「月日」の検索結果
全体で484件見つかりました。
※10話完結の短編です(エピローグ有り)。
五歳の頃、わたしは神童と呼ばれていた。
全属性の初級魔法の発動に成功したことで、虹色の魔法使いとして将来を嘱望されていた。
同い年の子たちは、まだ魔力を感じることすらできていなかった。そしてそれは王族の子でも同じだった。
ある日、わたしは王族主催のパーティーに招かれることになった。
そこでわたしは、同い年の男の子に魔力の感じ方を教えることになった。
その男の子は、憧れるような目でわたしを見てきた。だからわたしもついつい得意気になって教えてあげた。
それから十年の月日が流れた。
わたしは、神童からただの人に成り下がっていた。
七属性の魔法が使えるといっても、全てが初級魔法止まりの器用貧乏。それが今のわたしに対する評価だった。
でも、辛くはない。
だって両親はわたしのことを愛してくれている。だから家の中は居心地抜群だ。
その結果、学校に行くのを止めて毎日ダラダラと自堕落な生活を送るようになった。
つまり、引きこもりだ。
わたしのことを馬鹿にした同級生たちは、今では中級魔法を幾つか習得しているはずだ。
まあ、そんなことは今のわたしには関係のないことだ。
これから先もずっと引きこもり続ける。
それが神童ではなくなったわたしの行く末なのだから。そう思っていた。
あの日、彼と再会するまでは……。
文字数 21,864
最終更新日 2024.05.20
登録日 2024.05.15
※9/27完結いたしました。ご訪問いただきました多くの読者様に心より感謝申し上げます。
アイ・ジャックミノー伯爵令嬢は、親どうしの決めた相手であるフェリクス・ラングラン侯爵に嫁いだ。が、ジラルデ帝国の将軍の一人であるフェリクスは、ずっと駐屯地に滞在していて不在。まだ一度も会ったことがないまま月日が流れている。将軍は、彼女に最初に手紙で伝えていた。「君を愛することはないし、君から愛されようとは思わない。おれには、ほんとうに愛する人がいるのだから」、と。アイは「まっ、いいか」と、諦めざるを得なかった。なぜなら、彼女の両親はすでに亡くなっており、彼女には帰るべき場所、行くべき所がないからである。たとえ愛のない夫婦であるとしても、ラングラン侯爵家にとどまるしかない。というわけで、彼女はまだ見ぬ夫にかわってラングラン侯爵家をきりもりし、慈善活動に精を出す。あるとき、彼女はその慈善活動の中で美貌の若い商人と出会う。しかもその青年はアイを気に入り、猛烈なアタックを開始する。が、鈍感なアイはそれにまったく気がつかない。とはいえ、しだいに距離を縮めていく二人。そんな中、フェリクスが突然駐屯地から戻ってきた。
※全四十五話。ハッピーエンド確約。ゆるゆる設定はお許しください。
文字数 63,333
最終更新日 2023.09.27
登録日 2023.09.08
アルメリア侯爵令嬢アリアは、跡継ぎのいない侯爵家に養子としてやってきた義兄のアンソニーに恋心を抱いていた。その想いを伝えたもののさりげなく断られ、彼への想いは叶わぬものとなってしまう。それから二年の月日が流れ、アリアは偶然アンソニーの結婚が決まったという話を耳にした。それを機にようやく自分も別の男性の元へ嫁ぐ決心をするのだが、なぜか怒った様子のアンソニーに迫られてしまう。
