「訓練」の検索結果
全体で826件見つかりました。
春の風が病院の中庭を通り抜けるころ、看護専門学校三年の早川 悠真は、実習先の総合病院の控室で呆然としていた。
「えっと……これが、僕の?」
手元に渡された実習用の制服は、どう見ても女性用。しかも今どきのパンツスタイルではなく淡いピンクの短めのチュニックと、白いスカート。そして、一緒に配られたのはレースの入ったキャミソールと、白いストッキング、ぺたんこのナースシューズ…。
「申し訳ないんだけど、男子用は発注してないのよ。前にも男の子いたけど、みんなこれで乗り切ってもらったの」
担当教員の言葉に、悠真は言葉を失った。
(冗談だろ……?)
しかし、実習は翌日から始まる。病院内での服装規定は厳しく、下着も透け防止の白、指定品以外は不可。選択肢はなかった。
そして、実習初日。鏡の前に立った悠真は、自分が別人のように見えた。スカートの裾がふくらはぎにふわりと触れ、ストッキング越しの脚が妙に意識される。
(これで病棟に行くのか……)
しかし、患者たちは驚く様子もなく「ナースさん」と彼に微笑む。最初こそぎこちなかった歩き方も、数日もすれば自然と腰を落とし、膝をそろえて立つようになった。
「早川さん、最近所作が綺麗になったね」
指導ナースのその言葉に、悠真の胸の奥がかすかに波打つ。
(僕は、なんで……少し、嬉しいんだろう)
——女性用のナース服に包まれた一カ月の実習は、ただの訓練ではなく、彼の中に眠る何かを目覚めさせていく時間になっていく。
文字数 41,794
最終更新日 2025.05.10
登録日 2025.05.10
敵国の牢獄看守や軍人たちが大好きなのは、鍛え上げられた筋肉だった。
というわけで、剣や体術の訓練なんか大嫌いな魔導士で細身の主人公は、同僚の脳筋騎士たちとは違い、敵国の捕虜となっても平穏無事な牢屋生活を満喫するのであった。
文字数 807,358
最終更新日 2026.11.05
登録日 2025.02.05
「壊れている場所がわかるだけ」の祝福を持つ伯爵令嬢セレナは、婚約者アーヴィンから役立たずと笑われ続けていた。
そんなある日、学院の騎竜訓練場で一頭の黒竜が暴れ出す。誰も原因を突き止められない中、セレナだけが騎乗具の内部に隠れた亀裂を発見する。
黒竜に近づくだけで暴れられ、「竜に嫌われた騎士」と噂されていた辺境伯令息レオンは、セレナの言葉を疑わなかった。
「壊れている場所がわかれば、直せる人間に頼める」
初めて自分の祝福を必要としてくれたレオンとともに原因を調べるうち、セレナは自分の力が本当に役立たずなのか疑い始める。
一方、そんな彼女に婚約者は言い放つ。
「なら壊れてから直せばいいだろう」
けれどセレナは、もう知っていた。
壊れてからでは、遅いことがあるのだと。
文字数 18,707
最終更新日 2026.08.29
登録日 2026.08.29
ダンジョンが現れて四十年。閉園した星輪遊園地の片隅、旧案内館の一室を借りる元訓練補助員・柊直人には、ちょっと変わった力がある。
自分で相手をして生きて戻った魔物の動きと足場を、八メートル四方の部屋の中でだけ、痛みを抑えた模擬体として『再演』できるのだ。
経験値もスキルも増えない。一度に使えるのは二人だけで、魔石も食う。前の職場では「商売にならない」と、契約を更新されなかった。
それでも直人は、難しい魔物ほどわくわくする挑戦好き。夢は、怖くて冒険をやめた人も一流の探索者も本気で遊べる、世界一の冒険施設を作ること。そして自分も最難関へ挑み、新しい遊びを持ち帰ること。
講習の補助中、低層で石棘トカゲに退路をふさがれた直人は、すくんだ初心者・真崎伊吹に「戦う」以外の役目を選ばせ、自分の槍で一匹を仕留める。その結果を見た中堅探索者・志野晴香は、力の使い道を見抜いて言った。「私にも使わせて。ちゃんと払う」
――ただし彼女は、直人が用意した最短の正解をなぞってくれない。
