「仕事」の検索結果
全体で11,470件見つかりました。
藤江嶺二、二十八歳。日本から異世界へ転移して早三年。
老人ばかりの限界集落でスローライフを満喫していた嶺二に言い渡されたのは【三十歳までの子作り義務】というとんでもルール。
義務を果たさなければ王都で二年間働かされるという。
ゲイである自分には到底無理な話だ、と泣き言をこぼすと村長は言った。
「ならΩの男を探せばいい。都会に行けば見つかるじゃろう」
「おめが?」
男でも妊娠できるというΩの男に一筋の光を見出し、早速相手を探しに行った嶺二はαだと判明する。
検査をしてくれた診療所の医師ノルは、タイプど真ん中の男だったが「自分はβです」と呆気なくフラグが折れた……はずだった。
α初心者の嶺二に、ノルは医師として第二の性について教えてくれた。フェロモンの影響を受けにくくするため、抑制剤を処方してもらいに、嶺二は診療所に通うことになる。
表情に乏しく冷たい印象のあるノルが時折見せる、優しい先生としての顔や、医師としての姿勢に触れるうち、嶺二は少しずつノル本人に惹かれていく。
早く村に帰りたい。
けれど、この気持ちを抱えたまま、『Ωの男』を探す気にもなれない。次第に、村への想いとノルへの恋心の間で板挟みになっていく。
一方ノルにも、嶺二には言えない秘密があるようで――?
攻め:藤江嶺二(ふじえれいじ)
異世界ではレイ・フジェイという名。日本から異世界に転移し、高齢者ばかりの限界集落でまったり田舎暮らしを満喫していた。元介護士のゲイで高齢者受けする明るく人懐っこい性格。身長一八〇センチ後半、こちらの世界に来てから畑仕事で筋肉が付いた。
受け:ノルベルト・ファルハーレン
愛称ノル。母から引き継いだ診療所を営む異世界人。銀髪にアイスブルーの瞳の美青年。やや表情に乏しく言葉がきついこともあるが、面倒見はよく患者には優しい。第二の性を診断する専門医である他、内科も診る。本人はβだと主張するが……?
オメガバース設定です。
文字数 15,884
最終更新日 2026.09.20
登録日 2026.09.20
侯爵家の長女ヴィオラは、十二歳から十年間、領地の実務をひとりで担ってきた。帳簿、税、陳情、婚礼、葬儀――「少し」のはずだった仕事は、気づけば全部だった。
妹の毒殺未遂の罪を着せられ、処刑を待つ牢の中。ヴィオラが気にしているのは、無実の証明でも、命乞いでもない。
「これ、何のスープですか」
「玉ねぎを、先に炒めていますね」
生真面目な牢番クレイは、日に日に調子が狂っていく。処刑を待つ身のはずなのに、聞いてくるのは献立の話ばかり。
十年ぶりの休暇を、ヴィオラは牢の中で満喫していた。
文字数 6,359
最終更新日 2026.09.17
登録日 2026.09.17
<最終章完結しました!ただいま番外編を随時更新中です!>
これにて本編完結となります。
今まで読んで頂きありがとうございます!
これからは番外編を随時更新していきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします♫
<あらすじ>
中学を卒業した日、花村 柊は母親に捨てられた。
生きるために一生懸命働いていたが、ある時事件が起きて仕事をクビになってしまう。
疲れ果てた柊が公園のベンチでうたた寝をしているうちに知らない世界へ迷い込んでしまった。
そこで出会ったのはイケメンの公爵さま。
事情を話すと彼の秘書として雇ってもらうことに…。
しかし、公爵さまには別の思惑があって…。
紆余曲折を経て恋人になった柊と公爵フレッドはあるものを探しに王都へ。
ところが王城でとんでもないことに巻き込まれて……。
R18には※付けます。
第一章 出逢い〜両想い編 完結
第二章 恋人編 完結
第三章 王都への旅〜王城編 完結
第四章 王城 過去編 完結
第五章 王城〜帰郷編 完結
最終章 領地での生活編 完結
別視点で交互に話が進みます。
文字数 1,765,043
最終更新日 2026.02.18
登録日 2022.03.27
私には優秀な魔法使いの婚約者がいる。彼の仕事が忙しくて会えない時間が多くなり、その間私は花の世話をして過ごす。ある日、彼の恋人を名乗る女性から婚約を解消してと手紙が・・・。私は大切な花の世話を忘れるほど嘆き悲しむ。すると彼は・・・?
