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ライト文芸 完結 長編
幼い頃から、織田信人はいつも近くにいた。 家が近く、自然と言葉を交わし、気づけば隣にいるのが当たり前になっていた幼なじみ。 優しくて、まっすぐで、ときどき無神経なくらい正直な信人に、出光千愛は何度も心を揺らされてきた。 大人になるにつれて、その想いは少しずつ恋へと変わっていく。 それなのに、好きになればなるほど、胸の奥に小さな痛みが走る。 なぜか素直になれない。 なぜか心のどこかで、彼を許せないような気持ちが生まれてしまう。 子どもの頃は気づかなかった。 親同士は会えば会釈をするのに、どこかよそよそしく、微妙に気まずい空気をまとっていたことを――。 そしてある日、千愛は家の奥にしまわれていた古い記録を見つける。 そこに眠っていたのは、出光家が長い年月のあいだ隠し続けてきた、ある過去だった。 好きなのに、許せない。 許せないのに、離れられない。 幼なじみとして始まった二人の恋は、やがて家に刻まれた歴史と、親世代の叶わなかった想いまでも巻き込みながら、静かに運命を変えていく――。
大賞ポイント 7pt
文字数 23,072 最終更新日 2026.05.07 登録日 2026.03.26
ライト文芸 完結 長編
西暦1804年。  フランス皇帝ナポレオン・ボナパルト、35歳。  戴冠を終え、栄光の頂に立ったはずのその瞬間――彼の視界は、突如として白く弾けた。 「何だ……?」  轟くような音。揺れる大地。  次の瞬間、ナポレオンは見たこともない場所に立っていた。  石畳ではない平らな道。奇妙な箱のような乗り物が唸りを上げ、空には見たこともない柱や建物が突き刺さっている。行き交う人々の服装も、言葉も、何もかもが理解できない。 「ここは……どこだ」  皇帝である彼にとってさえ、それは未知そのものだった。  そのとき―― 「うるせぇよ、てめぇ! 少しは俺の気持ち考えろよ!」  鋭い怒鳴り声が通りの向こうから響く。  目を向けると、ひとりの若い女が数人の若者に囲まれていた。地味な色合いの服をまとい、派手さはない。だが、姿勢は凛としていて、怯えの中にも品があった。 「だから、俺と付き合えって言ってんだろ」 「やめなさい、常盤木くん。教師にそういうことを言うものではありません」  落ち着いた声。しかし相手は聞く耳を持たない。 「教師教師うるせぇんだよ!」  男が腕を掴もうとした、その瞬間。 「控えろ」  低く、場を制する声が響いた。  全員が振り向く。そこに立っていたのは、この国の者とも思えぬ異様な男。眼光と気迫だけで、その場の空気を変えていた。 「婦人に対して無礼が過ぎるぞ」 「はぁ? 誰だよ、おっさん」  侮辱だと悟ったナポレオンは眉をひそめる。男が肩をいからせて近づくが、ナポレオンは一歩も退かない。 「退け。さもなくば、後悔するぞ」  その一言で、不良たちは思わずたじろいだ。目の前の男が、数え切れぬ死線を越えてきた者だと本能で悟ったのだ。 「……っ、なんだよ!」  吐き捨てるように去っていく若者たち。静けさが戻る。  ナポレオンはゆっくりと女を振り向き、そして息をのんだ。  風に揺れる艶やかな黒髪。白く整った顔立ち。慎ましやかな装いの奥にある、凛とした気配。  その美しさは、宮廷の貴婦人たちとも違っていた。もっと静かで、もっと気高い。  ――美しい。 「……ヤマトナデシコ……」  思わず、そんな言葉が口をつく。  女はきょとんと彼を見た。 「え……?」  ナポレオンは目を離せなかった。 「ビューティフル……いや、違う。貴女は――大和の美人、というべきか」  常磐京子、25歳。  彼女はまだ知らない。目の前の異国風の男が、かつて世界を震わせた皇帝ナポレオンその人であり、この出会いが自分の平穏な日常を根こそぎ変えてしまうことを。
