「下」の検索結果
全体で31,120件見つかりました。
ここ『|華《か》』は、他国から龍が住まう国として語られる、東方の大国だ。
龍神の血を引くという皇帝は龍帝と称えられ、広大な国内だけでなく周囲の小国をも支配していた。
そんな華の後宮に一人の宦官がいた。
灰色の着物を着た小さな子、『ショウリン』は、誰の目にもとまらず、いや、誰からも気にも止められないような存在。
こまこまと動きあちらこちらを掃除して回る、そんなショウリンに構うのは、花蓉宮の下女であった小燕くらいで……。
倒叙ミステリ風中華風な異世界恋愛ファンタジーデス!!
お楽しみいただければ嬉しいデス。
◇◇◇
あらすじは随時追加変更していきます。(コンテスト中盤くらいには完成させたいです)
初回はこれくらいで……。
文字数 49,870
最終更新日 2026.07.08
登録日 2026.06.27
私は護衛。侯爵家の一人娘であるお嬢様の専属護衛。最近お嬢様は婚約者である王子殿下と親密だと噂されるご令嬢に、イタズラと称した嫌がらせを行なっている。お嬢様のイタズラは、全方向に色々と不味い状況になっている。仮にも貴族の学園というのなら、お嬢様に善悪を教えて欲しい。
文字数 5,912
最終更新日 2026.05.15
登録日 2026.05.15
後宮の池から見つかった、一体の白骨死体。
誰にも知られず沈められていた“隠された真実”は、時を経て白日の下に晒された。
特殊清掃員・蓮華《れんげ》は、骨を見るのが得意だった。
首に残る圧迫の痕。
わずかな損傷。
骨の歪み。
人は嘘をつく。だが、骨は嘘をつかない。
骨が語る“ありのままの現実”から、蓮華は死者の最期、そしてその奥に沈んだ感情を読み解いていく。
嫉妬、憧れ、執着、尊敬、愛情――。
華やかな後宮の裏で渦巻く感情は、時に人を壊してしまう。
これは、少し変わった清掃員が、骨と共に後宮の闇を暴いていく倒叙ミステリー。
第一章完結しました!
※一応完結ににしてます。
文字数 23,035
最終更新日 2026.06.13
登録日 2026.06.04
【完結済み】【一気読みできます】
「先生が、マコちゃんに魔法をかけてあげる☆」
クラスカースト最下位で、息を潜めるように生きていた高校生・橋渡慎子(まこ)。
絶望に満ちた彼女の前に現れたのは、圧倒的な陽キャオーラを纏ったギャル教師・杏堂彩子だった。
先生にメイクを教えてもらい、世界が優しく色づいていく。
誰もが先生を慕い、いじめの消えた教室は、まるで天国のような理想郷へと変わった――はずだった。
だが、笑顔の裏に隠されていたのは、底知れない洗脳と支配欲。
彩子がもたらした「魔法」の正体は、関わった者の人生を狂わせる、甘い猛毒だったのだ。
歪んだ「優しさ」と逆らう者に対する「排除」によって教室が静まり返っていく中、彩子先生は“最悪の置き土産”を遺して去ってしまう。
再び始まりそうな地獄を前に、独り取り残されたマコの手には、クラスメイトたちの「黒い秘密」が詰まったSDカードが握られていた――。
「みんな仲良くが一番。だよね、先生……」
美しきサイコパス教師の手のひらで踊らされていた少女が、本当の「サイコー」を理解した時、教室はさらなる変貌を遂げる。
狂気の英才教育を施された少女は、壊れた世界で微笑む。
依存、洗脳、そして伝染する狂気。
一度足を踏み入れたら抜け出せない、学園サイコホラー、ここに開幕。
文字数 26,008
最終更新日 2026.07.05
登録日 2026.06.28
伝説の魔王ヴェイルが突然引退し、弟のアベルは魔王を継ぐことになった。
ところが就任早々、妻には離婚され、部下はほとんど退職。
さらに先代魔王が趣味で運営していた「いかがわしい魔道具ネットショップ」が原因で、人間界から「魔界が宣戦布告した!」と大騒ぎになってしまう。
しかし、勇者レオルが菓子折りを持って討伐にやって来たことで誤解はあっさり解決。
……その結果、平和になりすぎて勇者は失業。
住む場所まで失ったレオルは、魔王城へ住み込みで就職することに。
送迎係、子どもの遊び相手、地域イベントの運営。
平和すぎる魔王城で、シングルファーザー魔王と元勇者は、二人の娘を育てながら今日も大忙し。
しかも二人とも恋人募集中。
子どもたちは勝手に再婚計画を立て始め、婚活小説を参考に恋愛を応援する。
