聖女狩りに合ってしまう。
聖女になったら結婚できない!?
前世は独身貴族、今生は家庭を築きたい主人公は、将来の約束をした黒髪の少年を連れて逃げ回ることにした。
旅は道連れ、世は情け!
聖女と魔王は無事にゴールインできるのか?
恋愛逃避行物語、開幕!
文字数 5,166
最終更新日 2020.07.02
登録日 2020.07.02
※ 『悪役令嬢と十三霊の神々』シリーズの短編です。
俺の名はモブリオ。
俺は、乙女ゲームの世界に生まれた純血のモブらしい。
転生者でも能力者でも何でもない、単なる衛兵Mだ。
そう思っていたら、俺は『敵兵M』だったらしい。
えぇえええ!?
待て、何だそれ、存在が既に死亡フラグじゃね!?
世の中では悪役令嬢の悲劇ばかりがクローズアップされてるようだが、ちょっと、待ってみないか。
悪役令嬢の悲劇がどんなものだか知らないが、俺の方が悲惨じゃね?
俺のモブ人生に用意された、死の罠の数々ときたら!
俺なんかした!? 何の罪もないつもりなんだ! なんかしたなら謝る!
これは、平和を愛する俺が全力で生き抜く物語。
そう、俺は平和を愛する。――平穏無事な人生に乾杯。
文字数 9,448
最終更新日 2021.02.03
登録日 2021.01.11
ねこはバスケでまるくなる!
この物語は、3x3バスケを舞台に、ねこと踊る少年少女たちの青春舞踏会ですの!
元ねこバスケ日本代表選手に、ねこバスケしよう、と誘われるも無関心。
そっぽを向く高校生の少年、犬飼創。
彼はそのある日、春という名前の猫ちゃんを賭けた先輩とのタイマンを経て、ねこバスケと向かい合うことを決めた。
そして、ねこに招かれた友達といっしょにU18県大会への出場を決意する。
この小説は熱血スポーツ小説でも、本格バスケ小説でもございません。
ねこバスケを全力で楽しむ青春娯楽小説ですわ。
また、ねこに対して最大限の配慮を心得ており苦痛を与えるようなことはございません。
てか、男性か女性かという偏りでしか選べないHOTランキング用ジャンル選択いらなくない?
だって、どちらにもおススメですから!
午後5時更新予定(=^ェ^=)
3x3バスケについて!
http://3x3.japanbasketball.jp/what-is
https://3x3exe.com/premier/whats3x3/
普通のバスケだけど分かりやすいの
https://www.alvark-tokyo.jp/basketball_rule/
文字数 164,974
最終更新日 2023.11.30
登録日 2023.11.04
文字数 17,329
最終更新日 2026.01.06
登録日 2026.01.05
軍所属の女魔術師(異世界転移者)が、片思い中の上官を刺されて、血祭りまつりをするおはなし。H28.12.15完結
文字数 14,120
最終更新日 2016.12.15
登録日 2016.12.06
テーマは血です。「あなたは大切な人の血を吸ったことがありますか?」これがキャッチコピー。基本異世界ファンタジー物です。アルファで書いた方がモチベーションが続きそうなので、カクヨムからアルファとなろうに転載することにしました。当初、エブリスタの漫画原作コンようであったが、エブリスタの仕様が使いにく過ぎて諦め、カクヨムで書いていた。エブリスタの漫画原作コンの条件が第1話が約8000字、第2~5話が約4000字ある。それ以降は3千字前後かな。忘れそうなので記念に最高が、お気に入り63。最高が24ポイント10672の85位。不正はなしよ。ありがとうございます。現在、執筆が間に合っていません。すいません。毎日更新をやめて、2,3日に1度の更新にします。書籍申請したら、いらないって返信が・・・。
