「捨て」の検索結果

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青春 連載中 長編
「ねえ、知ってる?」 「あのウワサこと?」 「そうそう」 「学校内のどこかにある」 「不思議な本」 「その本を見つけ出したものは――」 「相葉悠一」は見下していた友人が夏休み中童貞を捨て、友人に先を越された事でイライラしていた。 遅刻常習犯の悠一は、さらに担任に「遅刻の罰」として図書室の本の整理を言い渡され、ブチ切れ寸前だった。 そんな時、同じクラスの図書委員の「渡辺明日奈」に、学内の何処かにあるとウワサされている「願いが叶う本」のことを聞く。 その本に願って、童貞を捨てればいいと明日奈に煽られ、はじめはムカついていた悠一だったがーー 「願いが叶う本」を巡る高校生たちの、純粋で恐ろしい『欲望』が渦巻く、不思議な物語ーー
文字数 96,802 最終更新日 2024.05.28 登録日 2024.04.08
食をテーマにした短編集。 舞台は現代ですが、ややファンタジー、ミステリー風味のお話もあります。 タグは短編を追加するごとに増やします。 ◇これらは別サイトにて、別名義で書いた作品です。 ◇とりあえず四作品アップします。また何か書いたら載せにきたいと思います。 【1】 『いつかの食卓』 ひっそり付き合っていた恋人が死んだ。彼はいつも、俺の作った料理を美味そうに食べてくれていたものだった。今日も彼の顔を思い出しながら食事を作り、作りすぎたものを捨てきれずにお隣さんにお裾分けをする。すると、隣に住む老人と幼い少年は、俺に妙な提案をしてきて——…… 【2】 『相席する幽霊』 家に帰ると、イケメンの幽霊がいる。 幽霊に見守られながらコンビニ飯を食べる、とあるサラリーマンの夕食風景。 【3】 『前世の記憶と父の弁当』 特攻隊員として若い命を散らした前世を突然思い出した、中学生の大知。 片親である父の作る不器用な食事に飽き、茶色い弁当を恥ずかしく思っていたが……。 【4】 『ラー友よ永遠に』 近所のラーメン屋でいつも顔を合わせる人々と私。クソみたいな男にフラれたあとでも、ここのラーメンはすこぶる美味い。 【5】 『絶望に効くカスタード』 両親に言われるまま、正道と思われる道を真面目にまっすぐ歩いてきた。だけど何もうまくいかない。ぷつんと切れてしまった僕は、ひょんなことから『邪道』と思っていたカスタード味のたい焼きを口にして……。 【6】 『はじまりのカップラーメン』 姉が男と逃げた。その日から俺は、十歳の甥っ子を育てることになった。ネグレクト家庭で育った俺が、初めて会ったこの子を育てることができるわけがない。この家で暮らすことになったこの子は、不幸だ。
文字数 15,349 最終更新日 2024.05.23 登録日 2024.01.18
※ジャンブ恋愛小説大賞最終選考作品をじっくり改稿したものです。書籍化のチャンスをもらえますようにと願っています。 【あらすじ】 幼馴染のスポーツ万能成績優秀な彼女が中学生になったらイジメられるようになってた。野球部の僕は他の部員が、彼女に聞こえるように悪口を言っているのをただきいていた。だけどある日、成績優秀で何を考えているかわからない苦手なチームメイトのピッチャーが彼女と付き合いだしてしまった。彼女のことを好きだったのは小学生の時だ。そう言い聞かせ、自分もカノジョを作ってみたりするが、いつも見つめてしまうのは、イジメれながらも一生懸命に勉強と部活に励む彼女だった。「好きだ」その一言が彼女のカレシとなったチームメイトのピッチャーのせいで言えなくなってしまった。 イジメから救う勇気もない。好きと伝える勇気もない。 捨ててしまいたい思春期のプライド。 これは僕が初恋を手放して大人になる話だ。
文字数 100,896 最終更新日 2024.05.28 登録日 2024.04.28
