「歩」の検索結果

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ミステリー 完結 長編 R15
ーーゆうちゃんはね。 ーー精霊で、天使で、神様なの。 私、朱宮みおには、大切な親友がいる。 夕枯白亜(ゆうがれ・はくあ) ゆうちゃん。 誰よりも賢くて。 誰よりも優しくて。 誰よりも綺麗で。 そして、誰よりも正しい人。 だから私は、ずっと信じていた。 ゆうちゃんは特別な存在なのだと。 私とは違う。 私なんかとは比べものにならないくらい、美しくて、尊い存在なのだと。 だから私は、ゆうちゃんの隣を歩きたかった。 同じ景色を見て。 同じ時間を過ごして。 同じ場所で笑いたかった。 ただ、それだけだった。 けれど、人は成長する。 私も成長した。 成長すればするほど、自分という存在が見えてくる。 私は綺麗じゃなかった。 優しくもなかった。 正しくもなかった。 そして何より――穢れていた。 どれだけ手を洗っても。 どれだけ祈っても。 どれだけ善良に生きようとしても。 消えないものが、この身体の中に残り続けている。 穢れは決して、浄化されない。 それでも。 それでも私は、ゆうちゃんの隣に立ちたかった。 だから、決めたの。 全部、綺麗にしてしまおうって。 全部、燃やしてしまおうって。 そうすればきっと。 私は本当の意味で、 ゆうちゃんの親友になれるから。 だから、決めたの。 私は、今日、身を清めることを。
大賞ポイント 54pt
文字数 37,450 最終更新日 2026.06.29 登録日 2026.06.21
ホラー 連載中 長編
 心臓が止まったはずの人が、また、歩き出す。  原因はわからない。5Gのせいだとも、隕石のせいだとも言われたが、誰も本当のところは知らない。ただ、世界中で同じことが同時に起きた。死んだ人が起き上がり、ゆっくりと、生前と同じ道を歩く。会社へ。学校へ。夕暮れには、家へ。誰かがそれを「もどり」と呼んだ。死んで、帰ってきた人たち。  人類は、十分の一になった。日本国政府はほぼ機能を止め、最後に一つだけ法律を残した――必要な物資は店から持ち出してよい。ただし、一度に一人一週間分まで。取りすぎず、奪い合わず、みんなで生き延びること。専門家は言う。あと三年、長くて五年。それまで、なんとか、各自で生き延びてほしい、と。  熊本市西区。この日から、田崎家の非日常だけど、普通の毎日が始まる。  父・康夫(五二)はスコップ片手に、酒を探しに出る。母・幸代(五〇)は猫の餌のため、フライパンを握って奮闘する。兄・大地(一六)は窓辺で「もどり」を観察し、中二病全開の研究ノートをつける。妹・花音(一四)は、漫画家になる夢を諦めない。そして四匹の猫――ちゃとらん、かぐや、マロン、おはぎ。なぜか「もどり」は、猫を襲わない。  地下水を汲み上げ、太陽光発電を活用して、お風呂も沸く。ご飯も食べられる。家族は、多数決と、二人以上での外出と、交代で書く一冊の交換日記。三つのルールだけを頼りに、終わった世界で、終わらない日常を生きていく。  運動不足を解消したい母は、ジムから器具を調達しようと言い出す。漫画の道具が欲しい妹は、画材を調達するために街に行きたがる。熊本城を拠点にしたら格好いいと、兄は無茶を言う。父は今日も、酒のために命を張る。わがままで、賑やかで、ちょっとだけ命がけ。そんな家族のドタバタが、リレー形式の日記で綴られていく。  でも――歩き続ける「もどり」たちは、ただの怪物ではない。いなくなった妻の残した大切な庭を、いつまでも守り続ける者がいる。誰かを守るように、手を引いて歩く者がいる。彼らは、何を抱えて生きて、何を残して、帰ってきたのか。襲う者と、襲わない者を分けるものは、何なのか。賑やかな笑いの底から、その謎が、静かに立ち上がってくる。  少しだけスプラッターありの、ハチャメチャな終末サバイバル。なのに、読み終えると、なぜか少しだけ、泣いている。熊本の土地と方言を錨に描く、物悲しくて、可笑しくて、あたたかい、家族と猫と死者の物語。  あとぜき、お忘れなく。開けたら、閉めること。閉めなければ――入ってきますけん。
大賞ポイント 45pt