文字数 100,113
最終更新日 2018.02.08
登録日 2018.01.02
ニンゲンの絶滅に関する説と、人工知能の創る社会の凡てに異を唱えた、革命型の変異種ロマニ。
全体意思と共に生き、それでも〝縄張りの拡張〟と〝暴力〟という、甲人の持つ二つの本能を結び付ける行動には、断固として反対する立場を貫こうとする、結界の守護者トウホ。
甲人国家最大最強の群れを率いて中央に君臨する、群司の王コガネ。
甲人という知的生命体の観察は二日目を迎え、観察の主体であるアスオを取り巻く環境が、少しずつであるが見えてきた。
社会構造だけでは無い。
甲人の有する、特殊な体構造も、アスオの得た知識と共に、少しずつ理解が深まってきた。
甲人にとって死は必ずしも終わりでは無く、人工知能により遺体が回収されれば、身体と生命が再生される事。
再生後、アスオに見られた症状として〝死に惚け〟と呼ばれる、記憶喪失状態が確認され、一定時間(未だ、時間的詳細は不明である)種別及び個体特有の能力を満足に発揮する事が、不可能になってしまう事。
人工知能と直接的に係わりを持つ種には、護衛が付けられ、アスオの種は、その護衛の役割を担う種である事。
そして現時点までの観察に於いては護衛役の種にのみ、体内に、刃物や毒などの、武器として用いられる部位が収納されているらしい事(群れに属さない〝有袋種〟は、護衛を持たず、臭液を発射する器官〝噴射口〟を有しているが、戦闘種と争える程の闘争能力は有しておらず、臭液は主に殺傷被害を受けた時、血液と共に相手に付着する性質のものであると推察される為、例外とする。また戦闘種に於いても、飽くまで現時点までの確認に拠るとする)が解った。
甲人社会の一年は、新生者達の誕生と共に始まり、既存者と新生者が、情報を相互に共有しながら経過していく。
新生者の中から有能な者や群れに必要な種を捜しだし、勧誘するのも、首長たる群司の役割である。
トウホの先代〝マズメ〟の時代からの恨みを忘れずに抱える近隣の群司〝ワラビ〟は、当代群司トウホの群れの運営を妨害する工作の一環として人材の枯渇を狙い、スカウトにより人的資源の先取りを毎年繰り返していた。
ワラビの群れの最強の護衛であるサマタと、記憶を失う以前〝現役最強の一人〟と称されていたアスオの死闘は、辛くも、アスオの勝利で決着したが、そのアスオも、自立できず、意識を保てない程の致命傷を受け、死を待つのみの状態まで、追い込まれていた。
時間は、容赦無く経過していく。
凡ての物理現象の内、最も残酷なものは時間の経過である。
何故ならば、凡ての事件、事故、災害、疾病等の災厄、及び喪失や離別は必ず、時間の経過と共にやって来るからだ。
初めての死、そして再生を経験し、友や主の為に懸命に戦い続けたアスオの生命は、再生から一日半で早くも失われようとしていた。
文字数 98
最終更新日 2022.07.09
登録日 2018.04.25
血の繋がらない兄と妹のラブエロコメディです。
女子大生・風羽(ふう)はハタチの誕生日前夜、兄・匡(たすく)から「血が繋がっていない」こと、そして、「風羽のことを、一人の女の子として好きだ」と告白される。
寝耳に水の風羽は、兄の好意をどう受け止めていいか大混乱。
仲のいい兄妹だった二人の関係は、どう変わっていくのか…?
妹大好き溺愛お兄ちゃんと、平凡な妹のラブエロコメディです。
※他の投稿サイトにも同ペンネーム・タイトルで投稿しています。
ふざけたタイトルですみません…。お気に入りに追加してくださったり、感想をいただけると創作の励みになります。
よろしくお願いします!
☆登場人物☆
久宗 風羽
二十歳になったばかりの女の子。女子大生。
優しく、おっとりした普通の子……と思いきや、意外としっかりしている?
