「井戸」の検索結果
全体で180件見つかりました。
貴族会で「ヴィンテージレディーン」と陰口を叩かれていたコレット・ボルダコリー(二十三歳)
なかなか結婚しない変わり者と言われていたコレットだが、ある日突然シルベリアン公爵家へ嫁ぐことになる。
しかし結婚式当日、夫に告げられたのは「森の奥の離れで暮らせ。名前だけ貸してくれ」という理不尽な一言だった。
なんとか森を抜ければ、あるのは小さな小屋一つ。
調理場も井戸もなく、あるのは“離れ”とは名ばかりの物置小屋だけ。
しかし、コレットは絶望すること無く、着ていたドレスを切ってベッドを作り始める。
「藁のベッドで寝てみたかったのよね。」
さらに自ら変装して本邸へ潜入し、夫の愛人アリスの専属侍女・アレットとして働き始めて……
傲慢な夫と、わがままな義妹。
二人の日常は、小説のネタの宝庫だった。
「せっかくだし、小説を書きましょう。名前は“お邪魔虫夫人”がいいわね。」
こうして書き上げられた物語は朝刊小説として貴族たちの間で瞬く間に大人気となり、「お邪魔虫夫人」の名は国中へ広まっていく。
そして誰も気づかないまま、小説に綴られた数々の出来事が、やがて王国に隠された数々の汚点を白日の下に晒していくことになるのだが……!?
文字数 18,441
最終更新日 2026.07.13
登録日 2026.07.12
「魔力ゼロ」――それだけの理由で、リーゼは生家を追放された。
かつて日本で家庭科教師だった記憶を持つ彼女が流れ着いたのは、疫病と飢えで滅びかけた死に村ロウデン。魔法も、聖なる力も、彼女にはない。あるのは、手洗い、煮沸、そして「ちゃんと食べる」という、ただの家庭科の知識だけ。
ところが――井戸を清め、鍋で煮炊きし、傷を洗っただけで、村はみるみる生き返っていく。倒れていた病人が起き上がり、痩せた子らの頬に赤みがさす。
村人は言う。「聖女様の奇跡だ」と。教会は言う。「これぞ神の御業」と。二つ名は、勝手にどんどん大きくなっていく。
「いえ、すごいのは衛生であって、私じゃなくて……」
否定すればするほど、なぜか信仰は篤くなっていく。魔力ゼロの“聖女”リーゼの、慎ましくもやかましい村おこしが、今日も始まる。
文字数 28,326
最終更新日 2026.07.13
登録日 2026.07.09
HOTランキング1位感謝です!(2/3)
「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー)
ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。
神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。
そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。
ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。
早く穏やかに暮らしたい。
俺は今日も、規格外に育った野菜を手に、皆の姿を眺めている。
【毎日18:00更新】
※表紙画像はAIを使用しています
文字数 321,248
最終更新日 2026.05.17
登録日 2026.01.24
妹の葬儀の日、私は婚約破棄された。
公爵令嬢アメリア・ローゼンベルクは、病弱な妹リリアを虐げた悪女として社交界中から嫌われていた。
妹を部屋に閉じ込め、王宮の祈りにも参加させず、薬を無理やり飲ませ、冷たい言葉ばかりを浴びせる姉。
誰もがそう信じていた。
けれど真実は違う。
リリアは、強すぎる聖女の力を持って生まれた少女だった。
祈れば祈るほど命が削られる。
それを知っていたアメリアは、妹を王宮と神殿から守るため、あえて悪女の仮面をかぶり続けていた。
しかし、妹は死んだ。
葬儀の日、王太子エドガーは棺の前でアメリアを断罪する。
「妹を死に追いやった悪女よ。お前との婚約を破棄する」
父も母も、誰もアメリアを庇わなかった。
アメリアもまた、何も言い返さなかった。
守りたかった妹を守れなかった自分に、弁明する資格などないと思ったからだ。
だが葬儀のあと、妹の棺から小さな銀のロケットが見つかる。
その中には、リリアが死の直前まで書き続けていた手記が隠されていた。
『お姉様は、悪くありません』
その一文から、すべてが崩れ始める。