*かなりショートストーリーです。長編にするつもりで書き始めたのに、なぜか主人公の一人語り風になり、書き直そうにもこれでしか納まりませんでした。不思議な力が(#^^#)
*なろうにも投稿しています
文字数 878
最終更新日 2022.07.12
登録日 2022.07.12
「お前、クビな」
その一言で『万能職』の青年ロアは勇者パーティーから追い出された。
『万能職』は冒険者の最底辺職だ。
冒険者ギルドの区分では『万能職』と耳触りのいい呼び方をされているが、めったにそんな呼び方をしてもらえない職業だった。
『雑用係』『運び屋』『なんでも屋』『小間使い』『見習い』。
口汚い者たちなど『寄生虫」と呼んだり、あえて『万能様』と皮肉を効かせて呼んでいた。
要するにパーティーの戦闘以外の仕事をなんでもこなす、雑用専門の最下級職だった。
その底辺職を7年も勤めた彼は、追い出されたことによって新しい人生を始める……。
文字数 1,909,279
最終更新日 2025.09.12
登録日 2018.06.23
居場所を奪われ続けた私はどこに行けばいいのでしょうか?
レンタル有り桃色の髪と赤い目を持って生まれたリゼットは、なぜか母親から嫌われている。
みっともない色だと叱られないように、五歳からは黒いカツラと目の色を隠す眼鏡をして、なるべく会わないようにして過ごしていた。
黒髪黒目は闇属性だと誤解され、そのせいで妹たちにも見下されていたが、母親に怒鳴られるよりはましだと思っていた。
十歳になった頃、三姉妹しかいない伯爵家を継ぐのは長女のリゼットだと父親から言われ、王都で勉強することになる。
家族から必要だと認められたいリゼットは領地を継ぐための仕事を覚え、伯爵令息のダミアンと婚約もしたのだが…。
奪われ続けても負けないリゼットを認めてくれる人が現れた一方で、奪うことしかしてこなかった者にはそれ相当の未来が待っていた。
文字数 181,105
最終更新日 2024.11.22
登録日 2023.04.15
聖女付きの薬草係リアナは、伯爵令嬢の進言により王宮を去ることになった。
誰にも目を向けられない仕事だった。
けれどリアナがいなくなってから、聖女の体調と王宮結界に少しずつ異変が起こり始める。
そんな中、王都の薬草店に戻ったリアナのもとへ、隣国ルフェル薬師院の調査官が訪ねてきて――。
文字数 9,265
最終更新日 2026.05.15
登録日 2026.05.15
# あなたは一度も聞かなかった
## 〜噂だけを信じた婚約者の後悔〜
幼い頃に魔力を暴走させたことで、“危険な公爵令嬢”と噂されるようになったキアラ・フォン・リュシエル。
黒髪に赤い瞳。
人を寄せ付けない見た目と、王都から離れて育った環境のせいで、社交界ではあることないことを囁かれていた。
そんな彼女には、正義感が強く優秀だと評判の婚約者――公爵令息アレクシス・フォン・クラウディアがいる。
けれど彼もまた、噂を信じていた一人だった。
「怖い令嬢」
「魔力を盾にわがままを言う娘」
「感情を制御できない危険人物」
学園で再会したキアラは、婚約者としてではなく、“一人の人間として”アレクシスと向き合おうとする。
お茶会に誘い、
行事で声をかけ、
少しずつ関係を築こうと努力するキアラ。
だがアレクシスは最後まで彼女に壁を作り続ける。
やがて彼は、明るく社交的な伯爵令嬢に心を惹かれていき――。
卒業間近。
二人は“円満”に婚約解消する。
その別れ際、キアラは静かに言った。
「結局、あなたは一度も私に聞かなかったのですね」
そして数年後。
仕事を始めたアレクシスは知ることになる。
噂だけで人を判断する愚かさを。
そして、自分がどれほど誠実な少女を見ようとしなかったのかを。
これは、“ざまぁ”ではない。
信じるべきものを見誤った、一人の青年の静かな後悔の物語。
文字数 16,443
最終更新日 2026.06.02
登録日 2026.05.28
港湾要塞都市アストリナ、帝国と共和国の国境にあって、海運と陸運の中継地点を兼ねる交通の要衝。北側には魔王領を望み、時折魔物を侵攻を受ける土地柄、強固な防衛施設に守られ、名声を夢見る多数の冒険者が集まる欲望の街…危険な街を舞台にしたえっちな冒険が今始まる!