文字数 113,928 最終更新日 2026.07.15 登録日 2026.06.30
ライト文芸 連載中 ショートショート R15
会社の部下と飲み会に来ていた大手商社の若き係長、鳥居良彦 しかし酔った部下の一人が公園のトイレに駆け込んだところから 良彦の運命は破滅へと歩み始めた ベンチに腰をおろし待って居ると遠くから女性が助けを求めている 慌てて駆け寄った良彦は、女性に覆いかぶさり今まさに乱暴しようとしている男を突き飛ばす 間一髪女性の救出には成功したが、突き飛ばした男性は白目をむいて頭部から血を流し倒れている ここから良彦の人生が狂いだす 会社からの解雇、可愛がっていた後輩の虚偽証言、愛する妻と娘からの絶縁 そして、法廷に証人として現れない助けた女性、角田真理 人助けのつもりが人殺しと呼ばれ裁かれる事に 全てを失い、裏切られこの世に絶望した男は4年という殺人罪にしては異例ともいうべき刑期を終え出所する... そこには、あの日 法廷に現れなかった角田真理と弁護士滝川花音の姿が 二人を目にした良彦はあの日の絶望と憎悪が蘇る 車で連れて来られた小さなコテージ、あてがわれた部屋で良彦に身を任せた二人を躊躇なく獣のように襲った 「殺してくれ」 冷静になり自分の行動を振り返った良彦 元妻、娘、両親のこと、自分に関係していた人々の今を知り これから先、生きていくことを諦めた良彦 そんな良彦に真理が優しく微笑み、花音が優しく頭を抱きしめる 「今度は私たちが貴方を‥‥」 こうして前科持ちの男と、大手食品メーカーの社長令嬢、敏腕弁護士による奇妙で複雑な関係が生まれた あの日、何故良彦が罪に問われることになったのか・・・ その真相に迫る時、3人には驚愕の事実が
大賞ポイント 44pt
文字数 66,331 最終更新日 2026.07.16 登録日 2026.06.06
SF 完結 長編
「大砲? 蒸気機関? そんな非効率なものは必要ない。――統計(データ)があれば、国の一つや二つ、戦わずに餓死させられるんだから」 歴史の一次史料を漁るだけの引きこもりだった俺が転生したのは、1700年、清朝・康熙年間のマカオ。 手元にあるのは、自作の発電機で一日にわずか一分だけ起動する、未来の「知の避難所」――スマホ。 宣教師助手という底辺の立場から、俺は港を流れる銀とモノの動きをスマホに叩き込む。 そこに浮かび上がったのは、100年後にこの国をアヘンで沈め、灰にする「地獄の予兆」だった。 俺が仕掛けるのは、最新兵器による虐殺ではない。 港湾則例(SOP)、差別関税、相互監査、そして緻密な統計。 「あのアホな列強どもに教えてやろう。関税率一つで、お前たちの自慢の軍隊が維持できなくなる仕組みをね」 俺が数字を一行書き換えるたびに、傲慢な列強諸国の経済は音を立てて崩壊し、富は音もなく俺の手元へと逆流する。 軍事技術をあえて加速させず、欧州の軍需モデルを根底から破綻させる。 世界大戦も冷戦も起きない、「進歩は遅いが、平和は長い世界」への強制リライト。 これは、歴史の塵だった男が、未来のAIと共に、制度という網で巨大な悪を絡め取る、最も静かで、最も残酷な「経済無双」の記録。
大賞ポイント 41pt
文字数 48,305 最終更新日 2026.05.23 登録日 2026.03.04
ファンタジー 連載中 長編
『適正がないと言われた俺が、受け継いだ勇者の力で悪魔たちを薙ぎ倒す話』 フォーセルという世界がある。 摂理を超えた魔力が満ちた世界には、魔素と呼ばれる存在が世を乱す原因となっている。 幼い頃のヌアダが住む小さな町が、魔物に襲われる。 勇者が来る前に、魔物は何者かに斃された。しかし、ヌアダを逃がした父は、魔物に殺されてしまう。ヌアダは神に祈るが、奇跡は起きなかった。 この日の出来事は、少年の運命が大きく変わる予兆だった。 15歳となったヌアダは、東の都へ勇者になるための儀式を受けに行く。だが、聖母によって成された儀式で、ヌアダは勇者の適正なしと判断される。 その後、東の都を歩いている途中、ヌアダは悪魔に襲われる――。 勇者になれない少年の、勇者とともに戦う物語。 どうぞ、よろしくお願いします!
