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あの日、君が目指した空の果てへ
レンタル有り旧題:風船ガール 〜気球で目指す、宇宙の渚〜
高校生の澪は、天文部の唯一の部員。廃部が決まった矢先、亡き姉から暗号めいたメールを受け取る。その謎を解く中で、姉が6年前に飛ばした高高度気球が見つかった。卒業式に風船を飛ばすと、1番高く上がった生徒の願いが叶うというジンクスがあり、姉はその風船で何かを願ったらしい。
完璧な姉への憧れと、自分へのコンプレックスを抱える澪。澪が想いを寄せる羽合先生は、姉の恋人でもあったのだ。仲間との絆に支えられ、トラブルに立ち向かいながら、澪は前へ進む。父から知らされる姉の死因。澪は姉の叶えられなかった「宇宙の渚」に挑むことをついに決意した。
そして卒業式当日、亡き姉への想いを胸に『風船ガール』は、宇宙の渚を目指して気球を打ち上げたーー。
文字数 137,100
最終更新日 2025.12.10
登録日 2024.04.30
※第2回きずな児童書大賞 エントリー作品です。
世界一のスクープを夢見る少女と、天狗の少年が体験する、楽しくて、ドキドキで、ちょっぴり恐い一夏の物語。
(第1話 天狗の占い屋とちびっ子天狗)
天倶小学校新聞部長の新道深織は小学6年生。
スクープをゲットしたい深織は、ある日『天狗の占い屋』を取材することになった。
そこで出会ったのは美青年占い師と、その息子で天狗の末裔を名乗る生意気少年の神保楓林。
信じられないと思う深織だったが、楓林が団扇を一振りすると、深織の前に亡くなったはずのおばあちゃんの幽霊が現れた!?
(第2話 天倶町七不思議のヒミツ!?)
深織は天倶町七不思議の噂を知る。
深織は楓林と共に以下の七不思議の正体を取材することになった。
・よく当たる占い屋
・トイレの花子さん
・泣き声の聞こえる祠
・動き回るお地蔵様
・ありえないラーメン
・怪奇現象の映るレンタルビデオ
・夜な夜なお墓に漂う鬼火
取材を進めるとほとんどの七不思議に「オチ」がついてがっくり。
だが、七不思議には実はちょっぴり恐くて物悲しい真相が……
全ての真相を知ったとき、世界一のスクープを目指す深織は何を思う?
凸凹小学生コンビが夏に体験する、ちょっぴり恐くてドキドキのジュブナイル物語。
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※過去にカクヨムに掲載した作品を、改題、改稿したものです
文字数 48,713
最終更新日 2024.08.07
登録日 2024.07.26
月と羊〜その声に恋をしていた〜の続編
※よろしければ、〜その声に恋をしていた〜 を先に読んでいただいた方が人物関係やちょっとした小ネタを楽しめると思います。
結ばれ、充実した日々を送っていた日辻智士と月平菜緒。そんな中、GG4に舞い込んだ大手スポンサー、Asteria Visionとの契約話。順風満帆に見えた中、智士と菜緒の関係に突如として暗雲が差し込む。
「彼の未来のために」と菜緒は智士の元を去り、智士はその真意を知らないまま、言葉にならない喪失に沈んでいく。
離れてもなお、お互いを想い続けたふたりと、再び手を取り合うために動き出すGG4の仲間たち。
声が、絆が、真実を繋ぎ直す
これは、“その声に恋をしていた”ふたりが、
“その声を届けるために”、もう一度、隣にいるまでの、再会と約束の物語。
文字数 57,228
最終更新日 2025.07.20
登録日 2025.06.19
文字数 1,278
最終更新日 2017.08.22
登録日 2017.08.17
滅びを迎えつつある未来で、
取り残されたもう二人のお話。
愛に気づいた男と愛がわからない女の物語。
前作を読まなくてもわかるようには書きましたが、前作を読まれるとわかりやすいかも。
他サイトでも連載。
文字数 89,207
最終更新日 2019.06.15
登録日 2019.06.01
鬼ヶ島と呼ばれている地獄で、レストランを経営する甘菓子桃之介は調理師免許を取得していながら、唯一まともに作れるのが厚焼き玉子のみと言い切るなんちゃって調理師。
地獄を管理する鬼の少女に任せられたレストラン【オーガニック】だったが、作る料理は変な物ばかりな上、よく仕事中にサボって遊びに出掛けたりしている怠け者。
共に働いている妹のタルトには度々迷惑をかけているが、本人は全く気にしていない様子。
レストランの仕事をほっぽり出しては、鬼の少女(鬼子)に怒られてばかりの微笑ましい日々を過ごしていた。
文字数 150,129
最終更新日 2022.03.07
登録日 2019.07.02
ある村にウィリという少年がいました。産まれた時から奴隷として育ったウィリは自分の立場がおかしいと感じていました。そして市長が視察に来た日、彼が取った行動とは?
