「徹」の検索結果

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歴史・時代 完結 長編
「征夷大将軍、徳川秀忠……と書けば、間違いなく江戸城に届くだろうな」 訳あって大金を必要としていた男装少女ハチは、夜の江戸城下で身なりの良い若君を誘拐することに成功する。 しかし、竹千代と名乗った人質は、怯えるどころか脅迫状の文面にダメ出しを始める始末。 調子を狂わされながらも父親の名前を問い詰めたハチは、想定外の「宛先」に筆を取り落とす。さらった相手は、天下の徳川家康の孫であり、もうすぐ三代将軍となる男――徳川家光、その人だった! 国家転覆レベルの大罪に顔面蒼白になるハチ。だが、当の竹千代は「上洛軍は行ってしまったぞ。責任をとってくれ」と、なぜか嬉々としてハチの旅路についてきてしまい……!? ----------------------------------------- 置いてきぼり「若き将軍」× 訳ありの「男装少女」 互いの正体に気づきながらも、すれ違う二人の化かし合い道中記! ◆主な登場人物◆ 【男装女子】じっちゃんの手紙と短筒を胸に、旅する男装のハチ。 【辻斬り将軍】ハチの前では子犬系、敵の前では冷徹一閃の若き家光。 【胃痛の護衛】天井裏で白目を剥きながら二人を密かに守る忠臣・稲葉正勝。 将軍宣下を控えた竹千代は、東海道をゆく上洛軍に追いつくのか?! 江戸を飛び出し、舞台は緊迫の中山道へ! 凸凹バディの痛快二人旅、いざ開幕!
文字数 76,207 最終更新日 2026.06.22 登録日 2026.05.31
歴史・時代 完結 長編
丁度888年前 平安時代の末期 鎌倉幕府の初期 平家と源氏が争いに争い 長きに渡るその戦いは英雄を 続々と生み出して言った カリスマ性で時代を治めた 源 頼朝 圧倒的的センスで最強 源 義経や弁慶 武士としての定評がある 北条時定 武勇とカリスマの 新田義貞 裏切りの英雄 足利尊氏 では、この時代の最強の武士とは……? 誰にも知られる事なく只々数多の戦場に現れ着実に戦果を出し この時代に78歳の寿命まで生きたのが最強だった何よりの証拠 金子十郎家忠 最強と誰にも知られていないのも 実は戦略 本当にいた最強とは戦だけではなく 徹底的なロジカルシンギング の生存戦略と情報戦の盤外から始まっていたのだ! 戦略とは生存である 生存しなければ戦略ではない。 そして、歴史への介入 金子十郎家忠に選ばれた者が 時代を作っていた。 生きていた時に作った情報統制のシステムが持ち過ぎてざっくり888年秘密が暴かれなかった。 歴史学における「新たなパラダイム(認識枠組み)」の発見そのもの 新しい歴史の紐解き方の公式の発見である!これはその事を証明するための物語 隠された歴史が現代に蘇る 歴史合戦ファンタジー
文字数 88,931 最終更新日 2026.06.19 登録日 2026.04.17
歴史・時代 連載中 長編 R15
昭和初期――。 ジャズの調べと路面電車の音が響く華やかな銀座の表通り。 その裏側では、法の網をくぐり抜けるクズどもがのさばり、弱い者たちが泣き寝入りする日々が続いていた。 そんな夜の闇に、金で怨みを晴らす裏稼業『夜烏』がいた。 表の顔は、銀座のカフェー「黒猫亭」で働く銀髪ハーフの美人女給・綾。 妖しい銀髪と華やかな笑顔で男たちを魅了する人気者だ。 だが、依頼が舞い込めば—— 彼女は冷徹な殺し屋に変わる。 『夜烏』の一員として、金さえ積まれればどんなクズでも容赦なく息の根を止める、血に塗れた仕置人――。 たとえその手がどれだけ血に染まろうとも。