大賞ポイント 26pt
文字数 174,508 最終更新日 2026.07.15 登録日 2026.01.04
歴史・時代 完結 長編
 時は江戸時代。独自のスタイルを持った盗賊集団「煙の一味」と、それを追う特別捜査班「新当組」との争いを描く。  恩人の死をきっかけに犯罪の道へと踏み込んだ少年は、いつしか名うての盗賊団のリーダーになっていた。一方、熾烈なお家騒動を生き延びた天才少年剣士は、流浪の末にたどり着いた国で盗賊改の与力に任ぜられた。対照的な道を歩んできた二人の運命がある日ついに交錯し、命をかけた戦いがはじまる。
大賞ポイント 22pt
文字数 223,566 最終更新日 2026.06.30 登録日 2026.06.17
ライト文芸 完結 長編
「剣で斬るより、この暴露(データ)一つの方が、よっぽど残酷に人を殺せるんだよ」 影の組織の使い捨て実験体として、地図にも載らない閉鎖国家の理科室に捨てられた少年。 だが、死を待つだけの彼に訪れたのは、絶望ではなく覚醒だった。 右目に宿ったのは、世界のあらゆる情報を引き出し、書き換える超越スキル――神の瞳。 埃を被った理科室の端末を叩けば、この世界の機密はすべて俺の所有物(データ)となる。 民衆の前で清純を装う聖女が、裏で溺れる醜悪な不倫の記録。 国を愛するふりをした王太子が、私欲のために結んだ売国の密約。 すべては見えた。すべては握った。 「――さあ、社会的抹殺(フクシュウ)のカウントダウンを始めようか」 一歩も動く必要はない。剣も魔法も必要ない。 ただ理科室で指先を動かすだけで、傲慢な聖女は民衆の石打ちに遭い、強大な組織は一夜にして内部崩壊する。 隠し資産を奪い尽くし、弱点を握り、自分を裏切ったすべてを絶望の淵へと突き落とす。 閉鎖国家の片隅から始まった少年のハッキングは、いつの間にか世界の運命さえも掌握していた。 今さら泣いて許しを請うても、もう遅い。 これは、情報の神となった少年による、無慈悲で完璧な一方的蹂躙(ざまぁ)劇。
大賞ポイント 20pt
文字数 44,976 最終更新日 2026.04.18 登録日 2026.03.18
ファンタジー 連載中 長編
学校から帰る途中、近道のシャッター街で怪しい占い師とすれ違う天野 義悠(あまの よしはる)。 その占い師が「義悠」と名前を呼んだ。 驚いて立ち止まった瞬間、義悠の一歩先に老朽化した看板が落下する。 間一髪で助かった義悠は、お礼となぜ自分の名前を知っているのか占い師に聞こうと振り返る。 すると義悠の足元に魔法陣が現れ義悠の身体は沈んでいく。 パニックになる中、伸ばした手を何者かが掴む。 しかし引き上げることは叶わずその主諸共魔法陣に吸い込まれてしまった。 気が付くと義悠は冷たい石の台座の上に居た。 そして台座の前に跪いた美しい女性に声を掛けられる。 「ようこそおいでくださいました。勇者様」 「どうかこの世界を”怪異”からお救いください」 麗しくも冷淡な占い師 琶濃宮 玖龍(はのみや くりゅう)護衛として付けられた騎士団副団長 ギルバード・ハインツ と共に魑魅魍魎に立ち向かっていく異世界ファンタジー×ホラー×ミステリー
大賞ポイント 15pt
文字数 16,644 最終更新日 2026.07.11 登録日 2026.06.27
ファンタジー 完結 短編