文字数 2,135
最終更新日 2020.11.25
登録日 2020.11.25
時は大正、地主の家に引き取られたおりんは地主の息子と婚約していた。
と、いうのは建前で地主の息子は田舎者のおりんと結婚する気など毛頭なかった。
いつかは家からも追い出されるのだろうと覚悟していたおりんだったが、ある日アレキサンドラというイギリス人の青年に出会う。
文字数 11,025
最終更新日 2021.02.09
登録日 2021.01.31
かつて魔王を倒した英雄職、聖弓使い。
文明が発展するにつれて、その仕事は銃や魔法に取って代わられる運命だった。
優れた弓使いだった祖父の跡を継いだレオは優秀な聖弓使いとなる。
だが、叔父夫婦の陰謀で土地と財産、婚約者を従兄弟に奪われて故郷の町を追放されることに。
放浪の末、彼がたどり着いたのは、聖弓使いが初代皇帝になったと言われる国、ゲランブール帝国の帝都ゲラブだった。
帝国は活気に満ち溢れ、移民なども多く、仕事を求める人々が後を絶たない。
だが、定職に就けるのは限られている。
人々は仕方なく、危険の高い日雇い冒険者になることで、どうにかその日を生き延びていた。
レオもそうして働くものの、襲いくる孤独感からは逃げきれなかった。
そんな彼の心を癒してくれるのは、通話魔導具で仕事を紹介してくれるギルドの受付嬢メリル。
何気ないひとときだけが、彼の孤独を癒してくれた。
そして、ギルド嬢というブラックな環境で激務に励むメリルもまた、レオとの会話を心待ちにしていた。
互いに声しか知らない二人の距離は、ある事件をきっかけに急速に接近していく。
他の投稿サイトでも掲載しています。
文字数 5,730
最終更新日 2023.03.20
登録日 2023.03.20
リーベント国第五王子ロイは庶民出身の第二公妾の母を持つ貧乏王子。リーベント国は農業が盛んで豊かな国。平和だが貴族や王族の権力争いが絶え間ない。ロイと母は、貴族出身の正妃と第一公妾、その王子王女たちに蔑まれて過ごしていた。ロイの唯一の支えは、いつか国を脱出し母と小さな洋菓子店を開き暮らすこと。ある日、ロイが隣国アドレアに友好のため人質となることが決定される。国王の決定には逆らえず母をリーベントに残しロイは出国する。
一方アドレア国では、第一王子ディモンがロイを自分のオメガだと認識したためにロイをアドレアに呼んでいた。現在強国のアドレアは、百年前は貧困の国だった。当時の国王が神に救いを求め、卓越した能力を持つアルファを神から授かることで急激な発展を実現した国。神の力を持つアルファには獣の発情期と呼ばれる一定の期間がある。その間は、自分の番のオメガと過ごすことで癒される。アルファやオメガの存在は国外には出せない秘密事項。ロイに全てを打ち明けられないまま、ディモン(ディー)とロイは運命に惹かれるように恋仲になっていく。
ロイがアドレアに来て二年が過ぎた。ロイは得意の洋菓子でお金稼ぎをしながら、ディーに守られ幸せに過ごしていた。そんな中、リーベントからロイの母危篤の知らせが入る。ロイは急いで帰国するが、すでに母は毒殺されていた。自身も命を狙われアドレアに逃避しようとするが、弓矢で射られ殺されかける。生死をさ迷い記憶喪失になるロイ。アドレア国辺境地集落に拾われ、シロと呼ばれ何とか生きて行く。
ディーの必死の捜索により辺境地でロイが見つかる。生きていたことを喜び、アドレア主城でのロイとの生活を再開するディー。徐々に記憶を取り戻すロイだが、殺されかけた記憶が戻りパニックになる。ディーは慈しむような愛でロイを包み込み、ロイを癒す。
