「本」の検索結果
全体で48,367件見つかりました。
——やっと見つけたんだ。
生涯をかけて守ると決めた君を——
人に頼ることを知らずに生きてきた女子高校生・流羽瑠。
そして、風を操る青年・青樹。
守られることを選べなかった少女と、すべてを守ろうとする、不器用な風の青年。
交わるはずのない二人は、やがて同じ運命に引き寄せられていく。
失われた過去の記憶。
迫り来る脅威。
守ろうとするほど、距離は遠ざかり――
触れたいのに、触れてはいけない想いが募っていく。
それでも彼の風は、少女を守るように吹き続ける。
静かで切ない、不器用な純愛ファンタジー。
面倒なくらい切ない男に、
心を奪われてしまう覚悟のある方へ——
どうか、この物語を受け取ってください。
※一つ一つの感情を丁寧に積み重ねていく物語です。
ゆっくりと紡がれる分、後半で大きく感情が動きます。
のんびり楽しんでいただけたら幸いです。
【カクヨムにて素敵なレビューいただきました】
ピュアで不器用な二人の「すれ違い」に悶絶必至の極上ファンタジー!
主人公の流羽瑠と、彼女を守る青樹。
二人の過酷で美しい軌跡に、ただただ引き込まれ、息を呑む展開の連続です。
相手を大切に想うがゆえに、本心とは真逆の言葉で突き放してしまう。そして、その不器用な嘘に気づけずに去ってしまう……。
そんな切なすぎる「すれ違い」と、真っ直ぐで純粋な「好き」という感情の奔流に、読みながら何度も胸を激しく締め付けられ、思わず身悶えしてしまいます。
また途中までしか読んでいないのですが、様々謎が交差する重厚な世界観を、最小の言葉で鮮やかに脳内に浮かび上がらせる圧倒的な表現力は、まさに圧巻の一言。
大人になった今だからこそ、ここまでピュアで全力な想いが、痛いほど深く心に刺さります。
甘さと切なさ、そして隠された過去のバランスが絶妙で、一度ページを開けば読む手が止まらなくなる傑作です。
極上の心理描写と運命の恋を、ぜひ多くの方に味わっていただきたいです!
本当にありがとうございました!
文字数 212,536
最終更新日 2026.09.26
登録日 2026.06.28
「人を救う仕事ではない。――人を呪う仕事だ。」
不動産会社に勤める新人・田中は、ある日、奇妙な男――荒野の接客を任される。
男が求めたのは、誰も紹介したがらない「事故物件」だった。
その部屋に残っていた怨霊を取り込んだ荒野は、地下に店を構える呪い屋・暗子のもとを訪れる。
そこで舞い込んだ新たな依頼は、十七歳の少女・凜を呪い殺してほしいというものだった。
依頼人は、少女の実の両親。
荒野が凜の部屋で見たのは、何もない部屋と、笑うことすら禁じられた少女だった。
「本当は、一度くらい思い切り笑ってみたかったな」
それでも荒野は、呪いを届ける。
だが、少女の死は終わりではなかった。
残された者の憎しみが、新たな呪いを生み、やがてその呪いは別の誰かへと連鎖していく。
人はなぜ、誰かの死を願うのか。
そして、願いを叶える「呪い屋」とは何者なのか。
これは、呪いを売る者と、それを求める者たちが織りなす、静かで不穏な怪異譚。
文字数 73,178
最終更新日 2026.09.27
登録日 2026.08.17
“普通”を渇望する少年と、“普通”から静かに外れていく少女たち。
すれ違いながらも、互いの世界をわずかに揺らしていく、現代ファンタジー。
――四条空翔(しじょう そらと)は、ただ静かに生きたかった。
しかし、彼の持つ『世界の濃度が高すぎる』という歪みは、穏やかな日常を、容赦なく非日常へと塗り替えていく。
日常の裏に紛れ込む、痛み。
誰にも言えない孤独。
それでも続いていく日々の中で、空翔の存在は、知らず知らずのうちに少女たちの世界を、わずかに変えていく。
――あなたの信じる普通が覆る
これは、普通でいたい少年が、普通に生きられない世界で、それでも自分の内側と向き合い、歩こうとする物語。
※本作品は、アルファポリス・エブリスタ・カクヨム・小説家になろうにも掲載しています。
文字数 43,300
最終更新日 2026.09.27
登録日 2026.09.01
姉が死んだ日、何かが残った。
妖怪と呼ばれる存在がいる世界で、 白爪三葉は静かに生きていた。
だが、その日を境にすべてが壊れる。 死、嘘、そしてもう一人の“姉”。
これは、壊れた日常の中で進む物語
※TS要素は第2話以降から本格的に始まります。
文字数 30,529
最終更新日 2026.09.27
登録日 2026.07.28
僕の名前はイロアス・ドゥリス。……いや、元は“ただの日本人男子高校生”だったんだけどね?
