「わり」の検索結果
全体で15,251件見つかりました。
幼女の名は逢瀬瑠璃という。その日、幼稚園が終わってからいつも通り母親の迎えを待っていた。だが、今まで1度もそんなことはなかったのに、園児たちがみな帰ったあとも姿を見せなかった。毎日、帰る道々幼稚園での出来事をおしゃべりするのが楽しみだったし、今日も話すことが今にも破裂しそうな風船のように、瑠璃の心を満たしていた。
そろそろ寂しさも限界に近づき風船もしぼみかけた頃、幼稚園の門の前に一台のタクシーが止まった。降りてきたのは瑠璃の父親だった。瑠璃にとり、それはとんでもないサプライズで、サンタクロースのプレゼント並みの喜びだった。
満面に笑みを湛え父親に飛びつく瑠璃だったが、「お帰り」と抱きかかえた父親の言葉は素っ気なかった。何から何までいつもと違うことに、瑠璃は不安を覚え、どうしたのと父親に問うた。しかし答えを聞かされないまま、待たせていたタクシーに乗せられた。
行き着いた先は病院だった。病室のベッドには頭を白いネットで覆われた母親が眠っていた。今朝一緒に幼稚園まで来て、じゃあねと別れたときからは想像のできない姿だった。瑠璃は全く理解ができなかった。流れる涙をそのままに、母親のベッドの脇に立っていた。
翌日、母親は意識を取り戻すことのないまま、死んだ。兄とともに泣きじゃくる瑠璃だったが、葬儀の日からぴたりと泣かなくなった。それがむしろ参列者の涙を誘った。瑠璃が4歳のときのことだった。
都立下恋雀(しもれんじゃく)高校は、港東区にある中堅レベルの進学校だった。文武両道、自主独立を教育方針とするのは都立ではごく当たり前だが、そんなことよりも校舎を新築したことが、地味だったこの学校を一躍人気校にした。
瑠璃は、都立には珍しく、図書室に続く廊下と、そこに面したテラスにカフェテリアのあることが第一に気に入った。成績的にはもっと上の学校を狙っても良かったが、そういう訳でここを第一志望校に選びトップで合格した。
瑠璃の名は、ラピスラズリが好きだった画家の去来が付けた。それを知った瑠璃のともだちはらずりと呼んでいる。
これは、高校2年生の瑠璃を取り巻く友人たちや的屋たちとの関わり、また瑠璃の、家族との関わりを通じた成長の物語である。
登場人物たちの軽妙なやり取りや少しのユーモアもお楽しみください。
文字数 99,887
最終更新日 2023.04.30
登録日 2023.04.30
深夜の電話。「姉さん、母さんが倒れた」弟・健太の声に、三十五歳のキャリアウーマン・佐藤美咲は凍りついた。脳梗塞。母・千鶴子は集中治療室にいた。
実家とは五年間、ほとんど連絡を取っていなかった。理由は母との確執。「女は結婚して家庭を持つべき」と言い続ける母に、美咲は反発した。「母さんみたいになりたくない」その言葉で、二人は疎遠になった。
病院で父は懇願する。「美咲、実家に戻ってこないか」母の介護、そして認知症の祖母の世話。誰かが必要だった。「一ヶ月だけ」美咲は渋々承諾する。
五年ぶりの実家。祖母は美咲を認識できず、何度も「あなた、誰?」と尋ねる。父が作る簡単な食事。母がいない家は、こんなにも静かだった。
リハビリ病院に転院した母。右半身麻痺が残り、母は涙を流す。「私、役立たずになっちゃった。おばあちゃんの世話もできない」強かった母の、初めて見る弱い姿。
「母さん、一人で抱え込まないで」美咲の言葉に、母は告白する。「私ね、若い頃、デザイナーになりたかった」結婚、出産、専業主婦。幸せだったが、時々「もし」を考える。「だから、あなたには私みたいになってほしくなかった」
母の本音を知った美咲。母は美咲を否定していたのではなく、自分の未練を投影していた。「私も、あなたの気持ち分かってなかった」二人は五年ぶりに心を通わせる。
だが現実は厳しい。祖母の介護、母のリハビリ、仕事との両立。健太の妻は妊娠中でつわりがひどく、手伝えない。介護施設の費用は月四十万円。美咲は自分の貯金を出すと申し出る。「家族だもん」
