「光」の検索結果
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都内、使い込まれた革の匂いが染み付いた工房。
48歳の健太郎は、手際よく注文品の財布を仕上げると、ふう、と深く息を吐いた。
「……さて、仕事はここまでにするか」
独身に戻って数年。
レザークラフト職人としての腕は確かで、
一人で気楽に暮らしていく分には十分すぎる蓄えがある。派手な贅沢に興味はないが、ただ一つ、自分の中に燻り続けている「渇き」があった。
それは、効率や納期に追われることのない、純粋な「創作と暮らし」への憧れ。
健太郎は、先日届いたばかりのフルダイブ型VRデバイスを手に取った。
タイトルは
『Infinite Realm(インフィニット・レルム)』。
ここでの四日間が現実では一日らしい。
五感の再現率100%を謳うその世界なら、現実では叶わない「究極のスローライフ」が送れるかもしれない。
「キャラクタークリエイト、か。……いや、そのままでいい」
鏡に映る、少し白髪の混じった短髪と、職人特有の節くれ立った手。自分を偽る必要はない。彼はアバターの容姿を弄ることなく、そのままの姿で仮想世界への接続を承認した。
―視界が真っ白な光に包まれ、次の瞬間。
頬を撫でる風の涼しさ、草の匂い、そして遠くから聞こえる川のせせらぎ。
健太郎が目を開けると、そこは新緑が眩しい始まりの村……ではなく、あえて設定した最果ての「辺境の村」の入り口だった。
「……本当に、風の匂いがするんだな」
自分の手を見れば、長年使い慣れた自分の手がそこにある。
周りでは、剣を携えた若者たちが「効率的なレベル上げ」を求めて駆け出していく。
しかし、健太郎は彼らとは逆の方向、村の端にある空き地へとゆっくり歩き出した。
彼の目的は、魔王を倒すことでも、最強の騎士になることでもない。
この世界にある未知の素材で、自分が心から満足できる「最高のモノ」を作り、ただ静かに暮らすこと。
「まずは、寝床の確保と……鞣し(なめし)に使う水場の確認からだな」
バツイチ、48歳。
現実の職人技術だけを武器に、おっさんの「もう一つの人生」が今、静かに幕を開けた、、、
文字数 769,887
最終更新日 2026.02.22
登録日 2025.12.27
王都でも指折りの名門、ローゼンベルク公爵家の大広間に、重苦しい空気が満ちていた。磨き上げられた床に反射するシャンデリアの光はいつもと変わらぬはずなのに、その場に集う貴族たちの視線はどこか好奇と期待に満ちていて、まるで見世物を待つ観客のようだった。
その中心に立たされているのは、ひとりの令嬢。
栗色の髪はきっちりと後ろで束ねられ、華やかさとは程遠い質素なドレス。顔立ちは整っているはずなのに、厚めの前髪と控えめな表情のせいで、印象はどうにも薄い。社交界では“地味令嬢”と呼ばれている少女――リシェル・エヴァンズである。
「リシェル・エヴァンズ」
文字数 13,414
最終更新日 2026.04.17
登録日 2026.04.17
公爵令嬢であるユミリアは、あと半年で王立学園を卒業し、婚約者であるエイクズ王太子殿下と婚姻することが決まっている。
王子妃教育も今日で全て終わり、王妃様より残りの学園生活を楽しんできてねとありがたいお言葉を頂いたが…
笑顔で返事はしたものの、心の中では全く喜べていなかった。
幼き頃に王命によって決まったエイクズ殿下との婚姻だが、そこには恋愛感情は一切なかった。互いに冷めきった関係…いや一方的に嫌われている関係ではあるが、陛下や王妃様とは良き信頼関係が出来ており家族のように感じている。