これは、戦わない魔王と失業した勇者が、子育てと婚活、そして地域密着のイベント運営に奮闘する、ほのぼの日常ファンタジーです。
文字数 19,911
最終更新日 2026.07.07
登録日 2026.06.30
リュウ・ホァユウ(男)は、皇帝の名で呼び出しを受け、緊張の極みにあった。有能な験屍使として徐々にその名を知られ始めていたとはいえ、まさか陛下がいかなる御用で……。不安と訝しみに苛まれたホァユウに、皇帝の声が告げる。「後宮で不審死があった。宦官が宦官を殺して姿をくらましたと言ってきたが、まるで信用ならん。余の代わりに、ことの真相を究明せよ」 男子禁制の後宮での事件。男の自分に可能なのか? 懸念するホァユウだったが、帝の命令は絶対である。拝命し、調べを始めようとするが。
文字数 3,403
最終更新日 2026.07.03
登録日 2026.06.30
元流行作家の秋月は、もう十数年も本を書けていなかったが、秋月の信奉者の桐谷美香からの勧めで起死回生の策としてユーチューブ番組を立ち上げることにした。『歴史探偵! ナイトスクープ』という番組で、視聴者から解いてもらいたい謎を募り、視聴者受けするような謎を選んで、回答を準備して番組で回答、解説するのだ。流石、元流行作家だけのことはあって、ホームページで謎を募集後一週間でかなりの応募が集まり、応募件数の多かった本能寺の変の謎を解くことに決めた。本能寺の変で、信長が暗殺された理由、すなわち明智光秀が信長を自害に追い込んだ理由は、光秀やその重臣達が信長暗殺後、短期間に討ち取られてしまったため、明らかになっておらず、謎とされている。御多分に洩れず、歴史小説家として秋月も本能寺の変について書きたいと思い、資料をかなり読み込み、構想もまとまりかけていたのだが、あと数ピース嵌まればというところで頓挫して、うっちゃっておいたのだ。美香が手伝ってくれると言ってくれたものの、番組は1カ月半後とホームページで告示してしまったため、1ケ月半で構想をまとめ上げ、撮影まで持っていかねばならない。締め切りが大いに気になるものの、美香と一緒に仕事のできる嬉しさもあり、二人で前祝に一杯飲みに行った。都内近郊の居酒屋で、時間も早かったため、すいており、周りを気にせず、二人で本能寺の変の話で大いに盛り上がった。近くの席で秋月の元愛読者で、最近会社からリストラされて暇を持て余している福山に話を盗み聞きされているのに気づかずに。秋月は上機嫌でしたたかに飲んでしまい、美香と駅で別れた後、千鳥足で家に帰る。泥酔していて、鍵を開けて家に入る際に頭から床に倒れ込んでしまった。そして秋月の後をつけてきた福山も共連れで家に入り込んだ。
翌朝、秋月が目を覚ますと、頭はハッキリしているが体が動かない。そして初対面の福山が自分を見守っているのに気づく。福山によると、体が動かないのは一時的な脳震盪に伴う脱力や、長時間の圧迫による神経の麻痺によるもので2~3日で動けるようになるのではないかという。ただし、慢性硬膜下血腫の可能性もあり、これだと後日意識を失ったり寝たきりになる可能性があるという。夕方には救急車を呼んで、ちゃんとした病院で精密検査を受けた方がよい、17時迄に本能寺の変の謎を解け、17時迄に謎を解いたら救急車を呼ぶが、17時迄に謎を解けなければ秋月を放置して去ると福山から申し渡されてしまった。不法侵入で罪に問われるぞと言っても、危ないから助けようと思って家に入ったので刑法37条の緊急避難や、刑法35条の正当な行為に該当し、罪に問われることはない、手荒なこともしていないと、軽くいなされてしまう。謎解きには福山も知恵を貸すというので、秋月は福山を相方に夕方までに本能寺の変の謎を解かねばならぬ羽目に陥ってしまった。
文字数 17,699
最終更新日 2026.07.08
登録日 2026.06.30
後宮の下女であるアリは、名もなき「蟻」のような存在だった。
そんなアリを変え、阿梨という名を与えたのは、後宮で最も美しい妃・乱華。
乱華は皇帝の寵愛を一身に受ける、後宮に咲いた一輪の大華だった。
阿梨は乱華を神のように崇め、その身も心も捧げると誓う。
しかしある日、阿梨は乱華の無惨な死を目の当たりにする。
乱華を殺したのは誰か。
元寵姫であり、乱華を憎んでいた第二妃・白瑛か。
乱華の秘密を知る第一妃・玉環か。
それとも、乱華を愛という名で縛りつけた皇帝か。
