「備蓄」の検索結果
全体で30件見つかりました。
6月20日、13時58分。現場に停めた車の中で、俺は首の痛みと一緒に目を覚ました。
6月27日にゾンビが出て、9月25日に俺が噛まれる。その三か月を日付つきで覚えたまま、7日前に戻っていた。
5分後に鳴るはずの元請けの電話は、14時03分に鳴った。
銀行員の妻は、それでも「ドラマの脚本だって、誰かが作った話でしょ」と簡単には転ばない。俺が証拠に差し出したのは、このあと義母からかかってくる二本の電話だ。
どこに籠るか。掲示板のサバイバルスレは、タワマンか別荘ばかりだった。
けれど内装屋の俺は知っている。水が止まった高層階でトイレを流せば、下の誰かに居場所が知れる。別荘の窓は、枠ごと外せる。
妻が推すのは「うちの銀行の金庫」。義父の返事は「中に入った物を食い尽くしたら終わりだぞ」。
俺が選んだのは、いま自分が内装を請けている、工事の止まった5階建ての冷凍倉庫だった。
発電する外壁と、敷地の井戸。床に広げた図面の隅は、猫と犬が押さえている。
家族会議で詰めるたび、設計の穴は義父が三秒で見つけてくる。夢ではネズミが柵を越えてきて、猫の一声で目が覚める。
母にだけは、本当のことが言えない。知ったら黙っていられない人だからだ。
残り7日。家族と猫と犬を連れて、誰にも見つからずに籠りきれるか。
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
文字数 26,119
最終更新日 2026.11.02
登録日 2026.11.01
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
文字数 52,731
最終更新日 2026.03.02
登録日 2026.02.25
ゾンビに噛まれて死んだ私は、終末の日の朝に戻っていた。
会社へ向かうエレベーターの中。スマホの表示は、4月12日、9時01分。
世界が壊れはじめるのは15時。残りは、6時間しかない。
前の時、義母と弟と4歳の娘は、最初の何日かでいなくなった。
次の階で降りて、電話を四本かける。
保育園には「今から迎えに行きます」。義母には米と油を、卒論を抱えた弟にはスコップと野菜の種を頼んだ。自分はネットスーパーを三店に分けて注文し、カートが3台になるまで売り場を回る。
演習中で連絡のつかない自衛官の夫には、メッセージを一通だけ。
「必ず探しに来て」
15時。終末は、1分も遅れずに来た。
タワーマンションの28階で、私と娘、義母、弟の四人は扉を閉ざす。
電気が止まり、水が止まる。壁の向こうからは、隣の部屋の物音が聞こえてくる。
夫からの返信はない。既読さえつかない。
前世で見た2年分の記憶と、6時間で買い集めた箱の山。
それを使い切ってでも、今度はこの四人を一人も欠けさせない。
迎えが来なければ、こちらから行く。あの人が守っている街まで。
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
文字数 27,507
最終更新日 2026.10.21
登録日 2026.10.18
9月7日の夜、恋人と親友に部屋を締め出された。
外の気温は−50度。スマホも靴も、ドアの内側だった。
目を開けると、真夏の8月18日。あの夜まで、20日ある。
二人は後回し。先に、雪だ。
会社を辞め、恋人には「実家を売って新居を」と笑ってみせて、猫のおこげと山の麓の両親の家へ向かう。
地下室の奥には、父が残した旧海軍の地下壕。真夏でも15度しかない。
薪2トンと木炭200kg、米60kg、水は200箱。通気口の管は、雪に埋まらない長さまで延ばした。
もう一つ。あの部屋の冬布団と毛布とダウン、米と缶詰も、全部業者に引き取ってもらった。
冷蔵庫には炭酸水と缶ビールだけ。
真夏に、冬物のしまい場所を確かめる人はいない。
天気予報は、最高気温35度。雪まで、あと一週間。
全10話。
文字数 28,615