※ゆるふわ設定大目に見ていただけると助かります。いつもと違う作風が書いてみたくなり、書いた作品です。ヒーローヤンデレ気味。少し無理やり描写がありますのでご注意ください。メリバのようにも見えますが、本人たちは幸せなので一応ハピエンです。
※ムーンライトノベルズ様にも掲載しております。
文字数 16,091
最終更新日 2024.05.16
登録日 2024.05.10
望んだ婚約ではないのに何度願い出ても解消されない王子との婚約。
その王子は自分ではない女性に愛を囁き、初夜すら事も有ろうかその女性を呼び寄せて目の前で繰り広げられる男女の営み。
泣く事も逃げる事も許されず、絶望しかない王子宮で唯一の救いは窓から見える庭園で働く庭師たち。
決して如何わしい目で見ていたわけではないのに何故が嫉妬する夫である王子。
窓のない真っ暗な部屋に幽閉された数日後、訪れた夫の愛妾にクリスティナは毒を飲まされ殺害された。
はずだった。
目を開けると死んだはずなのに?殺されたはずなのに生きている自分。
それは10年と言う月日が巻き戻ったと確信するまで時間はさほど要さなかった。
もうあんな思いはしたくない…二度目の人生はせめて天寿を全うしたい。
そのためにはどうするべきか。クリスティナは動き出す。
※架空のお話です。
※初回の数話(5話くらいまで)は胸糞悪い話です。
※作者特有のご都合主義です。世間の倫理観などと一緒にしてはいけません(苦笑)
※1日に4~6話の公開を目標にしています。完結も予定は8月14日か15日です。
※8/12感想欄の受付を無しになったままでした。更新が先になると思いますが誤字脱字などのご指摘もどんどんお願いいたします。
お気に入りに入れてくださったかたがまだ1日も立っていないのに100名以上!!
頑張って更新する励みになります。ありがとうございます<(_ _)>
文字数 63,766
最終更新日 2021.08.14
登録日 2021.08.11
「ごめん、待たせた」
––––死んだと聞いていた彼が、私にそう告げる。
その日を境に、私の人生は変わった。
私を虐げていた人達が消えて……彼が新たな道を示してくれたから。
◇◇◇
イベルトス伯爵家令嬢であるラシェルは、六歳の頃に光の魔力を持つ事が発覚した。
帝国の皇帝はいずれ彼女に皇族の子供を産ませるために、婚約者を決める。
相手は九つも歳の離れた皇子––クロヴィス。
彼はラシェルが家族に虐げられている事実を知り、匿うために傍に置く事を受け入れた。
だが彼自身も皇帝の御子でありながら、冷遇に近い扱いを受けていたのだ。
孤独同士の二人は、互いに支え合って月日を過ごす。
しかし、ラシェルが十歳の頃にクロヴィスは隣国との戦争を止めるため、皇子の立場でありながら戦へ向かう。
「必ず帰ってくる」と言っていたが。
それから五年……彼は帰ってこなかった。
クロヴィスが居ない五年の月日、ラシェルは虐げられていた。
待ち続け、耐えていた彼女の元に……死んだはずの彼が現れるまで––
◇◇◇◇
4話からお話が好転していきます!
