「問い」の検索結果
全体で1,194件見つかりました。
世界各地に散らばったイザベル姫の「喜・怒・哀・楽」の魂を悪用する者から人々の感情を取り戻すために戦う者達がいた....。
【登場人物紹介】
アストリア: この物語の主人公で双子の弟セラフィスをもつ。生まれつき目が不自由。正義感が強いが、多少自分本位で未熟な面もある。剣術の腕は超一流で、必死技は強力な雷撃を放つ「フルメン・デイ(神の雷)」。
セラフィス: 冷静沈着で知的なアストリアの弟。生まれつき足が悪いため戦闘では指揮官的役割を担う。かつては自らの過ちから魂としてアストリアの中に存在することになってしまい、彼を導く役割を担っていた。「スキャニング」という敵を即座に解析する能力に優れ、敵の弱点を見抜くことに長けている。
マチルダ: 強気で行動力があるが、内面に大きなトラウマを抱えている女性戦士。かつてガルム帝国現帝王ゾグナスに両親、友人を殺されたため、ゾグナスとは因縁の相手。炎を操る技を得意とし、必殺技「サギッタ・アルデンス(燃え盛る矢)」で敵を圧倒する。
ローハン: いつも穏やかで皆のムードメーカー的存在のドワーフ。人知れず劣等感に苦しんでおり、弟との暗い過去を持つが、アストリア達との旅を通じて成長を遂げる。必殺技は大地の力を使いこなす「フロル・テルリス(大地の怒り)」。
ギルバート: 冷静で義理堅い魔導士。かつては世間に誤解され、社会から身を隠していた。現在はアストリア達と協力しながら戦っている。転送魔法などのサポート的立ち回りが得意。マチルダの父親とは親友だった。
ハウロン: 人間と魔獣の共存を目指す心優しきミノタウロス。自分と同族であるゾグナスがマチルダの心に深い傷を残したことに対し自責の念を感じている。
性格も能力も異なる仲間達は、時に対立しながらも、数々の強敵や困難に立ち向かっていく。
これは、過去の傷に囚われながらも新たな絆を築き、心の闇を乗り越えていく仲間達の成長の物語です。冒険と戦いの中で「人間らしさ」を問い直していきます。
文字数 82,500
最終更新日 2025.01.01
登録日 2024.11.14
ネクスト遺体=Tokyo/Kyoto/Nara/Okayama/Okinawa
山は、最初から静かだったわけではない。
そこにある静けさは、音の欠如ではなく、音がすでに意味へと変質したあとの残響だった。
風は枝を揺らし、鳥は飛び、土は湿りを抱えて呼吸している。
それでもなお、人間の側からそれを「沈黙」と呼ぶとき、その瞬間に世界はひとつ層を失う。
音は消えるのではない。意味の外へと追いやられる。
その山林で、ひとつの身体が見つかった。
発見は、終わりではなかった。
むしろそれは、問いの始まりとして機能した。
外傷は確認されない。
暴力を示す明確な痕跡は、そこには存在しない。
だがそれは「平穏」を意味しない。むしろ説明の不在が、静けさをより深く沈めていた。
靴が片方、もしくは両方、あるいは最初からなかったのかすら曖昧なまま記録される。
その欠落は事故を示唆し、徘徊を示唆し、あるいはまったく別の物語を呼び込む余白となる。
ひとつの事実が確定しないまま、複数の仮説だけが増殖していく。
警察は言葉を選ぶ。
「現時点で、事件性は断定できない」
その一文は、科学的な慎重さとして発せられる。
しかし同時にそれは、世界に対する“保留”の宣告でもあった。
保留とは、未決ではない。
保留とは、完結の拒絶である。
そして完結を拒絶された物語は、終わることなく形を変え続ける。
遺族は沈黙の中に立たされる。
社会は空白を埋めようとし、空白は埋まるたびに形を歪める。
情報が不足しているのではない。情報が足りないことによって、過剰な意味が生成されている。
誰もが「正しい説明」を求めている。
しかしその要求自体が、すでに複数の物語を同時に成立させてしまっている。
山の沈黙は、ひとつの現象ではなかった。
それは観測者ごとに分岐し続ける、意味生成の装置だった。
同じ場所、同じ出来事、同じ記録。
それでもなお、そこから立ち上がる現実は一つではない。
静けさの中で、世界は確定しないまま増殖していく。
そしてその増殖の中心に、ひとつの空白が残される。
まだ名前のついていない、沈黙そのものが。
1.死因(外傷・内因・不明)
2.死亡時の状況(現場環境)
3.動物による影響の有無
4.第三者の関与(事件性)
つまり「イノシシかどうか」は、
事件性判断の前段階の“環境要因の一つ”として検討されます。
文字数 6,097
最終更新日 2026.04.15
登録日 2026.04.14
「―――力が欲しいか?」
明らかに胡散臭いうえに使い古されたキャッチフレーズを掲げやってきた謎の人物は問いかける。しかしそれどころではない拓海は思わず逆上してしまうと、その人物は泣き出してしまった。果たして逆上の末に導き出される拓海の運命とは?その力とやらの行方は?
