「調査」の検索結果
全体で1,688件見つかりました。
『クリスタルベル・ファンタジー ~剣を持たない鐘職人、失われた鐘を直して世界をつなぐ~』
世界を救うのは、勇者ではない。
壊れたものを直し、未来へ受け継ぐ職人たちだ。
はるか昔、世界には大地、水、森、河川、そして人々の暮らしを「共鳴」によって結ぶ神秘の鐘――クリスタルベルが存在していた。
鐘が響く土地には水が巡り、森が育ち、田畑が潤い、人々の暮らしは栄えた。
しかし長い年月の中で、鐘を造る技術も、修復する技術も、それを守る職人たちも少しずつ失われていく。
それでも人々は信じていた。
昨日も鳴った。今日も鳴る。
だから、明日も鳴るのだと――。
そんな世界を旅する若き修繕職人エイル。
彼は剣を持たない。腰にあるのは小さな調律槌。背負うのは測定器、図面、補修材、そして使い込まれた工具だけ。
ある日、小さな町セレナで何百年も鳴り続けてきた「水鐘」が沈黙する。
井戸は枯れ、水路は止まり、畑は乾いていく。
エイルが調査して知ったのは、壊れていたのが鐘だけではないという事実だった。
地下水路、橋、共鳴装置、古代施設――そして何より、それらを点検し、直し、技術を次世代へ伝える人間がいなくなりつつある。
やがてエイルは、世界各地に無数の鐘が眠っていることを知り、失われた鐘を修復する旅へ出る。
だが職人たちは、それぞれ異なる答えを持っていた。
精密加工を追求する白銀工房。
伝統を守る古鐘院。
新技術を切り拓く蒼晶派。
自然との共存を重視する森響一門。
古い技術か、新しい技術か。
完全修復か、限られた資源での維持か。
そして――すべてを直すべきなのか。
旅を続けるうち、エイルは気づいていく。
一人の天才が世界中の鐘を直しても、世界は救えない。
必要なのは、修復する者、記録する者、教える者、そして技術を受け継ぐ次の世代。
「自分が世界を直す」のではない。
「自分がいなくなった後も、世界を直せる人々を残す」。
これは敵を倒して世界を救う物語ではない。
壊れたものを直し、失われた知識をつなぎ、未来の暮らしを守っていく――
名もなき職人たちの物語。
文字数 56,602
最終更新日 2026.08.23
登録日 2026.08.14
「お父様、どうかアラン王太子殿下との婚約を解消してください」
ローゼリアは、公爵である父にそう告げる。
「わたくしは王太子殿下に全く信頼されなくなってしまったのです」
その頃王太子のアランは、婚約者である公爵令嬢ローゼリアの悪事の証拠を見つけるため調査を始めた…。
初めての作品です。
どうぞよろしくお願いします。
本編12話、番外編3話、全15話で完結します。
カクヨムにも投稿しています。
文字数 27,140
最終更新日 2021.02.26
登録日 2021.02.14
前世はデパートの調香部門主任、今は廉(リェン)国皇帝の末娘である史 凛莉(シ リンリー)。下位の側妃でありながら類稀な調香の技術を持っていた実母を八歳の時に毒殺され、その身を案じた皇帝によって、母が担当していた香司のお飾り顧問として配属されることになった。
けれどそこで母親譲りの才能と前世で培った技術を思いがけず発揮。年齢のこともあって公の場には出ないものの、儀式の香合わせを任されるという日々を送っていた。
そんな中、異母兄である皇太子・麗孝(リキョウ)の急死という凶報が届く。
第一発見者は、後宮一の美女、皇太子の許嫁でもある蔡 蓮風(ツァイ リェンフォン)。当然最初の疑いの目は彼女に向いたものの、部屋に鍵がかかっていたことや、日頃から麗孝との仲睦まじい姿を目撃されている蓮風には理由がないと思われ、その疑いはすぐに逸れた。
ひょんなことから香司のお目付け役官吏・景 星辰(ジン シンチェン)と現場を通りがかった凛莉は、部屋に遺された微かな香に違和感を覚える。
自殺か、他殺か。
もしも他殺であれば、怪しいのは、実子・龍毅(ロンイー)を次期皇帝に据えたい野心を抱く淑妃・玉琳(ユーリン)ではないか。粗忽者の龍毅が即位すれば国が傾く――凛莉は、星辰を動かして玉琳周辺の調査を密かに開始することにした。
皇太子を支えるはずだった次男・立峰(リーフォン)の動向も絡み合う中、凛莉は前世で鍛えた嗅覚を武器に皇太子の死の真相へ迫っていく。異母兄のため、義姉になるはずだった蓮風の無念を晴らすためと、幼き天才調香師の戦いが幕を開ける。
