キャラ文芸 じんわり小説一覧
父と母を続けて亡くした二十三歳の結子。母との夢、古民家で「小さなドーナツ屋さん」を開くために南大阪の神ノ郷村にやってきた。
孤独な結子の側には正体不明、人型の付喪神、ツクモ君がいてくれた。ツクモ君は「話さない、顔を見せない」を貫き「顔ナシ様」と恐れられる存在。でも、なぜか結子には優しい奇妙なあやかしだ。
物言わぬツクモ君と共に始めた小さなドーナツ屋さんだが、結子がある事をしてしまったためにお客が一人も来ない窮地に立たされてしまうことになり──!?
「まーるいドーナツ、まーるいご縁」を合言葉に、小さな村の小さなドーナツ屋にやってくる付喪神と村人との出会いと別れ、繋がり続けるまるい縁を描く。
涙と笑顔、物言わぬ小さな恋を添えて。まーるいあやかし物語。
文字数 120,826
最終更新日 2024.04.25
登録日 2024.04.19
半妖のいもうと
レンタル有り☆第五回キャラ文芸大賞『家族賞』受賞しました。皆様の応援のおかげです。ありがとうございました。
初めて会った幼い妹は、どう見ても人間ではありませんでした……。
中学生の時に母を亡くした女子高生の杏菜は、心にぽっかりと穴が空いたまま父親の山彦とふたりで暮していた。しかしある日、父親が小さな女の子を連れてくる。
「実はその、この子は杏菜の妹なんだ」
「よ、よろしくおねがい、しましゅ……」
おびえた目をした幼女は、半分血が繋がった杏菜の妹だという。妹の頭には銀色の角が二本、口元には小さな牙がある。どう見ても、人間ではない。小さな妹の母親はあやかしだったのだ。「娘をどうか頼みます」という遺言を残し、この世から消えてしまったという。突然あらわれた半妖の妹にとまどいながら、やむなく面倒をみることになった杏菜。しかし自分を姉と慕う幼い妹の存在に、少しずつ心が安らぎ、満たされていくのを感じるのだった。これはちょっと複雑な事情を抱えた家族の、心温まる絆と愛の物語。
文字数 238,910
最終更新日 2024.04.10
登録日 2021.07.31
【第7回キャラ文芸大賞にて、奨励賞をいただきました! 応援ありがとうございました】
憧れの仕事で挫折をし、逃げるように実家に帰ってきた葵佐和子。ある日バスで偶然出会った老婦人「笹野屋富士子」に、「五十代、実家暮らしの物書き、結婚歴なし」だという彼女の息子との見合いを強引に約束させられてしまう。
約束の日、訪れた屋敷で待っていたのは、笹野屋永徳という和服の美丈夫だった。
見合いを断るも、家業で人を募集しているという永徳は、強引に佐和子をスカウトする。しかし、「職場見学」と称して案内された屋敷の奥で待っていたのは、あやかし向けのニュースサイト「あやかし瓦版オンライン」の編集部。
見合いは断ったというのに、「嫁候補」扱いをやめない永徳、個性豊かなあやかしたちに囲まれながら、あやかし瓦版の仕事を通して、佐和子は働く喜びを取り戻していく。
文字数 210,324
最終更新日 2024.04.04
登録日 2023.10.01
「これは、私達だけの秘密ね」
京都の料亭を継ぐ予定の兄を支えるため、召使いのように尽くしていた少女、こがね。
兄や家族にこき使われ、言いなりになって働く毎日だった。
しかし、青年の姿をした日本刀の付喪神「美雲丸」との出会いで全てが変わり始める。
女の子の姿をした招き猫の付喪神。
京都弁で喋る深鍋の付喪神。
神秘的な女性の姿をした提灯の付喪神。
彼らと、失くし物と持ち主を合わせるための店「失くし物屋」を通して、こがねは大切なものを見つける。
●不安や恐怖で思っている事をハッキリ言えない女の子が成長していく物語です。
●自分の持ち物にも付喪神が宿っているのかも…と想像しながら楽しんでください。
2024.03.12 完結しました。
文字数 104,110
最終更新日 2024.03.12
登録日 2023.12.30
私は社長兼高校生の自称スーパーエリートの34歳。西赤崎高等学校のマドンナである英語教師、相沢先生は誰もが認める美女。そんな相沢先生にお近づきになりたくて、年齢詐称し、西赤崎高校に入学した私。一度学生時代に経験した高校生活、楽勝かと思いきや大変なことばかりで悩みまくり!相沢先生目当てで入学してきた同級生たちとの日常青春コメディー!
