「嘘」の検索結果
全体で3,024件見つかりました。
スカーレットの婚約者ラルフは、「病弱な幼馴染ヴィオラ」を理由に、何度も約束を反故にしていた。けれど「今にも死にそうな女性に対し、あまりに冷たい」と責められれば、何も言い返せない。そうして一年、スカーレットの我慢は限界に達していた。
しかしヴィオラ本人に会ってみると、実は彼女は礼儀正しい常識人で、想い合う恋人までいたのだ。
だとしたら、嘘をついているのは――
※小説家になろうにも投稿しています。
文字数 4,410
最終更新日 2026.04.14
登録日 2026.04.14
社交界で“悪女”と呼ばれ、無実の罪で断罪された公爵令嬢リディア。
処刑の刃が落ちた瞬間、彼女は断罪される半年前の朝に時を遡っていた。
「二度目も殺されるなんて御免だわ。私は、何もできない無能な令嬢になって生き延びる!」
有能さが仇になったと悟ったリディアは、プライドも実績も捨てて「無能」を装い、北の辺境・白夜領へ引きこもる計画を立てる。
これで平和なスローライフが送れる……はずだった。
けれど、幼い頃から仕える専属執事・レージだけは誤魔化せない。
彼はリディアの嘘を最初から見抜いているくせに、涼しい顔で「無能な主人」を完璧に演じさせてくれないのだ。
「黙っててと言いましたよね?」
「ええ。ですから黙って、あなたが快適に過ごせるよう裏ですべて処理しておきました」
過保護すぎる執事に管理され、逃げ道を塞がれながらも、リディアは持ち前の正義感で領地の危機を次々と救ってしまう。
隠したいのに、有能さがダダ漏れ。
そうこうするうちに王都からは聖女と王太子の魔の手が迫り――?
「守られるだけはもう終わり。……レージ、私に力を貸しなさい」
これは、一度死んだ令嬢が「言葉」と「誇り」を取り戻し、過保護な執事の手を振りほどいて、対等なパートナーとして共に幸せを掴み取るまでの物語。
文字数 73,066
最終更新日 2026.02.24
登録日 2026.02.20
「やっと自由か……」
とある街の片隅で、新しい名前を手に入れたクラリスは代筆屋を始めた。
代筆屋とは文字通り、識字率の非常に低い世界で代理に書類を整えたり、外国の人々が母国語ではない書類を作ってしまいで不利益を被るのを防ぐ為の仕事である。
クラリスが、元は貴族令嬢だった事を知るのは店を出す世話をした領主と古い常連客くらい。
この世界で絶対スキルと呼ばれるレアスキルを持つクラリスは、習った事もない言語を操るだけでなく、書かれた文字の奥にある真実と嘘を見抜く力が合った。
代筆屋を営む中でクラリスが手紙や書類の奥に潜む秘密に触れていく事で、40年前に消えた『エメライア姫』に纏わる謎が明らかになっていく。
それは王家と神殿に罪として突きつけられ、一方で、クラウディアを捨てた元の家族は現実に直面する事となる。
なろうさんでも掲載してます。
注意として一部残酷な場面があります。法整備が整っていないので、割とグレーゾーンが出てきます。
なお、忘れっぽいので不定期です。
文字数 13,115
最終更新日 2026.04.19
登録日 2026.04.18
婚約者のキリアン様が大好きなディアナ。ある日偶然キリアン様の本音を聞いてしまう。流れは一気に婚約解消に向かっていくのだけど・・・迷うディアナはどうする?