・いつもいいねいただきありがとうございます。ハードファンタジーっぽい世界観でいろいろな女の子達が大変えっちな体験をしつつ、時々思いついたように少しだけ冒険するお話です。
・登場人物はすべて成人しています。
・感想、コメント頂けましたらたいへん喜びます。
・挿絵、文章推敲に生成AIを使用しています。
・本番えっちシーンCGなどは枚数的な事情によりpixiv側に公開しております。
・お好みシーンリクエストなど頂けましたら幸いです。
文字数 1,672,526
最終更新日 2026.09.20
登録日 2025.05.11
夫は、仕事一筋の人だった。
結婚して同じ家に暮らしているはずなのに、顔を合わせる回数は数えるほどしかない。結婚前に約束した新婚旅行さえ、出張を理由に何度も先延ばしにされた。
今回は、もう夫を待たなかった。私は一人で月白温泉郷へ向かった。
連れ立って歩く観光客の間を一人で歩きながら、何気なくインスタを開く。すると、夫の秘書である白石寧々が投稿したばかりの写真が目に入った。
写っているのは、まさに私がいる温泉街だった。
キャプションには、こう書かれていた。
「某氏が撮ってくれた今回の写真、前に海で撮ったものより上手かも。褒めてあげよう」
深く考える間もなく、聞き慣れた声がすぐ近くから聞こえてきた。
「もう少し角度を変えてよ。こっちからのほうがきれいに見えるから」
「嘘つけ。どの角度から撮ってもきれいだろ」
顔を上げると、出張中のはずの夫がカメラを構え、真剣な表情で寧々を撮影していた。
私はスマートフォンを取り出し、二人の姿を写真に収め、そのままインスタへ投稿した。
「旅先で偶然お会いしました。どうか末永くお幸せに」
すぐに夫から電話がかかってきた。
「寧々は写真を撮ってほしいと言っただけだ。どうしてわざわざ誤解を招くような投稿をするんだ?」
「今すぐ消せ。家に戻って待っていろ」
私は月白温泉郷を離れる特急列車の中で、小さく笑った。
「それは無理」
「どういう意味だ?」
「私が買ったのは、家に帰るための切符じゃないの」
……
文字数 13,565
最終更新日 2026.07.25
登録日 2026.07.25
料理を焦がし、裁縫をすれば指を刺し、掃除をすれば花瓶を割る家事能力が完全にゼロの伯爵令嬢オリビア・シタール。
モラハラ気味の夫ジルヴェスターから日夜「無能な穀潰し」と罵倒され続けた彼女は、ある朝ついに堪忍袋の緒が切れ、自ら離縁状を叩きつけて屋敷を飛び出した。
行く当てもなく途方に暮れていたオリビアを拾ったのは、冷徹無慈悲と恐れられ、公爵家の血筋を継ぐ最後の一人であるオルランド・ウィズ・リアトスだった。
公爵邸のメイドとして雇われたオリビアを待っていたのは、全員が致命的な欠陥を抱えた「ダメダメメイド」たち。
怪力で何でも粉砕するユーリア
平然と仕事をサボるアンナ
非力で頭が弱いが料理だけは王宮レベルのイズン
勝手気ままで自己中な掃除の達人ベアト。
失敗ばかりの5人だったが、オリビアの持つ不思議な癒やしの笑顔と天真爛漫さに感化され、不思議な絆で結ばれていく。
最初はいちいち不器用なオリビアに冷たく接していたオルランドも、彼女の純粋さに触れるうちに、隠していた子供っぽさと激しい独占欲を覗かせ始め――
やがて公爵家を揺るがす陰謀を前に、5人のポンコツメイドたちの「規格外の欠点」が奇跡の逆転劇を巻き起こす。
文字数 101,377
最終更新日 2026.09.16
登録日 2026.09.16
転生先にはサツマイモとジャガイモがない世界! 魔法や妖精と交流のあるサフィール王国、《白の妖創塔》という施設の十三番目の子供としてサティは転生する。
単調な集団生活で黒い獣と出会いつつも、サツマイモとジャガイモを食べたい気持ちが募る。
「貴族令嬢なら今の生活よりも自由が増える……。ということは、土いじりや庭園ぐらいなら許されるんじゃ!? それに妖精貴族なら、植物に身詳しいはず!」
貴族令嬢として養子、そして妖精貴族と婚姻を結べば、施設から出てサツマイモとジャガイモを探せると考えて行動を起こした。
伯爵令嬢として養子になるところまでは順調だったが、義両親は一族繁栄にしか興味がなく、同じ施設出身の義姉トリアからは酷い嫌がらせを受ける。踏んだり蹴ったり。
さらに社交界デビューでは「サティ、どうか私の番になってほしい」と、義姉トリアのご執心している夏の妖精王ミデルからのプロポーズ。
義姉トリアから嫌がらせがエスカレートし、拉致、毒殺されそうになり、何とか逃げ出したものの追手によって殺されそうになるところを、黒い獣だった冬の妖精王アルバートに救われる。
アルバートはずっとサティを助けようと動いており、自分があの時の黒い獣だと告げようとするが、ミデル王の魔の手から救うため契約結婚を提案してしまい――。
※旧タイトル「私事ですが、死の精霊王と番になりました!(略)→「イモ好き令嬢は嫁いで、畑仕事に精を出したい! 〜ヤンデレ夏の妖精王とツンデレ冬の妖精王の溺愛よりもイモですイモ!イモが食べたい!」〜のリメイク版です。
内容など話数も大きく変動したので、リメイク版として公開することにしました!