魔王討伐によって平和が訪れるはずだった世界は、光の勇者・レオンの「ある決断」によって崩壊し、絶え間なく灰と瘴気が降り注ぐ死の大地と化した。 かつての仲間たちに裏切られ、人類を滅亡の危機に陥れた「大罪人」として忌み嫌われるレオン。彼は絶望の果てに悪魔・リリスと契約を交わし、他者の魂を喰らう邪聖剣を手に再び歩み始める。彼の目的はただ一つ――この残酷な世界を作り出し、人々を弄ぶ真の黒幕である天上界の「神」を殺すこと。 狂信的な選民思想を掲げ、レオンを悪魔として追うかつての仲間・聖女アリア率いる「新聖国」。執拗な追跡を受ける中、レオンは神へ至る門を開くため、自らを追放した人間たちを容赦なく欺き、略奪していく。 正義も救いも失われた灰燼の世界で、すべてを失った最悪の勇者が歩む、凄惨で孤独な反逆と復讐の物語。
大賞ポイント 14pt
文字数 28,879 最終更新日 2026.06.18 登録日 2026.06.15
ファンタジー 完結 短編
夢を「診断」し、そこから心身の異常を治療する文化が根付いた都市――《夢界都ユーメリア》。 人々の夢は「夢晶」と呼ばれる薬石に記録され、薬師はそれを調合して治療薬を作り出す。夢は記憶や感情、呪い、過去を映す鏡とされ、正しく扱えば人を癒す力となる。 しかし、夢を悪用すれば人の心を狂わせ、現実そのものを歪ませることも可能だった。 やがて都市を覆う陰謀が動き出す――夢を奪い、操り、売買する者たち。夢晶に刻まれた秘密は、街の存亡と人々の存在そのものを揺るがす。 夢を守る薬師リセは、自らの存在に潜む謎影に直面しながら、「真実」へと歩みを進めていく。
大賞ポイント 13pt
文字数 25,422 最終更新日 2025.11.24 登録日 2025.11.21
ライト文芸 完結 長編
四十三歳の豊島京は三ヶ月前に会社を辞めた。エリート会社員だった京は今はハロワに通う冴えない中年男だ。同期入社で親友だった東山三太が香港で交通事故で亡くなった。その記事をスクショし「この人のことを知っている日本の人はいませんか?」というXの投稿を見てから、その投稿を探す日々。三太はどうして香港に居たのか、Xに投稿した人物は誰なのか?ずっと親友だった三太からの言葉に、答えられなかったことを後悔する日々。Xの投稿者に導かれるように、香港へ三太が歩んだ道を探す旅に出る。
大賞ポイント 11pt
文字数 60,496 最終更新日 2026.06.12 登録日 2026.06.02
ファンタジー 連載中 短編
父さんがどこかおかしい。それは僕も妹も。なぜ僕は龍の島に興味を? ドラコって誰?    僕はカズ。アイテム合成が趣味で仲間のハイとゾークの三人でアイテム探し&合成を続ける毎日。 ある日父さんが王子に誤ってタンサン毒水を飲ませたことでアトリエ没収の目にあう。 新たなアトリエ探しをするも運悪く人喰いオオカミの逃げ込んだ村に閉じ込められてしまう。 人に変装したオオカミに襲われ村人が徐々に数を減らしていく絶体絶命の大ピンチ。 奴は一体誰に変装したのか? 【人喰いオオカミ編】 ウッド爺・フォレーセス・洞窟守・ジョン・村長・村長代理・宿屋の夫婦・お客・隣人……
大賞ポイント 10pt
文字数 121,840 最終更新日 2026.07.16 登録日 2026.05.26
歴史・時代 連載中 長編
​怪物は死んだ。しかし、その絶命の残響は新たな怪物を産む。 大久保長安、駿府にて病死。実子は全員切腹。 遺体は掘り起こされ、安倍川の河原で首を晒された。 ​慶長末期。公儀の総目付・柳生但馬守宗矩は、大大名をも凌ぐ権勢を誇った怪物の足跡を、天下の台帳から完璧に「漂白」したはずだった。 ​だが、主を失ったはずの職能たちは、むしろ主が死んだからこそ、なりふり構わずその仕組みを私物化し、勝手に動き始める。 ​神の声を騙り、闇の連絡網をその足で繋ぐ歩き巫女。 梁の軋みを聞く算術家と、泥の深さを読む山師。 