三ヶ月の介護生活。美咲は料理を覚え、祖母の世話に慣れ、母のリハビリを励まし続けた。そして母は退院。右手は完全には回復していないが、日常生活は送れるようになった。
「美咲、ありがとう。仕事、大丈夫?」「来週から東京に戻る。でも、週末は帰ってくる」母の寂しそうな表情。「母さんや、おばあちゃんに会いに」
一年後。健太に息子・太郎が生まれた。美咲は週末ごとに実家に帰り、太郎の成長を見守る。母は左手で太郎を抱き、笑顔を見せる。祖母は施設で穏やかに過ごす。父は趣味の園芸を楽しむ。
「美咲、あなた、結婚しないの?」「私、今、十分幸せだよ」母も笑顔になった。
家族の形は変わった。完璧ではないかもしれない。でも、これが私たちの家族だ。母の背中を見て育ち、今、自分の道を歩いている。
文字数 5,650
最終更新日 2026.01.12
登録日 2026.01.12
「鮫津山大学生六人行方不明事件」
大学デビューに成功し、大学生活をそれなりに謳歌していたはずの犬巻 蛍は、夏休みに仲間6人とキャンプに行った先で恐ろしい事件に巻き込まれてしまった。
7人中六人が行方不明、唯一の生き残りとして生還を果たした犬巻だったが、その顔と名前は瞬く間にインターネットの海へ放たれ、これから更に華やかになるはずだった未来は絶たれた。
代わりに胡散臭い、オカルト専門家のようなわけ知り顔の男「カンダ」が現れ、共に「鮫津山大学生六人行方不明事件」の真相を探る──
──のではなく、一先ず目先の問題を解決すべく、事件とは全く関係の無い「人魚村」へと赴くのであった。
文字数 9,515
最終更新日 2026.02.07
登録日 2026.02.02
「ちょっとエッチな百合物語!?」
嫌われているわけでもないけどいつも1人なツンデレ女の子、小浜梨乃と、見かけはゆるゆるしてるけど実は変態な女の子、桜木百合。
それに文芸同好会も加わり、一つの百合が大きな輪に!
※この話は1話毎に短く区切られます
ー登場人物ー
主人公2人
2年、小浜リノ ツンデレの女の子
2年、桜木ユリ 変態。リノの事が好きな女の子
部員4人
2年、丸井マイ 副部長、喋り方にクセがある
3年、江見ユウ 部長、あまり部室に居ない
2年、金子ルリ 人に優しく、マイと親友
1年、原田カオリ 大人しく、ユウに想いを寄せる
文字数 21,075
最終更新日 2016.08.12
登録日 2016.08.04
女子大生の菫は、高校時代から片思いしていた海野にフラれ、絶望していた。海野を失った菫は暴走し、出会い系サイトで3つ年上の青年、アサにセックスを持ちかけるのだが…。19歳という10代の終わりへの焦り、そして恐怖。少年少女は小さな世界をもがき続ける。
文字数 690
最終更新日 2016.11.06
登録日 2016.11.06
大学受験に破れたアニメ・マンガ大好き 甘味通(かんみとおる) は聖地発見に歓喜した。
足早に現地に赴くが不審者通報によって警察による妨害を受ける。
現場は騒動により被害者が出てしまう。哀れ甘味。短い人生に終わりを告げたがところがどっこい
天は、神は見捨ててはいなかった!!!
念願の異世界チケットを手に入れた甘味は厨二病全開のお年頃。
思い描いていたスキル『創造』を悲願し見事神の祝福を受けることとなる。
いざ往かん未知なる世界へ!伝説にて最強最高の勇者爆誕物語が始まる…!
このスキルがあれば現世でできなかった美女美少女とのラブラブも楽勝だぜ!
しかしそんな甘い現実はなく甘味はモンスターに食べられてしまうのだった。
どうなる異世界!
◯ ◯ ◯ ◯
最近流行りのなろう作品とは違います。食傷気味な方は刺さる作品です。お楽しみください
登録日 2020.03.03
前世の記憶を持つ悪役令嬢、カレリア・イルミリアは婚約破棄された。
だが、カレリアにとってこれほど嬉しい事はなかった。
あとはこっそり隠居でもしようと考えていた矢先、「七大天使」であることが判明した。
ストーリーにはない展開に、振り回されていくカレリア。
はてさて、彼女の行く先は何処?