文字数 99,876
最終更新日 2026.08.04
登録日 2026.06.30
本業は弁護士の成瀬優一、そして超有能な調査員のユウという裏の顔を持つ彼の右腕として動いているのが、調査員のシン。今回もユウの指示でとあるコンビニに内偵調査に入る。河北という偽名を使って内偵調査に入ったが、一足遅くそのコンビニで働いていたバイトの子が調査対象者の店長の車に轢かれ重傷を負ってしまう。お見舞いがてら情報収集に向かったシンはバイトの子『田淵伊月』に一目惚れ。なんとかコンビニ事件を解決したが、彼は二ヶ月の重傷を負ったまま働くこともできない。入院代を支払えないと困っている彼にシンは自分が肩代わりしてあげる代わりに退院後に住み込みで家事をやってもらう約束を取り付けた。そうして、シンが彼を落とす日々が始まる……。
右手シリーズの最新作。
『溺愛弁護士の裏の顔 〜僕はあなたを信じます』のスピンオフ小説なので同時系列で進みます。
付き合うようになるまでなのでそこまでは長くならない予定ですが楽しくなったら長くなるかも。
『溺愛弁護士の裏の顔 〜僕はあなたを信じます』の番外編、内偵調査から話が始まりますので、最初の部分は一度投稿したものを移動させています。今回の作品を始めるにあたって、いくつか内容を変更しているところが出てきます。
R18は※つけます。
文字数 100,593
最終更新日 2026.04.20
登録日 2024.08.01
※3と銘打っていますが、本作単体でも楽しんでいただけます。
「ちょうどよかったです。平民の方から素行調査の依頼が来ています。受けてくださいますよね?」
うぐ。
僕は商業ギルドで依頼を受けて生計を立てている、しがない平民商業人。
紹介される依頼は、素行調査、護衛、雑用、面倒ごと――なぜか厄介なものばかり。
けれど、僕には秘密がある。
僕に仕えるメイドたちは、世界最強の英雄ばかりなのだ。
嘘も秘密もつまみ食いも、メイドには全部バレる。
そんな彼女たちに支えられながら、僕は今日もギルドの依頼をこなしていく。
しかし、小さな素行調査のはずだった依頼は、やがて国を揺るがす大事件へとつながっていき――。
【前作からお読みいただいている方へ】
※この作品は、シリーズ第1作目からの続きとなっており、第2作目とは直接つながりません。※時間軸は「2」→「1」→「3」の順番です。
文字数 176,507
最終更新日 2026.04.19
登録日 2026.03.19
【金縛りから始まる恋】
毎晩金縛りに悩まされる大学一年生・賀茂俊徳。
相談相手を探すうち、学内で「本物の霊能力者」と噂される三年生・役寧人の存在を知る。
長身、黒髪、無口で近寄りがたい――はずなのに、実際の寧人は極度の人見知りで、なぜか距離感だけは異常に近い。
金縛りの原因を探るため、俊徳は寧人とその腐れ縁・丹波侑李とともに怪異を追うことになる。
幽霊か、生霊か、それともただの思い込みか。
調査を重ねるうち、俊徳が気になり始めたのは怪異の正体よりも、噂とはまるで違う寧人本人で――。
霊感ゼロの“霊能力者”先輩と始まる、青春オカルトBL。
文字数 50,828
最終更新日 2026.08.22
登録日 2026.08.14
ビウンデルム王国の第三王子ベネディクトは、十二歳の時の初めてのお茶会で出会った令嬢のことがずっと忘れられずにいる。
ひと目見て惹かれた。だがその令嬢は、それから間もなく、体調を崩したとかで領地に戻ってしまった。以来、王都には来ていない。
ベネディクトは、出来ることならその令嬢を婚約者にしたいと思う。
両親や兄たちは、ベネディクトは第三王子だから好きな相手を選んでいいと言ってくれた。
その令嬢にとって王族の責務が重圧になるなら、臣籍降下をすればいい。
与える爵位も公爵位から伯爵位までなら選んでいいと。
令嬢は、ライツェンバーグ侯爵家の長女、ティターリエ。
ベネディクトは心を決め、父である国王を通してライツェンバーグ侯爵家に婚約の打診をする。
だが、程なくして衝撃の知らせが王城に届く。
領地にいたティターリエが拐われたというのだ。
どうしてだ。なぜティターリエ嬢が。
婚約はまだ成立しておらず、打診をしただけの状態。
表立って動ける立場にない状況で、ベネディクトは周囲の協力者らの手を借り、密かに調査を進める。
ただティターリエの身を案じて。