この物語の主人公、楓は苦しい毎日の中で一人孤独に耐え、誰に頼ることも信じることもなく希望を捨て生きていた。そんなとき、一人の男性、要と出会い彼女の心は少しずつ変化していく。 拒絶しても突き放しても要は離れなかった。要は楓を支え、希望と勇気を与え続ける。 楓は要に支えられ、自分の心と向き合い変わっていくのだった。 楓は自分の弱さを真正面から見つめ、逃げ出したい気持ちと向き合い、変わろうと努力する。 それが大切なことなのだと彼女は教えてくれる。 楓を支える要の優しさと強さ、楓の母、亜澄の心の弱さと痛み。それらを受け止め少しずつ変わっていく楓。 はじめは弱く震えていた楓が、支えてもらいながら勇気を振り絞り、前へ進んでいく姿をどうぞ見届けてあげてください! ※多少虐待のシーンがあります ★こちらに使用しているイラストはAI生成ツールによって作成したものです
文字数 19,054 最終更新日 2024.04.28 登録日 2024.04.19
【これは愛か執着か】 十七歳の優里は家出少女だった。 橋の下、通称《身寄せ橋》であと腐れのない関係を築き、居場所を求めてさまよう。 身を売ることで日々生き繋いでいた。 ある夜のこと、老若男女が住み着いた《身寄せ橋》から人がいなくなる。 誰もいなくなった《身寄せ橋》で、男に捕まり連れ去られてしまう。 二人きりの生活で、優里は逃げようと奮闘するが……。 「蓮って、そんな風に笑えるんだね」 「笑う……か。それは皮肉なことだな」 同じ時間を過ごしていくうちに男の秘められた過去を知り――。 「何も知らないくせに! あたしは変わったの! 強くなったの!」 どうせ、誰もあたしの叫びに答えはしない。 あたしに居場所なんてないのだから。 「一度は警告を出してるんだ。傷つく覚悟は出来てるはずだ。わかってるよな?」 利用価値がないと見捨てられてしまったら、あたしは生きていくことが出来なくなってしまう。 あたしの居場所はどこ? さまよい歩き、今日も囚われる。 【あたしたちは夢なんか見ていられない】 ――だけどね、幸せはあきらめられないから、希望をみるんだよ。
文字数 72,593 最終更新日 2024.05.19 登録日 2024.04.29
現代文学 完結 ショートショート
ーー自業自得だ。 だって、私は家族を捨てたのだから。 誰かを不幸にした後で、他の誰かと幸せになろうなんて都合の良いことを願ったから、天罰が下ったのだーー アパートの汚部屋で孤独に暮らす、ヘビースモーカーのアキ。 彼女はとある事情から、〝母親になり損ねた〟女だった。 ーーあの時の気持ちのまま、母親になれたら良かったのにーー アキの心によぎる後悔とは?    
文字数 2,776 最終更新日 2024.04.26 登録日 2024.04.26
大衆娯楽 完結 ショートショート
平凡な主婦。仕事を終え、家に帰る。脱ぎ捨てられた靴。おざなりに置かれたランドセル。リビングの床は紙の切れ端が散っている。一気に怒りのボルテージが上昇していく。 娘を叱ろうとして、娘が作っているものを見て我に返った。 ※小説家になろうにも同様の内容を掲載しています。
文字数 3,605 最終更新日 2023.06.20 登録日 2023.06.20
主人公・律は五年前に亡くなった恋人を忘れられずに日々を過ごしていた。そんなとき、夏の河川敷で、つばめという家出少女に出会う。 行く宛てのないつばめを見捨てられず、律とつばめ、そして野良猫と奇妙な同居生活が始まるが……。 八月の河川敷。俺は、神様が産み落としたツバメと出会った。
文字数 19,973 最終更新日 2024.05.16 登録日 2024.04.22