'21 6/10 話は途中ですが作者に終わり方という素晴らしいものが天から降ってきました。
その結果、特に恋愛要素入れるつもりがないことに気づいたため、急遽ジャンルをファンタジーに変更しました。
文字数 39,013
最終更新日 2021.08.25
登録日 2021.04.24
主婦である関口友香は、ある日、アパートのポストの中に不思議な言葉が書かれた紙を見つける。そこには、「朝テレビのスイッチを入れると、ニュースキャスターが「おはようございます。世界の終わりまであと七日になりました」と言う。」と書かれていた。
アパートの部屋に戻り、夫に新聞を渡す。リビングのテレビで、アナウンサーが読み上げていたのは、手に持った紙に書かれたものと同じ言葉だった。
その日の夜、友香は夢を見た。チャム・チャムートと呼ばれる世界の夢を見た。
★追加分
表紙を描きました。
作中のチャム・チャムートは、こんなに大きくないです。
あとがきを追加しました。
文字数 9,572
最終更新日 2021.12.02
登録日 2021.11.25
文字数 719
最終更新日 2023.10.04
登録日 2023.10.04
三条美玲の炎上事件によって、隼人の心には深い傷が残った。恋愛に対する不安やためらいを抱き、穏やかな表情の裏には重苦しい影が漂っている。自信を失い、心を閉ざしつつあった隼人に、さりげなく支えの手を差し伸べたのは同期入社の翔だった。「いつでも話していいから」とかけられた一言が、彼の心を救うきっかけとなる。
そんな二人に、松永総支配人から3日間の休暇が与えられ、山間の秘湯「深緑の宿」で心を癒す旅が始まる。紅葉に包まれた静かな温泉旅館での時間が、隼人の心を少しずつ解きほぐし、彼の中に眠っていた翔への特別な感情を浮かび上がらせる。そして、女将・山崎美沙子との対話が、隼人をさらに自分の本当の気持ちへと導いていく。
旅の終わり、二人が展望台で見つめ合ったその瞬間――言葉にしなくても通じる想いが二人の間に流れ、彼らの関係は新たな段階に踏み出そうとしている。この旅が、隼人と翔をどこへ導くのか。心の傷が癒されるとともに、二人の絆が深まるストーリーが今、静かに幕を開ける。
※「三条美玲の炎上」のスピンオフ小説となります。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/560205036/618916300
↑三条美玲の炎上
文字数 16,434
最終更新日 2024.10.26
登録日 2024.10.26
「封印は、まだ完全ではない——」
高校2年生になった陽介たち6人。
京都での修学旅行中、彼らは再び“あの寺”へと足を踏み入れることになる。
鬼の封印を終えたはずの鬼哭の古寺——だが、そこで彼らを待っていたのは、新たな異変だった。
鬼の消滅とともに生まれた“封印の綻び”。
それは、長きに渡る怨念と、かつて封印された者たちの影を呼び覚ましてしまった。
彼らは本当に封印を完成させたのか? それとも、新たな脅威を解き放ってしまったのか?
再び試される彼らの絆。
消えた少年・白銀蒼真が残した“最後の願い”とは?
そして、6人が最後に選ぶ道とは——?
過去と未来、現世と異界が交錯する青春ホラー・ミステリー。
『鬼哭の古寺—封印の綻び』——それは、終わりなき封印の物語。
文字数 29,215
最終更新日 2025.03.15
登録日 2025.02.20
貴族の娘、アリセルネ・フェルディナンド(通称アリー)。
上級魔法を自在に操るほどの才能を持ちながら、
その貴族令嬢スキルは――壊滅的。
会話は「はい」と「いいえ」の二択。
笑顔は滅多に見られず、褒められるとフリーズ。
それでも、彼女のまわりにはいつも優しい風が吹いていた。
彼女を育てたのは、王家の乳母でもある老夫婦。
そして、なぜか拾われたニャンコ(キアルラ)。
アリーは魔法も料理も裁縫も、すべて“生活力”は完璧なのに、
肝心の「人付き合い」だけがレベル1。
そんなポンコツ令嬢の“会話訓練相手”として連れてこられたのが、
奴隷のカイザラード(通称カイ)。
祖国を滅ぼされ、奴隷として生きる少年は、皮肉とツッコミのスキルだけが異常に高かった。
沈黙令嬢 × ツッコミ奴隷少年 × 常識担当のニャンコ。
この2人と一匹が揃えば、今日も平穏は崩壊する。
「……アリー、それは会話じゃなくて詠唱だ!」
「……違う、怒ってない。顔が動かないだけ」
「(やれやれ、人間ってやっぱりめんどくさい)」
笑って、泣けて、ちょっと胸が温かくなる。
不器用な令嬢と、不運な奴隷と、おしゃべりニャンコが織りなす
“ツッコミだらけの日常ファンタジー”。
――今日もキアルラのツッコミが止まらない!