ある日、病院帰りにトラックに轢かれて死にました。ド派手に。
そのせいで、人生プランも幼馴染との青春も、すべて強制終了。
で、次に目を覚ましたら、冥界で神様(自称)とご対面。
「転生してこい!」って半ば脅されて、異世界ギリシアってところに赤ちゃんとして再スタートさせられました。問答無用。選択肢、あったけどフェイクでした。
でもこの世界、やたら作画が良い。
親は超絶美形だし、僕もなぜか神造美少年として生まれてて、
ついでに体重は200キロで筋肉密度がゴリラ。いや冗談じゃなくマジで。
でもまあ、そんなこんなでいろんな人と出会って、ちょっとずつ、
「自分は何のために生きるのか」ってことを見つけていく――
そういう話なんだと思います、多分。きっと。おそらく。
文字数 107,685
最終更新日 2026.09.27
登録日 2026.08.26
早田英志という人物をご存じだろうか。
1940年10月、埼玉県熊谷市生まれ。東京教育大学農村経済学科卒業。
航空会社でラインメカニックとして勤務。
30歳前に、中米のコスタリカ国立大学医学部に留学。
その後、ラテンアメリカに興味を持ち、現地でレストラン・コーヒー園・不動産業などの経営を経て、エメラルド原石業を始める。
日本でただ一人の「冒険者」である早田英志の許可を得て、その波乱万丈の人生を綴っていきます。
そして、「冒険者」であり「エメラルド王」早田英志を知ってください、そのハリウッド映画のような人生を。
文字数 97,659
最終更新日 2026.09.27
登録日 2023.02.13
古き伝承、その始まりは遥かなる西の海より日ノ本に、太陽に愛されし少女と従者が影を追い、この地にやって来た。
日ノ本の地で最も雄大なる山の麓に地下深くに忌まわしき者を集め、影は都を築き、呪詛を振りまいた。
少女はその危険な影の根城に、数人の従者と共に勇敢にも踏み込むことを決意する。
その道程は過酷を極め、従者たちは次々と倒れていくが、辛くも彼女は影の者たちの憎しみを背に受けながらも、最深部へと到達した。
影との一進一退の攻防の末、彼女は一度は敗れ去りそうになるが、命からがら地上に戻った。
地下の入口を硬く閉じてその地を牢獄とし、監視する組織を立ち上げた。
少女は後の“初代聖女”として名を残し、その地に人々が集い、都となった。
文字数 25,792
最終更新日 2026.09.27
登録日 2026.09.20
十五歳のリクには、百年の寿命が残されていた。
――その半分を、たった一晩で捨てるまでは。
両親を殺し、父の研究成果「星屑」を奪った叔父ゲンへの復讐を誓ったリクの前に現れたのは、深夜二時、廃駅へ滑り込んできた謎の列車。
その名は――星屑列車。
この列車に運賃は存在しない。
必要なのは、自分の寿命。
**一光年進むごとに、寿命一ヶ月。**
復讐の終着駅へ辿り着くため、リクは残された百年から一気に五十年を差し出す。
だが、失われるのは「時間」だけではなかった。
若さ。
筋力。
記憶。
愛した人の顔。
そして、自分が何のために生きていたのかさえ――。
そんな死へ向かう列車で、リクは三人と出会う。
体温わずか摂氏五度。
心を持たないはずの銀髪の少女、ルリ。
残された命を笑い飛ばし、
「未来はピカピカの新品だよ!」と言う、余命十ヶ月の少女ネネ。
そして、一本弦の切れたギターを抱え、
「人生は長さじゃねえ。どんな音を残して消えるかだ」
と笑う男、アキ。
復讐のためなら命などいらない。
そう思っていたリクだった。
けれど旅を続けるうちに、彼は気づき始める。
命とは、長く持っていることではない。
誰かのために使った一秒が、
誰かの明日へ繋がることなのだと。
やがて明かされる、父の研究の真実。
叔父ゲンが目指していたのは、世界征服ではなかった。
全宇宙から寿命を集め、
「誰も死なない永遠の世界」を作ること。
死のない世界か。
終わりがあるからこそ愛せる、自由な世界か。
残された寿命も、記憶も、すべてを失いながら、
