「北」の検索結果
全体で4,159件見つかりました。
七年かけて、孤児院の食卓は温かくなった。四歳で前世を思い出した少年レイは、時空間スキルで森の恵みを金に換え、悪徳領主の不正を暴き、家族の腹を満たしてきた。
だが、答えの出ない問いが四つ残った。自分の時空間素質とは何なのか。金色の竜ルーチェの卵は、なぜ時のすきまを流されたのか。自分はなぜ転生したのか。そして、ハーフエルフのリーナの母が遺したエルフ文字には、何が書かれているのか。
その答えは、アシェンの町のどこを掘っても出てこなかった。
だからレイは、竜の背に乗って旅に出る。王都へ、北の森へ、竜の谷へ。行く先々で、飢えた土地と、腐った統治と、居場所のない人たちに出会いながら。
チートで無双、じゃない。チートで家族を食わせる物語、第二部。
——この旅の終わりの一歩は、必ずあの食卓に向かっている。
※『捨てられた転生者、規格外スキルで孤児院を救う』の続編(第二部)です。第一部最終話で語られた「三年の旅」を描きます。本作から読んでも大丈夫なように書いています。
◆前作『捨てられた転生者、規格外スキルで孤児院を救う』(全33話・完結済み)も公開中です。
▼このページの一番下、目次のあとに「第一部はこちら」のリンクがあります。
文字数 259,344
最終更新日 2026.10.12
登録日 2026.08.06
第一王子レオンハルトに「未来の王妃には華やかさが必要だ」と婚約破棄された伯爵令嬢リュシエンヌ。
しかも彼は、彼女が王都守護結界の保守に使っていた魔道具を“ガラクタ”と切り捨てる。
だが、王子は知らなかった。結界の重要性だけではなく、それを誰が支えていたのかを。
婚約解消とともに王家との保守契約を終了した翌日、王都の結界は乱れ始める。
一方、北方辺境へ向かったリュシエンヌは、小さな村の夜を守るために新たな結界を立て直していた。
不要だと言われたその手が、ようやく正しく必要とされる場所へ辿り着く、婚約破棄から始まる静かな逆転劇。
文字数 24,678
最終更新日 2026.04.17
登録日 2026.04.09
冒険者のイーリスは誰もが羨む体格、男前な容姿の持ち主だが、誰かに抱かれたいという叶わない夢を抱いていた。しかしある事件がきっかけで騎士のクヴェルという男と甘やかな夜を過ごす。浮かれたイーリスは翌朝、クヴェルのある言葉を聞いてしまって……?
ガチムチ受け、逃げる受けがお好きな方に。
騎士クヴェル×冒険者イーリス
※連載版になります!
イーリスは恋人になったクヴェルに誘われ、北方騎士団へ入団した。団員に関係を隠さないクヴェルに対し、イーリスは家族のことが気になっている。そんななか、王都への召喚がありクヴェルについていくことに。イーリスへの嫉妬を爆発させるクヴェルと、自分に自信の持てないイーリス。悩む二人はすれ違い、喧嘩してしまう。しかし王都に魔物が現れ、王都は騒然とする……!