文字数 10,740
最終更新日 2024.02.25
登録日 2024.02.25
旧題:あやかし旅籠~にぎやか動画とほっこり山菜ごはん~
第6回キャラ文芸大賞【奨励賞】作品です。
◇◇◇◇
廃墟系動画クリエーターとして生計を立てる私、御崎小夏(みさきこなつ)はある日、撮影で訪れた廃村でめずらしいものを見つける。つやつやとした草で編まれたそれは、強い力が宿る茅の輪だった。茅の輪に触れたことで、あやかしの姿が見えるようになってしまい……!
廃村で出会った糸引き女(おっとり美形男性)が営む旅籠屋は、どうやら経営が傾いているらしい。私は山菜料理をごちそうになったお礼も兼ねて、旅籠「紬屋」のCM制作を決意する。CMの効果はすぐにあらわれお客さんが来てくれたのだけど、客のひとりである三つ目小僧にねだられて、あやかし専門チャンネルを開設することに。
デパコスを愛するイマドキ女子の雪女、枕を返すことに執念を燃やす枕返し、お遍路さんスタイルの小豆婆。個性豊かなあやかしを撮影する日々は思いのほか楽しい。けれど、私には廃墟を撮影し続けている理由があって……。
愛が重い美形あやかし×少しクールなにんげん女子のお話。
ほっこりおいしい山菜レシピもあります。
文字数 154,142
最終更新日 2024.02.15
登録日 2022.12.04
晴れてむし屋の見習いアルバイトとして採用されたほたる。なのに、むし屋に行けなくなっちゃった!?
むし屋に行く方法に悩むほたるに、大学一の美少女、大水碧ちゃんが近づいてきて……
今回のむし屋は、わいわい、がやがやです。
文字数 122,689
最終更新日 2024.02.06
登録日 2024.01.23
保育者はエプロン姿が常識です。でも、もし、エプロンを着けない保育者がいたら・・・。この物語の発想は、背が小さく、卵のようなとてもかわいい女子保育学生に出会い、しかも、黒帯の有段者とのこと。有段者になるには、資質や能力に加えて努力が必要です。現代の幼児教育における諸問題解決に一石を投じられる機会になるように、物語を作成していきます。この物語はフィクションです。登場する人物、団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
文字数 22,097
最終更新日 2024.02.05
登録日 2023.07.30
母親を亡くし叔父夫婦に預けられた小春は、高校入学を機に寮生活を送っている。だが相部屋の同級生がなかなかの曲者で、土日は彼女の友人たちとどんちゃん騒ぎを繰り広げているため物理的にも精神的にも居場所がない。
とある土曜日、夜の散歩に出かけていた小春は祖父・東雲明良の知人と名乗るあやかし、夜取と出会う。故人である祖父はとても心優しい性格で、それを帳消しにするくらい運が悪い人物だった。
明良は人間でありながら妖力がとても高かったという。自分が窮地に陥るたびにその場にいたあやかしに助けを求め、お礼として近い未来、妖力増幅の御利益がある大福を作るという約束をしたらしい。だが彼はもう亡くなっているからあやかしが視える小春が代わりに作ってほしいと迫られ──。
これは小春により作られた大福が、あやかしとあやかし、更にはあやかしと人間の縁を繋いでいくお話。
文字数 31,651
最終更新日 2024.01.31
登録日 2023.12.31
北海道は札幌と小樽の境界線にあるショッピングセンター、ターボモールのある店舗の一コマを切り取ったオムニバスコメディヒューマンドラマ。
同じショッピングセンターでも、テナントごとに十人十色の物語があるのです。
文字数 17,868
最終更新日 2024.01.31
登録日 2023.03.31
【文字、売ります】──古びた半紙が引き寄せるのは、やおよろずの相談事。
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──その出会い、合縁奇縁(あいえんきえん)──