そうして明らかになっていく真実とはーーー
文字数 68,920
最終更新日 2025.02.17
登録日 2025.01.01
戒律の厳しい修道院に王女が送られた。
聖女ビアンカに魔物をけしかけた罪で投獄され、処刑を免れた結果のことだ。
王女が居なくなって平和になった筈、なのだがそれから何故か原因不明の不調が蔓延し始めて……原因究明の為、王女の元婚約者が調査に乗り出した。
文字数 20,470
最終更新日 2023.06.21
登録日 2023.06.15
十五年前、近畿地方の堀霧町で、二人の子どもが相次いで姿を消した。「ほったらけ山」の奥で目撃されたという、謎のお面の人物。町ではいつしか、それを「神隠し」と呼ぶようになった。
そして現在。フリーライターの相馬秀吉のもとに、大学時代の後輩から十五年前の事件を調べてほしいという依頼が舞い込む。
その直後、当時の事件を知る男が失踪した。「お面の人に会いに行く」。残されたのは、そんな一言だけだった。
調査のため堀霧町を訪れた相馬は、町に古くから伝わる「四つのお面」の伝承と、まもなく開催される「堀霧よつかど祭り」の存在を知る。
そして祭りの夜。怪文書に記されていた予告どおり、殺人が起こった。被害者の顔に残されていたのは、伝承に登場する一枚のお面が。
翌日、二人目の犠牲者が出る。さらに続く殺人。消えていく関係者。十五年前の神隠し。過去と現在をつなぐように繰り返される、四つのお面。
いったい、この町で何が起きているのか。神隠しは本当にただの伝説だったのか。そして、“お面の人”とは何者なのか。相馬が辿り着いた先に待っていたのは、十五年前から誰にも語られることのなかった、ひとつの真実だった。
文字数 4,714
最終更新日 2026.08.22
登録日 2023.09.09
宮内庁つき特別顧問名探偵 正統院揚羽
世界五大名探偵 正統院凜太郎
国家名探偵 正統院弩子
歴代名探偵を排出してきた、正統院の血を色濃く引く涙子は、
宗教法人に所属する、自死承認調査員でもある。
ただし探偵的な才能はこれっぽっちも無い様子で……。
「ねえ、友呂岐くん。バラバラになった日本人形の足が一本足りないらしいんだけれど、なんでだと思う?」
「いや……。なに?なにがなんだか全くわからないけれど。でも……知り合いに人形に詳しいおじさんがいるから電話して聞いてみようか?」
「うん!」
惚れた弱みか。
また、とんでもない女性に恋をしてしまったものだ。
文字数 42,143
最終更新日 2026.08.22
登録日 2026.08.08
『僕はレベッカしか選ばない』
甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。
レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。
恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。
サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!?
※他のサイトにも掲載しています。
毎日更新です。
文字数 110,516
最終更新日 2026.03.11
登録日 2026.02.26
「仕事ですから。」
市役所職員・朝倉あやかには、人には見えない"霊質"が見える。
配属先は、地域福祉課兼地域環境調査。
孤独死の現場。
悲劇を生む祭事。
蓋をされた災害。
救えない命もある。
変えられない現実もある。
それでも彼女は、人の声に耳を傾け続ける。
それでも今日も、市役所は開いている。
――朝倉あやかと先輩・長谷寺はじめが向き合うのは、人には解決できない問題と、そこに生きる人々の想い。
現代伝奇×お仕事ヒューマンドラマ。
市役所を舞台に、怪異と現実の狭間で"聞こえなかった声"を拾い続ける、公務員たちの物語。
カクヨムにも連載中
文字数 25,578
最終更新日 2026.08.22
登録日 2026.07.12
愛媛県今治市の尋常小学校4年生。波方あい。1945年8月6日の今治空襲が彼女の運命を大きく変えた。謎の組織に救われたあいは同じ境遇のイギリス人の少年オリバーと出会う。宇宙艦隊に派遣され、士官として勤務する日々。オリバーとの恋の行方は? いつか故郷に帰る日は来るのか?
