「見」の検索結果
全体で61,059件見つかりました。
「もういいわ」
次期王太子妃である私の冷たく吐いた言葉に、周囲の文官たちは言葉を失う。
私の怒りを皆が悟ったのだろう。
なのに言葉をかけた当人––––王太子のキースは気付く素振りもない。
「彼女に会いに行って、いいのか?」
「気にせず行ってください」
告げた言葉に、部屋にいた文官や王城使用人の顔が凍ったのが分かった。
傍に控える騎士も、思わず互いの顔を見合わせている。
皆、分かっている。
怒鳴られる方がマシだ、泣かれる方が救いがある。
『もういい』に込められた意味は、諦めだということに。
「……アイシャ、本当にいいのか?」
キースの足は、もう出口を向いている。
私ではなく、別の女性に会いにいくために……
「えぇ、どうぞ……好きになさってください」
「……すまない。次は埋め合わせをする!」
出て行くキースの背に、そっと告げる。
「もう、次なんてないわよ」
その言葉は、走りゆく王太子に届くことはなかった。
私は覚悟を固める。
半生をかけて支え続けてきた、彼のために尽力してきた。
その努力が軽んじられるのならば。
もう……この座に居る必要はないと。
文字数 36,951
最終更新日 2026.08.21
登録日 2026.08.09
憧れたのは、彼ではなく、彼の恋でした。
『エーデルを見習え』 『エーデルなら、そうはしない』
憧れの人との縁談に胸を躍らせた令嬢ミュゼット。 しかし彼が想い続けていたのは、初恋の令嬢エーデルだった。
比べられ、理想を押し付けられ、それでも彼を想い続けたミュゼットは、自分を失い、やがて気づく。
――もう、誰かの理想を演じる必要はない。
文字数 148,779
最終更新日 2026.08.21
登録日 2026.07.29
「ミレイユは本当に素晴らしい女性だ」
旦那様がそう褒める聖女様。
けれど私は知っている。
彼女が周囲から称賛されているもののほとんどは、私が何年もかけて築き上げてきたものだということを。
領民からの信頼も。
孤児院も。
商人たちとの繋がりも。
気付けば、すべて聖女様の功績になっていた。
それでも私は何も言わなかった。
旦那様や領民たちが幸せなら、それでいいと思っていたから。
けれどある日、旦那様は私に言った。
「君も、少しはミレイユを見習ったらどうだ?」
その瞬間、私は決めた。
「では、私はもう必要ありませんね」
公爵夫人としてのすべてを手放し、私は屋敷を出る。
――そして、私がいなくなった公爵家は少しずつ変わり始めた。
当然だ。だって、聖女サマは何も出来ないのだから。
「……どうして、こんなことに?」
ようやく旦那様が私の存在の大きさに気付いたときには、もう遅い。
「戻ってきてくれ……!!君が必要なんだ…!! リディア…!!」
「申し訳ありません、旦那様」
私は微笑んで首を横に振る。
だって私はもう、あなたに愛されることを望んでいないのだから。
文字数 28,442
最終更新日 2026.08.21
登録日 2026.08.20
マリアンヌ・フォン・ヴァルディアは、侯爵令嬢である。侯爵家の一人娘として生まれ、何不自由なく育てられた――そう、誰もが思っていた。
けれど、実際のマリアンヌの幼少期は、ひどく寂しいものだった。
「お母様は?」
幼いマリアンヌがそう尋ねるたび、侍女たちは困ったように笑った。
「奥様は、第二王女殿下のお世話をなさっています」
それが答えだった。
マリアンヌの母、侯爵夫人エレオノーラは、第二王女の乳母を務めていた。
自分を見てくれることもなく、誰よりも王女を優先させる母親のことを、マリアンヌは静かに切り捨てていく。
文字数 5,092
最終更新日 2026.08.18
登録日 2026.08.18
言葉にするならズタボロの姿で学園から追い出されて帰宅した兄を見た瞬間、全てを唐突に思いだした。
