「物」の検索結果
全体で66,527件見つかりました。
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。
目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。
赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。
皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。
前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。
しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。
一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。
「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」
そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。
言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。
それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。
転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
文字数 607,470
最終更新日 2026.07.09
登録日 2026.01.12
妹の葬儀の日、私は婚約破棄された。
公爵令嬢アメリア・ローゼンベルクは、病弱な妹リリアを虐げた悪女として社交界中から嫌われていた。
妹を部屋に閉じ込め、王宮の祈りにも参加させず、薬を無理やり飲ませ、冷たい言葉ばかりを浴びせる姉。
誰もがそう信じていた。
けれど真実は違う。
リリアは、強すぎる聖女の力を持って生まれた少女だった。
祈れば祈るほど命が削られる。
それを知っていたアメリアは、妹を王宮と神殿から守るため、あえて悪女の仮面をかぶり続けていた。
しかし、妹は死んだ。
葬儀の日、王太子エドガーは棺の前でアメリアを断罪する。
「妹を死に追いやった悪女よ。お前との婚約を破棄する」
父も母も、誰もアメリアを庇わなかった。
アメリアもまた、何も言い返さなかった。
守りたかった妹を守れなかった自分に、弁明する資格などないと思ったからだ。
だが葬儀のあと、妹の棺から小さな銀のロケットが見つかる。
その中には、リリアが死の直前まで書き続けていた手記が隠されていた。
『お姉様は、悪くありません』
その一文から、すべてが崩れ始める。
王国を救っていたのは聖女リリアだけではなかった。
妹を殺したのは病ではなかった。
そして、本当に王国を蝕んでいた呪いは、神殿と王家そのものに繋がっていた。
王宮を追放されたアメリアは、北方で恐れられる黒公爵セオドア・ヴァレンシュタインに拾われる。
冷酷無慈悲と噂される彼だけが、アメリアの沈黙の奥にある悲しみを見抜いた。
「君が悪女なら、俺は悪女の味方でいい」
一方、アメリアを追放した王都では、井戸水が濁り、白百合が黒く腐り、空から灰が降り始める。
妹の手記に残されていた最後の予言。
『春までに、王都は沈みます』
妹を殺したのは誰なのか。
聖女制度の裏に隠された罪とは何か。
そして、悪女と呼ばれた姉だけが知る、妹の本当の願いとは。
これは、妹を失った公爵令嬢が、悪女の汚名を背負ったまま王国の嘘を暴き、冷たい公爵に不器用に愛されながら、自分自身を赦していく物語。
文字数 430,867
最終更新日 2026.07.09
登録日 2026.06.14
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
文字数 13,456
最終更新日 2026.02.06
登録日 2026.01.24
「君との婚約は破棄する。――君は、もう必要ない」
王太子から一方的に突きつけられた婚約破棄。
その理由は、新たに寵愛する令嬢の存在と、「君は優秀すぎて扱いづらい」という身勝手な評価だった。
だが、公爵令嬢である彼女は泣かない。
怒りに任せて復讐もしない。
ただ静かに、こう告げる。
「承知しました。――もう、誰の答えも借りませんわ」
王国のために尽くし、判断を肩代わりし、失敗すら引き受けてきた日々。
だが婚約破棄を機に、彼女は“助けること”をやめる。
答えを与えない。
手を差し伸べない。
代わりに、考える機会と責任だけを返す。
戸惑い、転び、失敗しながらも、王国は少しずつ変わっていく。
依存をやめ、比較をやめ、他人の成功を羨まなくなったとき――
そこに生まれたのは、静かで確かな自立だった。
派手な断罪も、劇的な復讐もない。
けれどこれは、
「奪われたものを取り戻す物語」ではなく、
「もう取り戻す必要がなくなった物語」。
婚約破棄ざまぁの、その先へ。
知性と覚悟で未来を選び取る、静かな逆転譚。
文字数 62,903
最終更新日 2026.04.04
登録日 2026.04.04
だけど体調を崩して寝込んだ途端、女主人の部屋から物置部屋へ移され、満足に食事ももらえずに死んでいったとき、私は悟ったのです。
──なにをどんなに頑張ろうと、私がラミレス様に愛される日は来ないのだと。
文字数 7,062
最終更新日 2023.10.16
登録日 2023.10.13
俺ユーリ。気づいたらねーちゃんが描いたBL漫画の悪役令息のモブ義兄に転生してた。
このキャラ、途中で存在を忘れ物語の最後には居なかったことにされる。
このままだと俺、消える!? いや待て、怖すぎるだろ。
とりあえず家族を幸せにするために、原作改変したらなぜか義弟チェイス(悪役令息)が俺に執着するルートに突入してしまった。
いや違う、そうじゃない。
俺は物語が進むにつれてだんだん存在が薄くなってきてるっぽい。詰んでない?
