「答え」の検索結果
全体で2,193件見つかりました。
織田信長といえば、本能寺の変。
歴史に詳しくない者でも、一度は聞いたことがある名だろう。
天下統一を目前にした覇王が、家臣・明智光秀の謀反によって炎の中に消えた――それが、世に広く知られた話である。
だが、もし本能寺に、変とは別の名で呼ぶべきものがあったとしたら。
たとえば、恋と。
そんなこと、あるはずがないと人は笑うだろう。
天下人と家臣。
しかも、後に刃を向けることになる二人の間に、そのような情が入り込む余地などないと。
明智光秀も、かつてはそう思っていた。
主君・織田信長は、烈火のごとき人であった。
苛烈にして奔放。
笑う時は子どものように無邪気でありながら、怒れば周囲の空気まで凍らせる。
誰にも従わず、誰よりも先を行き、誰よりも孤独な人。
近う仕えながらも、その胸の内だけは読めぬ。
いや、読んではならぬのだと光秀は思っていた。
けれど、仕える年月が重なるにつれ、光秀の胸には名づけようのない違和が降り積もっていった。
ふとした仕草が、妙に目に残ることがあった。
杯を取る指の細さ。
風に乱れた髪を払う横顔。
鎧の隙間からのぞく、思いのほか白い首筋。
戦場では鬼神のように恐ろしいその人が、月明かりの下では、どういうわけか別の面差しを見せることがある。
むろん、口に出せるはずもない。
織田信長は男であり、主君である。
そこに疑いを差し挟むなど、無礼どころの話ではなかった。
だが一度芽吹いた違和感は、捨てようとするほど根を張った。
ある夜、京の宿所にて。
酒宴も終わり、家臣たちが引いた後で、光秀は廊をひとり歩いていた。
庭には薄く月がかかり、初夏の風が簾を揺らしている。
その静けさの中、不意に一枚の襖がわずかに開いているのに気づいた。
灯りが漏れていた。
主の居間であった。
見てはならぬ。
そう思いながら、足が止まる。
中では、人の気配がひとつだけした。
信長であろう。
次の瞬間、微かに咳く声が聞こえた。
昼の鋭さを失った、妙にかすかな声だった。
光秀は思わず、隙間に目をやってしまった。
黒漆の具足も、威を張る羽織も脱ぎ捨てられていた。
月のように白い肌が、灯りの下にあった。
長く落ちた髪が肩をすべり、細い背を隠しきれずにいる。
光秀は息を呑んだ。
見間違いかと思った。
いや、そうであってほしいと願った。
だが、その願いとは裏腹に、胸の奥で何かが音を立てて崩れていく。
織田信長は、何者なのか。
その答えに指先が触れかけた時、ふいに室内の人影が動いた。
鋭い気配が走る。
「……誰じゃ」
低い声が、闇を裂いた。
光秀は、凍りついた。
文字数 18,833
最終更新日 2026.04.11
登録日 2026.04.05
生まれつき、嘘がつけない。
それだけが、田中誠一のすべてだった。
就職面接で「弱点は?」と問われ「嘘がつけないことです」と答えた男は、なぜか採用される。会議で「この企画はダメです」、飲み会で「部長の話は三回目です」と言い続けた男は、なぜか昇進する。忖度も社内政治も知らない純度百パーセントの言葉は、腐った組織の中でだけ、最強の武器になった。
チームリーダー、課長、部長、役員、そして社長へ——。
正直者が、頂点に立つ。
だがある日、株主総会で問われた。「今後の見通しは?」
田中は、初めてマイクを置いた。
わからない、ということが——初めてわかった。
笑えて、少しだけ怖い。現代の組織と「誠実さ」の限界を問う一篇。
文字数 1,013
最終更新日 2026.04.30
登録日 2026.04.30
「私が殺したその人と探してください」そう願ったその依頼人は、翌日誰かに殺された。
彼女は誰を殺したのか、誰に殺されたのか。一人の探偵がただ一人の女性を求め、かつての足跡をたどる。だがそれは決して真実を暴くためではない。それは罪を癒すため、償いを認めるために、赦しを暴くため。やがて闇の中彼は答えを得る。依頼の通りに、罪の泥にまみれた一人の少女に手を伸ばす。
―――――反探偵小説を考えて書いたモノですが、結局反探偵ものというも理解できず作った代物でして、内容がいくつか破たんしているのかもしれません。
でも起承転結ができれば物語としては成功したんやなかろうかと思い、世に出しました。お暇なら読んでいただければ。
登録日 2017.02.11
うさぎ獣人であることを隠しながらホストをしている累は、いつまでたってもナンバーワンになれない原因の、ナンバーワンホストである宙也が苦手。
けれど宙也は累を何かと構い、親し気に接してくる。
そんなある日、弟の明の番である優の相談に乗る累。その帰り、ばったり会った宙也に、優のことを聞かれ「いい男だと思いませんか?」と答える累に、宙也は突然キスをして――!