即興で記録の裏をかく晴香と、負けてもなぜか楽しそうな直人。互いを読み切れないからこそ、二人は惹かれ合っていく。
大家の古賀七緒に料金と休みをきっちり要求されながら、初めての客を迎えた小さな訓練場。だが低層の奥に、記録にない光を返す変異個体――鏡甲トカゲが現れる。
映像をいくら集めても再演は作れない。八メートルの部屋に、二十メートルの通路は収まらない。既存の訓練会社は「最新の変異にも対応済み」とうたい続ける。
記録できたのは、尾の予備動作と最初の数歩だけ。足りない部分は、伊吹が聞き分ける足音と、合図を待たない晴香の判断、そして自ら反射板を担いで攻撃を誘う直人の一手で埋める。
協会の正規班と挑む、現実のボス戦。その勝利が、小さな部屋の価値を街に証明する。
安全な練習と、命がけの本番。その両方を本気で楽しむ、現代ダンジョン訓練場ファンタジー。
文字数 130,363
最終更新日 2026.11.06
登録日 2026.10.31
戦闘特化組織・カラリスに所属する主人公・時雨は、想い人の百合愛や 兄分の冬歌と共に、英人になるため訓練や任務にいそしんでいた。 そんな日々の中では、カラリスの上層部殺人事件が起きていた。時雨たちは日々を過ごしながら事の成り行きを見守っていたが、ある時から 組織の人が減っていくなど、不穏さが際立つようになっていく。そして 上層部殺人事件の犯人と思われる人は、ついに本部を襲撃した。時雨が 犯人を追っていくと、そこにいたのは、最愛の人・百合愛だった――。 これは、”三人”の英人の生き様を記録した物語。
このお話は同人誌で発行した作品のweb公開です。
文字数 50,431
最終更新日 2026.11.06
登録日 2026.09.25
高2の初夏、私は学校の帰り道で幼馴染の男の子と共に、突然異世界に召喚された。
呼び出された先で言われたのは、私が『勇者』で幼馴染が『勇者の盾』。それぞれにスキルというものが着いていて、私のスキルは『絶対斬撃』と『不屈の精神』。
そして幼馴染のスキルは『絶対防壁』と『絶対防御』。
だけど…………
絶対防壁って……そんな使い方する物じゃないよね…………?
勇者の私を守る為に、勇者の盾となった幼馴染は、『壁』を独自解釈で自由に操って無双する。
私の出番は…………うん。
いざという時の為に訓練は欠かさないよ!!
◇テンプレ勇者召喚モノ。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げる予定です。
※残酷な描写は全て“会話文”で流れていきますので細かな描写はありません(°∀°)
文字数 34,930
最終更新日 2026.11.05
登録日 2026.10.02
天涯孤独だった二木蓮は、職業訓練校で出会った友人たちや、職場の仲間たちに囲まれ、初めて「自分にも居場所がある」と思える人生を手に入れた。
そんな仲間たちと向かった、初めての海外旅行。
幸せの絶頂にいた蓮を乗せた飛行機は、突如として謎の光に包まれ、墜落する。
そして次に目を覚ましたとき――蓮がいたのは、見渡す限り赤茶けた砂漠だった。
喉の渇きに苦しみ、当てもなく彷徨う蓮の前に現れたのは、巨大な蠍のような異形の魔物たち。
絶体絶命の瞬間、蓮を救ったのは、一人の少女と彼女に従う従士たちだった。
少女の名はフィール。
彼女が暮らす世界――ミッドランドは、王から力を授かった十四人の貴族によって統治され、人々は「スキル」と呼ばれる特殊な力を使って暮らしているという。
元の世界へ帰る方法を探すため、蓮はフィールの提案を受け、従士となることを決意する。
しかし、それは異世界で生きるための第一歩にすぎなかった。
魔物、貴族、従士、天使、悪魔そしてこの世界に隠された秘密。
何も持たなかった青年が、異世界で再び「居場所」を見つけるまでの物語が、今始まる。
文字数 886,289
最終更新日 2026.11.06
登録日 2026.09.26
書籍版1巻と2巻好評発売中!!