少女の成長と、宇宙艦隊士官としての活躍を描くミリタリーSFアクション!
※本作品はカクヨム様と同時掲載しています
※本作品は小説家になろう様で掲載した完結済み作品「ダンス部の愛ちゃん、戦闘スキルは皆無だけど、爆裂ヨーヨーでゴブリン相手に無双しますよ。でも、本当に得意なのはダンスと浄化魔法なんです」と同じ世界で進行するお話です
※一部お話、登場人物が重複しています
※本作品には事実調査、アイディア出し、表紙画像、方言への翻訳にOpenAIのChatGPTを使用しています
文字数 88,411
最終更新日 2026.08.22
登録日 2026.08.02
伯爵令嬢であるレフティアの日常は、父親の再婚によって大きく変わることになった。
妾だった継母やその娘である妹は、レフティアのことを疎んでおり、父親はそんな二人を贔屓していた。故にレフティアは、苦しい生活を送ることになったのである。
しかし彼女は、ある時とある事実を知ることになった。
父親が溺愛している妹が、彼と血が繋がっていなかったのである。
レフティアは、その事実を父親に密告した。すると調査が行われて、それが事実であることが判明したのである。
その結果、父親は継母と妹を排斥して、レフティアに愛情を注ぐようになった。
だが、レフティアにとってそんなものは必要なかった。継母や妹ともに自分を虐げていた父親も、彼女にとっては排除するべき対象だったのである。
文字数 53,993
最終更新日 2024.06.28
登録日 2024.06.07
BLすけべ小説の短編をまとめたものです。
・催眠で操られて強制アナニーさせられる話
催眠で操られて強制アナニーを見世物にされる調査官の話です。
・オナホ化して100回使われる話
オナホ化してしまって100回中出しされるまで使われる話です。
・悪魔と契約して調教される話
悪魔と契約してメスとして飼われるためにアナルを開発される話です。
文字数 16,255
最終更新日 2024.03.03
登録日 2024.03.03
❂本編投稿前の試し読み短編ストーリー
❂本編とは違う展開(生存if)の世界線
❂裏裏設定/NL.BL.GL.オメガバースdomsub.ポリアモリー.など、なんでも許せる方向け
❂キャラ理解用の、作者による好き放題二次創作
下書き版▶︎Pixiv
チャットノベル版▶︎テラーノベル
歌わせてみた▶︎YouTube
時間軸は九月の合同体育祭後、本編のネタバレ含みます。
本編あらすじ▼
再生紀1560年。
新世界<リティギオサ>は、統治者を持たぬまま「崩壊の年」を迎えようとしていた。
この世界に生きるのは、人間の思想から生まれた存在一神、天使、悪魔と呼ばれる<思想族>たち。
かつて地球がひとつだった頃、善意は人の形を与えられ、悪意ば”人でなし”として切り捨てられた。
その歪な価値観に失望した思想族らは、自らを切り分け、世界を分断する道を選んだのだ。
しかし、誰もが「我こそが上位である」と主張し、世界を統べる<唯一王>はいまだ決まらない。
学園と軍事は覇権を巡って争いを繰り返し、
世界は確実に終末へと歩みを進めていた。
世界を崩壊へ導くのは、神か、人か。
それとも、子どもか、大人か。
隣人を愛せと神は言い、
人々は隣人を愛して、神を忘れた。
これは、刻一刻と終末へ向かう世界で、彼らが過ごす366日を、一日ずつ綴る物語。
一年後。
彼らは何を想い、祈り、そして何を愛するのか。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
❂『繰り返す終末。何度でも君を愛す(くりきみ)』
西暦2442年
人と思想族の衝突を防ぐため、
ミトラとセフィラは世界を切り分けた_
だが契約神であるミトラは、契約対象であるセフィラに恋をしてしまう。
禁忌の恋は魔神ミスラを生み、その代償としてミトラは消滅。セフィラひとりを残す結果となった。
創造者を喪ったリティギオサ世界は、