強引ナンバーワンホストと、強気だけど優しいうさぎ青年の、ケンカから始まる恋のお話です。
前作の主人公、優と明のその後もチラリと出てきます。
☆「恋するうさぎは溺愛社長と番いたい」の主人公・明の兄、累のスピンオフになります。このお話からでも楽しんでもらえますが、前作を読んでいただけるとより楽しめると思います。
文字数 58,378
最終更新日 2025.03.30
登録日 2025.03.30
「はぁ~今日もツイてないな・・・」
主人公の運那 史男(うんな ふみお)は自他共に認める不運の塊である。家を出れば鳥のフンが必ず落ちてくる、電車やバスは必ず遅れる、よく職務質問を受ける(挙動不審が主な要因では有るが)等々・・・。
今日は奇しくも6月13日の金曜日でオマケに仏滅、今年最も縁起の悪い日だ。気を付けて家に帰ろうとするが、子供の仕掛けた落とし穴に落ちてしまった!片足だけの筈なのに、気付くと空から真っ逆さま。そして落ちた先に居た人と直撃し命を落とした筈だったのだが何故か生きている。どうやら俺の頭突きが命中して亡くなられた不運な方が原因みたいで・・・。
これは、そんな不運な男が偶然手に入れた恩恵を使って褒賞で手に入れた小さな城と城下町をゆっくりと発展させていく物語である。
ハーレム的な展開になりますが、ヒロイン達は寿命で先に亡くなっていくので人数が極端に増える事は有りません。
仕事をしながらのんびりと書いていくので更新は不定期です、感想・質問等にも出来る限り答えるつもりですが返答出来ない場合も有ります。
文字数 34,973
最終更新日 2018.06.20
登録日 2018.06.05
“まっくら闇”に故郷を追われ、家族と共によその土地に移り住んだ少年、シンナ。
シンナは十三歳の誕生日の朝、たった一人、目覚めます。
街は、恐ろしい“まっくら闇”に似たものがうろつき、家族や街の人たちは、深い眠りについたままです。
途方にくれたシンナの前に、不思議な鷲が現れて、言います。
『山を目指し、宝を探しなさい』
眠ったままの人たちを、目覚めさせることができるかもしれない宝。それを探すため、シンナは旅に出ます。
まだ幼く、経験の浅い彼は、果てしない旅に堪えて宝を得られるでしょうか。
その答えは、ぜひ、物語の中から見つけてください。
《献辞》
すべての子どもたちと、かつての子どもたちへ。
そして、『神様なんかいない』と叫びたいような気持ちでいる人や、違う世界に生まれ変わりたいと願ってしまうくらい、この世に失望しているすべての人へ。
キスとハグのかわりに、精一杯、この物語を贈ります。
いつか、あなたが目覚めて、歩き出せますように。
※本作品には一部グロテスクな表現、内容に不可欠なため差別的発言をする人物が登場します。不快を感じた方はブラウザバックを推奨致します。
文字数 59,258
最終更新日 2023.09.15
登録日 2022.01.18
僕は死にました。長い闘病生活も虚しく、この世を去ることになりました。たとえずっとベッドの上で、時間の大半をゲームに費やした人生だったとしても、たった一つの後悔以外には、何の未練もありません。
ただ……僕にとって、その未練はどうしても晴らしたいものでした。
「……ゲームに費やした時間を取り戻したい! その十分の一でもいいから、もっと生きたかった!」
もう少し時間があれば、僕の描いた空想を漫画や小説にできた、僕の……生きた証が残せたというのに、人生は無情にも終了してしまいました。
別にゲーム自体が無益だと考えているわけじゃないです。動けない身体の代わりに、空想上だけでも運動することだってできたのですから。
でも……僕はただゲームをプレイしただけ、漫画や小説を読んでいただけ、じっと画面を観ていただけで、何も生み出してきませんでした。
『――ならば、取引をしませんか?』
薄れゆく意識の中、僕に話し掛けてくる『声』がありました。
(あなたは誰ですか?)