そんな中、「僕なら義兄さまを繋ぎ止められる」とか言い出したチェイス。頼もしいけど、なんか解決方法が不穏なんだが!?
悪役令息とモブがBLなんて聞いてない!
消えたくないけど恋愛フラグはいらないよ!?
1日1~2話くらいを目安に投稿。
最終話までかき上げてからの投稿になるので完結は確約です。
途中ダークな空気かもしれませんが、ハピエンです。
Rには*がついています。
ムーンライトにも同時掲載中。
※転載・AI取り込み禁止※
文字数 70,430
最終更新日 2026.06.26
登録日 2026.06.19
※ 第四部ゆっくり更新中
12歳で受けた選定の儀で俺が思い出したのは、この世界が前世で流行った乙女ゲームの世界だということだった。深夜アニメ化までされた人気作品だったはずだけど、よりによって俺はそのゲームの中でも悪役の公爵令息レイナルド・リモナに生まれ変わってしまったのだ。
さらに最悪なことに、俺はそのゲームの中身を全く知らない。乙女ゲームやったことなかったし、これから俺の周りで一体何が起こるのか全然わからないんですけど……。
内容は知らなくとも、一時期SNSでトレンド入りして流れてきた不穏なワードは多少なりとも覚えている。
「ダメナルド安定の裏切り」
「約束された末路」
って……怖!
俺何やらかすの!?
せっかく素敵なファンタジーの世界なのに急に将来が怖い!
俺は世界の平和と己の平穏のために、公爵家の次男としてのほのぼの生活を手にするべく堅実に生きようと固く決心した……はずだったのに気が付いたら同級生の天才魔法使いの秘密をうっかり知ってしまうし、悪魔召喚を企てる怪しい陰謀にすっかり巻き込まれてるんですけど?!
無事約束された末路まで一直線の予感!?
いやいや俺は退場させてもらいますから。何がなんでもシナリオから途中退場して世界も平和で俺も平和なハッピーエンドをこの手で掴むんだ……!
悪役になりたくない公爵令息がジタバタする物語。(徐々にBLです。ご注意ください)
第11回BL小説大賞をいただきました。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。(2024年11月に書籍化しました)
文字数 1,523,908
最終更新日 2026.06.10
登録日 2023.07.08
1話完結です。
文字数 719
最終更新日 2022.03.17
登録日 2022.03.17
妹ミリアが嫌がったため、伯爵令嬢エレナは呪われた辺境伯ルーファスのもとへ身代わりで嫁がされる。
婚礼初夜、夫はエレナに「夜は必ず寝室の扉に鍵をかけろ」と告げ、彼女を一人残して去ってしまった。
けれど夜半、鍵をかけたはずの寝室で、エレナの寝台の足元に大きな黒狼が眠っていた。
黒狼はエレナを襲わない。むしろ毛布を戻し、彼女を守るようにそばにいる。
金色の目。胸の傷。昼間の夫と同じ反応。
「もしかして、旦那様ですか?」
怖い噂だけで夫を判断したくないエレナは、黒狼の正体と呪いの秘密に自分から向き合っていく。
これは、身代わりで嫁がされた令嬢が、呪われた辺境伯を怪物ではなく夫として呼び、自分の居場所を選び直す物語。
文字数 14,668
最終更新日 2026.06.26
登録日 2026.06.26
義母と異母妹に虐げられながら生きてきた子爵令嬢セシリアは、ある日突然、“氷の侯爵”と恐れられる辺境侯爵レオンハルトへ嫁ぐことになる。
それは愛のない政略結婚——のはずだった。
けれど侯爵家で待っていたのは、冷たい侯爵ではなく、母を亡くして寂しさを抱えた幼い姉妹だった。
「……おかあさま、いなくならない?」
夜泣きをする次女ミーナ。
無理に大人びようとする長女リリア。
セシリアは戸惑いながらも、温かな食事を作り、小さな手を握り、少しずつ姉妹との距離を縮めていく。
やがて冷え切っていた侯爵家に、笑顔とぬくもりが戻り始める。
しかしその裏では、亡き前妻の死にまつわる秘密と、侯爵家を狙う陰謀が静かに動き出していた——。
これは、“お飾りの継母”として嫁いだ女性が、不器用な侯爵と幼い姉妹に愛されながら、本当の家族になっていく物語。
文字数 89,188
最終更新日 2026.06.19
登録日 2026.05.17
夫に離婚を告げられた。
相手は、実の妹だった。
三十五歳の佐倉美琴は、十年間、夫のため、義母のため、家のために尽くしてきた元専業主婦。
けれど夫は妹の莉央を選び、母までもが言った。
「お姉ちゃんなんだから、譲ってあげなさい」
夫も、家も、居場所も奪われた美琴に残されたのは、通帳一冊と、亡き祖母が使っていた古い炊飯器だけ。