本来の願いとは裏腹に変質していく。
そして人々はなお、
両世界を統べる“唯一王”を決められずにいた。
__そんな中
オリギナ世界から取り残された人間レシェク・ワートンの『超人類化計画』により、
魔法世界に創り出された存在―
“ヴァローナ・プログレッシブ(鴉の人造)”
喪った記憶を求める彼は、
プロプリウス学園理事長ウラノスのもとで、
次代を担う生徒たちを育てながら人々と共に暮らしていた。
やがてその力は〈英雄〉と称されるに至る。
再生紀1560年4月9日
魔神ミスラの復活により、リティギオサ世界に魔力大災害が発生
ヴァローナはギルド依頼により調査へ向かうも、ミスラの姿を捉えることはできなかった。
一方、ミスラはかつて仕えていたセフィラを求めて動き出す。
この世界に生きるすべてが主人公。
彼らの日常は静かに紡がれていく。
文字数 388,295
最終更新日 2026.08.22
登録日 2026.07.17
治癒魔法を受けるたび、王太子セドリックは死に近づいていた。
国境で呪いの槍を受けて以来、聖法院による二十八回もの奇跡で傷は消えた。だが、左腕から伸びる黒い荊は心臓へ迫り、治療を重ねるたびに彼の記憶まで奪っていく。
建国祭の大儀式を受ければ、今度こそ完全に治る。
大神官がそう言い続けるなか、王妃が密かに連れてきたのは、八年前に病死したはずの〈灰衣の聖女〉リゼットだった。
「左腕を切らなければ、殿下は夜明けまでに亡くなります」
リゼットには傷を癒やす力がない。彼女が持つのは、神聖魔法も呪いも等しく鎮め、奇跡を終わらせる力だった。
両腕のある死体になるより、片腕で生きる。
そう決断したセドリックは、王太子としての誇りと左腕を引き換えに生還する。
王妃の保護を受けたリゼットとともに調査を始めた彼は、治癒そのものが呪いを育てていた事実へたどり着く。さらに証拠が指し示したのは、聖法院と、兄を案じていたはずの実弟フェリクスだった。
片腕になった自分を受け入れられず、怒りと絶望に沈むセドリック。そんな彼にリゼットは、失った腕を奇跡で戻すのではなく、残った体で生きる方法を教えていく。
そして建国祭の日。
摂政の座へ上がろうとする第二王子と大神官の前に、死にかけているはずの王太子が現れる。
傷を消すことだけが、人を救うことではない。
元の体へ戻れなくても、生きてよい。
彼女は王子を一度も癒やさなかった。
それでも、彼を本当に救ったのは彼女だけだった。
文字数 11,214
最終更新日 2026.08.04
登録日 2026.08.04
物語の概要
現代日本から剣と魔法の世界「アントルーレ」に迷い込んだ伊瀬悠人は、十五歳の少年ユージンとして新たな人生を歩み始める。
規格外の創造魔法と独自の「MAP」を手にしたユージンは、仲間を救い、クラン「アルベローネ」を築きながら各地で起こる不可解な事件を追っていく。
魔獣氾濫、失われた国家、地下に眠る城、そして水面下で暗躍する複数の勢力。
断片的な情報だけでは真実には辿り着けない。
元スパイだった経験を生かし、推測ではなく事実を積み重ね、仲間たちの調査結果を一つずつ繋ぎ合わせていく。
やがて散らばっていた「点」は「線」となり、世界に隠された真実が少しずつ姿を現し始める。
② ユージンの変化
物語の始まり、ユージンは異世界で何をすべきなのか迷い続けていた。
しかし、多くの仲間と出会い、救い、そして共に歩む中で、少しずつ自分の進む道を選べるようになっていく。
それでも、迷いがなくなったわけではない。
判断に迷う時もあり、自分一人では答えを出せないこともある。
だからこそユージンは、仲間の力を借りる。
迷いながらも、自分で選び、仲間とともに前へ進む。
それが、最初の「迷えるユージン」から、確信を持って行動する現在のユージンへと続いていく変化の物語である。
文字数 1,283,207
最終更新日 2026.08.22
登録日 2026.04.09