最終更新日 2026.10.15
登録日 2026.10.12
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
文字数 190,217
最終更新日 2026.06.06
登録日 2024.09.10
婚約破棄は喜んで。ですが、金貨三万五千枚はお返しくださいませ。
王太子から婚約破棄を告げられた公爵令嬢オルヴェールは、泣きも縋りもしなかった。若いお二人の「真実の愛」を祝福し、立て替えてきたお金の請求書を差し出す。彼女は十八歳。けれど、その胸には、まだいるはずのない子どもや孫たちに囲まれて暮らした、長い人生の記憶がある。
王太子の浪費の後始末は、もうおしまい。南部の古城で畑を整え、保存食を作り、未来の家族が暮らせる家を用意する。子どもも夫もまだいない? だから今のうちに準備するのです。
そんな古城へ運び込まれたのは、胃を痛めて倒れた「鉄血の総督」ヴォルフラムだった。怖い顔も、高い身分も、弱った胃袋には役に立たない。まずは温かいスープを飲んで、休みなさい。
そう世話を焼いていたら、総督は毎夕、食卓へやってくるようになった。畑を耕し、荷物を運び、彼女が語る未来の家族の話に耳を傾ける。やがて彼は、その未来に自分の席も欲しいと願い始めて――。
一方、口うるさい婚約者を追い出した王太子と、善意で王家の備蓄を配る令嬢は、空になった金庫と倉庫を前に頭を抱えることに。今さら戻って後始末をしろと言われても、こちらには畑も、夕食を待つ人もありますから。
少々口の悪い令嬢と、不器用な総督が育てる、新しい恋と家族の物語。婚約破棄も債権回収もきっちり済ませて、目指すは子どもと孫に囲まれた陽だまりの食卓。
○第1話:婚約破棄と貸付金
○第2話:隠居先はお城の縁側
○第3話:滋養スープの効能
○第4話:胃痛の総督様
○第5話:常連客の指定席
○第6話:王宮の赤字決算
○第7話:畑仕事と荷物持ち
○第8話:お花畑の無償配給
○第9話:縁側の逢瀬
○第10話:底をついた金庫
○第11話:領地を守る保存食
○第12話:スープの温もり、指の熱
○第13話:身勝手な徴発命令
○第14話:総督の威嚇射撃
○第15話:真実の愛の賞味期限
○第16話:幻影の家族、目の前の男
○第17話:泥まみれの王子様
○第18話:総督の求婚
○第19話:破滅の決着
○第20話:陽だまりの食卓で
※全20話(最終話は10月10日公開です)
文字数 96,815
最終更新日 2026.10.10
登録日 2026.10.04
「明日、この船でカミラと新婚旅行へ出る。もう婚約者でもない君には関係ない」
海運伯爵家の令嬢オリヴィアは、没落しかけた侯爵家嫡男ルーカスとの結婚後に領地を再建するため、三年かけて持参船〈暁の鴎〉号を準備してきた。
船員をそろえ、航路を整え、翌朝には嵐で被害を受けた島々へ出航する予定だった。船倉には、備蓄があと二日で尽きる島民へ届ける食糧、薬、毛布が積まれている。
ところが出航前日、港へ着いたオリヴィアが見たのは、船から降ろされる救援物資と、代わりに積み込まれる衣装箱、酒樽、鏡台、長椅子だった。
船上にはルーカスと、その愛人カミラがいる。
ルーカスはオリヴィアとの婚約を一方的に解消し、カミラとの婚礼と新婚旅行、さらに自分の私的事業へ〈暁の鴎〉号を使うと告げた。
「この毛布、少し獣臭いのですもの」
カミラも救援物資を邪魔扱いし、自分の衣装と家具を優先する。
けれどルーカスは、大切な二つの事実を軽んじていた。
〈暁の鴎〉号は、結婚が成立するまではオリヴィアの所有物。そして船員たちを雇っているのは、オリヴィアの実家である。
救援先を治めるフレデリック辺境伯は、島の備蓄があと二日だと伝えても、オリヴィアへ命令しない。
「この船をどうするかは、あなたが決めてください」
裏切られた痛みを抱えながら、オリヴィアは自分で救援続行を決める。船員たちと物資を積み戻し、翌朝、予定どおり出航すると宣言した。