大賞ポイント 7pt
文字数 90,544 最終更新日 2026.04.23 登録日 2026.03.18
現代文学 完結 短編
霧の深い日にだけ現れる、名前のない女。 夏樹は彼女と出会い、やがて恋人になる。 けれど彼女はどこか不自然だった。冷たい身体、生活の気配のない部屋、そして――決して語られない“正体”。 ある夜、夏樹は彼女の秘密を知ってしまう。 それは、決して触れてはいけなかったものだった。 愛したものの正体を知ったとき、人はどこまで残酷になってしまうのか。 そして、残されたものは何を想うのか。 霧の中に棲む、ひとつの恋の記憶。
大賞ポイント 7pt
文字数 4,132 最終更新日 2026.02.20 登録日 2026.02.20
青春 完結 ショートショート
転校生・白石莉子との出会いをきっかけに、湊の日常は少しずつ変わり始める。 何気ない会話、増えていく帰り道の時間。 だけど彼女は、ときどきどこか寂しそうに笑った。 やがて訪れる「あの山」で、隠されていた過去と想いが静かに動き出す。 これは、ひとつの“さよなら”に辿り着く物語。
大賞ポイント 6pt
文字数 2,548 最終更新日 2026.04.05 登録日 2026.04.05
ライト文芸 連載中 長編
清水健二(しみず けんじ)、四十歳。 職業、無職。世間で言うところのニートだった。 だが、彼はただのダメ人間ではない。 頭はいい。要領もいい。見た目だって悪くない。 学生時代から勉強も仕事も人より簡単にこなしてきた。 女にも、それなりにモテた。 何をやっても、できてしまう。 できすぎてしまう。 だからこそ、つまらなかった。 必死に働く人間を見ても、理解できなかった。 恋愛に一喜一憂する人間を見ても、馬鹿らしく思えた。 自分が本気を出せば、仕事も女も、いつでも手に入る。 そう、本気を出しさえすれば。 「俺なら、いつでも働ける。いつでも彼女できる」 それが、清水健二の口癖だった。 しかし、そんな言葉を何年も聞かされ続けた両親の堪忍袋の緒は、ついに切れる。 ある日、健二の前に差し出されたのは、分厚い封筒だった。 中には、当面の生活費と思われる現金。 そして父は、冷たく言った。 「今日中に出ていけ」 母も、もう庇わなかった。 「四十歳にもなって、“その気になれば”ばかり……もううんざりよ」 健二は、わずかに眉をひそめた。 だが、取り乱しはしなかった。 むしろ鼻で笑ってみせた。 「別に困らないけど。俺ぐらいの人間なら、どこ行ってもやっていけるし」 そう言って封筒をつかみ、家を出た。 その時の健二は、まだ知らなかった。 この追い出しが、自分と同じように“役たたず”の烙印を押された連中との出会いにつながることを。 そして、自分が初めて―― 「一人では届かない場所」を知ることになることを。
大賞ポイント 6pt
文字数 92,580 最終更新日 2026.05.08 登録日 2026.04.23
ライト文芸 完結 短編
ある日突然、私の日常から「文字」が消えた――。 28歳のOL・安藤エリは、ある朝を境に「漢字」が黒く塗りつぶされて読めなくなってしまう。仕事も趣味の読書も奪われ、社会との繋がりを失った彼女が心療内科の待合室で出会ったのは、同じ名前を持つ女子大生・佐野エリだった。 しかし、佐野エリが失っていたのは「ひらがなとカタカナ」。 感情を伝える手段を失った彼女は、恋人にも誤解され、孤独の淵に立たされていた。 漢字しか読めないエリと、ひらがなしか読めないエリ。 現代社会のストレスと孤独が生み出した奇妙な喪失を抱えた二人は、お互いの欠落を埋め合わせるために手を組む。 「私達二人揃っていれば『エリ』が完成するよ」 半分ずつ足りない二人の『エリ』が、文字を、そして自分自身の人生を取り戻すために、再び外の世界へと踏み出していく。少し不思議で、どこまでも優しい、現代の再生の物語。