ありふれた婚約解消の数日間を切り取った可愛い恋のお話です。
小説家になろう様にも投稿しています。
文字数 8,786
最終更新日 2023.03.17
登録日 2023.03.17
東京、神保町の片隅にある雑居ビル。
その地下に、看板のない奇妙な事務所がある。『デジタル・アーカイブス社』。
主な業務は、亡くなった人のパソコンやスマートフォンのパスワード解除、そしてデータの「整理」だ。
元ホテルコンシェルジュの新人・石川彩が働くこの場所には、今日も「誰にも言えない秘密」を抱えた依頼人が訪れる。
出迎えるのは、ボサボサの無精髭にパーカー姿、しかし天才的なプロファイリング能力を持つ所長・阿部邦彦。
「死人に口なし、データは嘘をつかない」
そう言い放つ彼は、残されたデバイスから、故人の本当の想いを次々と暴いていく。
これは、デジタルデータに残された「愛」と「真実」を探す物語。
文字数 255,580
最終更新日 2026.04.19
登録日 2026.01.15
「お前が好きだ。この俺と付き合ってくれないか?」
学園のアイドル、マルスからの突然の告白。
憧れの人からの言葉に喜んだのも束の間、伯爵令嬢リーンベイルは偶然知ってしまう。それが退屈しのぎの「嘘の告白(ウソコク)」だったことを。
「あの地味顔令嬢が俺に釣り合うわけないだろ。ドッキリのプラカードでも用意しとくわ」
親友のミネルバと共に怒りに震える彼女は、復讐を決意する。まずは父の言いつけで隠していた「絶世の美貌」を解禁! 嘘の恋を「真実の恋(マジコク)」に変えさせ、最高のタイミングで彼を地獄へ突き落とす――。
「……今さら本気になった? 冗談はやめてください、これドッキリですよ?」
文字数 11,482
最終更新日 2026.01.07
登録日 2026.01.05
米軍特殊部隊所属の俺はとある作戦中に命を落とす。
そんな俺は女神さまの手によってモンスターとの死闘が日夜、繰り広げられる少しスリリングな別世界に転生される事となった。
イケメンで! との願いは少し特殊な形で叶い、モテモテの人生という言葉に嘘はなかったのだが、モテるモンスター蔓延る世界ではゴリ男と前世で呼ばれていた俺のような強い男がモテた。
それは女性に対してもそうで、岩のようなゴツゴツとした悪人顔が美とされ、脂肪の少ない筋肉質な体がスタイルのいい体とされた。
そんな世界で小柄でほっそりとした巨乳の女性なんかは、弱そう、や脂肪でブヨブヨ、などと非常にウケが悪く、小顔のつるっとした美少女顔など酷い時にはブスとまで言われるような世界だった。
そんな世界でエロい目で見てくるイケメン(その世界基準)の俺の存在がどう見えるのかなど俺がどう見られるかなど分かりきったことだ。
ちょっと……、いやかなり愛が重く育ってしまった姉や妹、幼馴染などに囲まれながら始まる命と貞操のダブル死守人生である。
文字数 44,560
最終更新日 2026.04.19
登録日 2026.04.15
ヘンリエッタは学園の卒業を半年後に控えたある日、縁談を打診される。
それは王国の第二王子殿下からの勧めであるらしく、文には王家の金色の封蝋が見えていた。
そんな事ってあるだろうか。ヘンリエッタは第二王子殿下が無理にこの婚約を推し進めるのであれば、一層修道院にでも駆け込んで、決して言うがままにはされるまいと思った。
それもその筈、婚約話しの相手とは元の婚約者であった。
元婚約者のハロルドとは、彼が他に愛を移した事から婚約を解消した過去がある。
あれ以来、ヘンリエッタはひと粒の涙も零す事が無くなった。涙は既に枯れてしまった。
❇短編から長編へ変更致しました。
❇後半よりR18となります。苦手な方はバックして下さい。
❇登場人物のお名前が他作品とダダ被りしておりますが、皆様別人でございます。
❇相変わらずの100%妄想の産物です。史実とは異なっております。
❇外道要素を含みます。苦手な方はお逃げ下さい。
❇妄想遠泳の果てに波打ち際に打ち上げられた妄想スイマーによる寝物語です。