阿梨は復讐を誓い、後宮の闇を探り始める。
これは、蟻と呼ばれた下女が、死せる花に忠を捧げ、後宮を噛み砕く物語。
文字数 29,204
最終更新日 2026.07.07
登録日 2026.06.05
本日夕方、店舗兼住宅で痛ましい事件がありました。
店主の高橋隆太さん(67)をはじめとする家族5名が死亡しているのが見つかり、警察は無理心中とみて――
嘘だな。
その惨劇は、偶然ではない。
──この街の誰かが仕組んでいる。
不可解な不審死や交通事故が多発する、福止市。
人が死ぬと、なぜか、大型案件の受注が決まる。
氷室の派遣先の企業は、人間の『幸運』を搾取して、利益を貪る最悪の巣窟だった。
ある日、街で起きた凄惨な一家心中。
それは確率ゼロの不運が百回連続した、異常な因果。
その瞬間、氷室の脳裏に浮かぶ冷酷な文字列。
――『運命の改竄』
命の選択が始まる。
「許せるか、こんな理不尽」
氷室は止まらない。
世界が絶対に殺しにくるならば。
私が先に――システムごと、踏み潰す。
■作品情報
状態:全話予約投稿済み
話数:45話 (文字数 80,500+)
投稿:毎日21:20
※
人がボロボロと亡くなってしまいますが、安心してお楽しみ下さい。
主人公は、逆転のカタルシスを果たします。
ハッピーエンドの定義は人それぞれですが、後味の悪い展開はありません。
■世界観・検索用キーワード
【ジャンル】現代ファンタジー / ダークサスペンス / ホラー
【要素】怪異 / 異能 / 論理 / 人間賛歌 / 復讐 / 心理戦
【属性】女主人公 / ダークヒロイン / ノワール / ハッピーエンド / ざまぁ
文字数 44,455
最終更新日 2026.07.07
登録日 2026.06.21
人工衛星おおすみに付着していた宇宙石・通称御来屋岩の成分は、ヒト遺伝子塩基Qに作用し、生命自浄作用を活性化させ、肉体を消失させる。
日本国は、秘密裏に御厨岩の軍事転用を進め、東京湾岸リゾートパークの地下に広大な防衛基地を建設し、気象衛星と偽って打ち上げた軍事衛星により、超エネルギー銀河宇宙腺G線を地球上へ照射することが可能となった。
しかし、テロリスト・東アジア開放戦線(主に自衛隊員や警察官、少数の国会議員や移民らによって構成された破壊活動集団)により、基地は占拠され、東京へ向けてG線が放たれた!
残された街には、衣類や装飾品、義歯やウィッグ、人工血管等々が散乱し、人間の肉体は一瞬で消滅した。
これは、無人となった東京が、国家として独立するまでを描いた物語である。
文字数 38,523
最終更新日 2026.07.08
登録日 2026.06.02
すべての生命の終わりを司る――「生死司(せいしし)」
そのモットーは『どうせ死ぬなら明るく逝こうぜ』
そんな超絶ホワイト(?)な職場で働く下っ端役人の俺は、ある日、上司から一枚の書類を押しつけられる。
「おい、|鳳凰(ほうおう)の兄が生まれ変わりの延期願いを出してるんだが、理由欄が空白だ。ちょっと聞いてこい」
「りょかっすー」
軽い足取りで望霄殿へと向かった俺。
だが、書類の不備を確認しに訪れたその場所で、俺を待ち受けていたのは、天界を揺るがす毒殺事件だった。
文字数 11,080
最終更新日 2026.07.07
登録日 2026.06.30
私、白木麗音は——生まれた瞬間から、壊れていた。
フォロワー十五万人のギャルインフルエンサー。完璧な笑顔と、完璧な嘘。
そして、誰も知らない。七年前の、あの冬の夜のことを。
精神医学の権威を父に持つ高校生白木麗音は、周囲を魅了するギャルの仮面の下に、共感という感情を持たない冷徹な本性を隠している。
退屈な日常に飽き果てた彼女が次なる「実験台」に選んだのは、父の元教え子で過剰なまでの共感力を持つ准教授・滝沢悠馬。
理解はできても共感できない怪物と、共感できても理解できない誠実な男——二つの魂が交差する時、どちらが先に狂気に落ちるのか。
ダンテ『神曲』を愛する父娘の、美しく残酷な芸術。
文字数 90,398
最終更新日 2026.06.10
登録日 2026.05.31
女神アフロディーテが物語に出てくる『悪役』達を集めて、女性達の死後お話会を開催します。
果たして『誰が一番つらかったか』。決着は着くのか?ご褒美はあるのか?自分の死に様を女性達は受け入れられるのか?