若干チート気味の店長の伝説の物語が今幕を開ける!
※最初だけシリアスです
※基本的に1500字以上/話
文字数 43,854
最終更新日 2016.09.03
登録日 2016.07.22
童謡「誰が駒鳥を殺したの?」になぞらえ、 駒鳥の死をめぐって次々と証言する鳥や獣たち。 問いは何度も繰り返されるが、みんな葬列の準備で忙しそう。 だけどスズメは知っている。 実は皆も知っている。
「ああ、やっぱりそうなのね」
それでも皆、鐘の鳴る間は、何も語らない。 童謡の形を借りた、沈黙の寓話ミステリー。
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この短編小説は、なろう・カクヨムにも投稿しています。
文字数 1,142
最終更新日 2026.05.13
登録日 2026.05.13
医でも坊主でもない。
ただ、人を癒す者として――。
時は江戸。
太平の世、華やぐ町の陰に、声なき痛みを抱える者たちがいる。
病に伏す者。
戦で身体を壊した者。
心を病み、生きる力を失った者。
だがそのすべてが、医者の手で癒されるわけではない。
薬も届かず、癒しの言葉も届かない者たちが、この町には数多くいる。
これはそんな江戸の町で、
「医者でも坊主でもない若者」が紡ぐ、ひとつの療治の記録。
名を、新蔵(しんぞう)。
長屋育ちの医見習い。
蘭学の医を学び、解体新書にも心ひかれた。
だが資格も地位もなく、貧しい者たちのもとを歩くばかりの日々。
それでも彼は願う。
たとえ医でなくとも、癒すことはできるのではないか、と。
幼い頃、自らも病で手を動かせなくなった。
そのときに出会った一冊の書――『養生訓』。
「心を養うは、身を養うに等し」
その教えが、新蔵の胸に深く根づいていた。
戦で筆を持てなくなった浪人。
火事で家族を失い、声をなくした娘。
農作業で足を失った少年。
苦しみを抱えた人々に、新蔵が差し出すのは薬ではなく、日々の作業。
木を削り、土を耕し、糸を紡ぎ、筆をとる。
手を動かし、心を動かす。
それは、ただの慰めではない。
人が「もう一度、自分として生きる」ための療法――。
だが、新蔵のやり方は、
高名な蘭方医たちからは「医療ではない」と笑われ、
金と権力で医を支配しようとする田沼意次の治世では、
「貧者の戯れ」とさげすまれる。
それでも彼は問い続ける。
癒しとは何か。
生きるとは何か。
己の無力さに歯を食いしばりながらも、
人と向き合い続けた、ひとりの若者の物語。
『養生職人 江戸作業療法始末記』
――癒しは、薬にあらず。
人が自ら立ち上がる、その力のそばにある。
文字数 86,143
最終更新日 2025.05.27
登録日 2025.04.22
俺はただひたすらに耐えていた。
体から抜けていく熱を少しでもとどめるために。
俺が俺で……いるために。
これが終われば、ただのコボルトに戻ってしまうという恐怖。
それを救ってくれたのは、1人の人間だった。
何を返せばいいかという問いに薬師兼魔法使いだという
人間の少女は俺に旅のお供をお願いして来た。
どこか天然の少女と、召喚されたとはいえ怪物の俺とが旅をしたならば静かに過ごせるはずもなく……。
今度は誰かを守りたいコボルトと、魔法使いの少女とが紡ぎ出す、旅するファンタジーの始まりです!