※本作品は著作権を手放しておりません。youtubeのボイスドラマで本作品が無断使用されております。見つけた際はお手数ですが通報のご協力をお願いいたします(現在著作権侵害による削除を依頼中です)
文字数 83,990
最終更新日 2025.11.28
登録日 2024.12.12
かつて世界を恐怖に陥れた魔王を、十代の若さで討ち果たした勇者がいた。
それから幾十年。勇者は戦いを退き、世界中から種族を問わず学生を集める学術院を設立して、その学院長となっていた。
そしてその学術院には、一人の少年がいる。エル。
――ただし、彼には誰にも知られてはならない秘密がある。
彼はかつて勇者が討ち果たした、魔王の息子だった。
魔王の敗北を悟った母は、自らの命を代償に特殊な魔術を施し、息子が生まれる時期そのものを遅らせた。その結果、魔王討伐から二十六年後に生まれたエルは、魔王の子であることを知られることなく人間社会へと紛れ込んだ。
そして彼を保護したのは、他でもないかつての勇者だった。
勇者はエルに一つの条件を課している。もし魔王になるのなら、自分の手で殺す。その覚悟を抱えながら、勇者はエルを学生として育て、その行く末を見守っている。
エルの正体を知るのは、学園長と、かつて共に魔王を討った三大魔法師の一人、ヴェルド・グラディオン。そして、自身もまた正体を偽り続ける幻術学教授リュカ・セレイン――わずか三人。
そんな秘密を抱えながら始まる、普通の学術院生活。
自らの人生を選ぶため家を飛び出してきた少女、リア・セレス。才能には恵まれないながらも、誰にも見せない努力で二人に食らいつく少年、カイル・レグナード・フェルディス。
そして、三大魔法師を父に持ち、自らの才能と血筋に絶対的な誇りを持つエルフの少年、ルシエル・アルヴァート・グランディス。
友情、恋、競争、魔法、そしてそれぞれが抱える「自分は何者なのか」という問い。
その日々の中で、エルは少しずつ知っていく。魔王の息子として生まれたことと、自分が何者になるのかは、同じではない。
そして勇者もまた、答えを迫られる。
目の前の少年は――
次の魔王なのか。
それとも、
魔王にはならない、ただ一人の少年なのか。
文字数 60,994
最終更新日 2026.10.12
登録日 2026.09.28
大陸の西に存在するディーレンス王国の貴族、クローディス家では当主が亡くなり、長男、次男、三男でその領地を分配した。
しかしこの物語の主人公クルス・クローディスに分配されたのはディーレンス王国の属国、その北に位置する土地で、領内には人間族以外の異種族もいた上、北からは別の異種族からの侵攻を受けている絶望的な土地だった。
そこで主人公クルスは前世の現代日本の知識を使って絶望的な領地を発展させる。
目指すのは大陸一発展した領地。
果たしてクルスは実現できるのか?
これはそんなクルスを描いた物語である。
文字数 148,743
最終更新日 2026.10.11
登録日 2026.03.19
二年かけて王家の暴れ馬を御した調馬師マリカ。だが御前の晴れ舞台で手柄を奪ったのは、妹のセシルだった。『馬など誰にでも扱える』——そう言い放った妹は、姉を『危険な馬を放った』濡れ衣で厩から追い出す。行き場を失ったマリカに手を差し伸べたのは、彼女の傷だらけの手を見た辺境の騎士団長アルヴィスと、誰にも心を開かない軍馬たちだった。やがて王家が持て余した黒馬が北へ送られてきて――飾り綱を握る妹の前で、黒馬が首を垂れたのは、擦り切れた綱を持つ姉のほうだった。人が見なかったものを、馬はずっと見ていた。全七話。
文字数 11,737
最終更新日 2026.10.03
登録日 2026.10.02
「黙って笑っていなさい」
八歳のリゼットは、その言葉ごと公爵家から捨てられた。
公爵家の五女として生まれた彼女は、姉たちのように上手に笑えなかった。
家庭教師の年号間違いを指摘し、帳簿の数字のズレに気づき、大人の言葉の矛盾を見つけてしまう。
聡明であることは、公爵家にとって誇りではなかった。
ただ、面倒なだけだった。
送られた先は北の辺境。
そこでリゼットを迎えたのは、無愛想だが彼女を荷物ではなく客人として扱う辺境伯と、
「子供を泣かせる魔女」と恐れられる黒衣の女教師だった。
泣いても慰めない。
間違えれば容赦なく赤を入れる。
褒めることもない。
けれど、その教室では、誰もリゼットの答えを笑わなかった。
礼法は、自分が踏まれていることに気づく目。
古典は、歴史の嘘を読む目。
帳簿は、人の嘘を見る道具。
手紙は、未来の自分を守る証拠。