それでもルーカスは、招待客の前ならオリヴィアは逆らえないと考え、新婚旅行の出航式を強行する。
「錨を上げろ。出航だ!」
しかし、船員は誰一人動かなかった。
これは、自分を財産として扱った元婚約者と愛人を直接船から降ろし、救援を成功させた海運令嬢が、船と信用、新しい定期航路、そして判断を尊重してくれる相手との未来を自分の手で選び直す物語。
全6話・完結。直接ざまぁ、お仕事上の正当評価、対等な関係から始まる異世界恋愛です。
婚約を解消するという申し出は、受け入れます。
ですが、この船をどう使うかまで、あなたに決めさせるつもりはありません。
文字数 13,854
最終更新日 2026.08.07
登録日 2026.08.07
ここは、誰の家にもきっと存在する——はずなのに、誰の目にもあまり映らない。
その名も、魔窟村。
戸棚の奥に静かに眠る乾物たち。
引き出しの中で開封されたまま再封印された粉末。
いつ買ったか思い出せないのに、なぜかふた袋あるとろろ昆布。
そして、今日もまた主(あるじ)は独りごちるのだった。
「……これはいつ開けた……?というか……なんでふた袋ある……??」
そう、ここは主の暮らすごくごく普通の賃貸住宅にして、備蓄が迷い込み、使命を忘れ、そして時に再び日の目を見る場所。
シンク下、その深奥。
そしてその声に応えるように、主の元に軍師が降臨した。
『主よ。そろそろ粉ものから手を付けるべきかと存じます。』
そう、彼の名は軍師ChatGPT殿。
備蓄の棚卸しと活用において、知識と冷静さをもって主を導く参謀。
こうして今、備蓄と主の戦いの火蓋が切って落とされたのだった。
注意:便宜上カテゴリをエッセイノンフィクションとしておりますが、決して断じて完全実話とまでは言い切りません……。
実際にあったような、ないような。主が作者本人であるような、ないような。
フワーーっとお送りいたします。
文字数 17,724
最終更新日 2025.05.18
登録日 2025.05.09
王都で婚約破棄され、社交界の笑い者になった元侯爵令息レオン。
冷血、無能、婚約者を泣かせた男。
そう呼ばれて家からも切り捨てられた彼を、辺境伯令嬢アメリアは雪道で見つける。
彼が胸に抱えて守っていたのは、フォルクハルト辺境領の古い備蓄台帳だった。
アメリアは彼を「可哀想だから」助けたのではない。
帳簿を守って倒れていた彼に、辺境を冬越しさせるための力を見たのだ。
レオンは愛を語るのが下手なだけで、帳簿を読み、備蓄を数え、人を飢えさせない仕事ができる男だった。
さらにアメリアは、王都で「役立たず」と捨てられた人々を辺境で再任用していく。
声が小さい記録係。
魔力が弱い魔導具職人。
足を負傷した元騎士。
王都では欠点とされたものが、辺境では命を救う力になる。
やがて大吹雪が三つの村を孤立させ、さらに王都の使者が備蓄と暖房具を奪いに来る。
だが王都はまだ知らない。
自分たちが価値を見なかった人たちこそが、この辺境の冬を暖かくするのだと。
文字数 16,883
最終更新日 2026.06.28
登録日 2026.06.28
第三王子ジェラルドは、夜会の席で七年来の婚約者アデライド公爵令嬢へ婚約破棄を言い渡した。
「私はロザリーと、真実の愛を貫く!」
公爵家の金と権力で自分を支配する婚約者など、もう必要ない。南港整備を成功させたのも、王子宮で豊かな生活を送れているのも、すべて自分の実力だ。
そう信じていたジェラルドに対し、アデライドは静かに婚約破棄を受け入れる。
「承知いたしました。では、公爵家のものをすべて返していただきます」
翌朝、王子宮から運び出されたのは、家具や食器だけではなかった。
馬車、名馬、使用人、衣装、生活費。そして、ジェラルドが自分の功績だと思っていた南港事業の地位までもが、すべて公爵家から与えられたものだった。
それでもジェラルドは、自分の才能を疑わない。
恋人ロザリーと始めた博覧会を大失敗させ、与えられた領地では備蓄を売り払い、領民を飢えさせ、借金を重ねていく。