王国を救っていたのは聖女リリアだけではなかった。
妹を殺したのは病ではなかった。
そして、本当に王国を蝕んでいた呪いは、神殿と王家そのものに繋がっていた。
王宮を追放されたアメリアは、北方で恐れられる黒公爵セオドア・ヴァレンシュタインに拾われる。
冷酷無慈悲と噂される彼だけが、アメリアの沈黙の奥にある悲しみを見抜いた。
「君が悪女なら、俺は悪女の味方でいい」
一方、アメリアを追放した王都では、井戸水が濁り、白百合が黒く腐り、空から灰が降り始める。
妹の手記に残されていた最後の予言。
『春までに、王都は沈みます』
妹を殺したのは誰なのか。
聖女制度の裏に隠された罪とは何か。
そして、悪女と呼ばれた姉だけが知る、妹の本当の願いとは。
これは、妹を失った公爵令嬢が、悪女の汚名を背負ったまま王国の嘘を暴き、冷たい公爵に不器用に愛されながら、自分自身を赦していく物語。
文字数 505,852
最終更新日 2026.07.13
登録日 2026.06.14
あらすじ
王都第一治療院の薬師エルナ・リースは、貴族のために確保されていた高価な薬を、毒に倒れた下働きの少年へ使ったことで責任を押し付けられ、職を追われた。
「もう誰にも期待されず、静かに薬草を育てて暮らそう」
そう決めて辿り着いた辺境のローデ村で、亡き師が遺してくれたのは、屋根の抜けた廃診療所だった。ところが扉を開けたその夜、熱に苦しむ少女が運び込まれる。
魔法だけでは治らない病。汚れた井戸水。薬を買えない村人たち。傷ついた魔獣。そして、領地を立て直そうともがく無愛想な若き領主。
薬師として一人ずつ救ううち、廃診療所は村の灯りになり、追放されたエルナにも新しい居場所が生まれていく。
これは、すべてを失った薬師が、小さな診療所から人々の暮らしと自分の人生を立て直していく物語。
文字数 49,452
最終更新日 2026.06.12
登録日 2026.05.26
力も強くない、足も速くない、魔法も使えないし、頭も大してよくない、どこにでもいるちょっとオタク趣味の主人公・東雲真緒が白雉国に勇者として転生する。
同期の勇者はそれぞれ力が強かったり、魔法が使えたり、回復ができたりと各々の才能を開花させ頭角を現していくのだが、真緒に与えられた才能は異世界転生モノでよく見る〝ステータスオープン〟のみだった。
仲間には使えないと蔑まれ、ギルドには落第勇者の烙印を押され、現地人には殺害されかけ、挙句の果てに大事な人を亡くし、見ず知らずの土地の最底辺で生きていくことになった真緒だったが、彼女はまだ〝ステータスオープン〟の可能性に気づいていないだけだった。
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※投稿時間は多少前後しますが毎日投稿は続けていくつもりです。
※タイトルは予告なしにガラリと変わる場合があるのでご了承ください。
※表紙は現在の主人公のイメージ図です。もしまた別の国へ行く場合、彼女の装いも変化するかもしれません。
文字数 644,682
最終更新日 2026.07.13
登録日 2025.07.04
宮廷魔導師団を追放された青年・アルス。彼が持ち出したのは、廃棄同然のガラクタと、誰も見向きもしない『魔導具開発』の知識だけだった。辺境の貧しい村に辿り着いた彼は、魔導具を駆使して生活を豊かにしていく。魔力を自動で貯める井戸、全自動収穫機、そして村を守る魔導結界。アルスの技術に惹かれ、凄腕の女剣士やエルフの技術者が集まり、村は瞬く間に発展。気づけば帝国すら無視できない最強の要塞都市へと変貌を遂げていた。これは、追放された男が仲間と共に理想の地を創り上げる、最高に快適なスローライフ・ファンタジー。
文字数 49,306
最終更新日 2026.07.13
登録日 2026.06.25
仕事中に倒れてしまった俺は、90年代に発売されたギャルゲー『水玉ハッピーステップ♪』の世界に転移し、主人公の親友である古井戸ほまれとして目を覚ました。
そのゲームは無情なまでにバグが多く、辿り着けたとしてもなぜか数十種類もある親友との濃厚ホモバッドエンドを迎えてしまう現代まで語り継がれるとんでもない攻略不能のクソゲーだった!
元の世界に帰る条件は何でもいいからエンディングを迎えること。すなわちバッドエンドでもOKというわけだがホモエンドだけは絶対に嫌だ!