ロイが落ち着いた頃、リーベント国への友好訪問をする二人。ディーとリーベント国王は、王室腐敗を明るみにして大掛かりな粛清をする。これでロイと幸せになれる道が開けたと安堵する中、信頼していた親代わりの執事にロイが刺される。実はロイの母を殺害したのもこの執事だった。裏切りに心を閉ざすロイ。この状態ではアルファの発情期に耐えられないと思い、発情期を一人で過ごす決意をするディー。アルファの発情期にオメガが居なければアルファは狂う。ディーは死を覚悟するが、運命を共にしようと言うロイの言葉を受け入れ、獣の発情期を共にする。狂ったような性交のなかにロイの愛を感じ癒されるディー。これからの人生をロイと過ごせる幸福を噛みしめ、ロイを守るために尽くすことを心に誓う。
文字数 104,019
最終更新日 2023.10.31
登録日 2023.10.31
上位トレンド入りを起こす程の人気バトル漫画≪異能大戦≫略してーイノセンー。名前の通り異能を持った人間達が何でも願いを叶えるという秘宝≪星屑の涙≫。その秘宝を求めた猛者達が繰り広げる異能バトル漫画にハマっていたこの物語の主人公である青年・目つきの悪い盆陣鵺楼(ぼんじんやろう)。彼は妹・盆陣織田姤(ぼんじんおたく)と共に平凡暮らしをしていたが白梟の仮面を被った謎の集団に襲撃される。深傷を負うもののなんとか妹だけを救出し仲間の1人に妹を託し盆陣は死を迎える筈だった。だが盆陣が意識を取り戻すとそこは見知らぬ薄暗い部屋のベッドの上だった。横から視線を感じた先には人間離れをした麗しい美貌を持つ男が優雅に足を組み座っていた。負傷した盆陣を治療しここまで連れてきたという全身が黒で統一していた怪しげな男。だが初対面であるその男に盆陣はどこか見覚えがあった。
「やぁ。お目覚めかい?怪我してる所悪いけれど少し僕とお話しようか?お兄さん?」
爽やかにそうに笑う彼の瞳は死んでいた。彼から感じていた違和感が解けた盆陣は絶望する。
(おいおい。………マジか。)
この男こそがかつて自身が読みあさっていた大人気少年漫画の主人公を散々苦しめた異能大戦略して≪イノセン≫に登場する黒幕・黒磯棗(くろいなつめ)であった。つまり盆陣はここでようやく自身が≪イノセン≫の世界に飛ばされたことを理解したのだった。そして厄介なことに今。凶悪な大量殺人鬼がトリップしたばかりの盆陣の目の前にいる。
(クソ面倒せぇ。)
トリップ直後でもう黒幕との接触。窮地に立たされた盆陣の運命はいかに!!
ーーただこの盆陣鵺楼という男には世間にもたった1人の家族である妹にも言えない秘密があった。その秘密とは?
サイコパス殺人鬼美青年(黒幕)×やる気なしの平凡?(非凡)青年。
異能バトルを舞台にした漫画の世界に飛ばされ盆陣は黒幕から逃げ切り、果たして平凡ライフを送ることができるのか。
そして現実世界で盆陣達を襲った集団の正体は!?
文字数 79,725
最終更新日 2024.11.07
登録日 2024.05.16
おはーっ! オレはミケルセン王国の第九王子、ジュライ!
ワケあってイケメン王族に転生したんだけどさ、中身はアラフィフのオ・ジ・サ・マ(はぁと。
推しの声優さんが結婚したショックで、死んだのさ。
ハズレスキルの【おじさん構文】ってのを手に入れちゃって、レディたちがみんなリバースしちゃうんだ。
転生させてくれた女神も。転生先の乳母も、幼馴染も。
勇者や天使や、魔族だって口からレインボー!