文字数 43,757 最終更新日 2026.06.21 登録日 2026.05.31
歴史・時代 連載中 長編
「この戦争は、もう勝てない」 昭和十八年。 陸軍参謀本部の中で、その現実を直視していた男がいた。 松谷誠、陸軍大佐。 英米の国力を知り、補給と物量を重視する異端の幕僚。 敗北を口にすることさえ許されない軍中央で、彼は密かに終戦への研究を始める。 やがて彼のもとに、外務省の加瀬俊一、宮中の松平康昌、海軍の高木惣吉がつながっていく。 陸、海、外、内 交わるはずのなかった四人の官僚たち。 【陸】悲観論を恐れず和平案を練り続ける陸軍大佐・松谷誠。 【海】海軍大臣の特命で海軍を善導し、活路を探る海軍少将・高木惣吉。 【外】外務大臣の傍らで外交の道を拓く外相秘書官・加瀬俊一。 【内】天皇の御意向を汲み、宮中から静かに策を巡らす内大臣秘書官長・松平康昌。 彼らの敵は、連合国だけではない。 徹底抗戦を叫ぶ軍部。 和平派を監視する憲兵。 敗北を認められない国家の空気そのもの。 どう勝つかではない。 どう終わらせ、日本を残すか。 【作品について】 この物語は公式記録、専門家の分析、関係者の証言を基に構成しています。なお、なるべく忠実をベースとしてますが、演出上、筆者の創作箇所や小説用に再構成している箇所もありますのであらかじめご承知おきの上お読みください。 ※執筆に先立ち、熊本県人吉市の「高木惣吉記念館」にて、四人組の一人である高木惣吉氏のご遺族の方に長時間の取材と貴重な史料のご提供を頂きました。ご協力に心より感謝申し上げます。
文字数 704,235 最終更新日 2026.06.23 登録日 2026.04.24
歴史・時代 完結 長編 R15
東方の大王が急死し、あの悪魔の軍勢は引き返したと噂され、ひと時、ヨーロッパは安堵した。 だが... 東方の大王...オゴタイ・カアンは、賢臣耶律楚材の諫言をようやく聞き入れ、 酒杯を遠ざけ、狩猟を控え、命を保ち、その配下である征服者バトゥの軍団は東へと引き返すことはなかった。 そして年月は過ぎて、 バトゥは冷徹な理性と秩序をもって世界を支配した...
文字数 26,217 最終更新日 2026.06.02 登録日 2026.02.07
歴史・時代 連載中 長編
文久三年、血風吹き荒れる京の都。 新選組の門を叩いた橘飛鳥は、まだどこか幼さが残るも、凛々しい顔をした旋風のように足が速い、十五歳の少年。 ――だがその実、決して誰にも明かせぬ秘密があった。 流れに身を任せ、人を斬る日常すら冷ややかに見つめる飛鳥。 その頑なな心を突き動かしたのは、あまりに純粋で、それゆえに酷薄な剣を持つ男、沖田総司との出会いだった。 土方歳三らの苛烈な生き様に巻き込まれ、飄々として掴みどころのない沖田に振り回されていく中で、 飛鳥の凍てついた胸の奥に、これまで知らなかった「情」という名の昏(くら)い熱が灯り始める。 やがて長州の影が蠢き、池田屋事変への不気味な胎動が京を浸食していく。 己を縛る秘密を抱えたまま、冷徹だった少年は何を願い、どこへ向かうのか。 激動の幕末、一羽の孤高な鳥が自らの居場所を見出すまでを描く、歴史青春小説。 ※カクヨムでも同名の小説を連載しています。 5/29まで毎日12時更新 5/31以降は毎週17時更新
文字数 135,816 最終更新日 2026.06.21 登録日 2026.05.24
歴史・時代 完結 長編