少なくとも最終的には、言いたいことをはっきり言う。
兄・匡とは仲が良い。匡のことが大好き。
久宗 匡
風羽の六歳上の、血の繋がらない兄。
職業はフリーのSE。世界のあちこちの人たちと仕事をしている。
めちゃくちゃイケメン。長身。モテモテ。
常に自然体というか、のんびりしている。なにを考えているか分からない。
妹の風羽のことが大好きで、彼女のハタチの誕生日に愛の告白をした。
久宗 和正
風羽の父、匡にとっては継父。
見た目は冴えないおじさんだが、大手ゼネコン勤務のエリート社員。
現在は風羽と匡を日本に残し、アジアの某国へ赴任中。
仕事はできるようだが、それ以外のことには無責任で調子の良いところがある。
益にならない面倒事からは逃げるタイプ。
久宗 花奈
風羽の実の母。故人。
風羽が五歳のときに亡くなった。
明るく元気なお母さんで、夫と娘のことを深く愛していた。
亡き後も、風羽に多大な影響を与えているようだ。
久宗 粧子
匡の母、風羽の継母。故人。
資産家の娘に生まれ、甘やかされて育ったせいか、高慢でわがまま。
息子である匡のことは、自分の付属品として大事にしていたようだ。
小津野 数子
花奈の母親で、風羽の祖母。
なかなか毒舌なおばあちゃん。夫(風羽の祖父)は既に亡く、子供たちは皆、独立している。中編以降は高齢者向け住宅に引っ越し済み。
松平 静香
風羽の大親友。メガネの似合う才女で美人。
溌剌と明るく、独特な性格の持ち主。中学校からのつきあいの風羽の良き理解者。
匡のファンらしい。
愛称は「まっつん」。
後藤 有
風羽と同じサークルに在籍している先輩。大学三年生。
勘違い甚だしい、恥ずかしい男子。
風羽に一時つきまとっていた。
文字数 42,316
最終更新日 2021.08.06
登録日 2021.05.08
努力家だけど人付き合いが苦手なリエナは周囲から冷血令嬢と呼ばれていた。
対してリエナの唯一の親友である侯爵家令嬢のフィリーネは皆から慕われ、まるで物語のヒロインのようだともてはやされていた。
幼い頃から二人はいつも一緒で、ついには同じ全寮制の寄宿学校へと通うことになった。
そこで出会ったカルヴィンにリエナは初めて恋をした。
しかし、カルヴィンはフィリーネのことが好きなようで───
文字数 48,871
最終更新日 2022.02.22
登録日 2022.02.19
ある日ある時ある夢を見たわ。
だから愛するダーリン(仮)の闇落ちを防ぐ為に先んじて手を打ってきた辺境領主の娘が私。
その為に小説や演劇で悪役令嬢や悪女を学んだの。
ラスボスになって夢の結末を変える為に!
ダーリン(仮)に胸ぐら掴まれれば拳で語ってボコボコにし、強くなる為に修行をすればからんできた古竜をボコボコにしたわ。
そうしたらなぜか古竜をテイムした事になって冒険者の高みを上り詰めたけど、気にせず今度は魔竜をボコるべく死の森にレッツゴー。
けれど魔竜ちゃんに萌えて私がノックアウト。
つい浄化しちゃったら、あらら、なんということでしょう?
可愛い竜達の下僕になって、ちょっと当初の計画は変更してしまったけれど、目的は変わらない!
ダーリン(仮)の闇落ちを防ぐ為、私は暗躍したのよ、お~ほっほっほっほっ。
〈注意〉
ノリと勢いで作ったので、設定等ゆるゆるです。
1話2000文字前後を目安に15話くらいの短編のつもりなので完結はさせます。→20話くらいになりそう?