臣下として貴族として、私はこの国のために仕事に生き、割り切って生きていこうと決めていたのだ。
私はこの後最悪だけどれも私の運命を変えてくれた光景を見ることになる。
───────
途中シリアスな回もあり、ご都合主義なところもあります。昔書いていた小説を改稿しながら投稿中です。
本作はマルチエンディング方式です。
文字数 180,329
最終更新日 2026.04.08
登録日 2025.05.11
薄れていく意識の中、私の吐いた血溜まりに転がるそれは釦(ボタン)でした。
旧大陸で発見された古代魔導呪文を思わせる文様が描かれた、どこかで見たことのある釦です。
死に逝くものの見た幻覚だったのかもしれませんが、その釦は私の血の上を転がって、うっすらと光り始めました。
文字数 30,143
最終更新日 2024.06.23
登録日 2024.06.16
夏の終わりに転校してきたのは、忘れられない初恋の相手だった——。
高須明希は、人生で“二番目”に好きになった相手——河西栞に密かに想いを寄せている。
「夏休み明けの初日。この席替えで、彼女との距離を縮めたい。話すきっかけがほしい——」
そんな願いを胸に登校したその朝、クラスに一人の転校生がやってくる。
彼女の名は、立石麻美。
昔の面影を残しながらも、まるで別人のような気配をまとう彼女は——明希にとって、忘れられない“初恋の人”だった。
この再会が、静かだった日常に波紋を広げていく。
その日の放課後。
明希は、"性の衝動"に溺れる自身の姿を、麻美に見られてしまう——。
塞がっていた何かが、ゆっくりと崩れはじめる。
そして鬱屈した青春は、想像もしていなかった熱と痛みを帯びて動き出す。
すべてに触れたとき、
明希は何を守り、何を選ぶのか。
光と影が交錯する、“遅れてきた”ひと夏の物語。
文字数 251,746
最終更新日 2026.06.05
登録日 2025.02.13
テリル国の王室の光とよばれる王太子グロリアと王室の華とよばれるリリアン。二人の王女は婚約者を選ぶ年齢になり、どちらも王女として国のために選ばれる相手と結婚する。だからといって恋する気持ちをなくすことはできない。政情や真実の愛に翻弄されながら王女たちはつかむことができる愛と幸せをさぐる。
文字数 47,407
最終更新日 2024.09.01
登録日 2024.08.11
前田累(かさね)は、商社営業部に勤める社員だ。接待では無理してノリを合わせており、見た目からコミュ強チャラ男と思われているが本来は大人しい。疲れはてて独身寮に帰ろうとした際に気付けばオレンジ毛のポメラニアンになっていた。累を保護したのは普段眼光鋭く厳しい指摘をする経理の同期野坂燿司(ようじ)で。ポメラニアンに対しては甘く優しい燿司の姿にびっくりしつつ、癒されると…
文字数 10,552
最終更新日 2026.01.13
登録日 2026.01.12
いじめによって心を閉ざし、不登校となった天城光一。唯一の支えだった母親を事故で失い、彼の世界は完全に色を失った。
居場所を失った少年が送られたのは、「心の再生」を掲げる全寮制の学校・人道学園。だが、それは救済の場ではなかった。
入学直後、天城は何者かに突き落とされ、山中で道に迷う。そんな中で彼を救ったのは、奇妙な笑みを浮かべる少年・灰谷誠司。
その日を境に、天城の周りでは不可解な出来事が次々と起こりはじめる。教師たちの異常な空気と、生徒たちの沈黙。そして灰谷が見せる異常な力。
生き延びるため、天城は問う。
「この場所は、いったい何なんだ?」
やがて明かされる学園の本性。灰谷誠司という名の少年が背負う、恐るべき正体とは?