小動物(モフモフ)大好きな女性・秋野千代。
亡くなった祖母の書道教室を営むかたわら、売れっ子漫画家を目指すが、現実は鳴かず飛ばず。
稲荷神社に出かけた矢先。
供え物を盗み食いする狐耳少年+一匹を発見し、追いかけた千代が足を踏み入れたのは──あやかしと獣人の町・宵闇町(よいやみちょう)だった。
元の世界に帰るため。
日々の食い扶持を得るため。
千代と文字屋の凸凹コンビが、黒と紫色の世界を奔走する。
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キャラ原案/△○□×(みわしいば)
Picrewの「少年少女好き?2」で作成
https://picrew.me/share?cd=5lbBpGgS6x
文字数 91,873
最終更新日 2024.01.30
登録日 2023.12.01
社会人二年目。二十四歳の胡桃 アキ(くるみ あき)は不幸体質。
これまでの人生で起きてきた数々の不幸・ストレスは、食べることで発散してきた。
しかし、食べることでは解消できないくらいの不幸が重なってしまう。
失恋、会社の人間関係、さらには父親の死……抱えきれなくなったアキは、ついに自死を考えるようになった。
――そんな中、たまたま紹介してもらった人形町にある古びた食堂に行くことに。
『みそ汁食堂 めいど』
都心の喧騒から離れた下町で出会ったこの食堂は、人の姿をした女神と死神が営んでいた。
そして白猫が一匹。
昼の部は、女神の定食屋。
夜の部は、死神の酒場。
一汁三菜。ご飯とおかずと、そしてみそ汁。
お酒とおつまみ、締めのみそ汁。
二人の神がもてなす究極のみそ汁には、人生を導くヒントが隠されている。
与えられるのは幸福か、はたまた降伏か。
寄り添う優しさが胃に沁みる、不思議な食堂の物語。
文字数 84,037
最終更新日 2024.01.27
登録日 2023.12.30
大学に入学するために上京した速水悠(はやみ はるか)は、従姉の理彩からアルバイトを斡旋される。
それは「料理が全くできない人を探している」という、少し変わった条件のものだった。
「楽しく作れて、どんどん料理がうまくなる」レシピアプリ・クレインマジック。そのアプリをリリース予定の会社が理彩の勤務先であり、初心者でも本当にレシピを再現できるのかを検証するための人材として悠に白羽の矢が立ったのだ。
面接時に見事にとんでもない玉子焼きを作り、周囲を驚かせた悠。そんな彼に「玉子焼きの作り方、実際に見せてあげるよ」と料理担当の四本夏生(よつもと なつき)が作って見せた玉子焼きは、人生の中で一番美味しい玉子焼きだった。
四本の料理が食べられることに釣られてアルバイトを始めた悠は、普段は無愛想でありながらも美味しそうに食べて率直に褒めるところを四本に気に入られ、四本のアシスタントもすることになる。
そして四本が自分のモチベーション維持のためと撮り溜めた悠の試食動画は、リリース時にクレインマジックのCMに使われることに。同時に、楽しそうに料理を作る四本の姿もCMで放映された。
ビジュアルが良いふたりの姿はSNSで爆発的に反響を呼び、クレインマジックは順調なスタートを切ったが、その一方で悠の身元や住所がSNSに晒されるという事件も引き起こす。
四本と悠の安全を重視した社長の決断により、ふたりは会社が入っているマンションの別の一室を「社員寮」として提供されることになった。
同居生活を送るうちに、悠と四本は歳の離れた友人として心を通わせることになる。
しかし、四本にはどうしても再現できない思い出の料理があり、料亭である実家を離れた深い理由があって――。
※表紙画像にAI生成イラストを使用しております。
文字数 67,919
最終更新日 2024.01.26
登録日 2023.12.27
私には、人の全てが文字に見える。
最初からそうだったわけではないが、少なくとも女子中学生として青春を謳歌しようとしていた頃には、そうなっていた。相手の職業や名前は、全て文字になっているのだ。