今日明日は午前と午後の1日2話投稿予定です。
他サイトでも投稿予定にしています。
文字数 41,299
最終更新日 2022.03.27
登録日 2022.03.10
大学三年生の月城ヒカルは、もうすぐ付き合って一か月の社会人の彼氏に急に別れを告げられてしまう。ショックを受けたヒカルは、ぼんやりと自身が通う大学付近をうろうろとしていた。その時、一軒の喫茶店を見つける。吸い寄せられるようにその喫茶店に入ったヒカルは、そこで店主の白石トウヤと出会う。白石はヒカルに温かいコーヒーを淹れて、ヒカルの身に起きた話を嫌な顔ひとつせずに聞いてくれた。店内とコーヒー、そして白石のぬくもりに触れて心が軽くなり、ヒカルの瞼は徐々に重くなり――。
目を覚ましたヒカルの目に飛び込んできたのは、妖しく微笑みながらヒカルの首筋にくちびるを寄せる白石の姿だった。
文字数 6,293
最終更新日 2022.11.29
登録日 2022.10.31
人が暮らす世と魔が治める世とそして神々が治める世の三つの世界で構成された螺旋界。
それは世界の成り立ちとしては異端であった。
魔が治める世を闇世といい、その皇子と敬われているのが、最強と謳われた妖魔の王、妖魔の騎士だった。
彼の行く所血の宴があり、その姿が最後にメイディアで確認されてから少なくない年月が流れた。
メイディアの隣国、古王国レジェンヌの首都に住む少年ショウは、ある日、ひとりの不思議な少年と出逢い?
文字数 70,972
最終更新日 2022.11.02
登録日 2022.11.02
小さい頃からテレビの向こう側できらきらと輝いていたニーナちゃんが私の目の前にいる。
血を吐きながら、よく分からない生命体と戦っていた。
生きる意味を与えてくれた貴女のために、私も手伝いたい!
文字数 55,347
最終更新日 2026.06.21
登録日 2024.08.11
桃太郎伝説の真実をご存じだろうか。
桃から生まれた英雄が鬼を退治したという美しい物語の裏には、飢饉と貧困が人々の心を蝕み、人間を「鬼」へと変えていった悲しい歴史が隠されている。
これは、歴史の表舞台に立つことなく、影で時代を動かした者たちの物語である。
戦国時代、吉備の国。飢饉に苦しむ村で、一人の男の子が桃と共に川に流された。老夫婦に拾われ「桃太郎」と名付けられた彼は、やがて村を襲う「鬼」と向き合うことを決意する。
仲間は、主に裏切られ娘と生き別れた知将・衛門。山の者でありながら野生の勘を持つ彌助。そして、謎めいたくノ一・時雨。
しかし鬼ヶ島で彼らが見たものは、想像を絶する光景だった。「鬼」と呼ばれた者たちの正体は、ただ生きるために必死だった貧しい人々。桃太郎が信じてきた正義は、音を立てて崩れ去る。
中でも時雨は、幼い日に両親を「鬼」に殺され、復讐だけを生きがいに生きてきた。七年間の孤独な修行を経て、彼女は桃太郎を「利用しよう」と近づいた。だが、彼の真っ直ぐな心ときび団子の温かい味が、彼女の凍りついた心を溶かしていく。
復讐を果たした時、彼女に残ったのは虚無感だけだった。そして知る——自分たちこそが、誰かにとっての「鬼」だったことを。
時雨は問う。許しとは何か。償いとは何か。そして、人は変われるのか。
時は流れ、桃太郎たちは信長・秀吉の天下統一を影で支えることを決意する。武力に頼らない平和を守るため、自ら進んで「裏側」を生きる道を選ぶ。
本能寺の変。時雨は炎の中から信長の遺体を回収する。光秀の謀反の裏には、衛門の緻密な情報操作があった。秀吉は「出来すぎている」と違和感を覚えながらも、天下人への階段を駆け上がる。
そんな中、もう一人の女の物語が動き出す。衛門の娘・圓は、幼くして父と生き別れ、秀吉の側近として育てられたくノ一だ。彼女は、父が生きているとも知らず、任務を遂行するたびに「すまない」と呟くそれは、母を守れず謝れなかった父の代わりだった。
