落語小説一覧
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男が温泉につかっていると、若造が話しかけてきた。
以前、自分が噺家だったことを知っており、とある噺をして欲しいと懇願する。
仕方なく男はその噺をする。
文字数 3,677
最終更新日 2024.02.06
登録日 2024.02.06
登録カテゴリはホラーとしましたが、ホラーというよりはコメディ要素の多いホラーコメディです。怖い要素はほとんどありませんので、楽しんで読んで頂けたら嬉しいです。死神さんは落語家になるのでしょうか?
文字数 5,233
最終更新日 2023.03.27
登録日 2023.02.26
大家さん:「この間、サザンの『希望の轍』という歌を初めて聞いたが、いい歌だったな」
与太郎: 「轍って何だろうね?」
大家さん:「そうか。今の人は轍を知らないだろうね」
与太郎: 「わだちは知らない」
大家さん:「くだらないよ。轍というのは馬車や荷車が走った後に残る、溝のことだ」
与太郎: 「そこへ犬が糞をしたら、『|くそみぞ《・・・・》一緒』だね」
大家さん:「余計な事を云うんじゃない。ヨーロッパには石畳という石を敷いた道がある。」
与太郎: 「道で良かった。畳なら座りにくい」
大家さん:「茶々を入れるな。その石畳を何千回、何万回と馬車が行き来する。するとやがて石が削れて、ついには深い溝ができる」
与太郎: 「大家さんとおカミさんの間みたいなもんだね」
大家さん:「だから、余計なことを言うなと言うのに。歌では自動車が走った跡を轍と言っているようだが、ゴムタイヤではそうそう轍は残らない」
与太郎: 「桑田の野郎、いい加減なことを歌いやがって!」
大家さん:「待ちなさい! これは物の|譬《たと》えだろう。恋人同士が歩んだ人生を「轍」になぞらえているんだな」
与太郎: 「うーん。さすがアミューズ。洒落たことをしやがる」
大家さん:「何を言ってるんだ、お前は? 希望に向かって街を離れていく主人公と、街に残る恋人。二人の轍は平行線のまま、一つに重なることはないということだろう」
与太郎: 「やっぱり大家さん夫婦と一緒だね」
大家さん:「よしなさい。石畳が削れるほどの往来だ。長い月日を恋人たちが共にしたということが伝わってくるだろう?」
与太郎: 「長い月日ねえ。どれくらいしたら、馬車の轍がそんなに深くなるか? 大家さん、わかるかい?」
大家さん:「さて、何十年。ことによったら何百年かな……」
与太郎: 「なに気の長い話してるんだよ。老い先短い癖をして」
大家さん:「失礼なことを言いなさんな。それじゃ、もっと短いというのかい?」
与太郎: 「そうさ、馬車なら3年か4年だね」
大家さん:「そんなに早く轍が刻まれるもんかい?」
与太郎: 「だって、歌にあるじゃないか。『〽わだち馬車4年。お馬車3~4年』て」
大家さん:「くだらないよ。お前さんとは|馬《・》が合わない」
「お後がよろしいようで」
(おわり)
文字数 921
最終更新日 2022.08.06
登録日 2022.08.06
火事に遭遇した松吉は、取り残された子猫を助けようと奮闘する。
※古希(こき):七十歳
※四方山話(よもやまばなし): 種々雑多な話。 世間話。 雑談。
※鳶口(とびくち):長さ1.5m~2mほどの木製の棒の先に、鳥のくちばしのような形状をした鉄製の鉤(かぎ)が付いた道具。木材を引っかけて運搬したり、木造家屋を解体したりするために用いられる。
※丸髷(まるまげ):結婚した婦人が結う、日本髪の型。頭上に楕円(だえん)形の、やや平たい髷(まげ)をつけたもの。
※旧暦の春は一月~三月。
※欣喜雀躍(きんきじゃくやく):大喜びで、小躍りすること。
文字数 2,720
最終更新日 2021.12.26
登録日 2021.12.26
人斬り稼業・斬屋(きりや)を訪れた武家の息子。
持参した名刀で、斬ってくれと頼んだのは自分自身だった!? が……?
落語調で語られる短編コメディ。
ニート対殺し屋、in江戸――。
文字数 5,215
最終更新日 2021.11.18
登録日 2021.11.15
学生の時分から落語にハマり勢いで噺家になった七兵衛はそれから10年とトントン拍子に真打まで登り積めるが面白くない。
自分のやりたかった落語とは本当にこれであるのか、これから先もこれで良いのかと悩みに悩んだ末に七兵衛は古典落語に"もし"を加えて話すことを決断した。
しかし周りからの風当たりは強く肩身も狭くなっていく一方、なるほどこれがなかなか面白いと評判になりこれを「小説落語」と自ら謳い話す。
そんな1人の男の物語でございます。
どうか御一席お付き合いのほどよろしくお願いします。
文字数 5,101
最終更新日 2021.07.31
登録日 2021.07.31
文字数 112,933
最終更新日 2021.07.25
登録日 2021.07.11
口数だけが取り柄の男、アケビ。
長らく不孝をしてきた家を遂に追い出されて、今夜寝る場所もない。
そんな折に、喋らない少女と出会う。
少女は声を発さないが、無視をしている様子もない。
ただ頷き、目を伏せたり見開いたりする。気がすむまで話を聴かせ、陽も暮れてきた。
いくらなんでも少女の家に転がり込む訳にはいかないと、少女を家に帰そうとした時、
「来て」
と一言、彼女が初めて声を発する。
少女が先を歩き、アケビはその後ろを着いていく。
三里程歩いた先には関所のようなものがあり、抜けるとそこは、誰も声を発さない沈黙の村だった。
文字数 19,016
最終更新日 2020.06.19
登録日 2020.06.10
本作は落語と縁のない人に、少しでも興味を持って貰おう、落語に触れてもらおう、という趣旨で書いております。
落語の内容を少し変えて書いていますので、本物の落語と同じ感覚ではお読みになりませんようご注意ください。
変える内容というのは、登場人物の名前であったり、登場人物が発する言葉(現代人に通じるように言い換える)です。
予備知識がなくても理解できるよう努力はしますが、私も素人ですのでミスがあるかもしれません。
その際は感想等でご指摘頂ければ、すぐに訂正致しますのでご協力とご理解のほど宜しくお願い申し上げます。
ちなみに、落語の前に話すマクラと呼ばれるものも書いております。基本、オリジナルです。
本作が取り扱う噺に於いて、伝わりづらい単語または表現等がありましたら、噺の完結後に【 用語注釈 】と題を打って新たに解説する予定です。
【 注意 】
なお、一度作者が落語を聴き、覚えてからの執筆になりますので時間が掛かります。
多くても月一の更新となる予定ですのでご了承ください。
文字数 17,142
最終更新日 2020.01.02
登録日 2018.11.18
文字数 21,892
最終更新日 2018.12.29
登録日 2018.04.15
文字数 22,203
最終更新日 2018.02.10
登録日 2018.01.20
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