荷重の均衡を脳裏に叩き込み、闇の流通を担う荷役屋。 故郷の嘘の文字に縋る異邦人と、人間の人格すら偽造する書類屋。 ​公儀の目の届かない地下の配管で、歪みは滑らかに繋がり始めていた。 ​「……まだ、閉じておらぬか」 ​網の目を追う宗矩が、柳生の最深部に眠る「もう一人の怪物」の気配に気づいたとき、世界の骨組みが微かに軋む音を立てた。 ​これは、本尊なき世界で蠢く、職能の怪物たちの自律分散型ノワール。 ​──世界のあちこちに、あの怪物の『残響』だけが、まだ響いている。
大賞ポイント 10pt
文字数 29,016 最終更新日 2026.07.16 登録日 2026.06.28
ライト文芸 連載中 長編
①登場人物の紹介  悠晴は、列車の来ない月見浜駅を毎朝八時三分に開け、古い時刻表を整え続ける青年。十年前に町を出た将大のことを、平気な顔で待ち続けている。将大は大げさな言葉で格好をつけるが、自分の字さえ読めないほど不器用な男。帰郷した彼の鞄には、悠晴へ出せなかった寒中見舞いが眠っていた。  七海は、町役場で観光案内を担当する女性。困っている人を見ると、相手が言い終える前に必要な物をそろえてしまう。真奈衣は、旅ライターの夢に一度つまずき、それでも失敗ノートに改善策を書き足しながら歩き続ける女性。二人は、月見浜町をひとりで歩きたくなる手帖を作るため、廃線跡、農道、港、古い商店街を巡っていく。 ②あらすじ  八月末、廃線になった月見浜駅の郵便受けから、今年一月の消印が押された寒中見舞いが見つかる。宛名は「月見浜駅 青春敗者復活戦係」。文面は「次は君とどこで出会えるかな?」だけ。差出人のない葉書と、待合室の裁縫箱に残されたピンクッション、そこに刺さっていた色あせた短冊をきっかけに、悠晴、将大、七海、真奈衣は十年前の願いの持ち主を探し始める。  古い帽子を捨てられない人、亡き祖父へ葉書を出せなかった人、一度でいいから名前を呼ばれたかった人。四人は時速八キロのトラクターで農道を回り、熱帯夜の港を歩き、雨に濡れながら短冊を拾う。やがて、取り壊し候補の月見浜駅を、ただ残すのではなく、思い出に感謝してから次へ進む場所として息を入れ直そうと動き出す。  九月下旬の月見の夜、雨の駅舎で、将大は読めない字のノートを声で読み、悠晴は十年前の短冊に書いた本音を読み上げる。言えなかった好き、感謝、嫉妬、後悔が、月見浜駅の待合室でようやく言葉になる。
大賞ポイント 8pt
文字数 138,511 最終更新日 2026.07.15 登録日 2026.06.24
ファンタジー 連載中 長編 R15
人類の繁栄の裏で、獣人たちが『奴隷』として虐げられる国――セレストリア王国。 平民出身でありながら、実力だけでトップエリートである白銀の「聖騎士」へと上り詰めた女傑・ヴェロニカは、ある日、寂れた林道で老商人ローレンの荷車に拾われる。 王都への道中、二人が遭遇したのは、魔獣に襲われ死にかけていた幼い獣人の少女だった。 過去の記憶をすべて失い、怯えることしかできない少女。 壁の内側に連れて行けば、そこは同族が奴隷として扱われる王都。 だが、その小さな命を救うため、ヴェロニカとローレン、そしてその友人ハンスは、少女を王都で匿うことを決意する。 ――それは、国家への反逆。 不器用ながらも温かく迎える大人たちとの交流を経て、少女は少しずつ笑顔を取り戻していく。しかし、彼らが生きる世界はそれほど優しくはなかった。 少女の背後に見え隠れする不穏な追跡者と、王都の闇。 なぜ彼女は傷つき、記憶を失っていたのか。その過去が紐解かれるとき、平穏な日常は音を立てて崩れ去っていく。 どんなに激しく嫌悪しても変えられない世界のシステムと、あまりにも理不尽な運命。 大人たちは自らの無力さに引き裂かれ、もがきながらも、彼女の手を握り締め続ける。 正義だと信じたその優しさとは裏腹に、少しずつ、だが確実に狂っていく運命の歯車。 これは、世界の濁流に呑み込まれていく少女が自身を思い出す物語であり、引き返せない暗闇へと歩みを進める大人たちの記録である。
