「母 と 娘」の検索結果
全体で1,440件見つかりました。
祥子は母校に通う娘から【そのこさん】の噂を聞く。
近々学校で行われる同窓会でタイムカプセルを掘り起こしに行く祥子はかつていじめていた同級生の存在を思い出す。その人物が【そのこさん】ではないか?
そう疑いだした祥子に待ち受けていたものとはーー?
この作品はカクヨム、ノブルアッププラス、小説家になろうに掲載しています。
文字数 3,242
最終更新日 2022.12.27
登録日 2022.12.27
・・夜汽車には、ひとつの光の部屋があります。そして人間模様・・そっと慰めるようなことです。
夜汽車に揺られて失意の旅をしたのは、もう半世紀も前だった。車両の電灯がやや黄色がかっている、そんな切ないスポットは、まるで私の心の中のようだと、少青年は想った。車両内にパラパラと空席もあるが、何も意識していない、行く宛も少青年にはもちろんどうでもよかった。そっと手を降ろして拾うと白いハンカチだった・・・。「あ、どうもありがとう。」斜め前にすわっている少女が微笑みながら、受けとった。「・いいえ、」列車がキィーンと泣くような汽笛を鳴らした。少女は十六か十七歳くらいに見える、髪を後ろにまとめた、ポニーテールの感じで、瞳がにこやかな透明な光をしていた。「どこまで行かれるの?」‥「・いえ、特に・・どこでも・・」「私はちえと言います。伯母さんと軽井沢の方へ、帰るところなのよ」・・「・夜汽車で慰められる気がしたので」「つらいわねぇ・・」・・「・・ええ、気力がなくて」「家には部屋だけいっぱいあります。早朝には着くから・・泊まっていきます?私には友だちが居ないの・:・」「・ええ、でもご両親が心配するでしょう」夜汽車はガタン・ゴトンと単調にリズムを刻む。「大丈夫ですよ。弱っている人は、助ける・・これは家訓ですから。私はこの娘の伯母です。」
「うわ、うれしいわ。元気出してね。」ちえさんは喜んで、パッと白と黄色の混ざった光を放った。・・「それでは、お言葉に甘えさせていただきます」少青年は言葉をしぼり出した。「私は光行と言います。・・光に行くという字ですが、光には縁も遠くて・・」「ちえさんは、明るい人ですね」「白いハンカチが何かを光ったのね」「詩は書けるけど・、僕は凡才のまま、母ももう亡くして、どうしたらいいかと考え中なんです。」まるで空から人生を背中にしょい込んだ旅人たちを、そして、宇宙から見守る光があるようだった。
文字数 3,019
最終更新日 2025.03.04
登録日 2025.03.04
クララとヘレナの血を受け継ぎ、英蘭系の欧州人の風貌に南の東洋人の混血が千鶴と辰麿をエキゾチックな存在にしていた。アインシュタインの慶応大学の講演会に出席していた二人は、彼の目に止まった。
「キミらは欧州人なのかね?」とドイツ語で二人に聞くアインシュタイン。「いいえ、ドクトル、私たちは日本人です」とフランス語で流暢に答える千鶴。
1924年、大学院で物理学博士過程に進んでいた二人にアインシュタインから招待状が届いた。日本で出会ってから二人が次々と国際的な論文を発表しているのにノーベル賞学者は気づいていたのだ。
「ドイツ、ポツダムのアインシュタイン研究所で研究をしなさい」と招待状には書いてあった。
量子力学の勃興期に、数奇な運命で、アインシュタイン、ボーア、パウリ、ハイゼンベルグなどの大学者を向こうに回して量子力学の深淵に挑む二人。そして、千鶴と 辰麿の社交界デビューが待っていた。
登場人物
◯南 メルウェ 千鶴:クララと少佐の娘で、辰麿(たつま)の姉、1924年、22歳
◯南 メルウェ 辰麿:ヘレナと少佐の息子で、千鶴の弟。戸籍上の母はクララ、1924年、22歳
◯南辰之助:
大日本帝国陸軍少佐、アフリカ大陸諜報担当、48歳
◯ヘレナ・ファン・デル・メルウェ:
英国とのボーア戦争で没落した農園領主の娘。南アフリカのボーア人(アフリカーナー)、金髪碧眼で奔放な性格。南少佐のメイドで、後にクララと南の養女、38歳
◯クララ・ファン・デル・メルウェ:
