「走」の検索結果
全体で5,644件見つかりました。
世界を救った英雄の帰還先は、不機嫌な伴侶の待つ「絶対零度」の我が家でした。
あらすじ
「……帰りたい。今すぐ、愛する彼のもとへ!」
魔王軍の幹部を討伐し、王都の凱旋パレードで主役を務める聖騎士カイル。
民衆が英雄に熱狂する中、当の本人は生きた心地がしていなかった。
なぜなら、遠征の延長を愛する伴侶・エルヴィンに「事後報告」で済ませてしまったから……。
意を決して帰宅したカイルを迎えたのは、神々しいほどに美しいエルヴィンの、氷のように冷たい微笑。
機嫌を取ろうと必死に奔走するカイルだったが、良かれと思った行動はすべて裏目に出てしまい、家庭内での評価は下がる一方。
「人類最強の男に、家の中まで支配させてあげるもんですか」
毒舌、几帳面、そして誰よりも不器用な愛情。
最強の聖騎士といえど、愛する人の心の機微という名の迷宮には、聖剣一本では太刀打ちできない。
これは、魔王討伐より遥かに困難な「伴侶の機嫌取り」という最高難易度クエストに挑む、一途な騎士の愛と受難の記録。
全8話。
文字数 16,190
最終更新日 2026.02.20
登録日 2026.02.20
婚約破棄の宣告と同時に処刑される運命の伯爵令嬢セシリア。
唯一の生存手段は、転生時に得たスキル【時戻し】を駆使し、“0.1秒で婚約破棄を受諾して逃げること”だった。
何度も死に戻りを繰り返し、ついに彼女は「最適な逃走ルート」を完成させる。
しかしその条件はただ一つ――噛まずに「はい、よろこんで」と言い切ること。
そして迎えた運命の日。
婚約破棄の宣告は完璧に成功し、彼女は王城からの脱出に成功する。
だがそれは終わりではなかった。
彼女を追う影、崩壊する王国、そして“本当の自由”の行き先は隣国へ――。
逃走劇の果てに待っていたのは、救済か、それとも別の支配か。
「今更探されても、もう遅い」
文字数 2,970
最終更新日 2026.06.14
登録日 2026.06.14
「戦場の銀薔薇」の異名を持つ天才的な軍略家、ヴィクトリア・フォン・ローゼンベルク公爵令嬢。彼女は、王国最強と謳われる東部辺境領主の一人娘として、故郷と民を深く愛していた。
しかし、政略結婚の婚約者である第一王子アルフォンスは、彼女の才能と気高さを妬み、夜会の席で公然と侮辱する。
「女は黙って従え」
その一言と共に婚約指輪を奪われたヴィクトリアは、もはや偽りの淑女を演じることをやめた。彼女は、腐敗しきった王家と国を内側から変革するため、たった一人で戦うことを決意する。
故郷ローゼンベルクへと帰還したヴィクトリアは、父であるゲルハルト公爵と、彼女を女神と崇める領民たちの絶大な支持を得て、ついに反旗を翻した。その圧倒的なカリスマ性と軍略の才は、瞬く間に領地を一つの強固な軍事国家へと変貌させ、周りの辺境諸侯をも巻き込んでいく。
一方、王都では聡明な第二王子エリオットが、兄と宰相の暴走を憂い、水面下でヴィクトリアに協力する。二人の間には、国の未来を憂う同志としての固い絆が芽生え、やがてそれは淡い恋心へと変わっていく。
文字数 116,408
最終更新日 2025.10.23
登録日 2025.10.18
覚えているのは乱立するビルと車の波そして沢山の人
これってなんだろう前世の記憶・・・・・?
気が付くと赤ん坊になっていたあたし
いったいどうなったんだろ?
っていうか・・・・・あたしを抱いて息も絶え絶えに走っているこの女性は誰?
お母さんなのかな?でも今なんて言った?
「お嬢様、申し訳ありません!!もうすぐですよ」
誰かから逃れるかのように走ることを辞めない彼女は一軒の孤児院に赤ん坊を置いた
・・・・・えっ?!どうしたの?待って!!
雨も降ってるし寒いんだけど?!
こんなところに置いてかれたら赤ん坊のあたしなんて下手すると死んじゃうし!!