魅了スキルなんてものを使うヒロインに利用されたらしい様変わりしている兄。
ヒロインこと聖女に危害を加えた罪で学園を退学、貧乏男爵家である我が家にも厳しい処分が言い渡されることに。
前世の記憶が戻ったからこそ余りに理不尽な状況に憤る主人公。
原作?そんな事は知ったことか。
原作知識チートと固有スキルを使って快適スローライフの為に動き出す。
※急遽、一部キャラクターの名前を変更しました。読み辛くして申し訳ありません。
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文字数 193,156
最終更新日 2026.08.21
登録日 2026.07.05
公爵令嬢のサリーは、王太子でもあるジョージの命を守るため、激痛に耐えながら4年もの間、魔力を提供し続けてきた。長年魔力を提供し続けていたせいで、彼女の肌や髪はボロボロ、顔色は悪く、ガリガリに痩せてしまっていた。
それでもずっと家族から疎まれてきたサリーにとって、ジョージやその母でもある王妃殿下こそが、唯一自分を支えてくれる大切な人だったのだ。
だからこそ、辛い魔力提供も喜んで引き受けた。そしてその見返りに、ジョージの16歳の誕生日に、正式に婚約者になる事も決まっていた。
これからはジョージと幸せになれる、そう思っていたサリーだったが、ジョージの誕生日に告げられたのは、他の令嬢と結婚したいというジョージからの非道な言葉だった。
唯一の支えだったジョージからの言葉にショックを受けるサリーだったが、それでもジョージの幸せの為に身を引く事を決意した。
だが父はサリーの決断に激怒、ついにサリーを手にかけようとして…
ずっと自分を犠牲にしてきた少女サリーが、本当の幸せを掴むまでのお話です。
ご都合主義全開のお話ですが、お願いいたしますm(__)m
他サイトでも同時投稿しております
文字数 91,281
最終更新日 2026.08.21
登録日 2026.08.02
十五歳の双子の姉妹であるルナとリアは、神殿で属性判定を受けることになる。
そこで妹のリアは、滅多に現れない光属性を持つ聖女候補に。
一方、姉のルナには何の属性もないことが判明した。
妹ばかりを気にかける両親。それだけならまだよかったが、ルナは自分が修道院に入れられる予定だと知ってしまう。
——だったら、その前に家を出よう。
前世で管理栄養士を目指していた記憶を持つルナは、侍女のミアたちとともに旅に出る。
料理を作ったり、身近な食材の意外な使い道を見つけたり。
時には前世の食と栄養の知識で人を助けながら、ルナは自分らしく自由に生きる道を探していく。
文字数 64,925
最終更新日 2026.08.21
登録日 2026.08.19
「言っておくが、俺が君を愛することは一切ない。君に求めるのは、公爵夫人という名分だけだ」
真冬の湖面のように冷ややかな宣告。
彼は私を見下ろし、畳みかけるように不干渉の条件を突きつけてきた。
「俺は社交界で擦り寄ってくる女という生き物が心底嫌いでな。家柄を振りかざし、愛を乞い、俺の私生活や公務に土足で踏み込んでくる愚か者どもには虫唾が走る。君を妻として迎えるが、俺に愛情を一切求めるな。俺の私生活にも踏み込むな。俺の領分を侵さぬ限り、衣食住の保障とハーヴィ伯爵家の負債完済を約束する。……不服か?」
(えっ……? 『愛することはない』……? 『私生活に踏み込むな』……? ちょっと待って、実家の莫大な借金を全部払ってくれた上に、夫の機嫌取りや煩わしい社交も一切しなくていいということかしら……!?)
これまでは数銅貨のために早朝から泥にまみれ、市場で泥臭く生き抜いてきた。そんな苦労に比べれば、夫からの放置など願ったり叶ったりの天国のような条件だった。
(……実家は救われ、何不自由ない暮らしが保障され、私は誰にも邪魔されずにハーブを育てて過ごせる。……神様、これはご褒美ですか!?)