ヘレナの母方の若い叔母。38歳の美女。敬虔なクリスチャンで姪のヘレナ、アビツェ・マリアム姉妹と南の関係に悩むが自分の欲望を抑えきれない。南少佐のメイドで、後に正妻
◯李秀蘭(リー・シューラン)
南家が雇った若い中国人家政婦。美貌と流暢な英語で南を誘惑するが拒絶される。
◯アビツェ・ケベデ:エチオピア人の12人兄弟姉妹の三女、南少佐のメイド
◯マリアム・ケベデ:エチオピア人の12人兄弟姉妹の六女、南少佐のメイド
◯アインシュタイン
◯ニールス・ボーア
◯パウリ
◯ハイゼンベルグ
関連シリーズ
🔴南越の悦楽、阿弗利加の淫靡
https://www.alphapolis.co.jp/novel/913345710/337946726
🔴中華の蠱惑
https://www.alphapolis.co.jp/novel/913345710/4479
文字数 68,608
最終更新日 2025.04.10
登録日 2025.03.16
女ごころをテーマに3つの短編を掲載します。
主人公はいずれも女性です。
第1話「写真」は、母の急死をきっかけに、母の知られざる秘めた恋を知ってまう娘、美里さんのお話し。
第2話「パール」は、年上の妻子ある男性との不毛な恋に20代の多くの月日を費やしてしまったいずみさんのお話し。今はなき、赤坂プリンスホテルの描写があり、自分的にはお気に入りの作品です。
第3話「星降る夜」は、年下の男性との恋を、彼を愛するが故にあきらめようとする優季子さんのお話しです。
三者三様の恋愛模様です。
文字数 11,075
最終更新日 2021.08.16
登録日 2021.08.13
イクタは料理の時間を省略できる魔法の才能があったが、インチキ呼ばわりされて廃業に。
魔法学校の学食に拾ってもらい、忙しい日々を送る。
仕事が一段落して作業場を片付けていたら、悪役令嬢デボラが学食フロアの隅で寝泊まりしようとしていた。
母国が戦争状態になったせいで、援助を止められてしまったらしい。
イクタは、デボラの面倒を見ることに。
その後も、問題を抱えた女生徒が、イクタを頼ってくる。
ボクシングのプロを目指す少女。
魔王の娘であることを隠す、ダークエルフ。
卒業の度に、変装して学生になりすます賢者。
番長と生徒会長。
イクタと出会い、少女たちは学び、変わっていく。
文字数 105,627
最終更新日 2024.02.02
登録日 2023.12.30
資産運用専門会社への就職希望の須藤大貴は、大学の同じクラスの山内楓と目黒絵美の会話を耳にし、楓が資産家である母方の祖母から十三歳の時に多額の遺産を受け取ったと知り興味を持つ。一人娘の母が亡くなり、代襲相続したからだ。そこで話に入り詳細を聞いた所、血の繋がりは無いけれど幼い頃から彼女を育てた、二人目の祖父が失踪していると聞く。また不仲な父と再婚相手に遺産を使わせないよう、祖母の遺言で楓が成人するまで祖父が弁護士を通じ遺産管理しているという。さらに祖父は、田舎の家の建物部分と一千万の現金だけ受け取り、残りは楓に渡した上で姻族終了届を出して死後離婚し、姿を消したと言うのだ。彼女は大学に無事入学したのを機に、愛しのグランパを探したいと考えていた。そこでかつて住んでいたN県の村に秘密があると思い、同じ県出身でしかも近い場所に実家がある絵美に相談していたのだ。また祖父を見つけるだけでなく、何故失踪までしたかを探らなければ解決できないと考えていた。四十年近く前に十年で磯村家とその親族が八人亡くなり、一人失踪しているという。内訳は五人が病死、三人が事故死だ。祖母の最初の夫の真之介が滑落死、その弟の光二朗も滑落死、二人の前に光二朗の妻が幼子を残し、事故死していた。複雑な経緯を聞いた大貴は、専門家に調査依頼することを提案。そこで泊という調査員に、彼女の祖父の居場所を突き止めて貰った。すると彼は多額の借金を抱え、三か所で働いていると判明。まだ過去の謎が明らかになっていない為、大貴達と泊で調査を勧めつつ様々な問題を解決しようと動く。そこから驚くべき事実が発覚する。楓とグランパの関係はどうなっていくのか!?