「文字」の見える女性のお話。
文字数 5,488
最終更新日 2023.12.17
登録日 2023.12.17
【あらすじ】
ボロ神社の主神である「瑞穂」は、妖の医者として働くことで何とか生計を立てていた。
だが診療所の経営は赤字すれすれ、バイトはすぐに辞めてしまい、色んな意味でとんでもない患者ばかりがやってくる…それでも日々あやかしの治療に励む彼のところには、ぶっ飛んだ人の娘や、怠け者の猫又、我が道をゆく妖狐たち、美人な水神姉妹といった奇妙奇天烈な者たちが集まってきて、次第に頼もしい仲間となってゆく。
そして、ある事件をきっかけに「瑞穂」は過去の記憶を取り戻し、その闇と対峙することになるのだが―。
カクヨム、なろうにも掲載。
文字数 76,404
最終更新日 2023.12.04
登録日 2023.02.14
文字数 97,756
最終更新日 2023.10.21
登録日 2023.06.10
鬼の御宿の嫁入り狐
レンタル有り【書籍化します!】【第6回キャラ文芸大賞/あやかし賞 受賞作】
鬼の一族が棲まう隠れ里には、三つの尾を持つ妖狐の少女が暮らしている。
彼女──縁(より)は、腹部に火傷を負った状態で倒れているところを旅籠屋の次男・琥珀(こはく)によって助けられ、彼が縁を「自分の嫁にする」と宣言したことがきっかけで、羅刹と呼ばれる鬼の一家と共に暮らすようになった。
優しい一家に愛されてすくすくと大きくなった彼女は、天真爛漫な愛らしい乙女へと成長したものの、年頃になるにつれて共に育った琥珀や家族との種族差に疎外感を覚えるようになっていく。
「私だけ、どうして、鬼じゃないんだろう……」
劣等感を抱き、自分が鬼の家族にとって本当に必要な存在なのかと不安を覚える縁。
そんな憂いを抱える中、彼女の元に現れたのは、縁を〝花嫁〟と呼ぶ美しい妖狐の青年で……?
育ててくれた鬼の家族。
自分と同じ妖狐の一族。
腹部に残る火傷痕。
人々が語る『狐の嫁入り』──。
空の隙間から雨が降る時、小さな体に傷を宿して、鬼に嫁入りした少女の話。
文字数 161,104
最終更新日 2023.10.03
登録日 2022.12.31
元気が取り柄のなつみは、巫女をしていた祖母の影響で、京都が大好き。
ある時、ひょんなきっかけで、伏見にあるアパートに引っ越すことになる。
だがその部屋には、伏見稲荷の眷属だという、白狐の白銀(しろがね)が居着いていた!
仏様と神様の仲介役を務めているという白銀は、見た目は人間の若いイケメンなのに、性格は超気弱。
クレームばりの勝手な要求をする仏たちに振り回される白銀を放っておけず、なつみはつい首を突っ込んでしまう。
こうして半同居生活を送るうち、なつみと白銀は絆を強めていく。
さらに亡き祖母には、巫女時代に秘密があったらしいと判明し……!?
※第6回ほっこり・じんわり大賞奨励賞受賞。応援本当にありがとうございました!
※2023.10.02完結。
※エブリスタ様にも掲載中。
文字数 149,005
最終更新日 2023.10.02
登録日 2023.06.29
未来からやってきた高校生の白鳥希望は、変身して美少女仮面エスポワールとなり、3人の子ども達と事件を解決していく。未来からきて現代感覚が分からない望みにいたずらっ子の3人組が絡んで、ややコミカルな一面をもった年齢指定のない作品です。
文字数 110,647
最終更新日 2023.09.28
登録日 2022.04.29
文字数 53,959
最終更新日 2023.09.27
登録日 2021.02.07
高校2年生の美咲は釣りが好きで、磯釣りでは、大会ユニホームのレーシングブルマをはいていく。ブルーブルマとホワイトブルマーと出会い、釣りを楽しんでいたある日、海の魔を狩る戦士になったのだ。海魔を人知れず退治していくが、弱点は自分の履いているブルマだった。レッドブルマを履いている時だけ、力を発揮出きるのだ!