リクは最後の選択を迫られる。
**「たとえ俺が薪でしかなかったとしても、燃え尽きるその瞬間まで、俺の命は俺のものだ」**
これは、復讐するために命を捨てた少年が、
最後には――
誰かに明日を渡すため、自分の命を使い切る物語。
文字数 221,213
最終更新日 2026.09.26
登録日 2026.08.28
二十年前に起きた、八歳の少女の失踪事件。地方紙記者の松本が特集記事のために訪れたのは、かつて祖母と夏を過ごした町だった。最後の目撃場所は、久瀬川上流の旧水門。少女と同じ八歳だった自分。事件の三日後に亡くなった祖母。そして、なぜか思い出せない祖母の葬儀。取材を重ねるほど、二十年前の事件は他人事ではなくなっていく。
自分は、あの夏に何を忘れたのか。
文字数 9,673
最終更新日 2026.09.27
登録日 2026.09.25
「生存確率0.00%――それが、下層労働者たちが暮らす「泥船」に下された、経路管理局からの死の宣告だった」
人類が星々を追われ、旧時代の宇宙ステーションやデブリをツギハギした巨大船で流浪する時代 。先史文明《敷設者(クジラ)》が残した「恒星圧縮ワームホール」に相乗りし、命の安全すらも「確率」として売買される理不尽な社会。
泥船の最下層で歪む鉄板を叩く現場メカニックの青年<ルカ>、高貴なインテリ崩れのハッカー<シオン>、家族を奪われた命知らずの女パイロット<バーバラ>。
「生存確率0.00%」の死を宣告された3人は、権力の嘘を暴き、巨大泥船から自らの区画を物理的にパージ(切断)して暗黒の宇宙へ跳び出す!
圧倒的なスケールで描かれる超巨大構造物、泥臭い現場アクション、そしてシニカルな会話劇 。世界を救う「ヒーロー」になるのではなく、壊れた世界を自らの手と計算で「乗りこなす」熱狂と痛快さに満ちた、新世代の本格エンタメ・ハードSF長編!
文字数 123,757
最終更新日 2026.09.27
登録日 2026.08.13
有沢翼は、入学式直後に幼馴染の早坂詩織にフラれた。
その瞬間から、同級生が男女問わずすべて“モブ”に見えるようになった。
醒めた主人公と、勝手に騒ぐモブ達。
ギャルの後藤あつみだけが、かろうじて“名前を知っている存在”。
何ということもない高校生活を、何ということもなく描く。
でも、読んでいると“何ということもない”が妙に心地よくなる。
そんな、温度の低い青春小説。
何ということもない高校生活を、何ということもなく書きました。
主人公は醒めていて、周りは勝手に騒いでいます。
そんな温度の青春が好きな人に読んでもらえたら嬉しいです。
本作はフィクションです。
実在の人物、団体、名称、事件とは一切関係ありません。
作中の人物、教育機関、商品、建築物等は架空のものです。
作中において事実と異なる描写が含まれる場合は、
ストーリー上の演出とご理解ください。
文字数 21,380
最終更新日 2026.09.27
登録日 2026.08.18
……目が覚めた時、彼女、風祭紅葉は異世界にいた。しかし、自身に関する記憶が無く、何も思い出せない。私は誰だ。此処は何処だ。何もわからないが、視界には自身の状況を俯瞰して記した様なおかしな文章が見える。そして何故か自分に垂れた犬耳と尻尾が生えている。「なにこれ……」。考えてもわからない。わからないが、とにかく行動しよう。
そうして彼女、風祭紅葉は、様々な謎を抱えつつ、目覚めてすぐに出遭った少女、紅葉とは別の異世界から来たという同じく謎の多い猫耳少女、御砥鉈瑠璃と行動を共にする。
この世界の名は、創誓世界ルリィ=エフィア。全ての願いが叶うと言われる最果ての理想郷。あらゆる事物の極限に至る、深淵の底の終極点。
そんな世界で、犬と猫の少女は膨大な因果の果てにあらゆる全ての世界の真相に至る。
―――
まぁ、端的に言うと、同人TRPG『永闇』シリーズの舞台を犬と猫の少女が巡る、超カオス系コミカルファンタジーですわっ!!!! いざ!!!! 深淵の世界へ!!!!!!!!