文字数 176,722
最終更新日 2023.02.28
登録日 2023.02.16
良家の娘である華子(はなこ)には、続々と贈り物や恋文が届く。ある日、想い人から秋桜を贈られるが、それは決して叶わぬ恋であった。
勝手な行動は許されず、ただ父母の命に従うのみ。人形のように暮らす日々に嫌気が差すも、その生活から抜け出す術はない。
そんな中、華子は結婚を命じられる...
文字数 4,753
最終更新日 2022.04.02
登録日 2021.09.20
(登場人物)
主人公 三代目主人 雲母坂 心平(きららざか しんぺい)25歳
ヒロイン 中山様の孫娘 中山 麗奈(なかやま れいな)21歳
二代目主人 雲母坂 鉄平(きららざ てっぺい・父)61歳
初代主人 雲母坂 桔平(きららざか きっぺい・祖父)89歳
同級生 水島 美紀子 (ミキティ)25歳
同級生 石田 25歳
獅子屋の社長 水島 寅之助 58歳
従業員 多数
(あらすじ)
三代続きの和菓子屋である「桔平」の売上が低迷していて、三代目店主の雲母坂 心平(きららざか しんぺい)は店が倒産するのではないかと心配で眠れない毎日を過ごしていた。
今までは「贅沢はいかん」との祖父の家訓を守り行かなかったが、両親が自分の足で歩ける内にと、組合の旅行に初めて行った先で、美味しい饅頭に出会った心平だった。
それからというもの寝ても覚めてもその饅頭の店の前で並ぶ行列と味が脳裏から離れず、一品で勝負できることに憧れを持ち、その味を追求し完成させ、二〇二二年八月六日の原爆の日が祖母の祥月命日のこの日に念願だった「心平饅頭」が完成した。
「旨うなれ!旨うなれ!と心を込めた、続く三代の手仕事の和菓子の味をご賞味あれ!」と店内に掲示していたが一向に売れることはなかった。
心平は根っからの職人ゆえ、販売方法がわからず、前途多難となっていた。そこに女子大生の麗奈が現われ、心平と出会い、徐々に関係を深めてゆく。
彼女は心平に恋心を抱くようになり、「私が貴方を幸せにする」と決意し奮闘し、人を集め饅頭が売れるようにしてゆく。
「爺ちゃんが拵えた『つぶあん』と、ワシがあみだした『生地』で、『旨うなれ!』『旨うなれ!』と願いながら心を込めて饅頭を作り続ける若き三代目店主と有名なインフルエンサーの女子学生が心平饅頭を売り、幸せになる物語です。
文字数 74,323
最終更新日 2025.11.15
登録日 2025.10.20
良くある異世界転生の物語です、読む専でしたが初めての執筆となります。
私は転生した。
転生物語に良くある中世ヨーロッパテイストに剣と魔法の世界
イケメンの兄と両親、なのにチョット嫌かなりふくよかな私。
大陸の中でも大きな国家の筆頭公爵の娘に生まれ、
家族にはとても愛されていた。
特に母親と兄の溺愛は度を越している。
これだけ贅沢な材料を揃えているのに、
出来上がったのは、具沢山で美味しくも無く、それでいて後味にラードが残る様な残念豚汁の様な人生を引き継いだ。
愛の重さが体重の重さ、女神様から貰った特典で幸せになれたら良いなと奮闘する事にします。
最終的な目標は転生先の文化技術の発展に貢献する事。
ゆるーく、ながーくやって行きたいと思っていますが、何せ初の作品。
途中、シリアスな別の短編なども書いてみて色々試したいと思います。
文字数 96,736
最終更新日 2023.06.19
登録日 2023.03.15