旧題:異世界転移は草原スタート?!~転移先が勇者はお城で。俺は草原~
「第5回次世代ファンタジーカップ」にて"優秀賞"を受賞+[書籍化決定]しました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ステータスオープン!」
シーン——
「……出ねぇ!」
地面に両手を叩きつけ、四つん這いで叫ぶ。
「クソゲーやんけ!?」
——ある日、突然異世界へと飛ばされた。
ごく普通の高校生、ソラ。
眩い光の中で彼が最初に目にしたのは、異世界を創った神——ではなく、ただの広大な草原だった……。
異世界人なら誰もが持つという『生活魔法』すら持たない、まるで産まれたての赤ん坊のような彼は、草原スタートを「クソゲー」と嘆きながらも、この世界で生きていくことを決意する。
そして始まる、波乱の異世界生活——
◆ 無鉄砲な駆け出し冒険者のタンクガール
◆ 「血濡れの魔女」と恐れられる、最高ランクの女冒険者
◆ 魔物を見ると襲いかかる、清楚系バーサーカー聖職者
……そんなクセの強い仲間たちと共に、剣と魔法の世界を生き抜く日々。
魔物と戦いながら日銭を稼ぎ、時には鉱山で出稼ぎ。
とある貴族令嬢には訓練と称してサンドバッグ扱いされ、群がるヒーラーに回復魔法をかけられ……。
時には酒に溺れ、時には異世界料理を振る舞い、米と醤油と味噌を懐かしむ。
——この世界で生きていくと決めたソラを待ち受けるものとは?
そして一方、勇者は——。
文字数 1,084,484
最終更新日 2026.10.29
登録日 2024.10.13
『ケイくんってSubなのにたまにDomみたいだよね』イギリスのダイナミクス研究施設にいたケイが日本に来て数ヶ月。政府認定機関Dom/Sub専門研究センターの命で設立された、ダイナミクス科のある総合病院は2年前、付属の小児訓練施設「聖フィリア学園」を立ち上げた。『ケイくんは特別だからね、この事は他の人にバレちゃいけないんだよ。だから頑張ってコントロールしなきゃ』
学園では今日もお医者さんたちと思春期真っ只中の子供たちが、濃厚でSっ気たっぷりな特殊プレイ中!Domのお医者さんとSubの子供たちの日常の物語。
※なんちゃって医療モノ。トラウマ表現あり。
Dom/Subユニバースにオリジナル設定あり。
文字数 251,519
最終更新日 2026.10.12
登録日 2024.09.23
推しが実在する世界に転生した。ガチ恋じゃない。ただの、全力オタクです。——嘘です。
騎士団訓練場の石塀の上で、悪役令嬢セラフィーナの内心は叫んでいた。
(推しが!!!訓練してる!!!逆手斬りのフォームが前回より0.3秒速い!!!尊い!!!)
前世は乙女ゲーム『月光の騎士団』のレオンハルトを7年間推し続けた重度のオタク。SSを書き、考察ブログを運営し、布教アカウントを育てていた。転生した先は推しが実在する世界——しかも悪役令嬢。しかも推しの婚約者。
破滅回避? いいえ、推し活です。
推しの好物のサブレを焼き、推しの敵を裏で排除し、推しが風邪をひけば薬草茶を届ける。推し活が忙しすぎて悪事をする暇がない。
ガチ恋じゃない。オタクとして推しているだけ。
——のはずだったのに。
「俺のことを一番知っているのは、お前だろう」
推しに見つかった。
※本作は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
文字数 73,284
最終更新日 2026.06.15
登録日 2026.06.15
7歳で治癒の力を見出され、家族と引き離された治癒士見習いのキトン。
幼い少年の心の支えは、秘密の花園で毎日言葉を交わす、幼馴染のリューだった。
立場も年齢も越えて何でも話せる2人には、たった1つだけ秘密があった。
「僕……騎士様って嫌いだな。すごく怖いんだもん……」
騎士に怯えるキトンに嫌われたくない一心で、リューは騎士であることを隠し続けている。
キトンが15歳になれば、騎士棟での奉仕活動が始まる。
18歳になればキトンの貞操帯も解かれ、治癒士はその身の全てを騎士達へと捧げる運命だった。
大切なキトンが、望まない相手に強引に抱かれる未来を恐れたリューは、
彼を守るため騎士団長を倒すことを決意する。
たとえ相手がこの国最強と謳われる、一刀として届いたことのない父でも……。
「私は彼が欲しい。彼の心も体も、声も眼差しも、彼の全てが欲しい!」
愛する人を守るため最強を目指す泣き虫騎士
×
騎士が怖い純白の小柄ぼんやり治癒士