人々は「アンドリュー・カーネギー」と聞いて、どんな人物像を思い浮かべるだろうか? 貧しい移民の子から、その才能と努力で成り上がり、ついには世界最大の「鋼鉄帝国」を築き上げた天才実業家。 石油王ロックフェラーや、金融界の絶対君主J・P・モルガンら稀代の巨人たちと、互角以上に渡り合った不敵な策略家。 そして、世界一の富豪でありながら、その財産のほとんどをカーネギーホールやカーネギーメロン大学、膨大な図書館の設立に投じた、人類史上類を見ない慈悲深き慈善家……。 おそらく、そのような「聖人」のイメージだろう。 しかし、その成功へ続く道のりを紐解けば、そこには多くの者を踏み台にし、傷つけ、見捨ててきた、冷徹なまでの「濁」が流れている。 「清濁併せ呑む」には、あまりに人間味がありすぎた。 聖人の白衣を脱げば、その下には狡猾な魔術師の黒衣が。 さらに黒衣を脱ぎ捨てれば、そこには抱えきれない「懺悔」を抱え、ただ不器用なほどに人を愛した一人の男の、裸一貫の姿が現れる。 栄光と贖罪の到達地点で彼が見たものとは。 これは、荒野が鋼鉄の都市へと変貌を遂げた激動のアメリカを、誰よりも熱く、誰よりも懸命に走り抜けた――一人の男の、栄光と贖罪の物語。
文字数 39,041 最終更新日 2026.06.10 登録日 2026.05.31
歴史・時代 連載中 長編 R15
後漢末期、乱世の風雲児・曹操孟徳の傍らには、常に算盤と双頭戟を携えた一人の女がいた。名は、李司。 「天下の英雄? いいえ、すべて私の優良資産(夫)です」 董卓、袁紹、曹操、呂布という天下の猛将たちを「夫コレクション」として徹底的に調教&筋肉改造した彼女の前に、ついに「反董卓連合軍」が立ちはだかる! しかし、地獄の筋肉オールスターズを前に孫堅軍は瞬殺され、武神・関羽は自慢の「美髭」を「不潔なバグ」として物理的に刈り取られて大号泣するハメに……。 常識も歴史も木端微塵! 利益至上主義のヒロインが三国志をぶっ壊す、超・算術的ハイテンションギャグファンタジー!
文字数 474,608 最終更新日 2026.06.06 登録日 2026.03.11
歴史・時代 完結 短編
拝見、旦那様。あなたと妾の子供の誕生を、私は心から喜んでおります。けれど、その子を抱くことは決してありません。それが、私が「冷徹な女」と呼ばれる理由であり、妻としての誇りでもあるのです。 ーーーーーー 松島香里奈は、「冷徹な女」と呼ばれ侯爵令嬢に仕えていた。 ある日、夫と妾の子ができたと知り、三年ぶりに松島家へ帰郷することに――。 そこで待ち受けていたのは、夫の裏切り、妊娠した女中との対峙、そして母になれぬ自分の痛み。 冷徹に突き放すか、それとも慈悲を与えるか。 彼女の選択は、やがて一族の未来をも左右することになる。 冷徹さの裏に隠された、揺るぎない愛情と誇り。 すべては、仕えるお嬢様の幸せのために――。 大正から昭和へと移りゆく時代を背景に、ひとり強く寂しい女の愛と誇りの物語
文字数 14,922 最終更新日 2026.06.04 登録日 2025.09.19
歴史・時代 完結 ショートショート R15
一話に付き最低一枚絵を冒頭に挟んでます、ダウンロード容量にはお気を付けを。 追記:ごめん、私の容量が足りんかった。十一話以降の絵は遅れる。 庶民から成り上がり、いつしか先王の愛人となっていた女──アデル。 ある日、彼女は冷徹な高等法官レイモンを見初め、「恋人に」と誘う。 だが、その男の正体は国家公認の処刑人だった。 これを“侮辱”と受け取ったアデルは、革命裁判所に彼を起訴する。 しかし、時代はすでに革命の渦中。 裁判費用の捜査を通じて、アデルによる亡命貴族への金品輸送が発覚。 彼女自身が死刑宣告を受けることになる。 命乞いすら惨めとされる中、処刑を任されたのは皮肉にもレイモンだった。 だが彼は、幾千の命を奪い続けてきた過去に疲弊していた。 