#この小説は同人TRPG『永闇』シリーズの世界観を舞台としておりますが、作者が同一人物ですので、公式の一次創作に当たります。
→永闇TRPG「http://eiyami.web.fc2.com/eiyami/rulebook/souseiroku.html」
#この小説は基本コミカルテイストですが、軍事・医療・生物学等の面では一部学問的な意味での詳細な描写が行われる場合がありますので、そう言った形式での流血表現はあるかもしれません。
#また、一部、宗教・哲学色がかなり強い部分もありますが、そこは仕様です。
→ ……慣れてくださいなっ!! 『永闇』シリーズはだいたいそういうもんですわっ!!!! 基本、どっかの名状し難いコズミックホラー神話と同系統の奴ですのっ!!!!!!!!
#尚、この小説は「なろう」「カクヨム」「現夢過幻」にも重複して掲載されます。
文字数 46,077
最終更新日 2026.09.27
登録日 2026.09.06
【文化文政、日本橋。一杯の蕎麦が、その夜だけの物語を聞く】
日本橋の袂、湯気の向こうに映る江戸の人間模様。
文化文政期の江戸。夜の静寂に包まれた日本橋で、一台の夜鳴き蕎麦屋「清吉」に灯がともる。
店主は、寡黙な職人。茹で上げる蕎麦の音と出汁の香りに誘われ、今夜も暖簾をくぐる者たちがいた。
愚痴をこぼす同心、ささやかな祝いを分かち合う老夫婦、故郷を懐かしむ上方者、そして袖口に不穏な汚れをつけた訳ありの男……。
店主は何も聞かず、ただ淡々と蕎麦を差し出す。
幾星霜を経て、常連客も、店主自身も、少しずつ姿を変えていく。それでも、この場所だけは変わらない。
秋の夜から年が暮れる頃まで。
風鈴の音とともに流れる、切なくも温かい物語。
一日の終わりに、江戸の粋を味わう「蕎麦」の人情連作短編、全十部・全100話完結。
現在、第七部を公開中です。
2026/01/23、全10話。完結しました。(第一部)
2026/06/30、夜鳴き蕎麦徒然草子 第二部、公開しました。全10話です。
2026/07/17、夜鳴き蕎麦徒然草子 第三部、公開しました。全10話です。
2026/07/31、夜鳴き蕎麦徒然草子 第四部、公開しました。全10話です。
2026/08/13、夜鳴き蕎麦徒然草子 第五部、公開しました。全10話です。
2026/08/26、夜鳴き蕎麦徒然草子 第六部、公開しました。全10話です。
2026/09/09、夜鳴き蕎麦徒然草子 第七部、公開しました。全10話です。
2026/09/21、夜鳴き蕎麦徒然草子 第八部、公開しました。全10話です。
2026/10/02、夜鳴き蕎麦徒然草子 第九部、公開予定です。全10話です。
2026/10/13、夜鳴き蕎麦徒然草子 第十部、公開予定です。全10話です。これにて完結です。
文字数 61,876
最終更新日 2026.09.27
登録日 2026.01.14
【毎日】10月23日まで予約投稿済み【18時】
好奇心旺盛な発明家、マノ。
彼女は自身の体質が原因で、半強制的に異世界転移を繰り返す生活を送っていた。
転移した先に待ち受けているのは、いつだって未知の生態や文明であったが、面白いものに目がないマノにとって、それらと触れ合う機会は何物にも代えがたい御褒美となっていた。
ただ一方で、必ずしも良い出逢いに恵まれるわけではなく、何も知らない世界に放り込まれれば、当然のように危険が伴うこともある。
命を落としてしまっては元も子もない。
どんなに面白いものが転がっていようとも、死んでしまっては体験できないからだ。
そう考えたマノは、四年という歳月を費やし、やがて一つの装置を完成させる。