ハロウィン嫌いの主人公・カリンは、数日にわたって開催される大規模なハロウィンイベント後のゴミ拾いに毎年参加していた。 今年も例年通り一人でてきぱきと作業を進めていた彼女は、見知らぬイケメン四人衆に囲まれる。 一見するとただのコスプレ集団である彼らの会話には、たまに『化けて出る』や『人間じゃない』といった不穏なワードが混じっているようで……。 彼らの正体と目的はいかに。 これは日常と非日常が混ざり合い、人間と人ならざるものの道が交わる特別な日の出来事。 ついでに言うと、コメディなんだか社会風刺なんだかホラーなんだか作者にもよくわからないカオスな作品。 (毎回、作者目線でキリのいい文字数に揃えて投稿しています。間違ってもこういう数字をパスワードに設定しちゃダメですよ!) お楽しみいただけておりましたら、 お気に入り登録・しおり等で応援よろしくお願いします! みなさま、準備はよろしいでしょうか? ……それでは、一夜限りの美しい悪夢をお楽しみください。 <登場人物紹介> ・カリン…本作の主人公。内面がやかましいオタク。ノリが古めのネット民。      物語は彼女の一人称視点で進行します。油断した頃に襲い来るミーム!ミーム!ミームの嵐! ・チル&スー…悪魔の恰好をした双子? ・パック…神父の恰好をした優男? ・ヴィニー…ポリスの恰好をしたチャラ男? 「あ、やっぱさっきのナシで。チャラ男は元カレで懲りてます」 「急に辛辣モードじゃん」 「ヴィニーは言動ほど不真面目な人間ではないですよ。……念のため」 「フォローさんきゅね。でも、パック。俺たち人間じゃないってば」 (※本編より一部抜粋) ※ゴミは所定の日時・場所に所定の方法で捨てましょう。 【2023/12/9追記】 タイトルを変更しました。 (サブタイトルを削除しただけです。)
文字数 142,037 最終更新日 2024.05.28 登録日 2023.04.29
 パツキンでガラの悪い不良女が、純朴なおもらしアンドロイド少女を拾う話。  電子工学技術が発達した世界。アンドロイドは人々に便利な「人権のない道具」として重宝されていた。  人間にはできないような遊びにも使われる、壊れても自動修復で治る、いくら壊してもいい、動いてしゃべる機械人形。  そんな世界で、一体の少女型アンドロイドが、ゴミ捨て場に転がっていた――。  結構ありがちな不良女×純朴アンドロイドの、ちょっとだけ哲学的な百合です。  全話執筆済み。一週間毎日投稿します。  カクヨム、ノベルアッププラス、小説家になろう、pixivにも掲載します。
文字数 18,909 最終更新日 2022.04.17 登録日 2022.04.08
小説家を目指す春乃月瀬(はるのつきせ)は応募していた恋愛小説コンテストに落選し、小説を書き記していたノートを持って海へ行く。 ノートも夢も捨ててしまおうとした時、同じく夢を捨てようとしていた、髪を青く染めたシンガーソングライターを目指す星宮蒼(ほしみやあお)と出会う。 恋愛を知らない月瀬は、蒼から、互いの夢を見つめなおすためにも七日間限定の『恋愛ごっこ』をしないと誘われる。 ──七日間の『恋愛ごっこ』が終わりを告げる時、二人の夢は……? 切なく、愛おしい青春純愛ラブストーリー ※画像はフリー素材より
文字数 28,720 最終更新日 2024.04.27 登録日 2024.04.27
 音楽を捨て放浪する音大生「想」は冬の函館にフリーターとして身を置いていた。想は行きつけの居酒屋「冨久屋」で働く年上の従業員、すがちゃんに心温まるものを感じていた。  そんな中、駅に置かれているピアノを見つけた想。動揺しながらも、そこでとある女性が奏でるショパンの夜想曲第19番の表現力に激しい衝撃を受ける。それに挑発されるように、音楽を捨てたはずの想もまたベートーベンの月光ソナタ第三楽章を叩きつけるように弾く。すると夜想曲を奏でていた女性が、想の演奏を気に入った、と話しかけてきた。彼女の名は「藍」。  想はすがちゃんや藍たちとの交流を経て絶望的に深い挫折と新しい道の選択を迫られる。そしてついにはある重大な決断をすべき時がやってきた。  音楽に魅入られた人々の生きざまを描いた長編小説。  些か読みにくいのですが、登場人物たちは自分としてはそれなりに魅力的だと思っています。  男性向けか女性向けかというと、消去法的に女性向け、と言えなくもないでしょう……
文字数 186,060 最終更新日 2022.05.24 登録日 2022.04.01