怖い先生の授業を受けるうちに、リゼットは少しずつ、
自分の頭で考え、自分の言葉で答える力を取り戻していく。
やがて辺境で育った“黙って笑えなかった五女”は、王都の試問で天才たちを黙らせる。
その時、公爵家はようやく知る。
捨てたのは、出来の悪い娘ではない。
家の未来を支えられたかもしれない、ただ一人の子供だったのだと。
<全40話・毎日更新・完結保証/家族ざまぁ/ハッピーエンド>
文字数 98,336
最終更新日 2026.06.26
登録日 2026.06.15
————————————————————
受:久遠 酵汰《くおん こうた》
攻:金城 桜花《かねしろ おうか》
————————————————————
あることがきっかけで好きな人である金城の待ち受け画像を見てしまった久遠。
その待ち受け画像は久遠ではなく、クラスの別の男子でした。
上北学園高等学校では、今SNSを中心に広がっているお呪いがある。
それは消しゴムに好きな人の前を書いて、使い切ると両想いになれるというお呪いの現代版。
お呪いのルールはたったの二つ。
■待ち受けを好きな人の写真にして3ヶ月間好きな人にそのことをバレてはいけないこと。
■待ち受けにする写真は自分しか持っていない写真であること。
つまりそれは、金城は久遠ではなく、そのクラスの別の男子のことが好きであることを意味していた。
久遠は落ち込むも、金城のためにできることを考えた結果、
金城が金城の待ち受けと付き合えるように、協力を持ちかけることになるが…
————————————————————
この作品は他サイトでも投稿しております。
文字数 67,716
最終更新日 2025.12.07
登録日 2025.11.03
冷徹と噂される公爵様は、何度も私を呼び出します。……治療のためだと思っていました。
一年ぶりの夜会で、倒れた老紳士を救った地味な回復士令嬢ライラ。
翌朝届いたのは、公爵ヴァルター・エーベルハルトからの呼び出しだった。
朝も夜もなく働き疲れ切っていたヴァルターは、ライラの治療と、まっすぐな純粋さに少しずつ心を癒されていく。
毎回違うお菓子を用意し、ライラが帰ったあとに無自覚に口元が緩み、周囲にはニヤニヤされ……。
けれどライラは「患者さんだから私は心配しているだけ」と信じて疑わない。
そんな折、領地の北の森で魔獣が凶暴化する事件が発生。
原因を探る中で起きるライラの誘拐、不思議な力を持つ霊脈樹をめぐる騒動。
すべてが解決した時、二人の恋は、ようやく少しずつ進み始める。
――何気ない日々が一番幸せ。だから明日もあなたに会いたい――
※ゆっくり進む恋愛です。完結まで執筆済み。
長編。15〜16万文字。60話前後。
表紙、挿絵・AI
文字数 90,763
最終更新日 2026.10.12
登録日 2026.09.13
ヴェルディエ伯爵家に嫁いだシラベルは、婚礼の夜に夫エドラントから「愛などない、形だけの妻として黙って家の務めを果たせ」と冷たく言い放たれ、荒れ果てた北離宮へと追いやられた。
エドラントは放蕩に明け暮れ、やがて没落貴族の令嬢オデリーヌを本邸に迎え入れて寵愛するようになる。一方でシラベルは、傾きかけていた伯爵領の財政を立て直すため、昼夜を問わず帳簿を整理し、港湾都市との交易を整え、実質的な当主として家を支え続けていた。
しかし、傲慢なエドラントとオデリーヌは領地の繁栄を自らの手柄だと思い込み、ついにシラベルの母の形見すら奪い取った上で「役立たず」と罵り捨てる。
シラベルは密かに用意していた完璧な離縁状に署名し、忠実な侍女とともに忽然と姿を消した。
シラベルを失った伯爵家は瞬く間に破綻へと転がり落ち、慌てふためくエドラント。だがその時、シラベルはかつて領地運営の手腕を高く買われていた隣国境の大公シギスムンドに手厚く迎え入れられ、極上の執愛を注がれていた。
さらに、シラベルが屋敷を去ったことには、伯爵家を根底から覆す驚愕の仕掛けが隠されていた。
文字数 77,333
最終更新日 2026.09.18
登録日 2026.09.18
王太子妃に選ばれるのは公爵令嬢であるエステルのはずだった。結果のわかっている出来レースの王太子妃選。けれど結果はまさかの敗北。
父からは勘当され、エステルは家を飛び出した。頼ったのは屋敷を出入りする商人のクレト・ロエラだった。
無一文のエステルはクレトの勧めるままに彼の邸で暮らし始める。それまでほとんど外に出たことのなかったエステルが初めて目にする外の世界。クレトのもとで仕事をしながら過ごすうち、恩人だった彼のことが次第に気になりはじめて……。