それは、彼女の厄介な体質を根本から改善することのできる革命的な装置。
これでマノはもう、異世界転移をしなくてよくなる……はずだった。
しかし、人生とは思い通りにいかないもので。
どうせ住み着くなら楽しめる世界を選り好みしたいと企てた彼女は、意気揚々と次の世界へ飛び立ち、そこで一人の少年と出会うことになる。
そして、少年が口した一言。
――勇者。
その言葉がマノの好奇心を激しく駆り立てた。
「君には助手になってもらうよ」
少年に多大な興味を抱いた彼女は、彼を近くで観察するため、一方的に『博士と助手』という関係性を押し付ける。
初めて助手を手に入れたマノ。
そんなマノに影響されてゆく少年。
成り行きで始まった二人の物語は、どう転がってゆくのか。
※作中の挿絵等はAI生成画像です。
文字数 101,096
最終更新日 2026.09.27
登録日 2026.08.31
東京の下町の路地裏に佇む古物商『時洲堂』。
若き女店主・時洲美波は、普段はあどけなくお人好しな少女だが、愛用の丸眼鏡を押し上げると、見落とされた小さな痕跡から真実を見つけ出す『探し物探偵』へとスイッチを切り替える。
彼女が請け負うのは、凄惨な事件ではなく、日常の中で迷子になったモノたちのルーツ探し。
悲しい事故の記憶と共に歪んでしまった金属、長崎の海辺で消えた一族のブローチ、密室のカウンターから忽然と姿を消したおひつ、本棚から消滅した卒業アルバム、そして、亡き妻との約束の品である銀のペーパーナイフ――。
美波は、モノに込められた持ち主の想いや、自然のルールが引き起こした不思議な現象を一つ一つ丁寧に紐解いていく。
不器用で温かい三枝夫婦に見守られながら、古いモノが語る沈黙の足跡に寄り添い、依頼人たちの心を優しく救い上げていく。
心温まる日常ミステリー、第三弾!
文字数 132,971
最終更新日 2026.09.27
登録日 2026.08.15
i)登場人物の紹介
カイ
二十五歳の記憶術師。つらい記憶そのものではなく、そこにまとわりつく感情の重さを木の食器へ一晩だけ預けられる。本人の同意を何より大切にする、真面目で世話焼きな女性。
ユキムク
悪夢の霧を食べる真っ白な巨馬。威厳たっぷりなのに人参には弱く、悪夢を食べたあとは天気予報のようなげっぷをする。
ヴァス
閉店寸前の宿兼食堂「木匙亭」の店主。妻を雪崩で亡くして以来、店を畳もうとしていた。
ルエイ、チエイク、エヴイたち
金勘定に厳しい行商人、不器用で陽気な護衛、規則に厳しい衛生官など、癖は強いが温かな村人たち。木匙亭の食卓を通じ、カイと少しずつ支え合っていく。
ii)あらすじ
権力者から「都合の悪い記憶を永久に消せ」と命じられ、それを拒んだ記憶術師カイは、北方のフィヨルド村へ追放される。
濃霧の中で出会ったのは、なぜか彼女の靴をくわえて逃げる真っ白な巨馬ユキムク。追いかけた先には、「本日をもって閉店」と札を掲げた木匙亭があった。
カイの術は、人を忘れさせる力ではない。眠れないほどつらい感情の重さを木匙へ一晩だけ預け、夜明けには本人へ返す。その一晩に温かいものを食べ、眠り、誰かと話すための力だ。
カイとユキムクは木匙亭で、悪夢や後悔を抱えた村人たちを少しずつ迎え入れていく。
やがて見つかるのは、カイが十年前に異世界へ来た理由と、帰れなかった日の記憶につながる古いタペストリー。そして記憶術への規制によって、ようやく居場所になった木匙亭にも退去の危機が迫る。
「忘れる」のではなく、「今夜だけ休んで、明日また一緒に抱える」。
悪夢を食べる白馬と温かな料理、小さな助け合いを描く
文字数 76,238
最終更新日 2026.09.27
登録日 2026.08.12