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表紙画像は、「Canva AI」を使って作成しています。
文字数 16,592
最終更新日 2026.01.31
登録日 2026.01.02
退屈な主婦と破滅を知る女。 夜の公園で交差する「無い物ねだり」の物語
結婚4年目、27歳の夏美は、代わり映えのしない日々に窒息しかけていた。夫とは会話がなく、職場と家の往復だけの毎日。「もっと刺激的な人生を送りたかった」
そんな満たされない思いを抱え、夜の公園で缶ビールを煽っていた夏美の前に、一人の女性が現れる。
鮮やかな金髪、奔放な振る舞い。彼女の名は冬香。
18歳で日本を飛び出し、世界を放浪し、ドラッグや狂乱の夜を駆け抜けてきた冬香の「金色の人生」に、夏美は強烈な憧れを抱く。
だが、冬香がその瞳の奥に隠していたのは、夏美が想像もしない「虚無」と、夏美が忌み嫌う「退屈」への切実な渇望だった。
「刺激的な人生なんて、なんにも残らないよ」
金色の虚像と、漆黒の実像。
対照的な二人の対話の果てに、夏美が数年後に見た景色とは。
日常の尊さを再発見する、心温まるヒューマンドラマ。
登場人物:
夏美:27歳、結婚して4年目。夫の俊哉とは倦怠期気味。真面目な性格で何不自由ない暮らしをしてきた。
共働きだが、毎日仕事で疲れ、家事をして、俊哉との会話もなく、「結婚してもさびしい」と感じている
冬香:27歳、独身。金髪。波乱の人生を送ってきた。世界中を渡り歩いて、数々の男性経験を持つ。博打、ドラッグ、乱交パーティーまで経験している。
文字数 10,279
最終更新日 2026.04.25
登録日 2026.01.01
`エスペランサ’。彼はこの国で"能力者”と呼ば れている異能力を操る少年だ。この国には現 在、この能力者と呼ばれている少年少女達が存 在する。もっとも現在の公式発表では居ないも の、として扱われている。そして、彼等能力者 を管理、統率し公式発表通り`居ないもの’とす るため`エスペランサ’も所属する〈特別公安〉 という組織が創立された。また、それに反対し て〈セルフ〉という反政府組織が作られた。そ して、`エスペランサ’はその戦い方から敵だけ でなく味方からも悪魔と呼ばれ恐れられ てい た。 美波勇。目立つことが嫌いな彼はひょんな 事から学校一の美少女を助けた。その時から、 勇の平穏[?]な生活は終わりを告げる。しか し、その助けた少女はなんと、能力者だった。 そうとも知らない勇は能力者の争いに巻き込ま れて・・・。願いを奪われた少年少女達の戦いが 今ここに始まる!
登録日 2014.08.11
文字数 2,346
最終更新日 2019.02.09
登録日 2019.02.03
「普通な人」なんて居ない。人は誰しも頭のネジが少しずつ飛んでいて、それはいつ暴走してもおかしくない。
そんなこと誰かが言っていた気がする。
高校2年生 「月城 紘」の住む街で、一家3人が惨殺される殺人事件があった。その事件の犯人にされてしまった紘は、ある男に脅されて人を殺した罪滅ぼしのために「とんでもない」仕事を頼まれる。
いろいろな事件を追いながら紘は自分のある特殊能力と、社会から一歩踏み外している存在だと気がつく...
サイコホラーと戦闘系が織り成す、特殊能力バトル。
※多少グロテスクな表現があります。
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読者の皆様の『誰にも言えないちょっぴり特殊なこだわり』を『感想』にて教えてください。これから物語に登場する個性豊かな特殊能力にします。
byねこわんこ
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文字数 13,334
最終更新日 2019.12.13
登録日 2019.11.25
――茶番だなと思うことがよくある。そんな穂足ゆうは、ややブラック気味の会社で経理をしている、アラサー女子社員である。
仕事にも人生にも嫌気が差しているのに、そこから抜け出すことができない。家族とは疎遠で、恋人もない。晩酌はいつもひとりで、それが当たり前になっていた。
そんな ゆう の後輩で、同じ経理課所属の八鍬みさき。ゆう より二歳下の彼女は、人当たりがよく、仕事もでき、容姿も整っている。気配りもできる八鍬を、ゆうは頼もしくも羨ましく思い、距離を保ったまま、先輩と後輩の関係を続けていた。
月末の最終営業日の金曜、午後九時。ゆうは八鍬にふたりだけで呑みにいかないかと誘われた。普段なら絶対に受けないお誘いを断りきれず、連れて行かれた茹でタンのお店で、まさかの八鍬の退職予定を告げられた。おまけに別れ際にキスされて――。
◆
退職宣言からはじまるかもしれない、恋愛経験なしのアラサー女子ふたりの新しい関係のお話です。
別名でピクシブに公開していたものを転載。
文字数 19,366
最終更新日 2020.03.15
登録日 2020.03.13