ちょっと斜め上目線のお話です。
※残酷・辛辣な描写があります。気分が悪くなるかもしれません。ご了承下さい。
文字数 23,168
最終更新日 2022.02.14
登録日 2022.02.10
警視庁の地下深く、迷宮入りした不可解な事件ばかりが回される「特殊迷宮捜査対策室」――通称・特迷(とくめい)。そこに配属された若手刑事・小泉泰明は、着任早々、被害者の血液が跡形もなく消え去るという「現代の吸血鬼事件」の捜査を命じられる。
手がかりを求め、泰明は「怪異に詳しい」と噂される狐を祀る神社の娘・塔子司のもとを訪ねる。しかし、彼女が泰明をみるなり放ったのは、あまりにも突飛な一言だった。
「その事件の犯人、最後の被害者の婚約者ですよ」
「動機は?」
「分かりません! でも絶対に彼が犯人です!」
司の能力は、事件の答え(犯人と結末)を100%当てるというもの。しかし、そこに至る過程(動機やトリック)が完全に抜け落ちているという、あまりにも致命的な欠陥を抱えていた。
警察組織は「直感」などでは動かない。証拠がなければ逮捕もできず、次の殺人を防ぐこともできない。 「答え」を知る司の予言に振り回されながらも、泰明はその答えから逆算して過程(証拠とトリック)を埋めるための捜査を開始する。
あらかじめ分かった答えを証明する、前代未聞の「逆算型」ミステリーの幕開けだった――!
この物語は私が書いた
『確定推理 東狐 司(とうこつかさ)は、答えは解るが過程が解らない』
『不思議な彼女 塔子司 アセットディスティニー』
• 『東狐司(とうこつかさ)の不思議事件簿』
を元にもう少し本格的に出来ないか悩み書き始めた物です。
このジャンルは苦手なので暖かく見守って下さい。
この物語はカクヨムにも連載しています
文字数 48,869
最終更新日 2026.07.08
登録日 2026.06.15
「反逆者として処刑されたはずの男が、なぜここに――」
帝国の重鎮たちが祝杯を上げる会議室に、死んだはずの投資家ヨシュア・ゴールドシュミットが舞い戻った。
「金で買えないものはない。……そうだろう、閣下?」
1839年、清国・広東。
欧州の金融界で「若き異端」と呼ばれた投資家、ヨシュア・ゴールドシュミット。彼は、アヘンによって国を蝕もうとする東インド会社の非道を、清国の全権大臣・林則徐とともに目撃する。
「やられたら、やり返す。……百倍返しだ」
ヨシュアは豪商・伍秉鑑と手を組み、翌年のロンドン・シティに舞台を移す。武器は剣でも魔法でもない。現代の金融理論と、時代の「通信速度のラグ」そのものを利用した、圧倒的な情報戦略だ。
「反逆者として処刑されたはずのヨシュアが、なぜここに――」
帝国の重鎮たちが祝杯を上げるその会議室に、ヨシュアは舞い戻る。空売り、資産凍結、そして帝国の信頼そのものを崩す情報戦。
「平和は不要と笑ったか。ならば、この国ごと十倍利息で買い叩いてやる」
これは、ただ一人の男が「帳簿」と「信用」を武器に、大英帝国という巨大な権力構造そのものを塗り替えていく、経済逆転劇。
文字数 97,067
最終更新日 2026.05.26
登録日 2026.04.20
「君は僕無しじゃ、息もできないんだよ」
突如として、この世界から一切の『音』が奪われた。
阿鼻叫喚の地獄と化した街で、僕は一人の少女を拾う。
彼女の名は、音を失う前の世界で『天才』と呼ばれたピアニスト。
かつては数千人の喝采を浴びていた高嶺の花。
けれど、音が消えた今、彼女はただの「音も出せない無力な美少女」に過ぎなかった。
僕は彼女を地下室に閉じ込め、彼女の好きなメイプルシロップを毎日運びながら、甘く、そして逃げられない執着で包み込む。