大賞ポイント 6pt
文字数 22,439 最終更新日 2026.04.27 登録日 2026.04.27
ライト文芸 連載中 長編
昔は優しかった道下千智の母は会社で役職持ちになった途端に、「侮られないよう」人目を気にする性格へと変わってしまった。 そんな母に千智は気を遣う日々。それだけでなく医学部に進学した姉と比較され、「あなたも有名大学に」と強要される息苦しい毎日を送っていた。 受験生の夏。勉強に集中するため千智は一人で、岡山県星浮き町にある祖母の家を訪れる。そこへ過去から歌人、未来からAIロボットが現れた。 二人が揃って口にするのは、 「思い出屋さんはどこ行った?」ということ。 思い出屋さんとは何なのか。 いつから存在し、何を売る店なのか。 何も知らない千智だったが、亡き祖父の書斎で「思い出屋さん」の出納帳を見つける。 何だか寂しそうな二人を放っておけず、千智は仕方なく夏休みの間だけ「思い出屋さん」の店主をすることに。そこで「生きていく上で大切なこと、将来やってみたいこと」を見つけた千智は、進路について母と本音で話す決心をする―― 形だけの「はりぼて家族」が、本音を話し合うため殻を破る物語。思い出屋さんの正体を紐解きながら、幸せだった家族の時間を取り戻すヒューマンドラマ。
大賞ポイント 5pt
文字数 1,339 最終更新日 2026.04.04 登録日 2026.04.04
ライト文芸 完結 短編
*この小説は「やわらかな風が吹く丘の上で待つ君に、この言葉を音にして届けられたら」のパラレルワールドバージョンです。一部の話が重複しています。 ◇あらすじ◇  音を失った主人公の東條美咲と、光を失った南川作。    美咲は聴覚障害を抱えながらも健常者と対等に生きようと奮闘し、想いを伝える音声認識ツール「ポケモジ」の開発に挑んでいた。ある日、美咲と親友で手話通訳者の絵里は、マッサージ師として自立して生きる元天才球児の作と出会う。  絵里は作に惹かれるが、作と美咲は同じ痛みを知る者同士として深く共鳴していく。  親友の想いを知り恋に臆病になる美咲と、愛する人と対等でありたいと願う誇り高き作。そして、二人の特別な絆に疎外感を抱く絵里。  三人の想いが交錯する中、不器用な恋の行方は。互いの欠落に寄り添い、心の声を届ける感動のヒューマンラブストーリー。 ◇登場人物◇ 東條美咲 28歳 音を失った主人公。聴覚障害者。親しみやすく誰にでも親切に接するが、どこか人を寄せ付けない雰囲気がある。その奥底には障害者だからこそ健常者と対等になろうとする意識がある。仕事では毅然としている反面、プライベートな感情表現(特に恋愛)には極端に臆病。「どうせ自分の本当の言葉(声)は届かない」という諦めが根底にあり、傷つく前に自ら壁を作ってしまう。 西原絵里 28歳。主人公。手話通訳の資格保持者。美咲の親友にして最大の理解者。作に惹かれていく。 二人が心を通わせれば通わせるほど「自分には視覚も聴覚もあるのに、二人の間にある特別な絆(領域)には入れない」という健常者としての残酷な疎外感を抱く。 南川作 光を失った主人公。23歳。高校野球ピッチャー、ドラフトで有名球団入りが決まっていたが最後の試合で折れたバットが顔面を直撃し、視力を失う。 マッサージ師として自立し、自分の足で立とうとする誇り高さを持っている。そのプライドゆえに「美咲の重荷になりたくない」「同情されたくない」と意地を張り、素直に助けを求められない。彼の葛藤は「愛する人と対等でいられないことへのもどかしさ」。 新谷孝雄 美咲の上司であり「ポケモジ」プロジェクトマネージャー。美咲を障害者扱いせず、一人の社員としてドライにみている。 滑川行司 営業部役員。新谷のプロジェクトが進んでいるのをよく思っていない。過去セクハラ事件を起こしたことがあるが、うやむやになった。それによりセクハラをしてもまたうまく誤魔化せると思っていた。