純真な公爵令嬢と、ある秘密を持つ商人との恋愛譚。
文字数 128,256
最終更新日 2023.03.04
登録日 2023.01.07
十歳の頃から八年間、一途に愛してきた婚約者ジュリアン。
十八歳になった伯爵令嬢リゼットは、ようやく彼と結ばれる日が近づいたのだと信じていた。
――二人の婚姻日が発表されるはずだった、その夜までは。
大勢の貴族が見守る祝宴の席で、ジュリアンは突然リゼットとの婚約破棄を宣言する。その隣には、社交界の華と呼ばれる美しい侯爵令嬢の姿があった。
婚約者を失い、家に戻っても自分の居場所を見つけられないリゼット。
そんな彼女に手を差し伸べたのは、《北境の狼》と恐れられる辺境伯ディートリヒ・ローゼンハルトだった。
「君はいつも、自分のことを後回しにするんだな」
不器用ながらも自分を大切にしてくれるディートリヒと過ごすうち、傷ついたリゼットの心は少しずつ癒やされていく。
一方、リゼットを捨てたジュリアンは、彼女がいなくなって初めて気づき始める。
八年間、自分がどれほど彼女に支えられていたのかを――。
これは、誰からも一番に選ばれなかった令嬢が、自分自身の幸せを選べるようになるまでの物語。
文字数 111,630
最終更新日 2026.09.26
登録日 2026.09.02
現実世界をモチーフにした乙女ゲームの悪役令嬢に転生。けど、現実世界だからこそ悪役令嬢のスローライフにはいろいろと苦労があって、NAISEIするにも日本近代史と現代経済史とグローバル経済が主人公に襲いかかる。
頑張れ悪役令嬢!負けるな悪役令嬢!!ちょっと太平洋戦争に負けたり、バブルが崩壊したり、フィナンシャルクライシスが襲いかかるけど、ちゃんとスローライフを送るために主人公とイケメンを放置して歴史改ざんとマネーウォーズに身を投じる悪役令嬢桂華院瑠奈の奮闘記。
登録日 2018.06.24
働きすぎで死んだ会社員・遠野修司は、異世界で“無能扱い”の第三王子レオンとして目を覚ます。
だが王宮で見限られた彼に押しつけられたのは、赤字と腐敗に沈む北方のフェルド領だった。
そこで出会ったのは、王都では“悪女”と噂され、婚約破棄寸前まで追い詰められた辺境伯令嬢フィアナ。
けれど実際の彼女は、荒れた領地を一人で支えてきた有能な実務家だった。
帳簿は壊れ、流通は止まり、役人は腐り、領民は王家も貴族も信じていない。
目立たず生きるつもりだったレオンは、それでも真面目な人間が踏みにじられる光景を見過ごせず、フィアナと手を組んで再建へ乗り出す。
これは、無能王子と悪女扱いされた令嬢が、辺境から少しずつ領地と人の信頼を取り戻していく、再建ファンタジー。
文字数 397,959
最終更新日 2026.10.12
登録日 2026.04.26
赤井です。
なんだかんだで『RBFC・チームみりおた・KKFAの井戸端会議「大和を沖縄に連れてって!」企画』は続いています。
「RBFC《レッドバロンファンクラブ》」、「チームみりおた」、「KKFA《艦これファンアソシエーション》京都支部」に混獲の企画のクライアントの「K氏」も加わって、同人小説の出版を目標に読者のみなさんが集まって、自由に「お題」について考え、調べ、語りつくす「場」です。
私はこの「場」の提供と、オブザーバーとして参加させてもらっています。
今迄は、RBFC管理人の「けんたくん」さんが「P」の方で運営してくれてたんですけど、文字数制限があるので、今回の「大和を沖縄に連れてって!」という昭和20年4月7日に「戦艦大和」達10艦を沖縄に連れて行く軍事シミュレーションです。
前提は「北号作戦」成功の奇跡が現在の「佐世保」と昭和20年2月以降の「佐世保」がタイムゲートで繋がり(※まあ、ここは「オカルト」ネタじゃないので詳しく書き込むのは遠慮しておきますが(笑)!)、現在(令和8年9月時点)の自衛隊装備を大戦時に持ちこんで、米英連合軍と戦い「菊水一号作戦」を完遂させるのが「第1章」のゴールです。
ルールは、「(いわゆる)お花畑系IF作品」のように、無茶苦茶な設定(※「日本軍」だけが21世紀の武器を使えるってだけで十分「お花畑」ですが( ̄▽ ̄;))は無しで、技術的に可能な改造だけが条件です。
という事で「波動砲」はNG(笑)!((´∀`))ケラケラ
まあ、私が「四の五の」言うより、「参戦メンバー」に後はお任せしてますのでお時間のある方は、この先の「硫黄島・サイパン島奪還編」、「グアム・ハワイ占領編」、「アメリカ本土攻撃・日米講和編」から「対ソビエト連邦・中華民国「第三次世界大戦」編」まで、一緒に作り上げていきましょう!!