疲れたお心とお身体を妄想で癒やして頂けますと泳ぎ甲斐があります。
❇座右の銘は「知らないことは書けない」「嘘をつくなら最後まで」。
❇例の如く、鬼の誤字脱字を修復すべく公開後から激しい微修正が入ります。
「間を置いて二度美味しい」とご笑覧下さい。
文字数 175,355
最終更新日 2024.11.16
登録日 2024.10.21
ヒルデガルドは思った。
今の自分は、ヒルデガルド・へスティング・ラドモンド。多分。
多分というのは、つい数刻前、夜が明ける前までは、別の名であったから。
一番新しい記憶では、ヒルデガルド・ウォール・ロングフォール。ロングフォール侯爵夫人と呼ばれていた。
ヒルデガルドは夕べまで、正確には三日前まで夫だった男性を思い浮かべた。
クリスフォード・ウォール・ロングフォール。三日前まで、ロングフォール侯爵家当主だった。
享年四十一歳。
昨日は、夫の弔いの日だった。
ヒルデガルドはどうやら、夫の葬儀を終えたその夜に、自分もまた命を終えたらしい。
命の幕を閉じる直前に、ヒルデガルドは神に祈った。
ヒルデガルドには後悔があった。
「後悔することが二つございますの。まず一つは、夫の妻になったことです。あの方それで、愛する女性を長いこと妾にするしかなかったのです。ですから、ダメ元でお願いしてみたいのですけど、」
「死に戻っても良いかしら」
果たして神は、ヒルデガルドの願いを叶えた。
❇こちらの作品は、他サイトへ別名義にて公開しております。
❇鬼の誤字脱字を修復すべく公開後に激しい修正が入ります。
「間を置いて二度美味しい」とご笑覧下さいませ。
❇登場人物のお名前が他作品とダダ被りする場合がございます。皆様別人でございます。
❇100%妄想の産物です。妄想なので史実とは異なっております。
❇妄想遠泳の果てに波打ち際に打ち上げられた妄想スイマーによる寝物語です。
疲れたお心とお身体を妄想で癒やして頂けますと泳ぎ甲斐があります。
❇座右の銘は「知らないことは書けない」「嘘をつくなら最後まで」
文字数 100,418
最終更新日 2025.08.31
登録日 2025.08.11
ギルドの受付嬢アイラは、冒険者たちから「鉄の女」と呼ばれ、畏怖されている。
絶世の美貌を持ちながら、常に無表情。そして何より、彼女は窓口から一歩も動かない。
彼女の前世は、某大手企業のコールセンター勤務。
営業成績トップを走り抜け、最後には「地獄のクレーム処理専門部署」で数多の暴言を鎮めてきた、対話術の怪物。
「次の方、どうぞ。……ご相談ですか?(クローズド・クエスチョン)」
転生した彼女に備わったのは、声の「真偽」が色で見える地味な能力。
だが、彼女の真の武器は能力ではなく、前世で培った「声のトーン操作」と「心理誘導」だった。
ある日、窓口に現れたのは「相棒が死んだ」と弔慰金をせしめようとする嘘つきな冒険者。
周囲が同情し、ギルドマスターさえ騙されかける中、アイラは座ったまま、静かにペンを走らせる。
「……五秒だけ、沈黙を差し上げます。その間に、嘘を塗り直すおつもりですか?」
戦略的沈黙、オウム返し、そして逃げ場を塞ぐイエス・セット。
現代のコールセンター術を叩きつけられた犯人は、自らその罪を吐き散らし、崩れ落ちる。
「あー、疲れた。一五分も残業しちゃった。……マスター、残業代三倍でお願いしますね」
これは、一歩も動きたくない受付嬢が、口先だけで悪を断罪し、定時退勤を目指す物語。
文字数 161,542
最終更新日 2026.04.18
登録日 2026.02.17
21.05.23完結
ーー
「ごめんなさい、姉が私の帰りを待っていますのでーー」
差し伸べられた手をするりとかわす。
これが、公爵家令嬢リトアの婚約者『でも』あるカストリアの決まり文句である。
決まり文句、というだけで、その言葉には嘘偽りはない。
彼の最愛の姉であるイデアは本当に彼の帰りを待っているし、婚約者の一人でもあるリトアとの甘い時間を終わらせたくないのも本当である。
だが、本当であるからこそ、余計にタチが悪い。
地位も名誉も権力も。