大賞ポイント 5pt
文字数 41,126 最終更新日 2026.04.09 登録日 2026.03.29
現代文学 完結 短編
夜の解剖学研究室。骨学実習を終えた後、助手の荻原(おぎはら)は献体された骨を箱に綺麗に詰め直す作業をしていた。 その箱のひとつに書かれていた数字が『19』であることに気づく。 なんとも言いがたい感情のまま作業していると、どこからか甘い匂いが漂ってきて……。
大賞ポイント 4pt
文字数 3,170 最終更新日 2026.03.31 登録日 2026.03.31
ライト文芸 完結 ショートショート
「死のうとした夜、記憶が命を引き戻した。」 全話書き換え完了! 人は、どこまで壊れたら「終わり」を選ぶのだろうか。 そして、どれほど小さな光があれば、もう一度「生きたい」と思えるのだろうか。 本作は、42歳の男・加藤幸助が“死のうとした瞬間”から始まる物語である。 誰にも必要とされていないと信じ、怒りと絶望に支配され続けた人生。 家族とも断絶し、社会にも馴染めず、自分の存在価値すら見失った男が、ついに自ら命を断とうとしたその時――彼の脳裏に、走馬灯のように「過去」が流れ始める。 理不尽に怒鳴られ、心を壊した少年時代。 人を信じられなくなった日々。 精神疾患というレッテルに押し潰され、居場所を失い続けた時間。 だが、その記憶の中には確かに存在していた。 自分を“ただの人間”として見てくれた一人の男。 共に汗を流し、笑い合った仲間。 そして――不器用ながらも、変わらず自分を想い続けていた家族の姿が。 「生きててほしいんだよ。俺が悲しいからさ」 その何気ない一言が、どれほど深く、どれほど強く、人の心を救うのか。 本作は、劇的な奇跡ではなく、“人と人との関わり”が紡ぐ現実の希望を、痛いほどのリアリティで描き出す。 生きる理由なんて、最初から持っている人の方が少ない。 それでも人は、誰かとの記憶によって、何度でも立ち上がれる。 これは、絶望の底から這い上がる物語ではない。 これは、“生きることを選び直す”物語だ。 読み終えたとき、きっとあなたは気づく。 あなたの中にも、まだ消えていない「誰かの記憶」があることに。 そして、そっと思うだろう。 ――もう少しだけ、生きてみてもいいかもしれない、と。
大賞ポイント 4pt
文字数 21,178 最終更新日 2025.05.04 登録日 2025.04.05
青春 連載中 長編
わたし、眞中日和は、スイーツ大好きな中学一年生。 お母さんとケンカして、家出していたんだけど、大きな木の化け物にぶつかってしまったことで追いかけられてしまったんだ。 その時、助けてくれたのは、隣のクラスの不思議な男の子、周防衛くん。 彼から、一緒に星を救わないかと誘われたんだけど――。 「……夢を持つことは、奇跡みたいなことを追いかけるようなものかもしれないね」 あなたとの出会いは……。 どこか雪のように溶けて、消えてしまいそうで。 早くやってきた冬が、秋を追い越したみたいだったんだ。
大賞ポイント 4pt
文字数 35,185 最終更新日 2026.05.13 登録日 2026.04.13
大衆娯楽 連載中 短編 R15