 猫カフェ『森の猫さま』は今日もお客様に癒しの時間を楽しんで頂いて女子高生店長?北代舞華も日々充実していると思っていた。ただ時折舞い込むトラブルや事件、訳ありなカフェスタッフや猫たちを巻き込んでドタバタ奮闘劇に最初にこの猫カフェを始めた理由を思い返すのも屡々、『なんでこうなったの?』が最近の口癖になりつつある。猫たちと幸せになれる猫カフェ『森の猫さま』今日も開店です。 このカフェの経営に出資協力だけでなく息抜きになるからとたまにスタッフとして手伝ってくれる幼馴染の山王院華はとある財団の後継者、舞華の双子の兄の舞斗とは王道の幼馴染あるあるをコンプリートする事に努力するも余り成果が得られない事に陰日向に応援している。 開店準備のスタッフ募集に一番で募集してくれた後輩の足立まみは結構人気コスプレイヤーで必要ないのに猫耳メイドコスで接客する痛い子ちゃんだ、脳内では舞華と華の百合百合な関係にアルバイト代はいりませんとか? リアル猫耳メイドのふうなは化け猫娘?、舞華が生まれる前から北代家にいた三毛猫さんで面白そうだから手伝うらしい、耳と尻尾は自前デス。カフェの猫たちとは何処のキャットフードが美味しいか情報交換しているニャ。 滝井ひなたは大の猫好きだけど、母が病死して父の実家に引き取られた手前、猫を飼いたいとは言えず、しかも番犬にクマ殺しの異名を持つ大型犬がいるならなおさら、せめてバイト先で猫と戯れたいとスタッフ募集した、のちにクマ殺し犬の異名は誤解で捨て猫を保護して育て始める優しいワンちゃんだと分かり、家でもバイト先でも猫リア充となる。 法律上と言うか、名義上の責任者で店長の北代建一は舞斗、舞華の父で名義貸しの条件に隠し事なく困っている時は相談する事など、スタッフの娘たちのお父さん的存在、ほぼ毎日来店している。舞華たちの弟で小学生の優斗や華の妹で二葉、友人の娘で訳あって北代家で暮らしてる優斗と同じ歳のリリス・アーガマ、北代家の猫たち数匹と犬二匹で残りの余生は静かに過ごすを心掛けているがどうやら思い通りにはいかないようだ。 舞華たちが幼い頃、山王院華の執事兼ボディーガードを頼まれた時に事故に遭い右足を負傷、以後杖を使用している。滝井ひなたの父とは旧知の中で時々仕事を手伝っていて、華の執事もその一つ、誰か敵か分からない御屋敷よりも下町な一般家庭が子供にとって良いと華と二葉を自宅に連れて来た、これがきっかけで舞華たちと幼馴染となる。 北代家が猫好き一家である事はご近所でも評判で子猫の里親探しや良い獣医さんの情報などの相談など受けることが多いがその反面、家の庭に子猫を捨て去る不心得者もいた。この辺りが舞華が猫カフェを始めた理由があるかも?実は保護活動をしているボランティア団体からはこの地区はかつて捨て猫のメッカと呼ばれていた野良猫天国だった。
文字数 168,615 最終更新日 2021.12.22 登録日 2021.08.03
KO
 大学2年生の及川秀太は、人と接することに疲れていた。 何かあったわけでもなく、ただそうして日々に疲れてしまい全て捨ててしまいたいと考えていた。 自分の夢を追いかけるもその道すら次第に見えなくなっていってしまった。 友達もおらず孤独のまま何者にもなれずにいた。 そんな彼が唯一出来た話し相手がバイトの先輩だった。ある日を境に彼女とバイト終わりに喫煙所で話す中になっていく。人嫌いな主人公が一人の女の子の先輩とたばこのよって、自分を探す話です。
文字数 1,480 最終更新日 2024.04.09 登録日 2024.04.09
好きな人には好きな人がいる。 ならばきっとこの恋は、いらないものなんだろう。 痛くて少し切ない、ティーン向け小説です。
文字数 61,866 最終更新日 2023.05.02 登録日 2023.04.02
青春 完結 短編 R15