設定ゆるめです。
読んでくださると、嬉しいです。
文字数 64,249
最終更新日 2024.02.03
登録日 2024.01.14
三十代で再召喚されたが、誰も神子だと気付かない
レンタル有り「俺を見て、何か気付きませんか?」
澤島郁馬は、十代の時に神子として異世界に召喚された経験があった。
神子の役割は『化身』と呼ばれる彼らの瘴気を浄化する事。
しっかりと役目を果たして元の世界に帰ったのだが、三十代になって何故か再度召喚される。
しかし、元の世界と時間軸が異なり、異世界では郁馬が戻ってから四年の月日しか過ぎていなかったのだ。
お陰で、一緒に召喚されていた男子高校生が新たな神子という事になり、誰も郁馬が先代神子とは気付いていなかった。それ所か、周りから邪魔モノとして扱われる事に。
そんな郁馬を唯一引き取ってくれたのは、最初に召喚された際に元の世界へ戻る原因となった性悪悪役顔公爵様だった。
文字数 366,398
最終更新日 2024.05.17
登録日 2022.10.31
竜人嫌いのオオカミ魔族のルーフは、森で弱った竜人の子供を拾う。
酷く痩せて名前もなかった竜人の子供シロに「しばらくルーフさんの家に置いて欲しい」とお願いされ、何事にも無関心・無責任・快楽主義で酒好き魔族ルーフの不器用だけど愛情深い竜人子育てが始まった。
月日は流れ、シロは成人を機に「ねぇ、俺のモノになってよ」とルーフに迫ってきた。
だけどルーフは特定の恋人を作ることに抵抗があり…。
孤独を好む一匹狼魔族が孤独だった竜人に溺愛されるお話です。
最初だけシリアス・暴力的になってしまいましたが、あとは相思相愛じれじれらぶらぶ(予定)です。
ふわふわ設定、ゆるゆる更新ですが、ハッピーエンド目指して頑張ります(^^)
どうぞよろしくお願いします。
*「純粋で一途な命の恩人を50年放置したらグレた。」に出てくるルーフのその後のお話です。
そちらを読んでいなくても物語に支障ないようにしています(^^)
文字数 167,979
最終更新日 2024.05.27
登録日 2023.03.21
「子を産めないなんて思っていなかった
君を選んだ事が間違いだ」
子を産めない
お医者様に診断され、嘆き泣いていた私に彼がかけた最初の言葉を今でも忘れない
私を「愛している」と言った口で
別れを告げた
私を抱きしめた両手で
突き放した彼を忘れるはずがない……
1年の月日が経ち
ローズベル子爵家の屋敷で過ごしていた私の元へとやって来た来客
私と離縁したベンジャミン公爵が訪れ、開口一番に言ったのは
謝罪の言葉でも、後悔の言葉でもなかった。
「君ともう一度、復縁をしたいと思っている…引き受けてくれるよね?」
そんな事を言われて……私は思う
貴方に返す返事はただ一つだと。
文字数 49,198
最終更新日 2022.04.29
登録日 2022.04.16
天界に住む神獣の鼠は、神獣の猫が大嫌いだった。猫は誰からも好かれて神様に鈴まで貰う存在。一方の鼠は汚いと嫌われる存在。鼠の心には猫への嫉妬がくすぶっていた。
そんなある日、神様が天界の神獣の中から十二支を選ぶことを決める。その選定日を聞き逃した猫に、鼠は嘘の日にちを伝える。
まんまと騙された猫は十二支に入れず天界を去る。ほんの出来心から嘘を伝えた鼠は罪悪感で猫を追う。下界で猫を見つけた時には、猫は正気を失いやせ細り負傷していた。猫は鼠の腕の中で絶命してしまう。
鼠は自分の犯した罪に悩み、猫の生まれ変わりを見つけることに躍起になる。神獣仲間や神様からは、牛の背に乗って一番になった「ズルい鼠」と嫌われた。孤独の中で鼠の唯一の希望が猫になっていた。しかし猫の生まれ変わりを見つけることは困難で、長い月日が流れた。
小宮玲央は、誰からも好かれる大学二年生。人付き合いに困ることが無かったが、唯一の苦手は同じ大学二年の鼠屋大吉(鼠の人型)。
小宮玲央は神獣の猫の魂を持つ者だが、転生しているため神獣の頃の記憶は無い。なぜか苦手な鼠屋との距離感に悩む玲央。一方で鼠屋は玲央の中の猫の魂が気になって仕方がなくて……。
☆書いていて楽しい作品でした。救いと許しはどこに有るのか練るのが面白かったです。ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。性的表現のある話には※をつけます☆
文字数 27,696
最終更新日 2024.05.28
登録日 2024.05.26
「僕の最愛の妻を演じてくれないか?」
伯爵令嬢エリザベスにそう言ったのは、公爵子息のブラック。
どうやら彼は忘れられない相手がいるらしく、エリザベスに愛は抱いていないようだった。形だけの結婚にエリザベスは困惑するが、爵位が上のブラックに逆らうこともできない。そして気づけば六年の月日が流れていた……
文字数 10,309
最終更新日 2024.02.21
登録日 2024.02.20
【二年後から始まる二部を開始しました】侯爵家の入り婿として十年の月日を白い結婚のまま過ごしていた僕は、血の繋がらない愛息子アグノスがクーデターの主犯として処刑される悪夢と共に自身が前世で愛読していたファンタジー戦記物ライトノベルに転生していることに気づいた。前世で愛読していたラノベの悪役であっても、今の僕にとってアグノスとは血の繋がりはないが、まだ幼く純粋に懐いてくれるアグノスは飼い殺されるだけだった僕にとって救いであり、可愛い息子に間違いなかった。だが、このままであれば僕は近いうちに命を落とし、遠い未来でアグノスも処刑される。そんな未来を回避する為、僕は玉砕覚悟で侯爵家の悪事を暴露する事を決めた。のだが、どうしてこうなったんだろうか?