正体を隠した幼馴染の一途すぎる執着と、11年越しの長い初恋が実るまで。
両片思いのすれ違い、じれじれ、溺愛ファンタジーBL。
※流血注意です! 戦闘や訓練や折檻による出血表現が、かなりたっぷりあります。
11/08までは毎日9:10更新
11/09~11/21まで毎日2回9:10と17:10に更新します。
11/21の17:10で完結まで、投稿予約済です。
文字数 125,450
最終更新日 2026.11.06
登録日 2026.10.01
※ この作品はフィクションであり作中の女の子たちは特別な訓練(授業)を受けています
※2 お題としていただいたものをベースとしていますが解釈が甘い部分や曖昧な部分については優しく見守っていただけるとありがたいです
膀胱が大きい生徒しか入学できない女子高、私立湯毬女学園。入試は試験や面接に加えておしがまも含めて合否が決まる。そこでは我慢の授業があり、生徒間で、はたまた教員間でもおしっこ我慢を競い合う。学校行事も他の高校と同じようにあるが、おしっこ我慢に特化したものになっている。身体検査では、膀胱の容量調査があり、学年全員の尿量がランキングで明らかになる。なんとそのランキングから割り出されたおしっこ我慢偏差値まで発表になる。文化祭は、丸1日おしっこ禁止ルールで行われる。先生の採用も、教科の知識だけでなく膀胱の大きさで決まる。そんな、”小さな”変わったところのある女子校の話。
(お題箱にいただいたリクエストをもとに作成しています)
文字数 4,890
最終更新日 2025.02.27
登録日 2025.02.27
地球人類が初めて地球外人類と出会った辺境惑星『遼州』の連合国家群『遼州同盟』。
その有力国のひとつ東和共和国に住むごく普通の大学生だった神前誠(しんぜんまこと)。彼は就職先に困り、母親の剣道場の師範代である嵯峨惟基を頼り軍に人型兵器『アサルト・モジュール』のパイロットの幹部候補生という待遇でなんとか入ることができた。
しかし、基礎訓練を終え、士官候補生として配属されたその嵯峨惟基が部隊長を務める部隊『遼州同盟司法局実働部隊』は巨大工場の中に仮住まいをする肩身の狭い状況の部隊だった。
さらに追い打ちをかけるのは個性的な同僚達。
直属の上司はガラは悪いが家柄が良いサイボーグ西園寺かなめと無口でぶっきらぼうな人造人間のカウラ・ベルガーの二人の女性士官。
他にもオタク趣味で意気投合するがどこか食えない女性人造人間の艦長代理アイシャ・クラウゼ、小さな元気っ子野生農業少女ナンバルゲニア・シャムラード、マイペースで人の話を聞かないサイボーグ吉田俊平、声と態度がでかい幼女にしか見えない指揮官クバルカ・ランなど個性の塊のような面々に振り回される誠。
しかも人に振り回されるばかりと思いきや自分に自分でも自覚のない不思議な力、「法術」が眠っていた。
考えがまとまらないまま初めての宇宙空間での演習に出るが、そして時を同じくして同盟の存在を揺るがしかねない同盟加盟国『胡州帝国』の国権軍権拡大を主張する独自行動派によるクーデターが画策されいるという報が届く。
誠は法術師専用アサルト・モジュール『05式乙型』を駆り戦場で何を見ることになるのか?そして彼の昇進はありうるのか?
文字数 3,709,613
最終更新日 2025.04.05
登録日 2020.05.12
「あなたは魔王の息子です。勇者の味方のふりをしてください」
養家で虐げられても、自分が悪いわけではないと信じてきたエリアス。
けれど出生を知らされ、強制された訓練の末に兄を傷つけた日、前世の日本人だった記憶が蘇る。
そんな彼を救い出したのは、騙すはずの勇者ギルベルトだった。
初めて好物を尋ねられ、痛いと言ってもいいと教えられる。
その優しさに恋をするほど、秘密が苦しくなって……
文字数 38,706
最終更新日 2026.11.06
登録日 2026.10.31
生まれた時からステータスに【勇者】と刻まれていた青年、勇斗。
世界を救うため幼い頃から剣を振り、魔法を学び、毎日のようにダンジョンで戦闘訓練を続けてきた。
だが、その世界に魔王は存在しなかった。
終わりの見えない鍛錬の果て、積み重なった疲労と睡眠不足で命を落とした勇斗は、神様によって誰も住んでいない新しい世界へと送られる。
誰かが無理をすればみんなで止め、疲れたら美味い飯を食って寝る。
これは誰かのために頑張り続けた人たちが、今度は自分自身の幸せを見つけていく優しくて少し騒がしいスローライフコメディ。
文字数 19,419
最終更新日 2026.11.05
登録日 2026.10.28