これは、役に立たないサポートキャラと共に迫りくるバグを避けつつ主人公と適度な距離を取った上で、誰でもいいからヒロインとくっつける。そんなミッションをノーマルな俺が嘆き疲弊しながらこなしていく悲しい物語である。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載させていただいています。
文字数 196,133
最終更新日 2026.07.13
登録日 2021.09.18
破滅に向かう未来。今この時に生まれたことは、幸か不幸か。
見た目は子供、頭脳も子供だが身体能力は抜群のアタルが両親の無実を信じ、仲間たちと旅に出る。
アタルー祖母を亡くし、遺言通りまだ見ぬ井戸を目指す見た目五歳の十四歳。
レイアー数々の異名を持ち、世界中を飛び回る麗しの騎士。白馬カユラの飼い主。
ユセー天涯孤独ながら国民に選ばれた新女王。未成年なので実権はないが人を見る目はある。
スズー腹にいちもつ抱える学者で専門は植物。博識なしっかり者。かわいいドレスに憧れ。
カユラーレイアがとある国の王から譲り受けたじゃじゃ馬。見た目は美しい白馬。
ミナトー世界中の人々を見てきたレイアですら違和感を覚える、謎多き設計士。
文字数 37,801
最終更新日 2026.07.12
登録日 2026.06.30
文字数 3,237
最終更新日 2026.07.13
登録日 2026.07.09
王妃の私的な浪費で空になった国庫。その責任をなぜか押し付けられたのは、王宮で実務を回していた元メイド長アーデルハイドだった。
処罰の代わりに与えられたのは、寒い・貧しい・誰も欲しがらない僻地領。
けれど、王宮の財務も食糧も人員配置も、まともに回していたのはほぼ彼女である。
つまり王都は、自分で心臓を捨てたのだ。
「なるほど。ではこちらは、そちらが後悔するほど立て直して差し上げます」
帳簿をめくれば不正が見え、厨房を見れば領地の寿命が分かる。
井戸と倉庫と働かない大人たちを相手に、元メイド長の本気の領地再建が始まる。
やがて豊かになっていく僻地と、逆に崩れていく王都。
これは、雑に切り捨てられた有能女が、腹立ちまぎれに王都よりまともな国を作ってしまうお話。
文字数 313,830
最終更新日 2026.05.29
登録日 2026.04.04
私を捨てた大神殿は崩れ始めたのに、辺境では毎日「ありがとう」をもらっています。
神殿で“役立たずの雑用係”としてこき使われていた聖女候補リナは、ある日突然、呪われた辺境伯領へ追放される。
けれど、与えられた古びた離れで一夜を明かした翌朝――冷たく荒れ果てていた屋敷は、まるで別の家のように快適な空間へ変わっていた。
実はリナは、人ではなく“家や土地”を守り整える、失われた系譜《家護りの聖女》だったのだ。
彼女が館も井戸も畑も整えるたび、辺境の暮らしはよみがえり、冷徹と噂の辺境伯アシュレイはなぜか彼女を手放そうとしない。
一方、リナを追放した大神殿では奇跡が崩れ始め、彼女の力を奪っていた不正まで明らかになっていき――。
これは、居場所を持てなかった少女が、誰かの帰る家を守ることで、自分の帰る場所も手に入れる、追放ざまぁ×溺愛×領地再生ファンタジー。
文字数 178,259
最終更新日 2026.03.27
登録日 2026.03.10
公爵令嬢のアデリナ・ブラウフォードの人生は実母の死後大きく変わった。
公爵は妻の葬儀が終わって間をあけず再婚。公爵と後妻の間には、再婚前に作った子供までいた。
アデリナは継母と異母妹に私物を奪われ、「離れ」と名ばかりの小屋に押し込められる。
腹違いの妹はアデリナを悪者に仕立て、周囲はそれを信じた。
本来ならアデリナの味方にならなくてはならない婚約者の王太子も、異母妹の魅力に骨抜きにされ全く頼りにならない。
学園の教師も、生徒も、生徒の保護者も王太子と異母妹の味方だ。
そんなアデリナにも唯一の味方がいる。それはトカゲのクヴェル。クヴェルは美少年に変身し、家事も炊事も裁縫も完璧にこなす不思議な存在だ。
実はクヴェルはこの国の建国に携わる水竜で、アデリナは三百年前に水竜を救った初代女王の生まれ変わりだったのだ。
アデリナを蔑ろにする国に嫌気がさしたクヴェルは、アデリナを連れて旅に出る。
神に去られた国は徐々に荒廃していき……。
一方その頃、祖国の荒廃を知らないアデリナはクヴェルとのグルメ旅を満喫していた。
「ん~~! このアップルパイは絶品! 紅茶も美味しい!!」
・人外×人間、竜×人間。
・短編版は小説家になろう、pixivにもアップしています。
・長編版を小説家になろうにも投稿しています。小説家になろう先行投稿。
「Copyright(C)2025-まほりろ」
※タイトル変更しました(2025/05/06)
✕「卒業パーティーで王太子から婚約破棄された公爵令嬢、親友のトカゲを連れて旅に出る〜私が国を出たあと井戸も湖も枯れたそうですが知りません」
✕「嫌われ者の公爵令嬢は国外追放を言い渡される。私が神の祝福持ちだと王家が気付いた時には国の崩壊が始まっていました」
◯新タイトル「嫌われ者の公爵令嬢は神の愛し子でした。愛し子を追放したら国が傾いた!? 今更助けてと言われても知りません」
・2025年5月16日HOTランキング2位!