でも、
「聞かせる対象が味方だと、デバフが解消される」
「悪いやつ相手だと、魔法発動前に、相手が魔力を口から漏らす」
というエゲツない能力だったみたい。
自然と相手にデバフがかかるなんて、チートスキルゲットだね。
めっちゃヒロインたちから避けられるけど(しょんぼり。
文字数 41,640
最終更新日 2024.05.24
登録日 2024.05.11
文字数 4,561
最終更新日 2025.04.19
登録日 2025.04.19
最愛の妹・ミナトを不慮の事故で失ったあの日、高校生の主人公・カズトは禁忌の契約を交わした。それは、命を吹き込んだ「身代わり人形」を作り出す能力。だがその代償はあまりにも残酷で、人形を一体縫い上げるたびに、彼の指が一本ずつ、泡のように消滅するという呪いだった。
カズトの部屋には、生前と変わらぬ笑顔を浮かべるミナトがいる。しかし彼女は、定期的に綻び、朽ちていく仮初めの存在だ。その姿を維持するため、カズトは激痛と喪失に耐えながら、今日も針を進める。左手の小指、薬指、中指……。失われた指の数だけ、彼は妹との偽りの時間を買い戻してきた。
「お兄ちゃん、手が痛いの?」無邪気に問いかける人形の妹。その言葉に救われながらも、カズトは精神的に追い詰められていく。残された指はあと僅か。全ての指を失えば、二度と彼女を縫い直すことはできない。それは、本当の意味での妹の死を意味していた。
やがて街では奇妙な怪異が頻発し、カズトの能力に目をつけた謎の影が忍び寄る。自身の破滅と引き換えに、それでも彼は針を持つことをやめない。守るべきは倫理か、それとも狂気じみた愛か。
指が消えるたびに人間性さえも削り取られていく少年が辿り着く、残酷で美しい結末とは。命を削り、魂を縫い合わせる、切なくもおぞましいダークファンタジー。
文字数 1,558
最終更新日 2025.11.21
登録日 2025.11.21
推理作家の柊一馬が受け取った一通の手紙。それは、三ヶ月前に毒殺されたはずの叔父、桐生総一郎からのものだった。
『私は殺される。犯人は、私の遺産を狙う者の中にいる』
死者からの招待状に導かれ、十二月二十四日のクリスマスイブ、一馬は雪に閉ざされた山荘を訪れる。そこには叔父の遺産相続人たちが集められていた。元秘書の真田俊介、従姉の桐生麗子、主治医の天野修一、元部下の佐々木健太。
そして、一人の見知らぬフランス人男性——カイン・アッシュフォード。元外交官の彼は、深い憂いを湛えた目で、まるで重い罪を背負っているかのような佇まいだった。
午後八時、録画された叔父のメッセージが流れる。
「私は毒殺されました。犯人は、この中の誰かです」
館のどこかに隠された遺言状。そこには犯人の名前が記されているという。しかし遺言状は密室の中にあり、入るためには三つの謎を解かねばならない。
『罪を背負う者は、誰よりも真実を知る』
『時計の針が示すのは、時間ではなく方向』
『死者は嘘をつかないが、生者は真実を隠す』
突然の停電。その混乱の中、カインが意識を失う。彼のポケットから見つかったメモには、震える筆跡でこう綴られていた。
「私が、桐生さんを殺した。ワインに毒を入れたのは、私だ」
地下のワインセラーで発見された一本の『1995 シャトー・マルゴー』。それが叔父を殺した毒入りワインだった。そして明らかになる、二十年前の悲劇。
パリでのワイン輸入ビジネス。カインが運転する車の事故で命を落とした親友、エリック・マーロウ。その事故には、叔父も関わっていた。カインは二十年間、親友を死なせた罪に苦しみ、外交官のキャリアを捨て、ただ贖罪のために生きてきた。
三ヶ月前、叔父はカインに一本のワインを贈った。エリックが最も愛したシャトー・マルゴー。だがカインは「罪を軽くされる資格がない」と、それを叔父に返した。そのワインこそが、毒入りのワインだったのだ。
しかし、誰が毒を混入したのか。カインは本当に犯人なのか。それとも、誰かが彼を利用したのか。