秀吉の口から真実を聞いた時、圓は49年ぶりの父との再会を果たす。遅すぎた再会、そして訪れる別れ。それでも、父娘の絆は時を超えて結ばれる。
やがて桃太郎と時雨の間には、喜備丸という息子が生まれる。時雨は母となり、我が子にきび団子の作り方を教える。それは、かつて自分が救われた温かい味。
喜備丸は宇喜多秀家に連れられ城下町へ。彼が開いた団子屋の商品には、母の名を刻んだ焼印が押されていた。
「時雨」
その団子はやがて都の名物となり、人々の心に小さな安堵の光を灯し続ける。
桃から生まれた英雄の伝説の裏で、一人の女が復讐から母へと変わった。彼女が団子に刻んだ名は、やがて遠い未来まで語り継がれていく。
これは、血と泥にまみれながらも、それでも光を求めて生きた者たちの、もう一つの真実の物語である。
文字数 144,081
最終更新日 2026.03.13
登録日 2026.02.16
幼い頃に暴言を吐いてきた相手との結婚を、母親に命じられた、魔族と人間の混血アステ。
だが、暴言を吐いていたはずの魔族フォールスは、再会したアステに、過去の過ちを謝罪する。
何度か同じ時間を過ごしたふたりは、少しずつ惹かれ合い、ようやく思いを通じ合わせる。
母を亡くしたアステは、ひとり新しい地で生きていく事を決意し、恩師から紹介された新しい職場で働く事になる。
周りに助けられ、なんとか未来を切り拓いたアステ。今度は新たな職場で、自身の力だけで道を切り拓こうと奮闘する。
仕事に、そしてたまに恋に、全力でぶつかるアステの明日はどうなる!?
※当作品は「混血才女の政略結婚」の続編です
※「魔王直下の相談室」「混血才女の政略結婚」をお読みいただくと、より楽しんでいただけるかと思います
※R18の表現を軽く含む話には「*」、それよりも上のものには「**」を付けています
文字数 149,286
最終更新日 2024.09.17
登録日 2022.12.15
16世紀初頭、新大陸サントドミンゴに若き次男アルバロ・デ・モリーナが到着する。陽気な笑顔の裏に「勝った側だけが正義だ」と信じる冷徹さと、兄の妻イサベルへの秘めた想いを抱えた男である。兄フアンのインヘニオとインディオ村、黒人奴隷たちを託されたアルバロは、暴力ではなく数字と制度を組み替えることで労働と飢えを「料理」していく。死者の数を減らしながら利益を増やし、修道士ラス・カサスにさえ一目置かれる一方、イサベルとの距離は少しずつ危うく縮まっていく。
やがてメキシコでの黄金の噂が届き、アルバロは家族と黒人夫婦ルシアとトマス、弟たちを引き連れてユカタンへ向かう。ポトンチャン上陸戦やタバスコ川での戦いを切り抜ける中で、マヤ語とナワトル語を操る若い妻チャックニクを迎え、彼女を通訳兼参謀として側に置く。スペイン人・黒人兵・先住民が入り交じる奇妙な隊商は、やがて湖上の大都市テノチティトランに招かれ、皇帝モクテスマ二世の「客将」として黒色火薬と大砲を差し出すことになる。
しかしアステカ帝国の西南では、銅の槍を振るうタラスコ王国が国境砦オストゥマを圧迫していた。モクテスマの密命を受けたアルバロは、黒人兵とアステカ兵、数十頭の馬、20門の大砲を率い、バルサス川をさかのぼる苛酷な行軍に挑む。渓谷に砲をつり下ろし、カヌーで川を遡航し、飢えと疲労にあえぎながらも、ついに砦の眼前でタラスコ軍を石弾の雷雨で粉砕し、将軍たちとその妻を人質として手中に収める。
湖の都で得た黄金と西南の戦場で得た人質と牧場地。アルバロはそれらを巧みに組み合わせ、モクテスマとスペイン王権のあいだに自らの立場を穿ち込んでいく。インディオの死者を減らす施策も、兄嫁と現地妻への歪んだ愛情も、すべては「石の王冠」を頭に載せるための計算に過ぎない。新大陸の血と金と信仰を材料に、世界をほくそ笑みながら料理しようとする大悪党の第一幕である。
文字数 614,792
最終更新日 2026.03.30
登録日 2025.12.01