ありがとうございます!
※表紙イラストは猫様からお借りしています。
文字数 170,249
最終更新日 2025.05.21
登録日 2025.05.15
社畜として働き詰め、過労死した結城智也。次に目覚めたのは、獣人だらけの辺境村だった。
藁葺き屋根、素朴な食事、狼獣人のイケメンに介抱されて、気づけば賢者としてのチート能力まで付与済み!?
「静かに暮らしたいだけなんですけど!?」
……そんな願いも虚しく、井戸掘り、畑改良、魔法インフラ整備に巻き込まれていく。
スローライフ(のはず)なのに、なぜか労働が止まらない。
それでも、優しい獣人たちとの日々に、心が少しずつほどけていく……。
チート×獣耳×ほの甘BL。
転生先、意外と住み心地いいかもしれない。
文字数 48,495
最終更新日 2025.06.08
登録日 2025.05.26
「おい、城の噴水が止まったぞ!?」
「街の井戸も空っぽです!」
無能な王太子による身勝手な婚約破棄。
そして不毛の砂漠が広がる隣国への追放。だが、愚かな奴らは知らなかった。主人公・ルリアが国境を越えた瞬間、祖国中の「水の魔石」がただの石ころに変わることを!
ルリアは、触れるだけで無尽蔵に水魔力を作り出す『水精霊の愛し子』。
追放先の干ばつに苦しむ隣国で、彼女がその力を使えば……不毛の土地が瞬く間に黄金のオアシスへ大進化!?
優しいイケメン皇帝に溺愛されながら、ルリアは隣国を世界一の繁栄国家へと導いていく。
一方、水が完全に枯渇し大パニックに陥る祖国。
「ルリアを連れ戻せ!」と焦る王太子に待っていたのは、かつて見下していた隣国からの圧倒的な経済・水源制裁だった——!
今、最高にスカッとする大逆転劇が幕を開ける!