そう問い掛ける僕に、その無機質な『声』はただ、『神でも仏でも悪魔でも、好きに呼んで下さい』と返してきました。
『――あなたを過去へと飛ばします。あなたがゲームで培った『もの』、その全てと共に』
それが最初、どういうことなのかは分かりませんでした。しかしその『声』に、僕は藁にも縋る思いで答えました。
(お願いします……)
と。
『――分かりました。では目的の為に、よろしくお願いいたします』
そして消えゆく意識の中、僕はふと、その『声』に尋ねました。
(ところで……僕は何をすればいいのでしょうか?)
『――あなたに果たして欲しい目的はただ一つ……』
その『声』を最期に、僕は過去へと飛び立ちました。
『――どんな手段を用いても構いません。世界の未来の為に……映画上映中にスマホを点けたら死罪となる法案を、絶対に可決させて下さいっ!』
この時、一生をベッドの上で過ごした僕には……映画館が『未知の施設』から『化け物の巣』という認識に変わりました。
R15版
同時掲載『カクヨム様』
『この物語はフィクションであり、登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在するものとは一切関係ありません。また、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
文字数 30,149
最終更新日 2022.09.08
登録日 2022.07.14
過去の戦で心に傷を負った男ロレンツが通う『覆面バー』。
そこにお忍びでやって来ていた謎の美女アンナ。実は彼女は敵国の姫様であった。
実はそのアンナの国では国王が行方不明になってしまっており、まだ若き彼女に国政が任されていた。そしてそんなアンナの周囲では、王家の座を狙って彼女を陥れようとする様々な陰謀や謀略が渦巻く。
覆面バー。
酒を飲みながら酔ったアンナがロレンツに言う。
――私を、救って。
ロレンツはただひと言「分かった」とそれに答える。
過去、そして心に傷を負った孤高の剣士ロレンツが、その約束を果たすために敵国へ乗り込む。
文字数 298,191
最終更新日 2024.10.28
登録日 2024.08.01
祖母の命日の夜、幼稚園教諭の真衣は仕事で落ち込むことがあり、祖母宛てに手紙を書いた。きまぐれに投函した手紙に、数日後届くはずのない返信があった。幼児が描いたようなかわいいイラストにほっこり癒され、誰からの手紙かわからない相手と、真衣は月一でやりとりをする。返信を書いたのは、祖母が生きていたころから家に居ついている、もふもふたちだった。
AIに訊けば自分好みの答えをもらえる現代に、手紙というローカルな手段で元気をもらう物語。
更新は不定期になります。
文字数 60,426
最終更新日 2025.12.05
登録日 2025.10.16
自室は凍りつき、自分の掌には小さな火の玉。わけのわからない光景に、空翔は精一杯答えを見つけ出そうとしていた。そして辿りついた答えは...