奇跡的に孤児院のシスターに拾われたあたし
高熱が出て一時は大変だったみたいだけどなんとか持ち直した
そんなあたしが公爵家の娘?
なんかの間違いです!!あたしはみなしごの平凡な女の子なんです
自由気ままな平民がいいのに周りが許してくれません
なので・・・・・・逃げます!!
文字数 79,956
最終更新日 2026.06.15
登録日 2024.09.17
ナタリアはイグナート旦那様を心から愛し、また大鷲族のイグナート公爵も妻を溺愛していた。
しかし。
「──っ、ありえない。君が私の【運命のツガイ】でないなど──」
大好きな旦那様からの言葉と手を振り払われただけだったのだが、階段傍だったこともあり、そのまま階段から転げ落ちてしまう。
夫の混乱する声と暴走を聞きながら亡くなったのだが、時が戻り事件の一ヵ月前に戻ってくる。
自分が【運命のツガイ】でないことに落ち込むも、未来の時間軸で妊娠していたことも知り、自分の子供、最悪の未来を変えるためにも別居あるいは療養したいと旦那様に伝えようとするのだが──。
↑ここまでが短編のお話になります。
連載版は二人の出会いからのお話になります
文字数 81,936
最終更新日 2026.04.29
登録日 2025.04.07
『ヴェインローゼに二輪の薔薇あり』と社交界で謳われる、黒薔薇と呼ばれる姉のアーテルと、白薔薇と呼ばれる妹のルチア。
ヴェインローゼ伯爵家のこの姉妹だが、実は妹は継母の連れ子であったために、姉が妹を疎んじて虐げていた。
そんなある日──彼女たちは自らの前世の記憶を思い出した。
「私の立ち位置って完全に悪役令嬢ってやつじゃない?てことは、私──断罪されちゃう⁉︎」
. . . .
「ここってあの物語の世界?いやいやいや、本編で明かされなかった設定多すぎでしょ!だってこれ、最悪わたし──処刑されちゃうんじゃないの⁉︎」
そして、二人ともが決意した。
「「前世の知識を総動員して、フラグを全部避けてみせる!」」
──こうして、未来に待ち受けるだろう破滅を避けるべく、二人の転生令嬢が婚約やお茶会、学院での行動などなどあらゆることに気を張りながら、やんわりどうぞどうぞとフラグを譲り合っていくのだが⋯⋯婚約者の侯爵令息や王子殿下が思うように動いてくれない!
互いが転生者であることを知らない二人に、果たして安寧の日々は訪れるのか。
※ざまぁ要素は物語後半に入る予定です。
※例によってふんわり設定で突っ走ります。カテゴリは『恋愛』にしてみましたが、本当に恋愛になるか自信がありません。カテゴリ変更の可能性もあります。
※無謀にもWヒロインもどきに挑戦していますが、悪役令嬢な姉がどちらかと言うとメインで比重が重くなりそうです。
文字数 64,581
最終更新日 2021.03.01
登録日 2021.01.30
サイバー技術が極限まで発達し、その結果訪れた、強烈な情報規制と統制が行われる監視社会。
アングラなハッカーたちが暗躍した時代はもはや過去のものとなって、他国に単独潜入するなどというアナログな方法が再び注目を浴び始めた現代。
他国の諜報員の疑いありとして捕らえられた男に恋をした、拷問官のお話。
趣味と癖に走りまくってよくわからない世界観のお話なので、細かいことは気にせずなんとなぁく読んでいただければと思います。
特定の国を連想させるような描写についてはフィクションなので見逃してくださいね。
別で連載中の短編集に投稿したものを長編として再度連載する作品です。短編として急ぎ足で完結まで走った部分が改筆される可能性があります。
完結後に短編集では載せれなかったおまけが少しだけあるよ。
再連載ということで、1日2話更新でサクサク進めます。
ノスタルジックな拷問シーン(血は出ない)と痛みに対する描写があるので、痛いのが苦手な方はご注意ください。
最高のハッピーエンドは保証しますが、道中少々ジメッとします。ご了承を。
文字数 42,622
最終更新日 2024.12.16
登録日 2024.12.01
異世界で十年戦い抜き、魔王を討伐した勇者・相川翔太 。
しかし、パーティーメンバーとの待ちに待った初体験!を目前に、無情にも現代日本へ強制送還されてしまう。
彼の手元に残されたのは、最強の力と――女性を無自覚に発情させてしまう【魅力:MAX】スキルだけだった。
帰還を喜ぶ幼馴染の陽奈美は、十年分の恋心を暴走させ、熱い吐息で僕を誘う。
「翔太のぜんぶ、陽奈美にちょうだい…」
なんて潤んだ瞳で囁かれ、初めて身体を繋げた瞬間、陽奈美の子宮の奥で僕のペニスが熱く脈打ち、思考が蕩けていくのを感じた。
義母の静香さんとは罪悪感と女の喜びに涙しながら肌を重ね 、
双子の義妹たちは「お兄ちゃんは私たちのもの」と無邪気に僕を求めてくる。
ダンジョンが出現した現代で冒険者となれば、気高き聖騎士やクールな賢者といった美少女たちが、彼の圧倒的な強さと魅力に次々と堕ちていく 。
そんな中、ついに約束の乙女たち――異世界の元パーティメンバーまでもが彼を追って現代に転移!