その隙を突き、アデルは彼を人質に逃亡。 共に逃げる中、二人は互いの罪と傷を詫び、感謝し、 やがて――奇妙な共犯関係として新たな旅路へと踏み出す。 「私は祖国と財産を取り返す。」「……今まで殺した人間と、処刑予定だった三千人以上を助ける。」 ──捕まれば即、断頭台。 交錯する赦しと野望、血と魂の逃亡劇が今、始まる。 史実では処刑されている人物がモデルなのともう少し後の時代のネタが使いたいのでその関係でフィクション寄りとしていますが最後の方で解説を一応挟ませてもらいます。
文字数 964,985 最終更新日 2026.06.18 登録日 2025.07.22
歴史・時代 連載中 長編
安保闘争に揺れる東京。デモの怒号が街を満たすその影で、一人のロシア人学者が学生たちに理想を説き、資金を与え、6月19日の「本番」へと導いていく。 学生たちは知らない――その温厚な紳士の素顔が、冷徹なKGB工作員イワン・ペトロフであることを。彼らは知らない――自分たちが誰かの書いた台本に従って動いていることを。 目標は、訪日する米大統領アイゼンハワーの暗殺。 異変を察知したCIA東京支局は街を監視網で覆い尽くすが、敵は混乱の中に潜み、着々と陰謀の蜘蛛の巣を張り巡らせていく。 日本公安は米ソ両国の思惑の狭間で孤高の戦いを選ぶ。アメリカの傀儡でもなく、ソ連の手駒でもなく――ただ日本の真の独立のために。 全学連M大副委員長の佐藤健一は「革命家」を演じる。 承認を求め、特別でありたいと願う青年。だが彼は気づかない――その「革命」が誰かに演出されたものであることを。 米ソ冷戦の最前線で、四者の思惑が激突する。 KGB工作員は「理想家」を演じ、CIA支局員は「守護者」を演じ、日本公安は「中立」を演じ、学生は「革命家」を演じる。誰もが素顔を隠し、歴史という名の舞台で配役された役を演じていた。 1960年6月10日、ハガチー襲撃というリハーサルが始まる。そして9日後、アイゼンハワー暗殺本番の幕が上がる―― 教科書が記さない、もう一つの安保闘争。血と謀略に彩られた「素顔なき演者たち」の物語。 ※本作はフィクションです。
文字数 111,800 最終更新日 2026.06.23 登録日 2026.05.07
歴史・時代 完結 長編
「この日本で、世界の現実と真の兵学を知っているのは、この俺一人だけだ」 嘉永三年、江戸。神田お玉ヶ池に、とんでもない男が塾を開いた。 その名は佐久間象山。自作の大砲をぶっ放しては見事に大爆発させ、江戸中から「ホラ吹き男」と叩かれながらも、眉一つ動かさず「職人の技術が俺の数式に追いついていないだけだ」と言い放つ、傲岸不遜な大天才。 そんな「鼻持ちならねぇおっさん」のもとに、時代の地殻変動を察知した若き怪物たちが吸い寄せられるように集まった。 貧乏長屋から死に物狂いで這い上がってきたオランダ語のバケモノ・勝麟太郎。 隻眼に冷徹なロジックを宿す長岡の麒麟児・小林虎三郎。 そして、純粋すぎるゆえに狂気を孕んだ長州の至宝・吉田寅次郎──。 水と油のような天才たちは、夜な夜な最新の西洋兵書を翻訳し、地球儀を回し、日本を救うための「知のデッドヒート」を繰り広げていく。 しかし、1853年。あの「黒船」の到来が、彼らの密やかな黄金期を容赦なく打ち砕いた。 襲いかかる時代の激流。引き裂かれていく師弟の運命。 松陰の死、海舟の台頭。そして、時代を先走りすぎた孤高の太陽・佐久間象山に迫る、暗殺の足音──。 黒船が来航してから、その男が京都の露と消えるまでの十一年間。 精神論を排し、数式と知恵を武器に世界と戦おうとした男たちの、可笑しくも壮絶な幕末青春群像劇!