行き場を失った彼女は、商店街の端にある空き店舗で、夜だけ開く小さなおむすび屋を始める。
塩むすび、鮭むすび、梅むすび、温かい味噌汁。
特別な料理ではない。
それなのに、彼女の店にはなぜか、人生に傷を抱えた人ばかりが集まってくる。
離婚届を出せずにいる看護師。
家に帰れない高校生。
孤独な老人。
夢に破れた会社員。
そして、いつも閉店間際に現れる冷徹な弁護士・黒瀬怜司。
黒瀬は、美琴が夫側に都合よく追い出されたことに気づき、静かに告げる。
「あなたは優しいんじゃない。奪われることに慣らされていただけです」
一方、美琴を捨てた夫と妹は、彼女が黙って背負っていた家事、介護、親族付き合いの重さを知り、少しずつ崩れていく。
「戻ってきてくれ」
「お姉ちゃん、少しくらい助けてよ」
もう遅い。
冷めたご飯を我慢して食べていた私は、もういない。
これは、夫と妹にすべてを奪われた元専業主婦が、夜のおむすび屋で人の心を満たしながら、自分の人生を取り戻していく物語。
文字数 456,603
最終更新日 2026.07.09
登録日 2026.06.23
『ユニークスキル? よし、盗もう!』
テンプレを知り尽くした男による、王道異世界転生ファンタジーです。
ルミウム王国の辺境シーズ村に暮らすルイン(5歳)は、日課のお昼寝から目を覚ました拍子に、前世の社畜生活を思い出した。
「マジかぁ、これアレじゃん」
異世界転生に超スピードで順応したルインが「ステータス!」と唱えると、そこに表示されたのは【視て盗む】というスキル。
『スキルや魔法? そんなもん見て盗め!』という、料理人の世界みたいな能力だった。
異世界転生ものを前世で貪り尽くしてきたルインは、このスキルを手に本物の異世界をどう生きていくのか。
元サラリーマンが夢にまで見た大冒険が、辺境の農村で幕を開ける!
本作は、カクヨム・小説家になろうにも掲載中の連載作品です。
2サイトに追いつくまで、1日2話更新しております。
文字数 196,625
最終更新日 2026.07.09
登録日 2026.06.10
辺境伯令嬢、シェリー・クリステンは婚約者だった第二王子アルスに冤罪をかけられ、断罪された。
彼の傍らには聖女候補の少女、マーガレットの姿がある。ご丁寧に取り巻きを引き連れて、わざわざ学園の卒業パーティの場で。
そのまま有無を言わさず、凶悪犯用の牢獄、北の塔に押し込められたシェリーだが、ふと気付いた。
(そう言えば、わたくし前世は大魔法使いでしたわ)
何の気なしに指を振るえば、前世で修得した魔法は全て使えるようだ。
しかもなぜか、今生では初めて使うはずの空間魔法、【アイテムボックス】内には前世がっつり溜め込んでいたお宝の数々はもちろんのこと、気に入りの家具や魔道具、着心地の良い服に食糧まで大量に収納されていた。
(これだけ物資があれば、北の塔でも快適に過ごせそうね?)
こうして、前世が大魔法使いだったシェリーは劣悪な牢獄を快適に改装し、楽しい北の塔暮らしを始めた。
面倒な王子妃教育をサボれるなんて、とても幸せ。仕事が溜まって困る? 知りませんわ。元々わたくしのお仕事じゃなかったものですもの。
最強の騎士、辺境の守護神たる父が大激怒して、国が崩壊の危機? 知りませんわ。お父さまを怒らせたのはわたくしではありませんもの。
魔の森で魔物の氾濫が? 知りませんわ、わたくしただの罪人ですし。そういうのは聖女さまのお役目では?
最強の大魔法使いの生まれ変わり、シェリーは、もう我慢することをやめた。
これからは楽しく怠惰に生きていくわ。北の塔って、とっても快適!
悪役令嬢は牢獄暮らしを満喫する。
文字数 130,165
最終更新日 2026.06.29
登録日 2026.05.05
ハイスペヤンデレ皇子×ドライな医学研究オタク
魔法×医療×異世界ファンタジー!
十五歳の誕生日。癇癪持ちの嫌われ公爵令息ジゼル・カーネリアは、自分が日本の小児科医だったことを思い出す。
前世では大学病院で研究へ没頭し、過労の果てに死亡。そして転生した先は――横領、裏金、闇商売。数々の悪事で恐れられる“帝国最悪の貴族”カーネリア家だった。
家族にも使用人にも腫れ物扱いされる厄介者。取り柄は美しい容姿だけ。いずれは厄介払い同然に、どこかの貴族へ第二夫人として嫁がされる運命だった。
だがジゼルは、嫌われ者という立場を逆手に取り、自室へ引きこもって治癒魔法研究を始める。その画期的な研究成果は、やがて帝国中を巻き込み、多くの人々の運命を変えていく。
そしてなぜか、彼へ異常な執着を向ける男たちまで現れ始めて……?