「ゲームの中の、魔法が使える...!?」
と言った、簡単には受け入れ難い物だった。
昨日までは普通の高校生として、良くも悪くもない成績を取り、多くも少なくもない友達と過ごし、家では好きなことをして過ごしていた。それが今、目の前で崩れ去っている。何もかも理解出来なくなった空翔は、一目散に家の外へと駆け出した。
----無我夢中で開けた玄関のその先には、ゲームの中のような風景が繰り広げられていた。
※この作品は、小説家になろう!http://ncode.syosetu.com/n3202do/1/でも掲載しています。
文字数 31,863
最終更新日 2017.02.09
登録日 2016.10.02
『死刑とは、エンタメだ』
その男、加藤幸雄は、その日もいつもと変わらない日常を送ろうとしていた。
しかし、たった一瞬の甲高い叫びが、彼の運命を音を立てて砕く。始まりは些細なきっかけ。だが、小さな綻びは時間と共に増幅し、彼を命懸けの「贖罪」へと駆り立てていく。
運命を捻じ曲げられた加藤。その死と引き換えに金銭を得る遺族。自らの罪に苛まれる裁判員。システムを運営する元警察官。
正義とは何か。悪とは何か。罪の真の代償とは何か。
答えのない問いを、命の配信という狂気の舞台から投げかけるディストピア・サスペンス。
その判決を読み終えた時、あなたの胸に残る感情は、果たして「救い」だろうか、それとも「業」だろうか。
文字数 18,659
最終更新日 2025.11.23
登録日 2025.11.23
文字数 655
最終更新日 2021.08.18
登録日 2021.08.18
公園に集まった、5人の子供たち。
もういいかい?
もういいよ。
元気に答えるその声の中に、知らない声が混じります。
その子を見つけたら、だめだよ。
その子は公園に置いて帰ろうね。
もし見つけたら、着いてきちゃうから。
文字数 1,089
最終更新日 2022.09.02
登録日 2022.09.02
人に興味を持たず、感情をほとんど表に出さずに生きてきた青年・タクヤ。
唯一、初めて惹かれた相手はケーキ屋で働く、美優(みゆ)だった。
勇気を出して告白するも、あっけなく失恋。その帰り道、タクヤは交通事故で命を落とす。
——はずだった。
目を覚ますと真っ暗な世界。そして女神から告げられたのは、
「あなたは好きな子のAIとして再生させます」
という不可解すぎる宣告。
気づけばタクヤは、美優のスマホの中。彼女の問いに選択肢でしか答えられない
チャットAI・チャピ太になっていた。
文字数 22,319
最終更新日 2025.12.02
登録日 2025.11.28
『あっ、もしもし、オレオレ! 実は悪い女に唆されて夜会で婚約破棄をしちゃってさ。怒った両親から廃嫡されそうなんだよね。でも、今日中に婚約者の家に慰謝料5百万オークを支払えば、婚約破棄自体を無かったことにしてもらえるんだ。そう! 何もかもがそれで元通り。それで悪いんだけど、侍従を使いに出すからそいつに金を渡してくれないか? やった、ありがとう! それじゃー、頼むよ、おばあ様!』
「いや、それ絶対、転生者が犯人でしょ」
最近、王都ではそんな感じの詐欺が流行っている――友人からそれを聞いたとき。反射的にそう答えて初めて『ソレ』に気が付いた。
――って、私も『転生者』じゃないのっ!!
友人が詐欺事件に巻き込まれたことから、前世を思い出した伯爵令嬢のソネット。
とりあえず前世知識チートで思いつくままに商売をしているうちに詐欺事件について話が聞きたいと、王都の治安維持を担う騎士団の若き副騎士団長ジャスティスがソネットの元へとやってきた。
ソネットは前世の記憶から『オレオレ婚約破棄詐欺』の解決方法を副騎士団長に提案するが、事態は思わぬ方向へと転がって……!?
文字数 28,644
最終更新日 2023.07.12
登録日 2023.06.30
平凡な男子高校生「須藤 怜太」は真夜中に空から降ってきた少女と出会う。
なんとその少女は永く生きてきた神様だった。
暴走する神の力を恐れる少女は世界を守るために一つの願いごとをする。
「私を殺して。殺してくれたら願いを叶えてあげる」
神殺しの力に覚醒する怜太の選ぶ答えは「他の神殺しから少女を護ること」だった。
世界、そして少女の結末は―――
『ボーイミーツガールから始まるダークファンタジー!』
文字数 13,381
最終更新日 2017.09.24
登録日 2017.06.11