文字数 38,581
最終更新日 2026.08.20
登録日 2026.08.20
「私は、亡くなった妻以外を愛する気はない」
婚約者だった第一王子は、想い人の侍女と駆け落ちした。
残された侯爵令嬢リリーに新たな縁談として与えられたのは、亡き妻を今なお愛し続ける英雄・辺境伯ヴィンセント。
「君を愛することはない」
そう言い切る夫に、リリーは静かに微笑んで頷いた。
彼女にもまた、胸の奥にしまい続ける”忘れられない人”がいたから。
互いに愛する人を忘れられないまま始まった、冷え切った政略結婚。
しかし、使用人や領民から慕われるリリーの優しさに触れるうち、ヴィンセントの凍てついた心は少しずつ変わり始める。
だが、その矢先。
ヴィンセントは、リリーが一人の男と親しげに語り合う姿を目撃してしまう。
「あの男は何だ」
「私の初恋の人です。……今も、その人だけを想っています」
激しく動揺し、彼女を責めるヴィンセント。
そんな夫を見つめ、リリーは不思議そうに首を傾げた。
「旦那様だって、奥様以外は愛する気はないと仰っていたじゃないですか」
亡き妻だけを愛すると誓った男と、叶わない初恋を胸にしまい続ける女。
叶わないであろう恋に身を焦がす、すれ違い夫婦の物語。
____
毎日7:30、21時に投稿します。
文字数 162,168
最終更新日 2026.08.20
登録日 2026.08.04
結婚して五年、アメリアが夫オズワルドと交わした会話は、用件だけだった。
「妻は、よくできた調度のようでいてくれればいい」と言われた契約結婚。それでも五年、家政も、社交も、領地の調停も、夫の妹の支度も、アメリアは全部きちんと回してきた。契約とは、果たすものだから。
満了の三十日前の朝、夫は手紙の束から顔も上げずに言った。「更新の書類、いつものように任せていいか」
「更新は、いたしません」
その日から、伯爵家の何かが毎日ひとつずつ止まっていく。夫が五年間、見ようともしなかったものの形に沿って。
隣領の伯爵レナードだけが、満了の「その後」の話をしたがっている。
あと三十日。アメリアは指折り数えて、満了の日を楽しみに待っている。
文字数 73,101
最終更新日 2026.08.21
登録日 2026.08.05
「アデライド・ヴェルネ。お前との婚約を破棄する」
承知いたしました。ただし、契約書の第七条をご確認ください。
――王都の水は、すべてわたくしの領地から流れております。
建国記念の夜会。三百人の前で、王太子殿下はそう仰いました。理由は「お前には心がない。書類しか見ていない」。
そのとおりでございます。わたくしは八歳から、王妃になるためだけに育てられました。七か国語と、二十三の税制と、四百年分の条約史。心の使い方は、教科に含まれておりませんでした。
けれど四百年前、王家はこの地に都を築くにあたって、ヴェルネ家から水を借りております。買ったのではありません。借りたのです。その貸与を十年ごとに更新してきたものが、わたくしと殿下の婚約でございました。
三日で井戸が濁ります。七日で王宮の貯水槽が尽きます。
そして王都が渇きはじめた頃、南の国境から旗を上げた馬車が一台。降りてきたのは「氷の狼」と呼ばれる、隣国ガルデニアの軍務卿でした。懐には、八年前の停戦の朝に十歳のわたくしが地面へ腹ばいで書いた覚書を、一枚。
「あなたを、国ごと買いに来た」
心がないと言われた娘が、契約書一枚で王国を渇かせ、八年ごしの一枚に見つけられるまでの物語です。
※毎日更新。全九十話前後で完結予定です。
文字数 52,595
最終更新日 2026.08.21
登録日 2026.08.15
私のバラ色ではない人生 勝手な姉の身代わり結婚いたします
レンタル有りララシャ・ロアンスラー公爵令嬢は、クロンデール王国の王太子殿下の婚約者だった。
だが、隣国であるピデム王国の第二王子に見初められて、婚約が解消になってしまった。
そして、後任にされたのが妹であるソアリス・ロアンスラーである。
ソアリスは王太子妃になりたくもなければ、王太子妃にも相応しくないと自負していた。
だが、ロアンスラー公爵家としても責任を取らなければならず、