みくは、バードッグ帝国の支配下に置かれている島に住む天涯孤独の娘。
一年前に唯一の家族だった祖母を亡くし、父は隣国との戦争中だった帝国に徴兵されてーー帰って来なかった。
終戦から半年後、祖母の命日に合わせて墓参りに行ったみくは、そこで島の英雄でもある帝国の騎士・カイトスと出会う。
部下や仲間たちを連れて戦場から敗走して、島に逃れてきたというカイトスだったが、とうとう自分以外は死に、カイトス自身も、これから木にロープを吊るして縊死するところだったという。
そんな騎士を引き留めたみくは、カイトスに負わされた怪我を理由に、彼を自分が住む村へと連れ帰ったのだった。
そこで、カイトスが見たものとはーー。
文字数 9,603
最終更新日 2022.08.19
登録日 2022.08.02
こちらは『なろう』に途中まで掲載しているものですが、続きはこちらに投稿していく予定です。
現在『なろう』に残るものを訂正修正しつつ、新たに書いていくつもりです。
よろしくお願いいたします。
※恋愛要素?と言うか、平安時代の恋愛模様が見えかくれしますので、書けませんが、一応、R指定を入れております。
【第一階層】
北欧神話の世界。
死神……北欧神話のヴァルキュリア……の落ちこぼれ『まゆら』。
古いメイドさんの格好にスコップを持っている。年齢は未詳。方言がきつい。
『まゆら』の世界は、死んだ武将や英雄の魂を連れて帰る事により、ここで『生きる』為のエナジーを与えられる。
しかし、『まゆら』は消滅を望んでいた。生きる事に絶望していた……。
【第二階層】
中国の神仙の世界。
中国には神と言う考えはなく、三国時代の関羽も神ではなく神に近い超人となる。
そして、伝説では諸葛亮も尸仙(しせん)と言う方法で、仙人になった。
仙人のトップは西王母、東王父。
【第三階層】
日本の神々の世界。
妖怪や、物にもすべて神が宿ると言う世界。
安倍晴明はここに留まっている。
【その他】
世界的に死の世界にあるのは、中国、日本は閻魔大王。
日本は他にイザナミノミコト等があります。
有名なギリシャ神話のハーデスも死の神、北欧神話の死の神は、女性でロキの娘です。
この辺りは曖昧ですが、ギリシャ神話等、記憶力を行使して、行くつもりです。
ちなみに、現在被害者は→小野篁さん。関聖帝君……。
嫌いではありませんのでよろしくお願いいたします。
文字数 94,619
最終更新日 2017.06.26
登録日 2017.05.08
『Jet Black Witches』シリーズの前2編に続く物語で、日本への移動部分にフォーカスした内容。単独で読み進められる構成。
時は1980年代後半、日本人の父ジンと北欧N国人の母ソフィアの間に生まれた一人娘、マコトが主人公。アフリカ南部のとある国、S国でキャンプ暮らしの日々を送っていた。ある事情から一緒に暮らし始めた女の子イルとその母ケインの5人で、マコトの小学校入学を契機に日本へ移り住むための航空便搭乗中、幾多のトラブルが降りかかる。
文字数 171,892
最終更新日 2024.08.28
登録日 2024.08.22
——強大な力を持つ者は恐れられ、命を狙われる運命にある。
特に、自分たちの企みのためなら世界規模で悪虐の限りを尽くす凶悪異能者組織、メネスにとっては最も邪魔な存在だった。