鍋の季節。 所沢の1K・25㎡、本来は二人入居不可のアパートで、三十歳フリーターの榎本新一は7つ年上の彼女、麻生 久美と同棲している。 麻生は週5で豊洲勤務。 榎本は自転車で10分の大手うどんチェーンで働く、いわばバイトリーダーだ。 二人の仲は悪くない。むしろ良い。 ただ、どこか老夫婦みたいな距離感になってしまった。 理由は簡単で――夜の営みがほとんどない。 相性が合わないのだ。榎本は溜まったとき、こっそり一人で済ませるしかない。 そんな榎本は家事炊事すべてを担当。毎日、彼女から渡される晩ご飯代は1000円。 節約しながらも、ちゃんと“うまい鍋”にしたい。 バイト帰りに寄る地域密着スーパーで豆腐、ネギ、えのきをカゴへ入れ、最後に悩むのは肉。 しかし、この店は豚肉が美味い。 17時に買い出し、19時に豚しゃぶ。 その生活が、ひと月続いたある日――新一の身体に異変が起きる。 それは、今までにない”ムラムラ”が、止まらないのだ。 彼女がいない日は一人で処理すれば済む。しかし、一人では100%発散できない。欲は膨らみ、理性は痩せていく。 そして新一は――「絶対に踏み込まない」と決めていたはずの世界へ、ついに手を伸ばしてしまう。
大賞ポイント 4pt
文字数 28,726 最終更新日 2026.02.05 登録日 2026.01.14
青春 完結 長編
【第13回ドリーム小説大賞奨励賞受賞】 三年つきあった彼氏に、ある日突然ふられた おかげで唯一の取り柄(?)だった成績がガタ落ち…… たいして面白味もない中途半端なこの進学校で、私の居場所っていったいどこだろう 手をさし伸べてくれたのは――学園一のイケメン王子だった! 「今すぐ俺と一緒に来て」って……どういうこと!? 恋と友情と青春の学園生徒会物語――開幕!
大賞ポイント 4pt
文字数 118,676 最終更新日 2021.07.13 登録日 2021.01.06
ライト文芸 完結 長編
鬼かそれとも人間か…自身の生い立ちさえも知らないままに生きていた一人の少年は生きるための選択をする。 逸話として語られている話の中に存在している鬼…しかし本当に恐ろしいのは『鬼』か『人間』か。何も疑わず『人間』として生きていた少年は驚愕の事実を突きつけられ、忘れていた過去と向き合うことになる。そして村で出会った少年との絡まった糸のような頼りない繋がりはいつしか強い絆となりゆく。 二人の『はじまり』は風のように捉えどころがないのだが、確かにそこにあった。それを運命と呼ぶのなら、すでに遠い昔から決められていた事なのかもしれない。 酔狂山という山が引き合わせた二つの魂。すべてのはじまりは、一人の舞姫から切り離された負の感情。架空の存在であったはずの最強の鬼が今、目覚める。人の感情を意のままに操り、己の欲望を満たし続ける鬼にとって、何よりも魅力的に映ったのは舞姫の美しき魂。それを手に入れるため舞姫の心を乱し、壊してしまった。穢れた魂に魅力を感じなくなった鬼は完全に興味を失い、身を隠した。残されたのは乱心した舞姫と負の感情から生まれた『鬼』。 身を潜め状況を眺めていた最強の鬼は、美しき魂から生まれた存在に興味を抱き、自ら融合することを望んだ。己を器とし共存するに相応しいと思ったからだ。しかし、その鬼の心には僅かに舞姫の清き魂が息づいていた。 『貴方は酒呑童子ではない。』その言葉を信じ、己を貫く決意をした。 その後、深山を棲み処とし、可能な限り人間との関わりを拒み続けた鬼は、やがて運命的な出会いをする。悪さを繰り返している悪鬼が本当に望んでいることを知り、それを叶えるため貴重な薬草で妙薬を作り出す。その後悪鬼は『人間』として生まれ変わり、酔狂山の麓にある村の守護者として名を遺した。それが『東照寺家』と『酔狂山の鬼』とのはじまりだったのかもしれない。 だが、長きに渡り互いの存在を認識しつつ、深く踏み入らない関係を続けていた彼らに異変が起こる。愚かな人間の自分勝手な欲望により多くの人の平穏な時間が歪んでいく。大切な人、愛する人を救うため…そしてやっと結ばれし絆を守るため…それぞれの決意を胸に今、歩き出す。 たとえ『鬼』であっても…たとえ『人間』であっても…信じたものを貫き通す姿は何よりも強く、美しい。 どれほどの時が過ぎようとも、たとえ何があろうとも… 「また、会いにいくからな。」 その約束は違えない。