世界の垣根を越え、彼のすべてを巡る甘く激しいハーレムバトルが、今、幕を開ける!
文字数 323,379
最終更新日 2025.12.07
登録日 2025.11.15
伯爵家の双子姫の姉として生まれたルイ―サは、侯爵である夫との離縁を画策していた。
両家の架け橋となるべく政略結婚したものの、冷酷な軍人として名高い夫は結婚式以来屋敷に寄りつかず、たまに顔を合せても会話すらない。
白い結婚として諦めていたルイーサだったが、夫を伴い渋々出席した実家の夜会で驚くべき事態に遭遇する。
なんと夫が双子の妹に熱い視線を送り、妹の方も同じように熱い視線を夫に向けていたのだ。
夫の興味が自分に無いことは残念だったけれど、可愛い妹の恋路は応援したい!
ならば妻の座を妹と交代し、自分はひっそりと、しかし自由に生きていこうではないか。
そうひっそりと決心したルイーサは、一通の書置きと妹に宛てた書簡を残し姿を消そうと試みた。
幸いにも自分には相続した領地があり、そこに引きこもれば食うに困ることはないだろう。
いざとなれば畑でも耕して野菜でも作り、狩りをして暮らそう。
しかしいざ屋敷を抜け出そうとすると、屋敷の主である侯爵が追いかけてくる。
自分に興味もなく忙しいくせになんで邪魔をするのかと怒るルイーサ。
あの手この手で脱走を試みるルイーサだったが、次第に侯爵の不器用さに気づき始め――。
果たしてルイーサは脱走を成功させることができるのか。
じれじれ両片思いの行方はどうなるのか。
文字数 53,607
最終更新日 2025.11.08
登録日 2025.11.03
攻め→中山 大翔(なかやま ひろと) 27歳
受け→飯島 優磨(いいじま ゆうま) 26歳
センシティブな表現があります。
文字数 12,944
最終更新日 2025.04.21
登録日 2025.04.21
エリートサラリーマンであるナオトは美しい妻ミチコと一緒に暮らしていた。
だが彼はかつて幼い頃に父親を失った経験から、子供のある家庭を持つことをためらっていたのだ。
しかしミチコは子供と共に過ごす、愛のある家庭を本心から望んでいた。
そのため妻とのすれ違いは日に日に拡大し、その結果として皮肉にも愛を望んだ家庭はすさんでいく一方だった。
そしてミチコの思いは次第に暴走し、それは愛を失った夫との関係を決定的に別のものに変える事となったのだ。
なおこの作品はいわゆるメリーバッドエンド(見方次第でハッピーエンド)です。
文字数 31,898
最終更新日 2023.05.21
登録日 2023.05.06
鏑木雪穂は、母親に対して異常なまでの愛情を抱く少女だった。
実の父が末期の癌で死ぬ時にも、父よりも、愛する夫をもうすぐ失ってしまうという事実と、慣れない病院での介護生活で精神的にも肉体的にも疲労している母の身を案じるほど、その愛情は深く、そして異常なものであった。
それから五年の間に、母には様々な災いが訪れる。