文字数 104,841
最終更新日 2018.12.08
登録日 2018.11.02
人間の労働は美徳なのか、それとも罰なのか──。
AIの進化により、知的労働はおろか、愛や友情までもが人工知能に代替される近未来。労働は不要とされ、完璧なAIパートナーが人々の心を支配する中、かつてITエンジニアだった山田は、社会の変容に違和感を抱き続けていた。娘までもがAI教師に恋をし、政府は「働く者」に薬を処方するほどに、労働は時代遅れの行為とされる。しかし、山田はかつての仲間や志を失わぬ人々と出会い、「意味ある労働の会」を立ち上げる。効率では測れない、人間だけの価値とは何か。なぜ働き、なぜ愛するのか。それは「不完全さ」を抱える人間だけが問い続けられることだった。これは、AIが人間の条件を塗り替えた世界で、“生きる意味”を再発見しようとする者たちの静かな抵抗の物語である。
文字数 8,370
最終更新日 2025.08.01
登録日 2025.08.01
人生は選択によって決められている!
僕は23歳です。
産まれてから今までの人生について考えた時ある事に気が付きました!
それは「選択」です!
自分がした選択や他人がした選択で人生が成り立っているのではないか?
そう考えるようになりました。
何をするにも絶対に選択しなくてはいけない場面が出てきます!
例えばの話をします。
目の前にチーズケーキとショートケーキがありました!
どちらか1つ食べていいとした時に選択としては2択になります!
しかしこんな言葉があります!
何かを選ぶ時にすぐに答えが出ずに悩む場合。
本当はどちらも必要では無いから悩む!
という言葉があります!
確かに納得いきますよね?
もし、現金とケーキとかなら多分大概の方は現金をすぐに選ぶと思います!
そりゃそうですよね?
お金は必要ですから!!
このように本当に必要な物を選ぶ時って悩まないと思います!
それが直感であっても正しいと思っています!
少し話を戻しますが
チーズケーキとショートケーキどちらか1つ食べていいという2択!
じゃあ本当に2択でしょうか?
視点を変えるともう1つ選択出来るものがあります!
それは2つとも食べない!という選択です!
問いは1つ食べていいです!
もちろん食べなくてもいいんです!
このように選択とは視点を変えるだけで違う意見が出てきます。
成功された方なんかはその視点が常に見えているのかなとも思います。
今回はこの「選択」について自分の過去の経験をもとに書いていきます!
もしこの小説を読んで人生について考え方が変わり楽しくなれば幸いです!
文字数 1,338
最終更新日 2019.02.14
登録日 2019.02.14
どこかとがっている風華。私はそんな風華が苦手だった。
ある日風華が枯れ葉のついた木を見つめて「ねぇ、あの木の葉っぱいつまであると思う?」と私に問いかける。
いつもは強くてとがっている風華からの弱い声に私ははっと息を飲んだ。
幼い私は風華の心の中にある灰色の行き場のない気持ちを知ることができなかった。
ただ、枯れ葉を抱いたその木だけが風華の気持ちを知っているかのように、風華はその木をずっと見つめ続けていた。
風華と枯れ葉を抱いた木との対話、風華の本当の気持ちにきづけなかった「私」の悲しく切なくも、幸せを願う気持ちに包まれた物語です。
文字数 4,625
最終更新日 2021.11.19
登録日 2021.11.17
40代の営業マン佐藤 正一は、豚肉の仕入れで訪れた秩父の街を歩く。
昭和の面影を色濃く残す商店街、古びた喫茶店のカレーとメロンソーダ、軒先の駄菓子屋や小さなゲームコーナー。
その風景の中で、彼の心には「子供の頃の夢」がよみがえる――ゲームを作りたかった、という記憶だ。
自由帳に描いた拙いステージ、方眼紙で練った敵の配置、文化祭で展示した模造紙のマップ。
あの頃はただ夢中で線を引き、誰かに「すごい」と言われるだけで胸がいっぱいになった。