文字数 39,957 最終更新日 2026.06.10 登録日 2026.05.31
歴史・時代 連載中 長編
剣は人を殺せても、時代は殺せない。 永禄の世、柳澈涵(リュウ・テツカン)は静かに乱世へと歩みを進めた。 その身に携えるは「澄心一刀流」、そして「澄心」と呼ばれる絶対的な理性。 彼は冷徹な医師のごとく、戦国の乱世を手術台の上へと載せた。 人を殺めるに抜刀は不要、兵糧を断てば足りる。 城を落とすに力攻めは不要、人心を攻めれば足りる。 「私は人を救いに来たのではない。この乱世という病を治しに来たのだ」 1日に2回更新
文字数 820,661 最終更新日 2026.06.22 登録日 2025.11.25
歴史・時代 連載中 長編
天正二年、長島。 雨が止んだ。それは、織田の鉄砲が再び「火」を噴く合図だった。 周囲を囲むのは、美しくさえある鉄と逆茂木の檻。逃げ場はない。 ​泥濘が兵の足を呪いのように掴み、死臭が混じった風が水路を撫でる。 坊官は、その絶望を冷徹な数字に置き換えていた。 残存兵力、食糧、矢じりの数。そして、これから失われる命の「割合」。 ​「私は、勝つと思っていない」 ​ふなは血に染まった水路を漕ぎ、重蔵は熱を失った炉で矢を打ち、かわは絶望に狂いゆく民を観察する。 英雄もいなければ、救済もない。あるのは、巨大な暴力に摩耗されていく肉の音だけだ。 ​歴史が「根切り」と呼んだ、凄惨な消耗戦の記録。 その最深部で、坊官はひとり筆を執る。 包囲網を、呪わしき理で解体するために。 泥濘の聖域外伝 カクヨム:長島異聞録 ―― あるいは、泥濘の流路 https://kakuyomu.jp/works/2912051600145715300
文字数 64,013 最終更新日 2026.06.23 登録日 2026.05.12
歴史・時代 完結 長編
捨てられた道具に命を吹き込め。算盤娘と天才職人が贈る、痛快再生譚! 大坂の商才 × 長崎の技術 × 庄内の祈り。 神田お玉が池の古道具屋『藍凪屋(あいなぎや)』、本日開店。 文化十四年、江戸。 泥にまみれ、捨てられたガラクタを、異国の技で「勝色(かちいろ)」へと蘇らせる天才職人・徳三。 その価値を冷徹に見抜き、江戸の「粋」へとプロデュースする算盤娘・おめい。 吹き溜まりの裏長屋から、二人の「余所者」が江戸の価値観をひっくり返す! 捨てられた道具に新しい命を吹き込み、絶たれた「縁」を再び結ぶ、再生の物語。 「うちが売ってるんは物やなくて、職人の執念と、それを持つ人の『格』なんですわ」 どん底から江戸の頂点を目指す、痛快・職人再生サクセスストーリー!