文字数 283,692
最終更新日 2024.03.13
登録日 2022.10.31
侯爵家の令嬢エレナ・トワインは王太子殿下の婚約者……のはずなのに、正式に発表されないまま月日が過ぎている。
王太子殿下も通う王立学園に入学して数日たったある日、階段から転げ落ちたエレナは、オタク女子高生だった恵玲奈の記憶を思い出す。
『えっ? もしかしてわたし転生してる?』
でも肝心の転生先の作品もヒロインなのか悪役なのかモブなのかもわからない。エレナの記憶も恵玲奈の記憶も曖昧で、エレナの王太子殿下に対する一方的な恋心だけしか手がかりがない。
王太子殿下の発表されていない婚約者って、やっぱり悪役令嬢だから殿下の婚約者として正式に発表されてないの? このまま婚約者の座に固執して、断罪されたりしたらどうしよう!
『婚約者から妹としか思われてないと思い込んで悪役令嬢になる前に身をひこうとしている侯爵令嬢(転生者)』と『婚約者から兄としか思われていないと思い込んで自制している王太子様』の勘違いからすれ違いしたり、謀略に巻き込まれてすれ違いしたりするラブコメです。
長編の予定ですが、一話一話はさっくり読めるように短めです。
以前公開していた小説を手直しして載せています。
『小説家になろう』『カクヨム』にも投稿しています。
文字数 379,665
最終更新日 2024.05.26
登録日 2023.06.28
ちょっとダークだけど、切ないヒューマンドラマ。
人並みで裕福な家庭。平林家に現れた一人の青年は、平林家にとって、ダークヒーローでしかないのか......?
恋人関係になろうとしていた水野汐莉と、芥生奏太。けれど彼は汐莉の前から忽然と姿を消してしまい、途方にくれる毎日を慰めてくれたのが、平林秀俊だった。
二人はやがて結婚し、一児を儲ける。
それから月日はたち、子どもは小4となり、順風満帆を送っていた汐莉の前に、一人の青年が現れた。
その青年が現れたことにより、
平林家は彼の言動、行動によって弄ばれるが......。
けれどそれは、彼の悲しい思いが、その言動と行動に詰まっていた......。
文字数 22,581
最終更新日 2024.05.28
登録日 2024.04.21
とりあえず1章とおまけはエロ満載です。1章後半からは、そこに切なさが追加されます。
あらすじ:
精神的にいたぶるのが好きな既婚者の王子が、気まぐれで凌辱したメイドに歪んだ執着を持つようになった。
メイドの妊娠を機に私邸に閉じ込めて以降、彼女への王子の執着はますます歪み加速していく。彼らの子どもたちをも巻き込んで。※食人はありません
タグとあらすじで引いたけど読んでみたらよかった!
普段は近親相姦読まないけどこれは面白かった!