そのため、破壊神の生まれ変わり、ある意味で神の子として生まれた少年ギアスを匿うため、彼の母国であるキサルニア王国は、ウーバスタンド(超人類)たちの住む異世界から遠ざけ人間界で彼を育てるという策を実行した。
その甲斐あってキサルニアはメネスの盲点を突くことに成功し、2108年の日本でギアスは自分を人間だと思ったまま高校生活を送ることとなった。——
だがそんなある日、ギアスは未来からきた娘、シフォンと出会い、自分がウーバスタンドであることを知ってしまう。
自分も超能力を持っていると分かるも、炎や水、雷などのイメージしやすいものではなく「破壊」という謎とも言える属性だということに戸惑う。
しかし、自分の娘であるシフォンを溺愛しはじめていたギアスは、彼女がわずか3年の命であると分かると、自分の扱いづらい能力も、命を狙われているということも気にしてはいられなくなる。
そもそもウーバスタンドが本来、大ケガでもしない限り死ぬことのない半不老不死の種族であることもあり、ギアスはシフォンも半不老不死にしてやる方法を異世界中から見つけ出すと誓う。
問題は「破壊」の謎の属性をどうモノにするか、メネスたちとどう戦うか、半不老不死の方法は存在するのか、まったくもって限りがない。
まだ18歳の、父親としてはあまりにも若すぎるギアスの困難極まりない戦いが、始まる!
登録日 2018.05.27
「陛下の目は節穴でございますか?」
「いい度胸だ。誰にものを言っている」
呆れたような声にどすの聞いた声で皇子は未来の花嫁を威嚇する。
度胸?度は、物事の大きさを測る感じ。胸は・・・乳でいいのよね?つまるところ、胸の大きさ?
まぁ、私の乳は大きくはないが。
cカップ。この国の平均値だ。
「胸の度数は平均です。良いということは、お好みに合うということ。よかったです。さて、話を戻しますが。殿下のその頭は飾り物でございますか?」
この美しき麗子令嬢はしれっと皇子の考えていることの斜め45度の回答をいつもしてくる。
そんな、美人の秀才公爵令嬢が、大帝国の次期国王の天才殿下と恋愛し、結婚するまでの話。
ジョーダナン大帝国の孫娘であり。
宝玉大帝国の鷺洲公爵家の公爵令嬢である鷺洲麗子は天女、女神と呼ばれた祖母譲りの白い肌、漆黒の黒髪、大きな瞳を持つ美女。
椅子に体を縛り付けて勉強したり。
彼女の起こす行動はめちゃくちゃ。
宝玉大帝国の次期皇帝は天才。
努力なしにして、なんでもNO1になっていたが。
秀才には負ける。
天才が秀才になったら、何の負けない。
そんな2人のラブラブ交際結婚ストーリー。
脱字を直して再投稿中
文字数 41,925
最終更新日 2022.03.06
登録日 2022.02.22
名門貴族の御曹司と称えられる青年。
容姿も頭脳も立ち振る舞いも、誰から見ても「完璧」――けれど彼の胸の奥には、消えない退屈と虚しさがあった。
そんな彼が通い始めたのは、町外れの小さな花屋。
そこで出会ったのは、母の思い出を守るために花を束ねる花屋の娘だった。
夢見がちで、けれど素直で、くだらないほどまっすぐな彼女。
からかうつもりで近づいた青年は、いつしか彼女の優しさに振り回され、不器用に恋を知っていく。
豪華な舞踏会のざわめきよりも、華やかな庭園のきらめきよりも、
ふたりが選んだのは――「くだらない日常」だった。
甘く、少し切なく、そして温かい。
花屋からはじまるロマンスをお楽しみください。
文字数 14,643
最終更新日 2025.09.19
登録日 2025.09.19