武力も知力も財力も。
全て、とは言わないにしろ、そのほとんどを所有しているこの男のことが。
月並みに好きな自分が、ただただみっともない。
けれど、それでも。
一緒にいられるならば。
婚約者という、その他大勢とは違う立場にいられるならば。
それだけで良かった。
少なくとも、その時は。
文字数 69,570
最終更新日 2021.05.23
登録日 2021.03.23
文字数 8,367
最終更新日 2020.08.02
登録日 2020.07.31
私の村には精霊の愛し子がいた、私にも精霊使いとしての才能があったのに誰も信じてくれなかった。愛し子についている精霊王さえも。真実を述べたのに信じてもらえず嘘つきと呼ばれた少女が幸せになるまでの物語。
文字数 5,688
最終更新日 2022.09.13
登録日 2022.09.13
アウローラはスタンリー伯爵家の嫡女である。二人姉妹の姉であり、将来の伯爵家当主として後継教育を受けていた。
学園から戻ったその日、アウローラは当主である母に呼ばれる。
急ぎ向かった母の執務室で聞かされたのは、アウローラの婚姻についてであった。
後継である筈のアウローラが嫁ぐ事となった。そうして家は妹のミネットが継ぎ、その伴侶にはアウローラの婚約者であったトーマスが定められた。
ミネットとトーマスは、予てより相愛の関係にある。
一方、「望まれた婚姻」として新たに婚約を結んだのは、アウローラも噂で知る人物であった。
❇後半〜番外編R18となります。ご不安な方は、気配を感じられましたら即バックor飛ばしてお読み下さい。
❇例の如く、鬼の誤字脱字を修復すべく公開後にこっそりしれっと激しい微修正が入ります。
「間を置いて二度美味しい」とご笑覧下さい。
❇登場人物のお名前が他作品とダダ被りしておりますが、皆様別人でございます。
❇相変わらずの100%妄想の産物です。妄想なので史実とは異なっております。
❇妄想遠泳の果てに波打ち際に打ち上げられた妄想スイマーによる寝物語です。
疲れたお心とお身体を妄想で癒やして頂けますと泳ぎ甲斐があります。
❇座右の銘は「知らないことは書けない」「嘘をつくなら最後まで」
文字数 140,302
最終更新日 2024.12.27
登録日 2024.12.07
【短編】
公爵家の一人娘、アメリアはある日誘拐された。
「アメリア様、ご無事ですか!」
真面目で堅物な騎士フィンに助けられ、アメリアは彼に恋をした。
助けたお礼として『結婚』することになった二人。フィンにとっては公爵家の爵位目当ての愛のない結婚だったはずだが……真面目で誠実な彼は、アメリアと不器用ながらも徐々に距離を縮めていく。
穏やかで幸せな結婚ができると思っていたのに、フィンの前の彼女が現れて『あの人の子どもがいます』と言ってきた。嘘だと思いきや、その子は本当に彼そっくりで……
あの堅物婚約者に、まさか子どもがいるなんて。人は見かけによらないらしい。
★アメリアとフィンは結婚するのか、しないのか……二人の恋の行方をお楽しみください。
文字数 19,491
最終更新日 2023.12.16
登録日 2023.12.12
高校二年の春。
凪沢ひなは、教室に入ってきた転校生・朝霧律をひと目見た瞬間、恋に落ちた。
けれどその想いは、胸の内にしまっておけなかった。
律には、人の感情が“波長”として見えてしまう、ふしぎな力があったからだ。
嬉しさは淡い金色、戸惑いは細かな震え、嘘は濁った灰色。
そして恋心は、隠そうとしても隠しきれない、まぶしい熱を帯びた光になる。
「……いまの、君のだったんだ」
出会ってすぐに、好きだと知られてしまった主人公。
気まずいのに、恥ずかしいのに、それでも目が離せない転校生。
人の本音が見えてしまう少年と、まっすぐすぎる恋をしてしまった少女が出会う、
少しふしぎで、痛いほど眩しい青春恋愛物語。
文字数 42,125
最終更新日 2026.04.19
登録日 2026.04.18
義姉は王家とこの国に殺された。