という感想をちらほら頂いているので、迷ったら読んで頂けたらなぁと思います。
1章12話くらいまではノーマルな陵辱モノですが、その後は子どもの幼児期を含んだ近親相姦込みの話(攻められるのは、あくまでメイドさん)になります。なので以降はそういうのokな人のみコンティニューでお願いします。
メイドさんは、気持ちよくなっちゃうけど嫌がってます。
完全な合意の上での話は、1章では非常に少ないです。
クイック解説:
1章: 切ないエロ
2章: 切ない近親相姦
おまけ: ごった煮
マーカスルート: 途中鬱展開のバッドエンド(ifのifでの救済あり)。
サイラスルート: 甘々近親相姦
レオン&サイラスルート: 切ないバッドエンド
おまけ2: ごった煮
※オマケは本編の補完なので時系列はぐちゃぐちゃですが、冒頭にいつ頃の話か記載してあります。
※重要な設定: この世界の人の寿命は150歳くらい。最後の10〜20年で一気に歳をとる。
※現在、並べ替えテスト中
◻︎◾︎◻︎◾︎◻︎
本編完結しました。
読んでくれる皆様のおかげで、ここまで続けられました。
ありがとうございました!
時々彼らを書きたくてうずうずするので、引き続きオマケやifを不定期で書いてます。
◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎
書くかどうかは五分五分ですが、何か読んでみたいお題があれば感想欄にどうぞ。
◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎
去年の年末年始にアップしたもののうち
「うたた寝(殿下)」
「そこにいてくれるなら」
「閑話マーカス1.5」(おまけ1に挿入)
の3話はエロです。
それ以外は非エロです。
ってもう一年経つ。月日の経つのがああああああ!
文字数 193,099
最終更新日 2023.05.05
登録日 2020.12.09
16歳のオリビアは、いつの間にか17歳年上のクラークと結婚していた――。
それから2年の月日を夫婦として過ごしてきたが、その間クラークはオリビアを抱こうとはしなかった。
クラークが遠征で不在にしている間に成人を迎えたオリビアは、彼の本当の妻となりたくて、戻ってきた彼にあの手この手を使って誘惑しようと試みる。
だが、真面目な夫は彼女の誘惑にのらないように耐えていた。
なぜならクラークにとって、この結婚はとある人との『約束』だったからだ。
彼女が成人を迎えた今、クラークはオリビアには本当に好きな人と幸せになってもらいたいと願っているのだ――。
※ラストにがっつりとR18描写(性描写)が入ります。
※『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
※物語の世界では成人したら飲酒OKな設定になっております。
文字数 45,166
最終更新日 2023.01.10
登録日 2022.12.30
和泉浩介(いずみ こうすけ)は、子どもの頃から『倒れちゃいけない』と考えれば考えるほど追い込まれて、貧血で倒れてしまう症状があった。
そのため、入学式、全校集会、卒業式、アルバイト等にまともに参加できず、周りからの目もあって次第に心を塞ぎ込んでしまう。
そのまま大学の卒業を迎え、引きこもったまま7年の月日が経った。
そして時は西暦2018年……。
ニートのまま、和泉は31歳を迎えていた。
このままではいけないと、心療内科の先生のアドバイスをきっかけに勇気を出してバイトを始める。
そこから和泉の人生は大きく動き出すのだった。
心療内科と家を往復するだけだった男の大逆転劇が幕を開ける。
文字数 45,001
最終更新日 2024.05.28
登録日 2024.04.13
勇者一行によって滅ぼされた魔王。
勇者は王女であり聖女である女性と結婚し、王様になった。
他の勇者パーティーのメンバー達もまた、勇者の治める国で要職につき、世界は平和な時代が訪れたのである。