この熱を、永遠に喪う日が来ることを。
出会う前から知っている。
高校一年生、15歳の嘉世子は学校にただの1人の味方もいなかった。
体操服を隠され、悪口を囁かれても、病弱な母親に相談することなく耐えてきた嘉世子。いずれゆるやかに終わるかに思われたこの生活はしかし、母親が殺害されたことによって唐突に断ち切られた。
「たちの悪い姫宮候補もいたものだ。産んだ子供、それも娘を報告していなかっただなんて」
母の唯一の親戚を名乗った白髪の女は、そう言って嘉世子の腕を強く引いた。
「助かりたいなら自分で助かるんだね。」
連れられた先は、山奥の学園。
「恋をして恋をして、必ず相手を殺すんだ。そうしたら、いずれここから抜け出せるよ」
穏やかに微笑んで告げたのは、嘉世子を選んだ和梛津。
「君が僕に恋焦がれるほど、僕は傷つけられて死んでいく。僕が君に惹かれるほど、君は痛めつけられて死んでいくよ」
言葉を失った嘉世子に、和梛津は目を細めた。
「そういうルールなんだよ。僕たちは卑弥呼の末なんだから」
卑弥呼の末。学園の子らはみんなそうで、病弱な母もまた、古の女王の末裔だった。
「あなたに恋をしなければ、あなたは死なない?」
「死ぬよ? 君が僕に恋しなくても、僕は他の誰かと恋をして、そうして殺すか殺されるかだ。三ヶ月以内に恋できなければ、僕と君の関係はお終いだからね」
「絶対にどちらかが死ぬの?」
「死ぬさ。でも、死ぬまでの期間は調整できる。惹かれすぎなければいい。より愛された方が死ぬから負け、愛してしまった方は、相手を失うから感情論から見ると結局負けなんだから」
「誰も勝たない」
「恋情を持たなければいい、愛情を向けなければいい」
「できるの、そんなこと」
「できるさ、君と僕なら。ーー共犯者だ。死ぬまで、互いに恋するふりをしながら、お互いに何とも思っていなければいい」
「分かった、あなたに絶対恋しない」
「うん、僕も君には恋しない」
「「よろしくね、共犯者」」
けれどそれは、和梛津のついたとんでもない嘘だったーー。
文字数 4,753
最終更新日 2020.05.06
登録日 2020.05.06
(登場人物)
響子:主人公。寮母としての役割と女優としての演技に挑む中で、母性と女性性の境界に揺れる。
和也:響子の夫。撮影を見守る立場で、夫としての保護と芸術への理解の間で葛藤する。
玲奈:響子と和也の娘。演技に参加することで、母との関係性や自分の立場に戸惑いを抱える。
美穂:玲奈の親友。演技に積極的で、響子や玲奈との関係性に緊張をもたらす存在。
監督:演出を指揮する人物。リアリティを追求するあまり、演技の境界を越えようとする。
(あらすじ)
この物語は、ある映像作品の撮影現場を舞台に、主人公の響子が寮母役として演技に挑む中で、母性と女性性の境界に揺れる姿を描いています。娘の玲奈や親友の美穂も演技に加わることで、響子は「母と妻としての立場」と「表現者としての責任」の間で葛藤します。
一方、夫の和也は、妻の演技を見守る中で「家族としての保護」と「芸術への理解」の間で揺れ続けます。演出が過激化するにつれ、登場人物たちはそれぞれの立場と感情に向き合い、限界を試されていきます。
物語は、演技を通して浮かび上がる人間関係の緊張と、表現の自由と尊厳の境界を問いかける心理ドラマとして展開されます。
文字数 33,561
最終更新日 2025.12.06
登録日 2025.11.09