「謝りたかったんだ。今までのこと。……二年前から、ずっと」 海辺の町で暮らす俊貴の元へ、二つ年上の幼馴染・灯莉が二年ぶりにやって来た。 バスケットいっぱいのサンドイッチと、大学の合格通知書を持って。 捨てられない初恋に苦しむ、片思いの物語。 ※タイトルは『みぎわのあかり』と読みます。
登録日 2024.04.03

 袋井誠は36歳になり、2038年”特別保護居住地区”という高齢者のみ住むことが許される居住地区で、巡回訪問の仕事に就いて6年が経っていた。贅沢をしなければ生活はできているのだし、他人と必要以上に関わることを避けてきた誠にとって若者ほとんどいないこの場所で生きて行くことにそれなりに納得していた。  高齢化社会が生みだした「都合の良い姥捨て山」のようなこの場所で、誠は春間佐文司という一人の老人とほんの少し、何十年かぶりに人としての交流を深めるようになるが「心を許せるようになりたい」と誠が思えば思うほど、誠の心には不安が広がって行く。  「一人でずっと生きて行かなければならない」誠が自分で決めていた生き方を変えることは許されないのだ。  誠には誰にも言えない”秘密”があるから…。
文字数 57,902 最終更新日 2024.04.12 登録日 2024.04.12
大和物語をご存知ですか?平安時代前期の「姥捨て」を綴ったもの。この作品はそれを私流にアレンジしてみたものです…。 みなさんは講談を聞いたことがありますか?浪曲や落語とともに「語りもの」における日本の芸能を代表するものです。張り扇を打ち鳴らしながら「…さても五条の橋の上、牛若丸は跳び退いて…」などと名調子で語る講談は昔はとても人気があったのです。しかし戦後においては軍国主義を助長させたものなどとして敬遠され、また映画など他の娯楽に押されて、それこそいまは「姥捨て」のような塩梅となっている次第。しかし講談師や原作者の言霊と意がこもった講談は、その内容によっては深く胸にひびき、いつまでも心に残るものと、あいなるやも知れません。なくしてはならない日本の芸能に、お若い皆さん、ひとときでも親しんでみてください。
文字数 19,306 最終更新日 2023.10.23 登録日 2023.10.22
 平安時代の昔、あの絶大な権力者だった平清盛に囲われた白拍子がいました。名は祇王。白拍子とは今で云えば芸能人となるでしょうか。いまの芸能人たちはステータスシンボルであり、万人の憧れの的ですが、昔の白拍子たちは必ずしもそうではありません。権力者やお金持ちに囲われれば天国ともなりましょうが、飽きられて捨てられたら一転地獄となってしまいかねなかったのです。住む家もなく、野山に庵を建てて住まうことともなったことでしょう。実は他ならぬこの祇王もそうだったのです。自分の妹分だったのでしょうか仏午前というもうひとりの白拍子を清盛に紹介し、自分と同じように取り立ててもらったのですが、清盛はやがてその仏午前ばかりを重用するようになり、祇王は捨てられてしまいます。ひとりわびしく野山に庵住まいをする祇王。ところが…年を経てからこんどはその仏午前も捨てられてしまい、ほかに行く当てもなかったのでしょう、ふたたび姉貴分だった祇王を庵にたずねてまいります。祇王は彼女をやさしく迎えたと思われます。そう云うのには祇王が残した和歌が今に残っているからです。「もえいずるも枯るるも同じ野べの草いづれか秋にあはではつべき」なる一歌。しょせんわたしたちは野べの草、過去は一時の夢とあきらめて、朽ち果てるまでここで仲良く暮らしましょうとでもするようなこの歌にそれが読み取れましょう。さて、実はこの逸話に加えていまひとつ私はこの小説に主題を添えてみたい。それは「シャーロットの女」というイギリスの画家ウォーターハウスが描いた絵の主題をぜひここに入れてみたいのです。それについてはあとのお楽しみ、祇王の逸話とともにどうぞ小説内で存分にご堪能ご確認ください。さあ、ではどうぞ。小説の世界へ。
文字数 7,343 最終更新日 2020.09.14 登録日 2020.09.14
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