愛する夫の死、家を手放し戻った実家での両親――即ち雪穂の祖父母――からの虐待、罵倒、祖母の命令での強引な再婚、再婚相手の暴力、離婚の話に応じない再婚相手からの逃走、ようやく落ち着いた都内の安アパートでの極貧生活。
母の側にいて、それらをずっと見て来た雪穂は、少しずつ精神が歪んでいった、いつしか彼女は、母を苦しめるモノを全て排除したい、そう考える様になっていた。
文字数 3,171
最終更新日 2024.11.22
登録日 2024.11.22
SIベンダーに就職して六年目のわたしは、忙しくも充実した日々を送っている。
ただ、悩ましいのが一点。
毎回、『ここまで終わったら教えてください』と伝えるにも関わらず、暴走する二名のBPさんについて。特に、早馬さんが、厄介で、かみ砕いて話すのにまったく言うことを聞いてくれない。
苦悩するわたしに、職場の先輩である黒神さんがある提案をする。
「――さお。偽装、職場恋愛しないか。おれと……」
■性描写を含む話には『*』マークをつけています。
文字数 93,928
最終更新日 2020.03.03
登録日 2020.02.01
近野白雪は、美女で可愛らしい女の子
体育祭の借り物競走で学校一の身体つきの山崎哲夫に駆り出され、そのメモをみたら"好きな人"と書いてあり、またかと嫌な気分になった
しかし、待てど暮せど山崎くんからのアプローチはなくて…
全編甘々を目指しております
R18はだいぶ先です
こちらの作品は「小説家になろう」にも掲載されてます。
文字数 126,108
最終更新日 2026.01.16
登録日 2021.12.03
【第10回歴史時代大賞、奨励賞受賞しました!】
故郷を捨て、江戸で寺子屋の先生を生業として暮らす篠宮隼(しのみやはやて)は、ある夜、茶屋から足抜けしてきた陰間と出会う。
紫音(しおん)という若い男との奇妙な共同生活が始まるのだが。
隼には胸に秘めた決意があり、紫音との生活はそれを遂げるための策の一つだ。だが、紫音の方にも実は裏があって……。
江戸を舞台に様々な陰謀が駆け巡る。敢えて裏街道を走る隼に、念願を叶える日はくるのだろうか。
そして、拾った陰間、紫音の正体は。
活劇と謎解き、そして恋心の長編エンタメ時代小説です。
文字数 97,411
最終更新日 2024.06.12
登録日 2024.05.29
桜子さんと書生探偵 明治令嬢謎奇譚
レンタル有り【書籍発売中】
★続編(長編)を不定期に連載。第Ⅱ部完結★
こんな夜更けにいいとこのお嬢さんが何してるんですか?
―――時は明治。胡条財閥の令嬢、胡条桜子(こじょう さくらこ)は、ある晩、謎の青年と出会った。
その邂逅の翌日、桜子は父から三人の縁談候補者を紹介される。婚約者選びに悩む桜子の下に、謎の脅迫状が!?
その事件のために胡条家に呼ばれた人物こそが、あの晩に出会った帝国大学の書生、五島新伍だった。
事件を解き明かすために奔走するうちに、候補者の一人が命を落とし……桜子に届いた怪文の差出人は誰なのか、婚約候補者を殺した犯人は誰か、そして桜子の婚約は?