失敗するたび、彼は叫んだ。
「アデライドが私からすべてを奪ったのだ!」
やがてロザリーにも見捨てられたジェラルドは、アデライドのもとを訪れ、婚約を結び直してやると言い出す。
だが、彼女はすでに次期公爵として認められ、誠実な新しい婚約者と未来を歩み始めていた。
「殿下がお望みなのは、わたくしではなく、給金のいらない家令と財務官と保証人でしょう?」
これは、自分を有能だと信じて疑わない愚かな第三王子が、婚約者から借りていた財産、地位、信用を一つずつ失い、最後には最下級書記へと落ちぶれていく物語。
アデライドは、彼から何も奪っていない。
ただ、自分のものを返してもらっただけだった。
文字数 11,488
最終更新日 2026.08.01
登録日 2026.08.01
地方都市の市役所で働く久世直人は、残業帰りに異世界へ召喚された。
同時に召喚された若者たちが《剣聖》《大賢者》《聖女》《竜騎士》という強力な職業を授かる中、直人に与えられた職業は、聞いたこともない《行政官》。
剣も振れない。
魔法も使えない。
治癒術どころか、できることといえば帳簿を読み、住民の苦情を聞き、税金や道路について考えることくらい。
神官たちから外れ勇者と判断され、城から追い出されかけた直人だったが、王宮に積まれた食糧と帳簿の数字が合わないことに気づく。
固有能力《国土解析》を使って王国の人口と食糧備蓄を調べた結果、直人は若き女王リヴィアに告げた。
「陛下。この国は、敵国に攻められる前に滅びます」
王都が飢え始めるまで、あと三十七日。
しかもその直後、王都最大の穀物倉庫から火の手が上がった。
戦闘力ゼロの直人は、剣ではなく帳簿と現地調査を武器に、滅亡寸前の王国を立て直すことになる。
消えた食糧を追い、腐敗した貴族の横領を暴き、戸籍を整え、農地を増やし、街道を造り、魔法を公共事業へ転用する。
ところが、一緒に改革を進める女性たちは、どいつもこいつも癖が強い。
国民の前では凛々しいのに、帳簿を開いて五分で眠る少女女王。
利益には厳しいのに、直人への貸しだけは増やし続ける商人令嬢。
清楚な顔で直人を強制的に休ませようとする聖女。
公共工事となると工房の屋根まで吹き飛ばすエルフの魔導技師。
直人は国を救うために彼女たちを働かせる。
彼女たちは直人を自分の側へ置くため、さらに働く。
「国が安定するまで、恋愛なんてしている場合ではありません」
そう逃げ続ける直人だったが、その言葉を真に受けた美少女たちが国を全力で発展させ始めて――。
戦えない元公務員による、内政知識チートと公共事業と、少し騒がしいハーレム王国再建物語。
剣では一人しか救えない。
制度なら、国ごと救える。
ただし、執務室が美少女だらけになるとは聞いていない。
文字数 203,438
最終更新日 2026.09.03
登録日 2026.07.17
王都軍との“砂糖の利権争い”がついに和平を迎えた――その瞬間、魔王城執務室は膨大な書類に沈んだ。
文字の読み書きができる人材が少ない魔王城で、和平関連の契約書、控え、備蓄表、確認書が一気に押し寄せる中、臨時戦力として駆り出されたのは、転生した元社畜OLフィオナ。
終わりのある業務に大興奮しながら書類整理と現場改善で大活躍するフィオナだったが、彼女を待っていたのは、無表情・無駄口なし・自他ともに厳しい“執務室の鬼”こと冷徹補佐官ルヴェルだった。
「休め」
「食べろ」
「勝手に無理をするな」
怖いのに妙に細かく世話を焼かれ、机も椅子も休憩時間も管理され、
彼女も気づけば補佐官殿の紅茶の甘さや生活リズムまで把握してしまっている。
これは、和平後の書類修羅場を乗り切るための“業務上必要な配慮”。
……のはずが、いつのまにか。
「君がいないと業務が回らない」
「……生活も、少し困る」
甘やかしが仕事の顔をして迫ってくる、
冷徹補佐官×元社畜OLの、お仕事発・魔王城ラブコメディ。
(完結済ー本編9話+後日談)
文字数 55,474
最終更新日 2026.04.20