大賞ポイント 8pt
文字数 72,776 最終更新日 2026.07.02 登録日 2026.06.29
ファンタジー 連載中 長編 R15
異世界に勇者として召喚されるも、瘴気で異形の姿に変異し「爛れ勇者」として追われる徹。荒廃した辺境を放浪する彼は、魔族に村を滅ぼされた神官の少女レティと出会う。神を捨て復讐を誓う彼女は、徹の拒絶を無視して後を追い、旅に同行する。 当初はレティを足手まといと見なしていた徹だが、旅路で泥を操る異能と壮絶な戦いを見せ、非力だったレティは瘴気適合者へと覚醒させていく。アルタニス王国の騎士団の追撃を振り切り、国境を越えてサランクス王国へと向かう二人。旅を続けることで、冷徹に振る舞う徹の内に眠る人としての優しさを、レティは不器用ながらも深く信頼し始める。傷を負いながらも復讐と生存のために剣を振るう。互いの孤独を埋めるように絆を深めた、鬼の青年と元神官の少女の過酷な旅路の物語。
大賞ポイント 8pt
文字数 54,867 最終更新日 2026.06.24 登録日 2026.06.03
SF 完結 長編
前作の続編となります。 第3次世界大戦後の世界線で 元少年兵のオッサンが様々な人々と出会い、 自由気ままに大型2足歩行人型重機RF(ランナバウト・フィギュア)と共に仕事しながら生き抜いていく…… 注 【RFのデザインはあくまでAIの画像生成による(仮)デザイン】です。 RFのデザインもより現実的に変更して 再構成させて頂いております。 読者様により良い作品を読んで頂く為に 加筆・修正なども度々 行なっております。 ご容赦くださいませ。
大賞ポイント 7pt
文字数 103,514 最終更新日 2026.06.24 登録日 2026.04.28
ファンタジー 連載中 長編
『憑いてる。』 あらすじ この世界では、強い人間ほど“何か”に憑かれている。 成績上位者、人気者、カリスマ、勝者。 人より抜きん出た者の背後には、普通の人間には見えない存在がいる。 それは、歴史上の英雄や偉人たちの「分霊」。 諸葛亮孔明、織田信長、石田三成――かつて強烈な意志を残した者たちの欠片が、現代の人間に憑き、その才能や野心を押し上げていた。 中学二年生の綾小路将太は、誰にも憑かれていない少年だった。 周囲の人間には次々と異形の影が見えるのに、自分の背後には何もいない。 彼は、強者たちの世界において“空席”と呼ばれる異常な存在だった。 そんな将太に近づいたのは、石田三成の分霊。 三成は最初、将太を自分と同じ「見届ける者」だと思う。 だが、やがて気づく。 将太はただ見えるだけの人間ではない。 憑かれていない空白そのものに、何かが集まり始めているのだと。 将太は、停止した時間の中へ足を踏み入れる。 そこでは街も人も動かず、ただ観測する者だけが歩くことを許される。 白い駅、東京駅に現れる巨大な影、観測地図、謎の足跡。 そして、「一人目」「二人目が近い」という不気味な言葉。 一方、周囲でも異変が起こり始める。 孔明に憑かれた少年、信長を宿す少年、影が薄くなっていく少女。 受験、模試、順位、学校生活という日常の裏で、見えない存在たちの戦いが進行していく。 憑く者。 憑かれる者。 観る者。 そして、誰にも憑かれていない“空席”。 将太は、自分がなぜ選ばれたのかを知らない。 三成も、まだ本当の答えには辿り着いていない。 だが世界は、すでに動き出していた。 これは、ただの異能ではない。 才能の裏側に潜むもの、勝者に取り憑くもの、敗者を見届けるもの、そして人間の空白に集まる何かを描く、現代ダークファンタジー。 『憑いてる。』 少年はまだ知らない。 自分の“空席”こそが、この世界で最も危険な席だということを。