※本作品は、人工知能の生成する文章の力をお借りしつつも、最終的な仕上げにあたっては著者自身の手により丁寧な加筆・修正を施した作品です。
文字数 78,594
最終更新日 2026.03.21
登録日 2026.03.05
王太子の婚約者であるレティシアは、愛ではなく“王国の財布”に選ばれた内政官だった。
干ばつ救済基金を管理し、徴税と支出の流れを整え、国が崩れないように回してきたはずなのに。
舞踏会の夜。
聖女セシルの涙と王太子の言葉が、レティシアを一瞬で“横領犯”に仕立て上げる。
反論しても届かない。空気が判決を下す場所で、レティシアは追放された。
落とされた先は、干ばつに喘ぐ辺境。
水のない井戸、荒れた配給所、怒りの列。
レティシアは泣く代わりに、配給と水路と記録を整えた。奇跡ではなく、段取りで。
やがて王都は、レティシアがいなくなった穴から静かに壊れ始める。
支払いは止まり、責任は溶け、聖女の“物語”だけが空回りする。
呼び戻しの使者が来ても、レティシアは従わない。戻る条件はひとつ。
――公開監査。
記録水晶が映し出すのは、涙では隠せない日付と署名、そして“誰が何を決めたか”という事実。
この逃げ場のない復讐劇の先に残るのは、王都の再起ではなく、辺境の明日だった。
これは、道具として捨てられた内政官が、二度と道具に戻らず、“責任を固定する”ことで国を救い、自分の居場所を選び直す物語。
文字数 28,004
最終更新日 2026.02.14
登録日 2026.02.14
ある日アーサーは、自分がネット小説の世界に転生していることに気が付いた。前世の記憶によれば親友のフェルディナンドは、悪役令息という役割らしい。最終的に婚約者から婚約破棄され、断罪後は国外追放されてしまうのだとか。
大事な親友が不幸になるのを見過ごすわけにはいかない。とにかく物語の主人公たちから距離をとらせようと、アーサーはフェルディナンドを自分の婚約者にしてしまった。
とりあえず仮婚約という形にしておいて、学園を卒業したら婚約を解消してしまえばいい。そう考えていたはずがアーサーのとある発言をきっかけに、フェルディナンドの執着が明らかになり……。
ハッピーエンドです。
文字数 17,093
最終更新日 2026.03.06
登録日 2026.03.06
五十七歳の整備工・山岸修司は、リストラの日、相棒のバイクごと異世界へ迷い込んだ。
そこは、石油のない世界だった。
タンクに残る燃料は、数百キロ分。
使い切れば、相棒は二度と動かない。
帰る道を探して走り出した修司は、行く先々で壊れたものに出会う。
動かなくなった荷車。濁った井戸。止まった水車。沈んだ坑道。
魔法も剣もない。あるのは、三十年以上、機械と向き合ってきた整備工の手だけ。
燃料を惜しみ、時にはバイクを押して歩きながら、修司は壊れた暮らしを一つずつ直していく。
流れ者として警戒され、職人として認められ、旅の途中で出会った少女や仲間たちと、少しずつ縁を結んでいく。
だが、旅の果てで彼が知るのは、帰還の道ではなかった。
かつて同じようにこの世界へ流れ着き、帰れないまま何かを遺した先人の工房。
そして、相棒の命がもう長くないという事実。
肩書きも家庭も失った男は、最後の一滴を何に使うのか。
これは、失った人生を取り戻す物語ではない。
帰れない世界で、残された手と相棒の命を使い、誰かの明日を直していく物語。
文字数 70,418
最終更新日 2026.07.11
登録日 2026.06.29
奥州、米沢。
伊達家の若き跡取り・藤次郎政宗は、隻眼であることを陰で笑われ、若すぎることを侮られ、周囲の大名たちから「扱いやすい小僧」と見られていた。
だが、政宗は知っていた。
刀を振るう前に、戦は始まっていることを。
敵の兵糧の行き先。
城内で不満を抱く家臣。
商人が握る借財。
僧が運ぶ密書。
女たちの井戸端に落ちる本音。
酒場でこぼれる将の愚痴。
それらを集める者がいなければ、若き当主は奥州で食い殺される。
そこで政宗は、信夫の地から一人の男を呼び寄せる。
名は柳原戸兵衛。
盗人、詐欺師、山伏、掏摸、薬売り、博徒、元足軽、抜け忍まがいの者たちを束ねる、黒い脚絆の男。
戸兵衛は政宗に言う。
「殿。綺麗な者だけを集めた軍は、綺麗に負けます。汚れた者を飼う覚悟はおありで?」
政宗は笑う。
「汚れた手でよい。俺の目の届かぬ場所を見ろ」
こうして、犯罪スペシャリスト集団「黒脛巾組」が生まれる。
彼らは敵城に商人として入り、女中として潜り、山伏として祈祷し、博徒として賭場を荒らし、贋文書で敵を惑わせ、偽の噂で軍勢を動かす。
やがて政宗は、父・輝宗の死、人取橋の危機、摺上原の大勝、小田原参陣の綱渡り、豊臣秀吉との駆け引きへと進んでいく。
表の歴史に名を残すのは伊達政宗。
だが、その足元には、黒い脛巾を巻いた悪党たちの足跡がある。
これは、天下を取れなかった男の物語ではない。
天下を取る寸前まで、奥州の闇を使い切った男と、彼に人生を賭けた悪党たちの痛快時代劇である。
文字数 181,978
最終更新日 2026.06.25
登録日 2026.06.20