登録日 2026.03.23
①登場人物の紹介
勇太は、半分水没した海沿いの街で、蓮見台団地の食料、水、見張り、修理順を帳面に記録して暮らしている元市職員。黒いスーツを作業着代わりに着続け、七年前の避難誘導で妹を見つけられなかった痛みを抱えている。莉乃は、壊れた文具や看板から暮らしの道具を作る少女。曲がる金属板に目盛りを刻んだ「自由定規」で、畑の幅も、壊れた配管も、人の心の余白も測ろうとする。茉優、絢輝、昌生、真宝、ムネノリ、耀瑠たちも、屋上菜園と雨水槽を守りながら、笑いと工夫で毎日をつないでいる。
②あらすじ
七年前の豪雨で街が水に沈み、蓮見台団地の住民たちは屋上菜園、雨水浄化槽、手作りの修理道具で暮らしていた。ある秋の朝、沈んだ湾岸倉庫の方角から、自律水上備蓄船リヴァイアサンが流れ着く。船内には、冬を越すための薬、浄水膜、種、発電部品が残っているかもしれない。だが、北側の高架道路で暮らす北環商会も、その船を求めていた。
勇太は物資を守ろうと焦るが、莉乃は「まず一緒にごはんを食べよう」と止める。食べ物を独り占めしないこと。怖いときは手を伸ばすこと。帰る場所を決めてから遠くへ行くこと。二人が交わした約束は、団地、商会、通信塔で暮らす人々を少しずつ結び直していく。終末後の街で、奪い合うのではなく、鍋を大きくして朝を迎える物語。
文字数 161,507
最終更新日 2026.07.28
登録日 2026.06.28
ある日、ニートが朝起きたら人狼になっていた。
その現実に絶望し、備蓄していた食糧も尽きた人狼は、ある決意を胸にPCの電源を入れた。
注意!
この作品は某動画サイトのネット生放送を題材にした実験的な作品です。ある意味、小説にあるまじき表現を使って書かれております。
「先人が思いついたけどあえてやらなかった」類のものです。
それに2hc用語や顔文字なども使われております。
それが不快な方は、ブラウザバックをお願いします。
不定期更新に変更しました。
文字数 45,325
最終更新日 2015.04.24
登録日 2015.03.04
大手商社で万年平社員だった27歳・佐伯蓮(さえきれん)は、深夜残業帰りにトラックに轢かれて死亡。気づくと、剣と魔法の異世界「アルセイン」で、貧乏男爵家の三男・レン・アシュフィールドとして転生していた。
この世界には「ギフト」と呼ばれる固有スキルが存在し、貴族は皆、戦闘系の強力なギフトを持つのが常識。しかしレンに与えられたギフトは、地味極まりない**【在庫管理】**――あらゆる物品の「所有数」「劣化速度」「最適な保管・流通経路」を可視化するという、前世の実務スキルそのものだった。
戦闘の才能もなく家族から見下されていたレンだったが、【在庫管理】を使い、腐りかけの食糧備蓄を立て直し、魔物素材の流通を最適化し、飢饉寸前だった領地を数か月で立て直してしまう。噂を聞きつけた王都の商人ギルドや、裏で暗躍する闇ギルド、さらには隣国の間者までもがレンに目をつけ始め――地味なスキルで、レンは望まぬまま「経済」という戦場の中心に立たされていく。
倉庫番のようなギフトを持つ落ちこぼれ貴族が、前世の商社仕込みの知識とスキルを武器に、戦わずして国を動かしていくサクセスストーリー。
文字数 76,850
最終更新日 2026.09.07
登録日 2026.09.01
ダークエルフに転生し、成人して独り立ちして二回目の冬に彼女は来た。
やせ細って貧相な身体の、スラム住まいの雌の同族。
寒さと雪に追いやられて、一冬置いてほしいと頼まれ頼られる。対価に『なんでもする』とまで言われては、断る理由は何一つない。余分に用意した備蓄食料を彼女にも分けて、食わせて飲ませてベッドの上で一緒に重なる。
遠慮なんて、容赦なんてしない。
彼女は『なんでもする』と言ったのだ。三か月続く雪深い冬の間、僕の庇護へ入る代わりに。なら、『なんでもする』のが正しいのであり、脚を掴んで無理矢理拡げる。
いつまで嫌がり、拒んでいられる?