★お気に入り登録、エールありがとうございます★
※R15です。あまり直接的な表現はありませんが、一般的な推理小説の範囲の描写はあります。
※時代考証甘めにて、ご容赦ください。参考文献は、完結後に掲載します。
※続編のみ小説家になろうにも掲載しています。
★第6回ホラーミステリー大賞、大賞受賞ありがとうございました★
文字数 384,455
最終更新日 2026.06.01
登録日 2023.02.27
西暦二〇四〇年、師走のある晩の事。
都内の某高級ホテルにて地元名士をたたえるパーティーが開催された。A市民病院外科部長の大城戸もそこに招待された客の一人であった。
大城戸はロボット手術の第一人者で、翌年度から帝国医科大学の第一外科学講座主任教授に就任することが内定していた。大城戸には妻子がいたが、教授という地位を得て奢るその浮気癖はさらに度を増していた。
大城戸はパーティー客の中にひときわ美しい女性を見い出す。自称ジャーナリストのその女性上条サユリに彼が会うのはそれが初めてだったが、サユリの方では大城戸を良く知っている様であった。サユリはロボット手術について取材しており、パーティーの中でもお目当ての一人が大城戸であったと打ち明ける。
サユリに心を奪われた大城戸は、彼女を同じホテルのバーに誘い出し、そこで杯を重ねながらサユリとの親密度を増していった。
やがてサユリの酔った様子を見た大城戸は、ホテルの自室に彼女を誘い込もうと画策する。しかしその矢先、サユリから唐突にある申し出を受ける。自分の身の上話を聞いてほしいというのだ。
楽しみの時間を先延ばしされただけと軽く受け取った大城戸は、サユリの申し出を許諾する。ところが淡々と語り始めたサユリの話は、奇怪極まりないものであった。自分は以前付き合っていた男に「毒殺された経験がある」と言うのだ。しかし彼女の打ち明け話の裏には、ある恐ろしい思惑が隠されていた。
文字数 16,454
最終更新日 2025.08.23
登録日 2025.08.23
花田美智子、35歳。一年前、45歳の夫を亡くした。悲しみはもちろんあったけれど、最近の彼女の悩みはもっとブッ飛んだものだった。
「……また、来た」
真夜中、閉め切った寝室にふわりと漂う、懐かしいタバコの匂い。そして、マットレスが沈み込む重み。亡くなった夫が、夢の中に...
「ただいま美智子。寂しかったろ?」
「あなた、ちょっと、毎日すぎるってっ」
夫の手がシーツの中に潜り込み、美智子の柔らかな曲線を手慣れた様子で愛撫する。夢とは思えないほど、彼の肌は熱く、吐息は生々しい。夫は美智子の耳朶を甘噛みしながら、ぐいぐいと強引に彼女を自分の方へ引き寄せた。
「い、イク、美智子……! 全部、美智子の中に……注ぎ込んでやる……っ!」
美智子の奥に熱い塊が...夢の中なのに、腰が浮き、爪を立てるほどの実感。
翌朝、目が覚めると股の間はぐっしょりと濡れ、真珠のように光る奇妙な液体がシーツに残っている。「これ、夢じゃないよね?」そんな確信とともに、彼女のお腹はあり得ないスピードで膨らみ始めた。
「嘘でしょ、昨日より5センチは育ってる……」
たった三日で、まるでスイカを抱えているような大きさに。服が次々に弾け飛び、美智子は家から一歩も出られなくなった。
そしてある夜、夢の中で彼女は「銀色の瞳の赤ん坊」を産み落とした。
「パパによろしくね」なんて冗談を言う暇もなく、目が覚めたらお腹はペッタンコ。赤ん坊の姿もない。
「夢オチ?……にしては、体が軽すぎる」
その日の午後、隣の空き家に引っ越してきた若い女性が挨拶に来た。彼女が抱いていた赤ん坊を見た瞬間、美智子は手に持っていたお茶を床にぶちまけた。
「……その子」
陶器のような白い肌に、吸い込まれるような銀色の瞳。
昨日、自分が夢の中で産んだあの赤ん坊が、なぜか隣の女の腕の中で、あくびをしながら美智子を見て「ニヤリ」と笑ったのだ。
「可愛いでしょう? 一週間前に産まれたんです。不思議なんですけど、夢で亡くなった旦那に授かった子なんですよ」
隣の女も、美智子と全く同じことを口走る。
ここからだった
隣の赤ん坊は、毎日、数年分もの速さで急成長していく。
月曜日にはハイハイをしていたのに、水曜日には反抗期の中学生になり、金曜日にはスーツを着た45歳の「夫」の姿になって、隣の庭でタバコを吹かしているのだ。
「美智子、お隣さんから醤油借りてきてくれないか?」
ベランダ越しに、夫が、いや、隣の「元・赤ん坊」が、かつての夫と全く同じ声で話しかけてくる。
しかも、美智子のお腹はまた、少しずつ膨らみ始めていた。
「待って。私が夢で『製造』して、お隣さんが『出荷』するってこと!?」
この「夢の生産ライン」には、一体どんな秘密が隠されているのか。
夫が死の直前に契約したという、怪しげな生命保険の書類が、美智子の引き出しから見つかったのはその翌日のことだった。
文字数 9,925
最終更新日 2026.02.18
登録日 2026.02.18