だが大人になった今、彼は数字と効率を優先する流通の世界にいる。
「もしあの道を選んでいたら」「自分の夢は消えたのか、形を変えただけなのか」――答えは出ない。
夕暮れの秩父の街で、主人公は問い続ける。
夢を諦めたのか、それとも別の形で生きているのか。
過去と現在を重ねながら、心の奥底にまだ残る「ゲームを作りたかった頃」の自分と静かに対話する。
文字数 6,931
最終更新日 2025.12.13
登録日 2025.09.15
地方都市、白露町。その一角で四年前に起こった事故。
死んでしまった被害者、藤江駿はとある場所に行き着く。そこは、「トラーメス」。
そこで、自分は天国にも地獄にも行かないのかと問う。
ーーー「では逆に問いますが、自分が天国に行くべきか、地獄に行くべきか、判断がつくほど生きてきました?」
文字数 15,345
最終更新日 2023.06.17
登録日 2023.05.30
全国で起きている神隠し、人の所業とは思えないあり得ない変死体。
『汝に問う。この奇々怪界で摩訶不思議な事象を止めてみたいか?』
白いスーツを着た子供に問いかけられ、答える。
「止めてやるさ」
そう答えた途端に、
『ふふふ、ならば汝に力を託そう』
世界が笑う。
全国で起きている奇々怪界で摩訶不思議な事象に対して、クラウンという謎の力で解決していく現代SFファンタジー。
文字数 45,630
最終更新日 2023.01.21
登録日 2022.07.28
『翼かける猫』へようこそ。
舞台は東京・羽田をモデルにした、潮の香りと飛行機の音が響く「翼町(つばさちょう)」。
この街で懸命に生きる野良猫たちの日常を、彼ら自身の視点から描く連作群像劇です。
本作は、実在の猫たちや実際に起きた出来事をベースに、物語としての彩りを加えて構成されています。
新参者の黒猫ジャンボ、新しい命を宿した三毛猫のトト、街を統べる体重7kgの巨漢ボス・グレコなど。
個性豊かな猫たちが織りなす物語は、クスッと笑えるコミカルな日常を軸に、時折「一滴の深刻さ」として命の重みを静かに問いかけます。
彼らの生き様――喜びや覚悟――に触れたとき、いつもの路地裏の景色は昨日までと違って見えるはずです。
さあ、あなたも「翼町」の路地裏を覗いてみませんか。
登録日 2026.04.29
「ボクとけーやくのちゅーしてさぁ、一緒に裏切った奴らに復讐しちゃおーよ?」
血溜まりで意識が朦朧とする中、悪魔の囁きが耳に響いた。
一日十善をモットーに真面目に正直に生きてきた後藤善人は、結婚三年目になる妻の栄子との記念日を祝う為にプレゼントや花束の準備を進めていた。
しかし、ある日その帰り道で栄子と高校時代の同級生である純一との濃厚なキスを目撃してしまう。
帰宅後、栄子を問いただす善人だったが謝罪の一言もなく、それどころか結婚した事も含めて真面目な善人を面白半分に笑い者にする為の計画だったと告げられる。
そしてそれが、栄子を含め善人とも仲の良かった高校時代の友人達がたてた計画と言う事まで芋蔓式に発覚。
信じてきた妻や友人達に裏切られた事を知ったショックで頭が真っ白になってしまった善人は残った気力で家を飛び出すが、運悪く交通事故に巻き込まれ重傷を負ってしまう。
これまでの人生全てに絶望しながら命が終わりそうになった時、悪魔として力を付ける事を目的に異世界から人間を堕落させにきた悪魔リリスから、悪へと堕ちる契約を持ち掛けられる。
善人は裏切られた事で心を満たしていた絶望を、湧き上がる怒りを原動力にして塗り潰し、お互いの利益の為にとリリスと契約のキスを交わす。
そして自分を馬鹿にした挙げ句、裏切り陥れた者への復讐を果たす為の第一歩として、裏切った奴らも巻き込んでリリスの力で異世界へと転生していく。
復讐の為、善人は悪逆無道を歩む。
アルファポリス、カクヨム、ハーメルン、小説家になろうでマルチ投稿しています。
読んでいただきありがとうございます!