密室の扉が開いた時、そこには誰もいなかった。一馬の推理が導き出した真実は、あまりにも痛切なものだった。真犯人は自分が犯人であることに気づいていない。そして、この事件の本質は殺人ではなく——二人の男の、壮絶な贖罪の物語だった。
叔父は何のために、この精巧な密室劇を演出したのか。カインが背負い続けた罪の重さとは。そして、遺言状に記された叔父の最期の願いとは——。
罪と罰、許しと贖罪をテーマに、二十年の時を超えた友情と悲劇を描く本格ミステリー。すべての謎が解けた時、読者は人間の心の深淵を覗き見る。
これは、罪を背負う二人の男の物語であり、真実を求めた者たちの記録である。
文字数 6,218
最終更新日 2026.01.02
登録日 2026.01.02
版画家を目指している傀儡駱駝は、中々目がでない。公募に応募しても落選する日々が続く。
そんな彼の唯一の慰めは大阪十三の飲み屋街「卍楼」の一角、「麝香」にふらりと立ち寄り、そこで酒を呑みながら、意中の娘に声をかけられる事だった。 ーー娘は美しい、だがそれでなく清廉で、自分が常に美しく感じる自然の光を人間の肉体が偶然掴んだような、そんな存在だった。
やがて夏の或る日、駱駝は再び公募展で落選する。公募展に出した作品は娘の美しさを自分で作り得る中で最高の作品だったが、無惨にも結果は、彼にとって残酷だった。
傷心の駱駝は、ふらりと肉体を女の身体で慰めようと、風俗街を歩き始めたその初歩で、ホテルから男と出てきた娘をみてしまった。
衝撃が脳天を貫いた駱駝は狂い出すように、地面に突っ伏す。すると音をたてて目前に転がる瓶が見え、やがてそれを手に取った駱駝は何かを創り出しーーやがて十三の闇に消えた。
駱駝は何故、消えたのか。
本作はそんな彼を追う「私」が語る「怪人噺」であり、また「人間」の内面を見つめる作品です。
文字数 31,323
最終更新日 2026.03.30
登録日 2026.01.29
私たちは進歩という言葉を信じてきました。
より速く、より便利に、より効率的に。テクノロジーは私たちの生活を豊かにし、世界を小さくし、未来を明るくすると約束してきました。
しかし、もしその進歩が、静かに「均衡」を壊しているとしたらどうでしょうか。
自然界には「キーストーン種(Keystone Species)」と呼ばれる存在があります。数は少なくても、生態系全体の安定を支える要となる種。もしそれが消えれば、森は沈黙し、川は濁り、空は空虚になります。崩壊は一瞬では起こりません。気づかぬうちに、ゆっくりと、しかし確実に進行します。
この物語は、そんな“見えない崩壊”に立ち向かう若者たちの物語です。
『キーストーンの守護者たち』は単なる冒険譚ではありません。
それは、問いかけです。
私たちは自然を支配する存在なのか、それとも守るべき存在なのか。
効率を選ぶのか、それとも調和を選ぶのか。
沈黙するのか、それとも声を上げるのか。
主人公ディルバグ・シンは、特別な力を持つヒーローではありません。彼はただ、自分の信念を守る若者です。夜明け前に静かに座り、「ワヘグル」と唱えるその習慣が、彼の心を強くします。外の世界が混乱しても、内なる軸を失わない。その姿は、現代社会における本当の強さとは何かを示しています。
本作では、テクノロジーと自然の対立を描きながら、単純な善悪の構図には落とし込みません。革新は悪ではありません。問題は、その使い方です。プロジェクト・アクシスは未来を変える可能性を秘めていました。しかし、均衡を無視した未来は、必ずどこかで歪みを生みます。
若者たちの勇気、友情、裏切り、そして覚悟。
スリルとミステリーの裏側には、私たち一人ひとりへのメッセージが込められています。
本書を読み終えたとき、もしあなたが身の回りの自然を少しだけ違う目で見つめるなら。
もし小さな命の存在を「取るに足らないもの」ではなく、「支えるもの」と感じるなら。
それこそが、この物語の真の目的です。
地球は叫びません。
だからこそ、守護者が必要なのです。
この物語が、あなたの中の守護者を目覚めさせることを願って。
文字数 69,957
最終更新日 2026.02.23
登録日 2026.02.23