文字数 100,245
最終更新日 2026.03.29
登録日 2026.02.22
今世で俺は、前世でプレイしたことのある「王国と光の花」というRPGの中盤に出てくる宰相の娘、悪役令嬢リリアーナの息子に転生していた。
重い出生の割には周囲に可愛がられて育った俺は、チート未満のふわっとした知識を実用化してくれる従者のキースと共に傷ついた母を守りながら、領地での生活を満喫していた。
母が幸せになったのを見届けた後は、宰相を辞した祖父とともに貴族社会からも国からもフェードアウトするために身辺整理をしていたのだが……。
完結済。話数がそこそこあるので、毎日投稿してます。
【注意点】
・主人公は悪役ではありません。
・説明のみですが、母である悪役令嬢が可哀相な目に遭っております。
・一部男性が妊娠可能な世界観となっております。
・R-18は予告なく入ります。
・無理矢理、モブレ(未遂)表現があります。
・異世界転生感、ファンタジー感はあまりないかもしれません。
・設定はふわっとしてます。
・ムーンライトノベルズ掲載のお話を改稿して転載しております。(全体で20万文字くらいです)
文字数 229,348
最終更新日 2025.10.29
登録日 2025.10.03
〜義経と弁慶の関係は、普通の主従ではなかった〜
この物語は英雄義経の軍記ではありません。
父代わりの存在に愛されながら、兄の情愛を求め続けた主と、その危うさをそばで見つめ続けた従者の記録です。
♦︎ ♦︎ ♦︎
五条の大橋で牛若に完敗した荒法師の武蔵坊弁慶は、命果てるその時まで彼を守ると誓う。
だが、主君となった牛若――源義経が求めていたのは、家来の忠義ではなかった。
幼くして父を失い、孤児同然に育った義経は、自分を愛してくれる肉親の幻影を、戦乱の世で探し続けていた。
奥州では藤原秀衡に。 鎌倉では実兄の源頼朝に。
宇治川、一ノ谷、屋島、壇ノ浦――義経の無垢な輝きは戦場を突き抜け、平家を追いつめ、同時に鎌倉の秩序を静かに揺るがしていく。
伊勢三郎、佐藤兄弟、梶原景季、畠山重忠――周りの男たちが次々と義経の輝きに魅入られ、我欲を忘れて身を投じていく。彼らの熱狂は、もはや忠義というより、信仰に近かった。
戦場で命を投げ出す突撃を繰り返す義経。それは兄に振り向いてもらうために、自らの命を供物として差し出し続ける行為でもあった。
そばにいる弁慶の方は振り向かず、義経は愛を求め続ける。
その姿を見守るうちに、弁慶の忠誠は、いつしか別のものへと姿を変えていく。
源平の戦乱を駆け抜けた、愛を求める者と、その影となった者の物語。
♦︎ ♦︎ ♦︎
弁慶の目に映る世界だけを描いた、新しい形の義経ものがたりです。
一ノ谷の奇襲、屋島の暴風渡海、腰越状、任官問題――義経にまつわる有名な出来事を、史料の隙間から新しい光を当てて描いています。
第12回歴史・時代小説大賞に応募中です。
文字数 376,865
最終更新日 2026.06.17
登録日 2026.01.19
合格すれば、付き合えると思ってた。
……彼女がアイツに堕ちていくことも知らずに。
【あらすじ】
平凡な大学生・板ノ上鯉太郎は、教え子の女子高生・西園寺梨花に恋をしていた。
「先生って彼女いるの?」
「私が付き合ってあげようか?」
「……やだ、本気にしないでよ、マジキモい!」
そんな彼女の生意気で小悪魔的な言動を、鯉太郎は「自分への好意の裏返し」だと信じ込んでいた。彼女が志望校に合格したその日、勇気を出して告白しよう――そう心に決めて。
しかし、梨花の口から語られ始めたのは、自分を無視し続ける冷徹な同級生・成宮廉次のことだった。
「アイツを絶対に夢中にさせてやる」
躍起になる梨花。焦燥に駆られる鯉太郎。だが、気付いた時にはもう遅かった。
ある日、梨花の部屋を訪れたのは、すっかり彼女を従順な「女」に変えてしまった成宮だった。
僕が座るはずだった場所に、別の男が座り。
僕が触れたかった肌に、別の男が触れる。
そして迎えた合格発表の日、鯉太郎が目にしたのは、残酷なまでに美しい「敗北」の光景だった――。
文字数 38,183
最終更新日 2026.05.24
登録日 2026.05.03
「我が伯爵家に貴様は相応しくない! 婚約は解消させてもらう」
枯葉のような地味な容姿が原因で家族から疎まれ、婚約者を姉に奪われたステラ。
土下座を強要され自分が悪いと納得しようとしたその時、謎の美形が跪いて手に口づけをする。
「美しき我が光……。やっと、お会いできましたね」
あなた誰!?
やたら綺麗な怪しい男から逃げようとするが、彼の執着は枯葉令嬢ステラの想像以上だった!