評価、感想お待ちしてます。
文字数 21,096
最終更新日 2023.09.26
登録日 2023.09.15
中国で300万部を超えるベストセラー『国民法医』が、ついに日本上陸。本作は、新進気鋭の法医学者・江遠の成長物語であり、一見平凡な解剖台が「真実の舞台」へと変貌するミステリーの核心に迫る。
主人公・江遠は、地方都市の若き公務員法医。彼は「システム」という特殊能力を通じて、死者から技術や記憶を継承し、不可解な事件の謎を解き明かす。一見SF的な設定ながら、作者・志鳥村は法医学の専門知識を徹底取材。DNA鑑定や傷痕分析、毒物検査など、リアルな技術描写が随所に散りばめられ、読者は「中国版CSI」の臨場感に引き込まれる813。
物語の魅力は、単なる事件解決にとどまらない。地方官僚制度のリアルな描写、市井の人々の哀歓、そして「正義とは何か」という問いが交錯する。例えば、江遠が初めて遭遇した「十七叔殺人事件」では、解剖刀の先に浮かび上がる人間関係の機微が、社会の闇を浮き彫りにする311。
日本でも『監察医 朝顔』のような法医療ドラマが人気を博す中、本作は「技術と人情の融合」という新たな視点を提供。志鳥村の軽妙な筆致は、重いテーマをユーモアで中和し、読者を飽きさせない1013。
「死体は嘘をつかない」――この言葉が象徴するように、『国民法医』は科学の冷静さと人間の熱情を両輪に、現代社会の縮図を解剖する。ミステリーファンはもちろん、異文化の司法制度に興味を持つ読者にも刺さる一冊だ。
文字数 2,396,586
最終更新日 2025.04.25
登録日 2025.04.07
台湾の高校を舞台に、「証明」だけを信じる理系男子と、感情豊かな少女が織りなす、ちょっと不思議で甘酸っぱい青春ストーリー――
「感情?そんなもの、必要ない」
無表情な理屈男子・林葶驀と、
表情豊かな感性ガール・陳渃嫣。
正反対なふたりが織りなす、
不器用でちょっといびつな青春ストーリー。
論理と証明で世界を理解しようとする彼が、
「感情」という答えのない問いに向き合うとき、
物語が静かに動き出す――。
文字数 11,530
最終更新日 2025.08.03
登録日 2025.07.28
文字数 17,326
最終更新日 2025.09.20
登録日 2025.09.13
木村博は、生涯を通して金銭的な不安と共に生きてきた平凡な男であった。特別な才能も資産もなく、ただ働き続け、節約し、将来に備えながら生きてきたが、社会の変化や物価の上昇、老後不安などに翻弄され、結局は祖父の残した古い家で孤独な最期を迎えることになる。しかし死の直前、彼の胸には一つの疑問が残っていた。もし十分なお金があったなら、自分の人生の結末は違っていたのだろうか――その答えを知りたいという思いである。
ところが次に目を覚ましたとき、博は十五歳の夏へと戻っていた。しかも彼には、未来の大まかな経済の流れを思い出す知識と、確率の高い出来事を感覚的に読み取る「簡単な予想」という能力が備わっていた。インターネット企業や半導体、自動車関連株、さらには仮想通貨がまだ安価だった時代に戻ったことを理解した博は、まずスポーツくじで資金を作り、その資金をもとに株式投資を始める。未来を知る者として慎重に投資を続けた結果、彼の資産は急速に膨れ上がり、若くして莫大な富を手にすることになる。
やがて博は労働から完全に解放され、早期リタイアを選択する。税制や資産管理の面で有利なドバイへ移住し、世界中を旅しながら語学を学び、何不自由ない生活を送るようになる。豪華な住居、高級車、贅沢な食事、そして望めば手に入る人間関係。金で得られるものはすべて手に入ったかに思えた。
しかし、その生活の中で博は次第にある違和感に気づく。かつて貧しかった頃には、少なくとも努力する理由や明日への切実さがあった。だが、すべてが満たされた今、人生の目的は見えなくなっていた。近づいてくる人々の多くは彼自身ではなく資産に惹かれているように思え、愛情さえもどこか空虚に感じられる。莫大な富を手に入れたにもかかわらず、彼の心は満たされないままだった。
こうして博は、かつて自分が抱いた問いと再び向き合うことになる。金のない人生は確かに苦しい。だが、金があれば本当に幸福になれるのだろうか。逆行して手に入れた理想的な人生は、本当に正解だったのか
文字数 5,622
最終更新日 2026.03.18
登録日 2026.03.18