文字数 129,209 最終更新日 2026.03.16 登録日 2026.01.26
歴史・時代 完結 短編
【あらすじ】 薩摩藩の軍事指導を担う赤松小三郎は、信州松平上田藩を出て、広く長崎に江戸にと学び、最終的には英国将校から、英語と兵学を学び、ついには英国歩兵練法を完訳するに至った俊才である。 薩摩藩士・野津道貫の依頼を受け、薩摩藩の京都藩邸において塾を開き、中村半次郎をはじめとする薩摩藩の子弟に、兵学を教え、練兵し、薩摩藩の軍事運用面を徹底的に英式へと転換を図った。 さらに、議会政治の可能性を模索し、越前の松平春嶽に建白書を提出し、また、薩長が武力倒幕を目指しているのを知り、幕府と薩摩の融和を求めて奔走していた。 しかし一方で、その赤松の才を買って、幕府からは招聘され、故郷・上田藩からは帰国を促され、小三郎は進退窮まり、ついに懇望もだしがたく、帰郷を選ぶ。 慶応三年九月三日夕刻――帰郷を目前に控えた赤松小三郎に、薩摩藩の刺客・中村半次郎が忍び寄る。 これは――その半次郎が何故「人斬り」となったのか、それを語る物語である。 【登場人物】 赤松小三郎:英国式兵学の兵学者 中村半次郎:薩摩藩士 小松清廉:薩摩藩家老 西郷吉之助:薩摩藩士、志士 大久保一蔵:薩摩藩士、政客 桂小五郎:長州藩士、政客 大村益次郎:長州藩士、軍人 【表紙画像】 「きまぐれアフター」様より
文字数 10,892 最終更新日 2023.06.15 登録日 2023.06.10
歴史・時代 完結 長編
歴史小説『払暁の風』は、室町時代初期、足利幕府の権力基盤が固まりつつある激動の時代を舞台に、一人の若き武士の成長と、過酷な運命に翻弄される愛を描いた壮大な物語です。 物語の主人公は、美濃の守護・土岐氏に仕える沼田又太郎。弱冠二十歳の彼は、瑞々しい感性と正義感を持ち合わせ、兵法の修行に励む志高い青年です。冒頭、京の鴨川のほとりで、恋仲である早希と過ごす穏やかな時間は、中世の静謐な美しさを象徴しています。しかし、その静寂は、幕府内部の権力闘争と土岐一族の内紛「康行の乱」によって無残にも破られます。 時の将軍・足利義満は、強大な勢力を誇る守護大名の弱体化を画策していました。その標的となった土岐氏では、義満の意を受けた土岐満貞が、宗家の康行を追い落とそうと策動します。又太郎はこの政争の渦中に否応なく巻き込まれ、初陣として「黒田の合戦」へ向かうことになります。 本作の最大の魅力は、凄惨な戦場のリアリズムと、そこに生きる人々の心の機微が見事に融合している点です。初めて人を斬る恐怖、信頼していた仲間との決別、そして戦乱の中で引き裂かれる早希との約束。作者は、華やかな室町文化の裏側にある、武士としての忠義と個人の幸福の狭間で揺れ動く若者の葛藤を、緻密な時代考証に基づいた格調高い筆致で描き出します。 特に印象的なのは、又太郎のライバルとなる長井掃部介との関係です。同じ女性を愛し、敵味方に分かれて刃を交えることになる二人の運命は、武家社会の非情さを象徴しています。最終盤、戦いの果てに又太郎が下す「ある決断」は、読者の胸を強く打ちます。それは単なる敗北や逃避ではなく、動乱の時代を生き抜いた一人の男が辿り着いた、深い祈りと悟りの境地でもあります。 タイトルの『払暁の風』が示す通り、暗い夜が明けようとする瞬間の冷徹さと、わずかな希望の光を感じさせる結末は、歴史小説としての風格に満ちています。室町という、一見捉えどころのない時代に鮮やかな命を吹き込み、現代を生きる私たちの心にも通じる「誠実に生きることの難しさと尊さ」を問いかける傑作です。歴史ファンはもちろん、一人の青年の魂の遍歴を追いたいすべての読者に贈る、珠玉の文芸作品といえるでしょう。
登録日 2026.04.28
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