既に高位貴族の令嬢たちは婚約者がいたり、結婚している。
ソアリスは不本意ながらも嫁ぐことになってしまう。
文字数 1,555,056
最終更新日 2026.08.21
登録日 2024.04.16
姉アナスタシアの代わりとして、コンウェイ公爵ダグラスに嫁いだ伯爵令嬢レティシア。
「アナスタシアの劣化版」「無能な代用品」と蔑まれ、西の塔に追いやられる日々。
亡き婚約者を心から愛するダグラスは、彼女が遺した美しい刺繍と、知性溢れる手紙だけを胸に生きていた。
何もできないと言われ続けたレティシアは、ただ静かに役目を終えるはずだった。
そんな彼女の人生を変えたのは、ダグラスの息子・ルシアン。
誰にも懐かなかった聡明な少年は、たった一度の会話でレティシアの本質を見抜き、彼女の傍にいることを選ぶ。
「俺はアンタが来たことで、これからの人生が良いものに変わると思ってる」
蔑まれることに慣れた令嬢と、大人を見下す孤独な天才。
二人が築く絆は、やがて屋敷を、そしてダグラス自身さえも変えていく。
だが、ダグラスが愛してやまないアナスタシアの面影には知らぬ秘密が隠されていて——
文字数 167,338
最終更新日 2026.08.21
登録日 2026.07.01
令嬢エルアナは、ヴィンセントという婚約者がいた。
しかし彼は虚言癖のあるいとこ、リリアンの嘘に騙されてエルアナとの大切な約束を破り続ける。
「すまない、リリアンが風邪を引いたらしくて……」
エルアナが過労で倒れても、彼はリリアンの元へ走り去る始末。
ついに重大な婚約披露パーティまでも欠席した彼に、エルアナは婚約者への見切りをつけた。
「さようなら、ヴィンセント」
縋りつかれてももう遅いのです。
文字数 146,077
最終更新日 2026.08.21
登録日 2026.03.06
「ダニエル様、ようこそおいでくださいました。今、お茶をご用意させますわ」
「いや、いいんだ。今日はヴィオラも一緒に連れてきているからね」
ダニエルが半歩身を引くと、その背後から、同じく十四歳の少女がひょっこりと顔を出した。
亜麻色の髪を可憐に揺らし、大きな瞳を輝かせたヴィオラ・レクスン。
ダニエルの従兄の娘であり、幼い頃から彼を「お兄様」と慕って片時も離れない幼馴染だ。
「ロクサーヌ様、ごきげんよう! お邪魔しちゃってごめんなさい。でも、ダニエルお兄様が『ロクサーヌの顔を見に行く』っておっしゃるから、私、どうしても付いていきたくて!」
ヴィオラは人懐っこい笑みを浮かべ、許可も得ずに東屋へ足を踏み入れると、ロクサーヌの隣の席に滑り込んだ。
その遠慮のなさに、ロクサーヌの頬は引き攣る。
さて、私はいつまで我慢しなければならないのでしょうか?
文字数 31,195
最終更新日 2026.06.17
登録日 2026.06.17
これはとある乙女ゲームに登場する悪役令嬢アセロナ・ヴィルハートの話。婚約者には嫌われ、メイドには面倒くさがられ、父には邪魔者扱いを受け、兄には見下される。どこまでも不遇な『誰からも愛されなかった悪役令嬢』の話。そんなアセロナはある時、思い出す「そうだ。私、悪役令嬢だったわね」前世の記憶というものを。そうして彼女は決意する。原作アセロナと同じにはならないと。家族すらも捨てて完全なる悪に染まると。そしてアセロナは動き出すのだった。
文字数 73,843
最終更新日 2026.08.21
登録日 2026.08.08
――誰か、誰でもいいの。私を愛して。
物心着いた時から、アオリに与えられるもの全てが姉のお下がりだった。それでも良かった。家族はアオリを愛していると信じていたから。
けれど姉のスカーレットがこの国の竜王陛下である、レナードに見初められて全てが変わる。誰も、アオリの名前を呼ぶものがいなくなったのだ。みんな、妹様、とアオリを呼ぶ。孤独に耐えかねたアオリは、隣国へと旅にでることにした。──そこで、自分の本当の運命が待っているとも、知らずに。
※以前投稿していた「竜王陛下の番……の妹様は、隣国で溺愛される」のリメイクです。
文字数 40,055
最終更新日 2026.08.20
登録日 2026.07.19