虐げられていた令嬢が男の正体を知り、幸せになる話。
文字数 111,444
最終更新日 2025.05.06
登録日 2025.01.01
「悪女オリヴィア! 白い結婚を神官が証明した。婚姻は無効だ! 私は愛するフローラを王妃にする!」
即位したばかりの国王が、宣言した。
真実の愛で結ばれた王とその恋人は、永遠の愛を誓いあう。
だが、そこには大きな秘密があった。
王に命じられた神官は、白い結婚を偽証していた。
この時、悪女オリヴィアは娘を身ごもっていたのだ。
そして、光の精霊王の契約者となる予言の王女を産むことになる。
第一部 貴族学園編
私の名前はレティシア。
政略結婚した王と元王妃の間にできた娘なのだけど、私の存在は、生まれる前に消された。
だから、いとこの双子の姉ってことになってる。
この世界の貴族は、5歳になったら貴族学園に通わないといけない。私と弟は、そこで、契約獣を得るためのハードな訓練をしている。
私の異母弟にも会った。彼は私に、「目玉をよこせ」なんて言う、わがままな王子だった。
第二部 魔法学校編
失ってしまったかけがえのない人。
復讐のために精霊王と契約する。
魔法学校で再会した貴族学園時代の同級生。
毒薬を送った犯人を捜すために、パーティに出席する。
修行を続け、勇者の遺産を手にいれる。
前半は、ほのぼのゆっくり進みます。
後半は、どろどろさくさくです。
小説家になろう様にも投稿してます。
文字数 167,966
最終更新日 2023.08.07
登録日 2023.07.02
勘違いする入り婿、そしてそれを受けてさらに勘違いする愛人と庶子。そんなお花畑一家を扱き下ろす使用人。使用人の手綱を取りながら、次期当主とその配偶者の生きた教材とする現当主。それをやりすぎにならないうちに収めようと意を痛める役所。
カヌーン魔導王国では、割とよくある光景なのである。
カヌーン魔導王国シリーズにしてしまいました(笑)
『小説家になろう』様・『アルファポリス』様に重複投稿、自サイトにも掲載。
文字数 7,290
最終更新日 2024.04.11
登録日 2024.04.11
美雨はクラスメイトの藤岡と一緒に異世界に召喚された。
目の前にはアニメやゲームの世界で見るような剣と魔法の世界。
彼らが言うには、今この国は滅亡の一途を辿っていて、それを防ぐため異世界の聖女の存在が必要だったという。
その聖女というのが藤岡で、美雨は偶然それに巻き込まれた"おまけ"だった。
「あの……帰りたいのですが」
「は?何を馬鹿なことを。2人目がいるのは予想外だったが、お前も国の役に立ってもらわねば」
家に帰ることができなくなった上、関係ない世界の平和に協力させられることとなった美雨。
しかし美雨の魔力とスキルが凡人以下とわかると、彼らは美雨を厭うようになる。
知らない世界での差別と虐め。
孤独に絶望した美雨だったが……
文字数 11,202
最終更新日 2023.05.01
登録日 2023.04.30
「南さん……念のため、もう一度言いますね」
医師はカルテから目を上げ、言葉を選ぶように一拍置いた。
「妊娠しているのは、あなたではありません」
南 恵子は、一瞬、自分の名前を呼ばれた理由がわからなくなった。
ここは産婦人科で、診察室で、白いカーテンの向こうにはエコー機器がある。
なのに。
「……隣の、西野さんです」
医師の視線が、ドアの方へ向く。
そこに座っていたのは、
隣の家の旦那――西野ゆうじ、三十五歳。
顔色は悪く、両手で腹部を押さえ、浅い呼吸を繰り返している。
汗で濡れた額が、蛍光灯の光を反射していた。
「冗談、ですよね……?」
恵子の声は、情けないほど震えていた。
男性が妊娠する。
そんな話、聞いたこともない。
SFか、悪趣味な都市伝説の類だ。
けれど、エコー画面には、確かに“何か”が映っていた。
「週数的には、六週前後です」
医師は淡々と告げる。
六週前。
恵子の脳裏に、はっきりとした日付が浮かんだ。
雷が鳴った夜。
停電。
夫は出張中。
そして――
玄関先で、ゆうじと二人きりになった、あの夜。
「……嘘」
恵子は、思わず隣の男を見る。
ゆうじは目を閉じたまま、かすれた声で呟いた。
「やっぱり……そう、なったか」
その言葉が、何よりも恐ろしかった。
否定しない。
驚かない。
まるで、予想していたかのような口ぶり。
恵子は自分の腹ではなく、
彼の腹部から、目が離せなくなっていた。
――この中にいる“何か”は、
一体、誰のものなのか。
文字数 15,008
最終更新日 2026.02.19
登録日 2026.02.19