「君が十八歳になったら、すぐに結婚しよう」
「お前は生涯、兄の隣で過ごしなさい」
「君が自由でいられるなら、僕はどうなってもいい」
ジゼルを手に入れようと奔走する男達、教会の陰謀、謎の感染症。前世の医学知識と治癒魔法を武器に、ジゼルは帝国の医療と己の運命を変えていく。
【第二部】
帝国の常識を覆す事件を解決し、第一皇子カイラスとの婚約も決まったジゼル。カーネリア家の名誉も回復し、ようやく平穏な日々が訪れる――はずだった。
「忙しい! とにかく時間がない!!」
診療所、アカデミー、医療改革、研究、そして皇太子妃教育。カイラスとの甘い婚約生活どころか、ゆっくり会う時間すらない。側妃の座を狙う貴族たちの思惑や新聞社の誹謗中傷にも振り回され、慌ただしい毎日を送っていた。
「すごーい、お仕事熱心なんですね。僕だったらカイラス様より優先することなんてないけどな」
そんななか、「聖女の生まれ変わり」を名乗る美しい少年ルカ・アステルが現れ、カイラスへ異常な執着を見せ始める。
そして海の向こうでは、一つの事件が静かに動き始めていた。
「これでお前は何者でもない。窮屈な立場など捨てて俺の番になれ」
医療、政治、恋愛、そして海を舞台にした新たな冒険。研究一筋の元小児科医は、大切な人を守るため、再び帝国を揺るがす運命へ飛び込んでいく。
文字数 287,529
最終更新日 2026.07.08
登録日 2026.03.15
始まりは、父の言葉だった。
「あの二人なら、気にすることはない。なんとでもなる」
その言葉を、ダフネは母と一緒に聞いていた。
父は、女性と会っていた。装いの美しい貴婦人と向かい合って、父が談笑する声が風に乗ってここまで届いた。
母はそれから間もなく寝込むことが増えて、夏を迎える前に亡くなってしまう。
ダフネは涙も乾かぬうちに、王都から遠く離れた寄宿学校に入った。そして父は間もなく再婚する。
相手の女性は、あの日、父がガゼボで会っていた貴婦人だったのだろう。
すでに寄宿学校に入っていたダフネは、父の後妻になった女性とも、彼女の連れ子でダフネより一つ年下の令嬢とも、面会することはなかった。
十一歳の春の終わりに入学して、それから八年間、一度も王都に戻ることなく寄宿学校がダフネの家となる。
歳月は巡り、いよいよ卒業という頃になって、ダフネは父から文を受け取る。
文には、幼い頃に結ばれたダフネの婚約が解かれたことが記されていた。婚約者は、義妹となった令嬢と差し換えられたという。
ダフネには、新たな婚約が結ばれていた。相手は王国の第一王子だった。彼はダフネとの婚約を機に立太子が決まったという。
王太子の婚約者として八年ぶりに王都に戻ったダフネ。だが彼女は生家ではなく、かつての後宮、今は無人となった棟に住まうこととなる。
❇こちらの作品は、カクヨム様でも公開致しております。
❇誤字脱字によるお目汚しがございましたら申し訳ございません。公開後に度々修正が入ります。間を置いてご覧下さいませ。
❇登場人物のお名前が他作品とダダ被りする場合がございます。皆様別人でございます。
❇100%妄想の産物です。妄想なので史実とは異なっております。
文字数 83,092
最終更新日 2026.05.16
登録日 2026.04.14
婚約破棄を言い渡されたあと、令嬢セラは前世の記憶を取り戻した。
向かった先は、前世から大好きだった山。
面倒な人間関係も貴族社会も捨てて、ただ静かに暮らしたい――それだけを願っていた。
ところが山では、精霊や神獣がセラの暮らしに興味津々。
本人は水をろ過し、お風呂を作り、石鹸を作るなど、少し暮らしを便利にしているだけのつもりだった。
けれど、その何気ない営みは植物を蘇らせ、枯れかけた聖水を満たし、やがて街まで救う奇跡となっていく。
一方その頃、王都では偽りの聖女が名声を集める裏で、世界を蝕む邪神が静かに目を覚まし始めていた。
山にこもった少女は、いつしか人々の信仰を集める存在となり、世界そのものの希望になっていく。
これは、婚約破棄をきっかけに始まった、小さな優しさが世界を救う物語。
文字数 229,304
最終更新日 2026.07.09
登録日 2026.05.03
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
文字数 12,996
最終更新日 2025.11.05
登録日 2025.10.29