そんな誰もが知る勇者の物語。
御伽噺にはじかれた一人の女性がいたことを知る者は、ほとんどいない。
月日は流れ、最年少で最高ランク(S級)の冒険者が誕生した。
彼の名前はグレイ。
グレイは幼い頃から実父の話を母親から子守唄代わりに聞かされてきた。
「秘密よ、秘密――――」
母が何度も語る秘密の話。
何故、父の話が秘密なのか。
それは長じるにつれ、グレイは理解していく。
自分の父親が誰なのかを。
秘密にする必要が何なのかを。
グレイは父親に似ていた。
それが全ての答えだった。
魔王は滅びても残党の魔獣達はいる。
主を失ったからか、それとも魔王という楔を失ったからか。
魔獣達は勢力を伸ばし始めた。
繁殖力もあり、倒しても倒しても次々に現れる。
各国は魔獣退治に頭を悩ませた。
魔王ほど強力でなくとも数が多すぎた。そのうえ、魔獣は賢い。群れを形成、奇襲をかけようとするほどになった。
皮肉にも魔王という存在がいたゆえに、魔獣は大人しくしていたともいえた。
世界は再び窮地に立たされていた。
勇者一行は魔王討伐以降、全盛期の力は失われていた。
しかも勇者は数年前から病床に臥している。
今や、魔獣退治の英雄は冒険者だった。
そんな時だ。
勇者の国が極秘でとある人物を探しているという。
噂では「勇者の子供(隠し子)」だという。
勇者の子供の存在は国家機密。だから極秘捜査というのは当然だった。
もともと勇者は平民出身。
魔王を退治する以前に恋人がいても不思議ではない。
何故、今頃になってそんな捜査が行われているのか。
それには理由があった。
魔獣は勇者の国を集中的に襲っているからだ。
勇者の子供に魔獣退治をさせようという魂胆だろう。
極秘捜査も不自然ではなかった。
もっともその極秘捜査はうまくいっていない。
本物が名乗り出ることはない。
文字数 4,113
最終更新日 2024.04.02
登録日 2024.03.25
30歳で結婚し、2人の子供を育てた(ぁ゙、ぃ゙ゃ゙、主に妻が…;´∀`)。
上の子は結婚し、子供(私にとっては孫だ)も生まれ、下の子も今年から働きだしている。
来年には還暦を迎える。
会社の総務部から[定年退職後の希望伺い]なる書類がまわってきた。
{給料は半分になるが、働き慣れた職場で定年後もお世話になるかな…}
と、思案していたとき衝撃のニュースが駆け巡った!
[世界各地にダンジョンが出現!!!]
月日は流れ、還暦を迎えて定年退職した私は、再就職するのではなくセカンドライフをダンジョンで過ごすことにした。
優しい妻は「まぁ、ぬれ落ち葉になられるよりはいいか」と言って何かの証書のようなものを見ている。
「今から掛け金増やせないのかな…」ぇ、それ、………(^_^;)
文字数 61,439
最終更新日 2024.05.29
登録日 2024.04.21
「お願いします。貴方にしか頼めないのです」
アレット・ベイヤーは私ーーーロラン・バニーの手を強く握り締め、そう言った。
「君は………」
残酷だ、という言葉は飲み込んだ。
私が貴女に恋をしていると知りながら、私に剣を握らせ、その剣先をアレットの喉元に突き立たせ、全てを終わらせろと言っているのを残酷と言わず何と言うのか教えて欲しいものだ。
私でなくともアレットが恋しているソロモン・サンに頼めば良いのに、と思うが、アレットは愛おしい彼の手を汚したくないからだろう。
「………来世こそ、ソロモンと結ばれる未来を描けるといいな」
そう口にしながら、己の心を置き去りにしたままアレットの願いを叶えた。
それから数百年という月日が経過し、私、ロラン・バニーはローズ・ヴィーという女性に生まれ変わった。
アレットはアンドレ・ベレッタという男性へ転生したらしく、ソロモン・サンの生まれ変わりであるセレクト・サンと共に世界を救った英雄として活躍していた。
それを陰ながら見守っていた所、とある青年と出会い………?
文字数 11,242
最終更新日 2024.05.28
登録日 2024.04.27