※他サイトにも掲載しております
文字数 24,115
最終更新日 2026.09.20
登録日 2026.09.16
『荷物持ちと追放されたので、帰り道は置いていきません』の続編です。前作未読でも読めます。
追放から一年。わたし、テッサは王立探索院の主任座標術師になりました。仕事は、新しく見つかった迷宮に、帰り道の座標を刻むこと。
その未踏区画の奥で、わたしは隠された泉を見つけてしまったのです。
泉のほとりには、わたあめのようにまんまるの、ふわふわの生き物たち。魔素を食べて、泉を澄ませて、迷宮の底を静かに保ちながら、誰にも知られず幸せに暮らしていました。
道が繋がれば、この子たちの家は終わります。
だからわたしは、五年間座標を刻み続けたこの手で、初めて「刻まない」ことを選びました。測量記録に空白を残したわたしを、規定と査問会が待っています。「すべての発見は登録せよ」と。
——地図に載らないことと、存在しないことは、まったく違う。
記録に救われたわたしが、今度は、記録しないことで守る番です
文字数 14,884
最終更新日 2026.08.28
登録日 2026.08.25
婚約者が妹に心変わりした。
しかも家族は、傷ついた私を慰めるどころか、「長女なら分別を」と静かに飲み込ませようとする。
――でしたら、私ももう都合のいい娘ではいません。
商家の長女セリーヌは、置き手紙ひとつを残して家を出た。
今まで自分が黙って支えていたものごとに、最後の一刺しだけを残して。
教会町で偽名を名乗り、小さな仕事を得て、自分の居場所を作り始めるセリーヌ。
一方、彼女を失った実家では、婚約者と妹の熱に振り回されるうち、家の綻びが少しずつ表に出始める。
これは、婚約者を妹に奪われた令嬢が、家族への復讐のために生きるのではなく、自分の人生を取り戻していく物語。
静かに家を捨てた長女の不在は、やがて残された者たちにじわじわと効いていく……
※本作は生成AIによる文章案をもとに、作者が取捨選択・加筆修正して制作した作品です。
賞・出版申請を目的とした作品ではありません。
文字数 273,172
最終更新日 2026.05.06
登録日 2026.04.04
――仕事で疲れて会えない。
十年付き合ってきた恋人を支えてきたけど、いつも後回しにされる日々。
記念日すら仕事を優先する彼に、十分だけでいいから会いたいとお願いすると、『距離を置こう』と言われてしまう。
そして、思い出の高級レストランで、予約した席に座る恋人が、他の女性と食事をしているところを目撃してしまい――!?
文字数 102,786
最終更新日 2025.12.05
登録日 2025.10.19
「面倒だ」と思った瞬間、それが勝手に片付いている――逢坂治、30代、会社員。AIで仕事を高速処理しては、バレないようサボりを演じる省エネ主義者だった。だがある夜、押し付けられた仕事への苛立ちから謎の力が覚醒。以来、逢坂の「面倒」は本人の与り知らぬところで現実を書き換え続ける。満員電車が消え、苦手な相手が不自然に異動し、やがて国家の政策すら動かし始める。
逢坂の力は日本国内でしか発生しないため、日本政府だけが彼と接触できる唯一の窓口となった。総理・伊勢和彦は冷徹にこの立場を利用し、官房長官・椎名玲子は逢坂の無邪気な無茶振りを国家プロジェクトへと翻訳する日々に胃を痛め続ける。
本人の自覚なきまま進む「裁量外」の拡大は、はたしてどこまで行き着くのか。
文字数 63,973
最終更新日 2026.09.20
登録日 2026.09.12
【書籍化&コミカライズ決定!】
皆様の応援のおかげで、本作がアルファポリスより書籍化されることになりました!