大賞ポイント 7pt
文字数 114,254 最終更新日 2026.07.12 登録日 2026.05.28
SF 連載中 短編
百年前、世界は破滅への一歩を踏み出した。 急激な科学技術の進化、争い、大災害……。 それらにより再起不能となった文明は退化していき、今や人類はその存在が消えゆくのを待つだけの存在となった。 そんな終末世界を生きる青年、宮田真幸はかつて新たな景色を求めて旅立った同郷の友、佐々木美晴の後を追い、故郷を出る事に。 乗り物も存在しない世界。 十数年前、佐々木が踏みしめた地を辿り、彼は鳥取県から東京都を目指す。 常に死と隣り合わせの終末世界横断の旅。 初めて足を踏み入れた外の世界には、彼が想像するより多くの尊い出会いがあった。 生と死が隣り合わせになった、静かな世界。 そんな世界だからこそ生まれる様々な価値観や考えに触れる宮田は、佐々木が外の世界に求めたものを悟るようになっていく。 これはそんな静かで危険で、けれど温かくも切ない旅路の一幕。
大賞ポイント 7pt
文字数 3,283 最終更新日 2026.06.30 登録日 2026.06.30
ミステリー 連載中 短編
 秋月 衛(あきづき まもる)は、33歳の臨時教師だ。  久々の教育現場は、私立 凪潮学園(しりつ なぎしおがくえん)に決まった。  大学で同期だった宇都宮が教頭を務める、地方都市の有名学校だ。  初登校の日、校内を歩いていた衛は印象的な少女に出会う。  この学園の中等部に通う、早乙女 希良(さおとめ きら)だ。  ピンクの髪や、盛った睫毛、派手なネイルなどから察するに、彼女はギャル。  しかし、片方だけ見せている瞳は澄んできれいだ。  衛は迷うことなく、希良に学校の案内を頼んだ。  教頭の宇都宮は衛の到着を喜んだが、疲労の色が隠せない。  4月に、この学園で猟奇的な殺人事件が起きたのだ。  被害者は男子生徒で、遺体からは肝臓が抜き取られて、石で叩き潰されていたという。  旧友をねぎらう衛だったが、この事件に奇妙な違和感を覚えていた。  もうひとつ、衛の気がかりは希良だ。  希良の周りには友人の黒ギャルたちがいて、彼女はそのリーダーのように振舞っている。  衛はそんな希良が、無理をしているように見えてならない。  年上らしく心配する衛だ。  一方で希良も、この風変わりな教師である衛が、気になって仕方がない。  理科教師で特に生物が好き、という衛は、カマキリがクモを食べているさまを見て興奮するのだ。  ドン引きしたが、興味があることに対して自分を偽らずにいる彼に、一目置いた。  しかし今度は、授業でカエルの解剖をする、と言うのだ。  やはりドン引きしたが、自己において筋を通す衛の姿は、頼れる年上の男性に見えた。  衛と希良、二人の学園生活には、やがて連続殺人事件がまとわりつくようになっていく……。
大賞ポイント 6pt
文字数 5,105 最終更新日 2026.07.03 登録日 2026.06.29
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