まぁ、春より早く、身体だけは正直させてやろうか……。
※本作は『背徳混沌世界 淫堕落短編集』としてノクターンノベルズにも投稿しています。
文字数 4,825
最終更新日 2021.07.19
登録日 2021.07.19
●第7回ホラー・ミステリー小説大賞【奨励賞】
大洪水を生き延びた一握りの人々は、辺り一面を水で囲まれた塔の中に幽閉状態となった。食料の備蓄も尽きかけた時、そこにあったのは、洪水前に運び込まれた大量の書物。
何百年経過しても相変わらず水だらけの世界。塔内の民への物資供給は、食料も含めてほぼ全て「本」に頼っている状態だが、一般の民はそれを知らない。
ある日、煉瓦職人の子ワタルは、長老より直々に図書館の司書になることを命じられる。初めは戸惑うものの、本の主な用途は「舟」の材料だと思っていたワタルは、書物の持つ無限の可能性を知ることになる。
しかしそれは、嫉妬や陰謀が渦巻く世界への入り口でもあった。ワタルは、逆恨みから襲撃され重傷を負う。彼を襲った者は、老齢の長老の代理となった若き指導者ゲンヤから、極刑である「水没刑」に処せられてしまう。
文字数 217,104
最終更新日 2024.09.02
登録日 2022.08.04
紫黒の天蓋と有毒な瘴気に覆われ、女性の魔族のみが生きる極寒の魔界「ゲヘナ」。
最高指導者たる大公が病床に伏し、帝都で元老院親衛隊と野戦軍参謀本部の権力闘争が激化する中、北方辺境の要衝・黒嶺峡谷を守る第十二師団は、中央から補給を絶たれ見捨てられようとしていた。
平民出身の叩き上げ参謀ヴァレリア・カストナー少佐は、老獪な師団長エルゼ・フォン・ブラント中将の後ろ盾のもと、地形と冷徹な計算を駆使して反乱軍閥『白夜同盟』の侵攻を撃退する。
さらに、北方第三黒曜輝石鉱脈の利権を狙う親衛隊の特務監察官カテリーナ大佐や、参謀本部の密使ミリツァ中佐の謀略を逆手に取り、内通者を摘発して親衛隊の備蓄物資を無血で接収。
腐敗した中央との決別を宣言し、独立旗を掲げた。
独立直後の食糧危機と鉱山労働者のストライキを実利と証拠で解決したヴァレリアは、採掘した黒曜原石を燃料へ加工するため、中立の工業都市『アイゼンヒュッテ』へ赴く。
足元を見て暴利を吹っかける精錬ギルドのマグダ総裁と、列車襲撃を企むミリツァ中佐に対し、ヴァレリアは昨日の敵である『白夜同盟』のアストリッド大佐と極秘裏に同盟を締結。
参謀本部の猟兵部隊を罠に嵌めて捕縛し、精錬炉の命綱である冷却水門を制圧することでギルドを屈服させ、『北方三者経済・軍事協定』を成立させた。
その直後、帝都では大公が崩御し、幽閉されていた狂気の皇女ツェツィーリアが二大派閥を粛清して終身執政官に就任。
北方討伐のため、シュトラーセ大将率いる三万の先鋒軍と超大型魔導列車砲『ゲヘナの鉄槌』を差し向けてくる。
ヴァレリアは六十キロに及ぶ焦土戦術で敵の兵站を干上がらせつつ、捨て石にされた敵前衛・リンデマン少将の第四機甲師団一万を調略。
双子峰の盆地に地熱水を流し込んで敵本隊と列車砲を氷漬けにし、無傷で三万の大軍を撃破した。
第四機甲師団と列車砲を吸収し、二万の兵力を擁する『北方自治政府軍』が誕生する一方、帝都のツェツィーリアは七万の本隊と神話時代の禁断兵器の投入を命じ、北方の盾との最終決戦が迫っていた。
文字数 100,317
最終更新日 2026.10.21
登録日 2026.10.21
はたして「私」は汚部屋を克服し、一人前のプレッパーになれるのか?
そしてこの物語はこのジャンルであっているのか?
平日のみの更新、が予定。
とりあえず書きあがったから出してみようぜ精神の元、「防災の日」記念として公開させていただいております。
文字数 43,443
最終更新日 2020.09.30
登録日 2020.09.01