冤罪に末に毒杯だ。公爵令嬢である義姉上に対してこの仕打ち。笑顔の王太子夫妻が憎い。嘘の供述をした連中を許さない。我が子可愛さに隠蔽した国王。実の娘を信じなかった義父。
全ての復讐を終えたミゲルは義姉の墓前で報告をした直後に世界が歪む。目を覚ますとそこには亡くなった義姉の姿があった。過去に巻き戻った事を知ったミゲルは今度こそ義姉を守るために行動する。
巻き戻った世界は同じようで違う。その違いは吉とでるか凶とでるか……。
文字数 138,747
最終更新日 2023.06.22
登録日 2023.04.06
『虚飾の晩餐会』
静かに、光は落ちる
誰もが見上げるその場所へ
拍手は嘘を祝福し
真実は影に沈んだ
磨かれた言葉で
価値は塗り替えられ
誰かの人生は
一枚の札に変わる
それでも
ひび割れた光は知っている
触れた指の震えを
見抜かれたくない者ほど
強く輝こうとすることを
——その美しさは
あまりにも、空虚だ
やがて夜が満ちる
選ばれし者たちの晩餐
金と虚栄と、欲望の匂い
掲げられるひと粒の青
それは涙か、あるいは嘘か
誰も気づかない
その中に
仕込まれているものを
光が当たる
ただ、それだけでいい
隠された文字が浮かび上がり
崩れるのは宝石ではなく
築き上げられた“信仰”
歓声は凍りつき
価値は音を立てて死ぬ
そのとき初めて
世界は知る
本物は、語らない
ただ、暴くだけだと
——そして
すべてを失った男は
何ひとつ奪わずに
すべてを取り戻す
夜の底で、静かに
光は、元の場所へ還る
文字数 24,374
最終更新日 2026.04.16
登録日 2026.04.08
憧れの先輩エリック・ド・モンフォールに絶賛片思い中のエチカ・ロアンは、先輩の卒業式の日に最後の告白をすると決めて眠りについたのだが……
翌朝、目が覚めたら――そこは五年後の世界だった!
困惑するエチカに告げられたのは、自分が憧れの先輩エリックと結婚しているという事実。
理解が追いつかない彼女をよそに、エリックはまるで夢のように甘く優しく溺愛してくる。
だが、彼の微笑みの奥には、言葉にできない違和感があってーー!?
思い出せない五年間。
変わってしまった環境。
そして、完璧すぎる先輩の愛情。
幸せなはずなのに、胸の奥に小さなざわめきが残り続けーーやがてエチカは、先輩の優しさの裏に隠された“真実”へと近づいていく。
文字数 104,975
最終更新日 2026.04.17
登録日 2026.03.19
『長女だからと介護を押し付けられ会社を辞めた私、
父の葬式の翌日に追い出されたので――
特約付き贈与契約と不当利得返還請求で兄夫婦を破産させます』
― 詩 ―
長女だから、と
何度言われただろう。
その言葉は
鎖のように
静かに私の人生を縛った。
会社を辞めた日、
誰も「ありがとう」とは言わなかった。
夜中の三時、
父の呼吸を確かめながら
私は天井を見ていた。
人生は、
こんなふうに
すり減っていくものなのだと。
兄は言った。
「家族なんだから」
兄嫁は笑った。
「独身なんだから」
その言葉が
刃のように胸に刺さっても
私は黙っていた。
だって私は
長女だったから。
けれど
父の葬式の翌日。
玄関の前で
言われた言葉は
それでも、あまりに軽かった。
「もう用済みだから」
雨が降っていた。
三年分の時間が
アスファルトに溶けていく。
私は思った。
ああ、そうか。
家族って
こういうものだったのか。
だから私は
ポケットから
一枚の紙を取り出した。
それは
感情ではなく
涙でもなく
法律だった。
契約は嘘をつかない。
証拠は裏切らない。
そして制度は
静かに
すべてを計算する。
長女だから。
その言葉で
奪われた時間は戻らない。
けれど
その言葉で
踏みつけられた人生を
取り返す方法なら
知っている。
雨はやがて止む。
そして
私の名前で
新しい扉が
静かに登記される。
今度はもう
誰のためでもない。
これは
私の人生だ。
ようやく
そう言える
朝が来る。
文字数 21,676
最終更新日 2026.03.17
登録日 2026.03.17