大賞ポイント 3pt
文字数 122,874 最終更新日 2026.01.18 登録日 2026.01.18
ライト文芸 完結 長編
クリスマスイブの夜。 私、高辻茉那は彼氏にフラれ人生のどん底だった。 一人で道を歩いていると、どこかから聞こえてくる優しい歌声。 ある建物の開かれたドアから、それは聞こえてきていた。 思わず導かれるように入ったそこはキリスト教会、そこではクリスマス礼拝が行われていた─── そこから日曜日に礼拝に通うようになった私はイースターやペンテコステ、そしてクリスマス、教会儀式を通じて季節の移り変わりや、人の温かさ、そして苦味に触れていく。 それらを通して、自分の居場所を見つけるまでの物語。 全51話完結。
大賞ポイント 3pt
文字数 115,033 最終更新日 2026.02.04 登録日 2025.12.16
ライト文芸 連載中 長編
からすヶ丘──異なる言葉で同じ意味の名前の土地が、世界中にたくさんある。 その中のひとつにすぎない小さな町で、ある親娘が世界に向かって挑戦を始めた。 20世紀初頭、「飛行」が哲学から科学に変わろうとしていた時代の、どこかにあったかもしれない「もしも」の技術開発史。
大賞ポイント 3pt
文字数 72,580 最終更新日 2026.04.19 登録日 2026.04.11
青春 完結 短編
 僕は小浦悠斗、クラスの中で目立つこともないごく普通の高校生だ。隣は僕が片思いをしている美少女、小野美咲の席なので幸せな毎日だ。  いつもと同じように授業を受けていると、どこからともなくおならの音が聞こえてきた。席が遠い奴らにはわからなかったかもしれないけど、僕にはその音の主が誰だかすぐにわかってしまった。静まり返る教室でみんなは周りを見回しながら犯人探しを始めている。  隣へ目をやると、恥ずかしさで顔を真っ赤している美咲の姿が見えた。やっぱりそうかと確信したのは僕だけじゃなく、「まさか美咲が……?」との声も上がってしまい彼女は今にも泣きそうだ。  なんとかしなければ、と義務感のようなものにかられた僕は思わず椅子を蹴飛ばしながら立ち上がってしまった。こうなったらやるしかない! 「おなら、出ちゃった!」と、堂々とおなら宣言だ。  教室は笑いに包まれ美咲もホッとした笑みを浮かべている。僕はその笑顔を見るだけでまた幸せな気分になっていた。  だけどそれはただのきっかけにすぎなかったのだ。なんとそれから僕と美咲は急接近、一緒に過ごす時間が増えていく。もしかしてと言う期待とまさかという疑念に挟まれた僕は、美咲の気持ちを確かめるための一歩が踏み出せない。結局一年が終わろうかという今も、隣の席のクラスメートのままだ。  しかしやってきましたクリスマス、僕は勇気を振り絞って一緒にイルミネーションを見に行こうと美咲を誘った。彼女には奇跡的に予定がなかったらしく、OKを貰えて舞い上がった僕は、景気付けにコーラを一気飲みしてから待ち合わせ場所へと向かった。  初めて女子と一緒に見るイルミネーションに緊張したけど、美しい光の中で見る私服の美咲は最高にカワイイ。この雰囲気なら言えるはず、僕は今日こそ心の内を打ち明けようと決意するのだった。  こんな風に、おならから始まった少し恥ずかしい恋物語はハッピーエンド? それとも?