書籍版タイトルは、
『余りスキルの底辺転移者…だけど何かあるはず!』
となります。
さらに、本作のコミカライズも決定いたしました!
漫画家様のお名前や連載時期など、コミカライズの詳しい情報については、今後あらためてお知らせいたします。
刊行時期や書影などの書籍情報も、公開できるタイミングになりましたらご報告いたします。
長年にわたり本作を応援してくださった皆様、本当にありがとうございます!
第13回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞!
全3,120作品中14位となり、最終選考30作品に選出された作品です。
【あらすじ】
僕は、もうすぐ二十五歳になる、ごく普通のサラリーマン――常山順平。
仕事帰りの電車で吊り革につかまり、うつらうつらしていると、突然気分が悪くなった。
周囲の乗客も次々と倒れていく。
明らかな異常事態だった。
何が起こったのか分からないまま意識を失い、気がつけば、そこは電車ではなく見知らぬ建物の中。
周りには、僕と同じようなサラリーマン、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りらしい若い女性、定年の近そうな男性など、大勢の人が倒れていた。
どうやら勇者召喚が行われ、僕たちはそれに巻き込まれて異世界へ転移してしまったらしい。
日本へ帰るには、勇者が魔王を倒す必要があるという。
ところが、想定外の人数が転移してきたため、全員に与えるだけのスキルが用意されていなかった。
勇者として召喚された者以外には、一人につき一つのスキルと、支度金、装備一式が与えられる。
しかも、より良いスキルは早い者勝ち。
我先にとスキルへ群がる人々。
その中で突き飛ばされた一人の女性を助けようとした僕も、同じように突き飛ばされ、再び意識を失ってしまう。
目を覚ましたとき、その場に残されていたのは、僕とその女性だけ。
スキルも二つしか残っていなかった。
僕が手にしたのは【鑑定】。
女性が手にしたのは【家事全般】。
どちらも戦闘には役立ちそうにない、微妙なスキルだった。
女性の名は、才村友郁。
二十三歳の新入社員だ。
余りもののスキルを手にした常山順平が、才村や泉をはじめとする仲間たちと支え合い、理不尽な異世界を生き抜き、やがて成り上がっていく物語。
文字数 1,007,142
最終更新日 2026.08.17
登録日 2020.08.31
夫の浮気を知ったのは、火曜日の昼でした。
その日の夕方、私は旅装で玄関に立ち、帰宅した夫に離縁状を差し出して、心からの笑顔で言いました。
「今までありがとうございました。おかげで、決心がつきました」
私はカサンドラ。結婚前は王宮の会計監査室におりました。帳簿は正直で、嘘をつくのは人間のほう。人間の嘘は必ず数字に皺を作る——その皺を見つけるのが、私の仕事でした。
三年前、王宮監察官への推薦が来たとき、私は断りました。規定で「監察対象の配偶者は監察官になれない」から。騎士団は監察対象。騎士団長の妻は、なれない。
つまり、あの人の浮気は——足枷が外れた音だったのです。
監察官となった私の最初の担当は、公開の籤で決まりました。引いた札は「騎士団・経理部門」。
規定通りですので。
五年分の帳簿の皺、ぜんぶ伸ばして差し上げますわ。私情は挟みません。ええ、一切。——それがあの人には、一番怖いでしょうけど。
文字数 16,845
最終更新日 2026.08.31
登録日 2026.08.28
自他ともに認める禁欲主義の御曹司と付き合って四年目、彼は今もなお、彼女を拒んでいた。
そこで小林時絵(こばやし ときえ)は母親に電話をかけた。
「お母さん、前に言ってたパイロットの面接、もう手配してもらえる?」
電話の向こうで、時絵の母は驚きを隠せなかった。
「本当なの?でも、海浜市に残って結婚するって言ってたじゃない……あんなに好きだったパイロットの仕事も全部諦めたんじゃなかったの?」
薄暗い光の中、彼が夢中でその女に手を伸ばし、理性を失っていく彼の姿を眺めながら──
時絵は自嘲的に笑った。
──H市に戻れば、また自分のキャリアを取り戻せる。
これからはまた、大空を自由に飛ぶパイロット、小林時絵として生きていく。
不倫に溺れた……惨めな女なんかじゃなくて……
文字数 44,332
最終更新日 2026.04.14
登録日 2026.04.03