高所恐怖症の青年カッツ・ジャバウォックは、竜騎士養成学校セント・マタル学園に入学する。行方不明の父オリバー(伝説のドラゴンライダー)の手がかりを求める彼が組むことになったのは、『竜の国』を追放された誇り高きドラゴン・レヴィアタン。互いの利害が一致しただけの関係として始まるが、飛行訓練や竜の生き血を狙う「竜攫い」事件、フライトテストなど数々の困難を共に乗り越えるうちに、レヴィがカッツを"つがい"として深く想う本物の愛情へと変わっていく。友人トールとその相棒ニーズホッグとも絆を深めながら、カッツは少しずつ高所恐怖症を克服していく。
やがて2人は『竜の国』へ渡り、父オリバーを幽閉していた竜王ファフニールの陰謀と対峙する。竜王城で真実を暴き、父を救出したカッツとレヴィは、竜王の座を蹴り捨てて故郷へと帰還。父と母の再会を見届け、学園生活への復帰を経て、2人の絆はさらに深まっていく――。
高所恐怖症の人間と、誇り高き竜王の息子が紡ぐ、成長と絆の物語。
文字数 25,955
最終更新日 2026.11.05
登録日 2026.10.30
光が丘公園に隣接する都立成増航空高校。
たった一クラスの特殊学級に集められた面々は、粗暴な教官たちにどやされつつも他愛のない青春を過ごしていた。
そこへ現れたのは、初対面なのに多朗を幼馴染と呼び寄り添う謎の転校生、マナ。
激しく動揺する多朗と、嫉妬の炎を燃やす本物の幼馴染、琴音。
ドタバタ劇と甘酸っぱい距離感に満ちた日常は、だが周到に用意された檻に過ぎなかった。
『全員地下へ降りろ。ここから先は本物の戦場だ』
連行されたのは、太平洋戦争時の成増航空基地が地下深くに存続し、極秘裏に拡張され続けていた光が丘地下の多層階要塞。
そこで課されたのは、十代の肉体と精神を削り取る極限訓練だった。
地上では、地球外高度知的生命体による不可視の侵略が進行していた。
近代兵器も超科学も通用せず、触れるものすべてを消滅させる次元のバグ。
大人の脳では知覚すらできない破滅に抗えるのは、未分化な神経シナプスと特異遺伝子を持つ若者たちだけ。
選ばれた資質に苦悩する多朗たち一年生の生体アンカー班。
そして、守るべき家族のために自ら命を売り、過酷な再調教を耐え抜いた榊先輩ら上級生の先行強襲班。
逃げ場のない若者たちに、即席の異形兵装を背負った過酷な防衛戦が下される。
だが、この戦いにはさらなる真相があった。
マナの正体は、未来で世界を統治する超知性オテントサマが送り込んだ生体端末であり、未来で結ばれる多朗自身の血を受け継ぐ子孫のアバター。
いま侵略を阻止できなければ、オテントサマそのものが誕生せず歴史から消滅する。
マナは仲間たちの過酷な宿命を知りつつ、未来を繋ぐためにこの時代へ立っていた。
大人の嘘、仕組まれた血脈の呪詛、そして冷徹に宇宙のシミュレーションを回す超知性。
他愛のない青春の皮を被った、過酷で圧倒的な終末学園ミリタリーサスペンス。
文字数 390,247
最終更新日 2026.11.06
登録日 2026.09.10
百年前、日本は「黒降(こくこう)」と呼ばれる未曾有の災厄に襲われた。
空は黒く染まり、巨大な異形の存在がこの国へと降り立った。そして、数え切れないほどの異常や怪物が現れ、破壊と甚大な犠牲をもたらした。
その災厄の最中、一人の謎の少女が現れた。彼女は数百万人もの人々を救い、壊れた現実を修復し、黒き存在を封じた。
そして、彼女は姿を消した。
しかし、異常は残り続けた。
それから百年。人類は異常と共存する術を身につけていた。「シグナ」と呼ばれる超常の力に目覚めた者たちは、人々の命を脅かす異常や怪物と戦うために訓練され、社会を守るための学園や組織も設立されている。
天原暁継は、そんな世界で暮らす普通の十八歳の少年だ。
彼には、シグナがない。
幼い頃に父親が姿を消し、母親は暁継と妹を一人で育てることになった。それでも母親は、家族を支えるために懸命に働き続けながら、その負担を決して口にしなかった。
暁継は、母親が自分たちのためにどれだけ犠牲を払ってきたのかを知っている。
名声も、力も、英雄になることも望んでいない。ただ母親を助け、妹を守り、いつか母親が自分たちのためにしてくれたすべてに報いたい。
だが、そんな彼にも、家族を守ることのできないものが一つだけある。
――異常。
そして、ある異常が自分にとって最も大切な人々へと迫ったとき、暁継はこれまで決して乗り越えることのできなかったものと向き合うことになる。
文字数 142,645
最終更新日 2026.11.06
登録日 2026.10.01