大賞ポイント 2pt
文字数 24,302 最終更新日 2024.11.01 登録日 2024.10.30
ライト文芸 完結 短編
休日のショッピングモールは、昼を過ぎても人で溢れていた。 源(みなもと) 加代子(かよこ)、二十三歳。県警勤務。 今日は貴重な非番だった。 本当なら、ただ服を見て、少し甘いものでも買って、早めに帰るつもりだった。 けれど仕事柄なのか、休みの日でもつい周囲を見てしまう。 人の流れ、不自然な動き、困っている子ども、騒ぎになりそうな空気。 意識しないようにしても、目が勝手に拾ってしまうのだ。 「……職業病、ほんと嫌」 小さく呟きながら、加代子は肩にかけたバッグを持ち直した。 その時だった。 人混みの向こうに、妙に目を引く男が立っていた。 最初はイベント関係者か、何かの撮影かと思った。 だが、どこか違う。 長い黒髪。 艶のある雅(みやび)な装束。 見慣れない重ねの衣。 まるで歴史絵巻から抜け出してきたような姿なのに、不思議と安っぽさがない。 周囲の誰よりも浮いているはずなのに、その男の立ち姿だけはやけに堂々としていた。 しかしその目は、明らかに戸惑っていた。 天井を見上げ、光る案内板に目を細め、エスカレーターが動くたびにわずかに身を引く。 きょろきょろと落ち着きなく辺りを見回しながら、それでも気品だけは崩れない。 ――変な人。 加代子は眉をひそめた。 酔っている様子はない。だが、放っておいて何かあっても困る。 声をかけようかと一歩踏み出しかけたその時、男が不意にこちらを見た。 視線が合った瞬間、男の表情が変わる。 迷っていた顔が、ふっと和らいだ。 それから吸い寄せられるように、まっすぐ加代子のほうへ歩いてくる。 嫌な予感しかしない。 加代子は反射的に背筋を伸ばいた。 男は彼女の目の前で足を止めると、しばし見つめ、やがて心から感嘆したように言った。
大賞ポイント 2pt
文字数 50,597 最終更新日 2026.05.07 登録日 2026.03.19
現代文学 完結 長編
◆現代ドラマ(中編・全15話) ◆諦めることは簡単だ。それでも前を向く。もう一度、夢の続きを見たいから……。 ◆仕事に行き詰まりを感じた女優、舞花。逃げるように来た引っ越し先で、どこか不思議な絵描きと出会う。 ◆白髪頭の監督は、お辞儀をするように下を向き、その顔を両手で隠した。体が前へ傾いたことで、彼の座っていたパイプ椅子が、キィ……と小さな音を立てた。静まり返った広い部屋に……
大賞ポイント 2pt
登録日 2020.02.16
ライト文芸 完結 短編
この物語は実在する"ある曲"の世界観を 自分なりに解釈して綴ったものです。 ~思い出せてよかった… もし君と出会わなければ 自分の気持ちに気づかないまま 時の波に流されていただろう~ ごくごく平凡なネガティブ男子、小林巽は 自身がフラれた女子、山本亜弓の親友 野中純玲と少しずつ距離が縮まるも もう高校卒業の日はすぐそこまで来ていた。 例えば時間と距離が二人を隔てようとも 気づくこと、待つことさえ出来れば その壁は容易く超えられるのだろうか? 幾つかの偶然が運命の糸のように絡まった時 次第に二人の想いはひとつになってゆく。 "気になる" から"好きかも?" へ "好きかも?"から "好き"へと。 もどかしくもどこかほんわりした 二人の物語の行方は?
大賞ポイント 2pt
文字数 37,365 最終更新日 2022.09.21 登録日 2022.07.30
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