では、ゆるーくお付き合いください!(((o(*゚▽゚*)o)))
あー、今回も「大破」イラスト(笑)とか出てくるかもしれないので一応「R18」にしておきますね(笑)。
RBFC女子部も皆さんも「イラスト大会」等の企画をやってますので、良かったら参戦してくださいね!
一般読者の方の御意見は「teammiritari@gmail.com」で募集していますので、よーろーひーこー!
(⋈◍>◡<◍)。✧💖
文字数 73,058
最終更新日 2026.10.12
登録日 2026.10.12
「あなたにだけは、嘘をつかないと決めていたのに」
五年前、戦時中の慰問の手紙をきっかけに始まった、名前も顔も知らない相手との文通。
互いの名前を明かさないという約束のまま、手紙は教会を通して、今も届き続けている。
伯爵令嬢リゼット・フォンテーヌは、父の死と身に覚えのない借金で家を失った。
幼い弟の学費のために選んだ仕事は、北の辺境を治めるグレイヴァルト辺境伯家の「代筆係」。
雇い主のヴィクトルは、戦の英雄にして「氷の辺境伯」と恐れられる人。無口で、笑わず、屋敷の中でも黒い手袋を外さない。これまでの代筆係は、ひと月ともたずに逃げ帰ったという。
「言った通りに書け」と言う雇い主と、「おっしゃりたいのは、こういうことですよね」と書き直す代筆係。
ぶつかりながらも、少しずつ距離が縮まっていく昼間の屋敷。
そして夜、リゼットは丸くくだけた字で、手紙の中の「あの人」にだけ本音を打ち明ける。
――新しい雇い主の方が、少し怖いです。
けれど、彼女はまだ知らない。
その手紙が届いている先が、中庭をはさんだ向かいの執務室だということを。
戦で右手を痛めた辺境伯が、左手で不器用な返事を書いているということを。
屋敷では端正な公文書の字を書き、手紙ではくだけた癖字を書く令嬢。
人前では手袋で傷を隠し、手紙の中でだけ優しくなれる辺境伯。
毎日顔を合わせているのに、互いの「もうひとつの顔」に気づかない二人の、手紙と現実が交差する二重の恋。
読者だけが知っている秘密に、どうか何度でもじれったくなってください。
すれ違い、気づき、それでも最後に届く一通の手紙まで。
中庭ひとつ分の距離を、ひと月かけて届く恋の物語。
文字数 14,453
最終更新日 2026.10.12
登録日 2026.10.10
「ニリアーナ。悪いが君との婚約は破棄させてもらうよ」
目を見開き驚愕するのは、長く王太子の婚約者だった侯爵令嬢ニリアーナ。
貴族学園に入学するまでは互いに想い合っていたはずだった相手からの手酷い宣告。
彼の傍らには、学園で出会った子爵令嬢が居る。
魅力ある彼女は、大人しく地味なニリアーナよりも彼の隣がよく似合う。
だが、王太子の婚約者としての矜持がある。
反論を口にしようとしたニリアーナより先に、王太子は書状を掲げた。
「婚約破棄は当然国王の許可を得ている。…これは決定事項だ」
ニリアーナには言葉もない。
王命であれば、もう従う他ない。
子爵令嬢が、口角を上げて笑う。
「そして、この子爵令嬢エクノリアを婚約者とする」
王太子は、皆に聞かせるように声を張る。
優しく令嬢の腰を抱いて引き寄せた。
エクノリアの微笑みに、ニリアーナは敗北した。
彼の隣に立つのは己ではなかったのだ。
ニリアーナはそれ以上その場には居られなかった。
夜会の会場を出て、一人で涙した。
ニリアーナは婚約者だった王太子殿下を愛していた。
エクノリアを妾に希望されたらばそれを受け入れる覚悟もしていた程に。
しかし、ニリアーナの絶望は婚約破棄だけでは終わらなかった。
※エロあり
※『悪女』を『悪魔』に変更(12/21)
文字数 17,041
最終更新日 2023.01.03
登録日 2022.12.20