「外は危険だ。音のない世界で、君を守れるのは僕だけなんだ」
ピアノを失った少女と、彼女を支配することでしか自分を保てない僕。
地下室に満ちるのは、甘いメイプルシロップの香りと、二人の吐息だけ。
これは、崩壊した世界で繰り広げられる、過剰で幸福な『共依存』の記録。
奪われた音の代わりに、僕が君を愛で満たしてあげる。
たとえそれが、出口のない地獄だったとしても。
文字数 98,978
最終更新日 2026.05.28
登録日 2026.04.30
心臓が止まったはずの人が、また、歩き出す。
原因はわからない。5Gのせいだとも、隕石のせいだとも言われたが、誰も本当のところは知らない。ただ、世界中で同じことが同時に起きた。死んだ人が起き上がり、ゆっくりと、生前と同じ道を歩く。会社へ。学校へ。夕暮れには、家へ。誰かがそれを「もどり」と呼んだ。死んで、帰ってきた人たち。
人類は、十分の一になった。日本国政府はほぼ機能を止め、最後に一つだけ法律を残した――必要な物資は店から持ち出してよい。ただし、一度に一人一週間分まで。取りすぎず、奪い合わず、みんなで生き延びること。専門家は言う。あと三年、長くて五年。それまで、なんとか、各自で生き延びてほしい、と。
熊本市西区。この日から、田崎家の非日常だけど、普通の毎日が始まる。
父・康夫(五二)はスコップ片手に、酒を探しに出る。母・幸代(五〇)は猫の餌のため、フライパンを握って奮闘する。兄・大地(一六)は窓辺で「もどり」を観察し、中二病全開の研究ノートをつける。妹・花音(一四)は、漫画家になる夢を諦めない。そして四匹の猫――ちゃとらん、かぐや、マロン、おはぎ。なぜか「もどり」は、猫を襲わない。
地下水を汲み上げ、太陽光発電を活用して、お風呂も沸く。ご飯も食べられる。家族は、多数決と、二人以上での外出と、交代で書く一冊の交換日記。三つのルールだけを頼りに、終わった世界で、終わらない日常を生きていく。
運動不足を解消したい母は、ジムから器具を調達しようと言い出す。漫画の道具が欲しい妹は、画材を調達するために街に行きたがる。熊本城を拠点にしたら格好いいと、兄は無茶を言う。父は今日も、酒のために命を張る。わがままで、賑やかで、ちょっとだけ命がけ。そんな家族のドタバタが、リレー形式の日記で綴られていく。
でも――歩き続ける「もどり」たちは、ただの怪物ではない。いなくなった妻の残した大切な庭を、いつまでも守り続ける者がいる。誰かを守るように、手を引いて歩く者がいる。彼らは、何を抱えて生きて、何を残して、帰ってきたのか。襲う者と、襲わない者を分けるものは、何なのか。賑やかな笑いの底から、その謎が、静かに立ち上がってくる。
少しだけスプラッターありの、ハチャメチャな終末サバイバル。なのに、読み終えると、なぜか少しだけ、泣いている。熊本の土地と方言を錨に描く、物悲しくて、可笑しくて、あたたかい、家族と猫と死者の物語。
あとぜき、お忘れなく。開けたら、閉めること。閉めなければ――入ってきますけん。
文字数 65,737
最終更新日 2026.07.07
登録日 2026.06.30
青桜国の後宮で働く下女・雪華。一見するとどこにでもいるごく普通に見える少女だが、彼女には親しい人以外に秘密にしていることがあった。それは人の心を読んでしまう「看取りの魔眼」と呼ばれる魔眼を持っているということ。
ある妃が国をあげての祭事で亡くなった。
その事件がきっかけで彼女を取り巻く環境が一気に変わる。
倒叙×中華後宮ファンタジーミステリー。
毎日午後6時に投稿いたします。ぜひご覧ください。
文字数 20,993
最終更新日 2026.07.07
登録日 2026.06.30