文字数 96,910
最終更新日 2023.08.31
登録日 2022.07.31
死神飯に首ったけ! 腹ペコ女子は過保護な死神と同居中
レンタル有り第4回ほっこり・じんわり大賞『奨励賞』受賞
「あんたが死ぬと、俺たちの仕事が猛烈に増えすぎて事後処理が邪魔くさいんや!」
そんな不真面目な仕事っぷりを予感させる文句によって、朱夏の自殺を止めたのは、金髪長髪のヤンキー系死神だった――。
「俺がなんか飯作ってやるから死ぬな」
一緒に住むことになった死神が作るご飯が美味しくて、死ぬことを忘れてついつい毎日食べすぎてしまった朱夏と、朱夏を生かすために献立を考える主夫になってしまった死神の、キュンとするゆっくりまったり、じれじれでドキドキで、ほっこりな日常の物語。
✬「第4回ほっこり・じんわり大賞」奨励賞受賞作。
応援ありがとうございました!
文字数 138,099
最終更新日 2023.08.18
登録日 2021.07.06
聴こえる力を持つ能力者の少女蒼と視える力を持つ少年奏の田舎を舞台にしたのんびり恋愛ファンタジー。
文字数 3,948
最終更新日 2023.08.14
登録日 2023.08.14
外の世界と隔絶された小さな村には、祝福の子と災いの子が生まれる。
祝福の子は神子と呼ばれ愛されるが、災いの子は御子と呼ばれ迫害される。
祝福の子はまじないの力が強く、災いの子は呪いの力が強い。
祝福の子は伝承について殆ど知らないが、災いの子は全てを知っている。
もしもそんなふたりが出会ってしまったらどうなるか。
入ることは禁忌とされている山に巣食う祟りを倒すため、御子は16になるとそこへ向かうよう命じられた。
入ってはいけないと言われてずっと気になっていた神子は、その地に足を踏み入れてしまう。
──これは、ふたりの『みこ』の話。
文字数 36,288
最終更新日 2023.08.01
登録日 2023.06.30
文字数 143,025
最終更新日 2023.07.31
登録日 2023.06.18
文字数 8,962
最終更新日 2023.07.30
登録日 2023.06.26
不思議な力を持つ黒猫のミーコ。人知を超越した力を持つ化け猫と、様々な人間との出会いと別れを描いた連作短編。※以前は『黒猫のミーコ』というタイトルでしたが、全く同じタイトルの作品があったのでタイトルを変更しました。
文字数 141,595
最終更新日 2023.07.29
登録日 2020.07.05
仕事を辞め、ぼんやりと過ごしていた雨海千鳥(あまみちどり)は、叔母に頼まれて下宿の管理をする事になる。「何もしなくていいから」と、適当な指示だけでされて来てみたものの、実はその下宿はあやかし専門で……。
引きこもりの山犬、恋愛に悩むカラス天狗、進路を決めかねている龍神。
下宿人達との不思議な交流をしつつ、千鳥は穏やかな日々に少しずつ癒やされていきます。
文字数 25,900
最終更新日 2023.07.28
登録日 2023.06.30
【第6回ほっこり・じんわり大賞にて奨励賞を受賞いたしました🌸】
応援いただいた皆様、お読みいただいた皆様、本当にありがとうございました!
❁.。.:*:.。.✽.。.:*:.。.❁.。.:*:.。.✽.。.:*:.。.❁.。.
疲れた時は神様のおにぎり処に足を運んで。店主の豊穣の神が握るおにぎりが貴方を癒してくれる。
ここは人もあやかしも神も訪れるおむすび処。メニューは一択。店主にとっての思い出の味のみ――。
大学進学を機に田舎から都会に上京した伊勢山莉亜は、都会に馴染めず、居場所のなさを感じていた。
とある夕方、花見で立ち寄った公園で人のいない場所を探していると、キジ白の猫である神使のハルに導かれて、名前を忘れた豊穣の神・蓬が営むおむすび処に辿り着く。
自分が使役する神使のハルが迷惑を掛けたお詫びとして、おむすび処の唯一のメニューである塩おにぎりをご馳走してくれる蓬。おにぎりを食べた莉亜は心を解きほぐされ、今まで溜めこんでいた感情を吐露して泣き出してしまうのだった。
店に通うようになった莉亜は、蓬が料理人として致命的なある物を失っていることを知ってしまう。そして、それを失っている蓬は近い内に消滅してしまうとも。
それでも蓬は自身が消える時までおにぎりを握り続け、店を開けるという。
そこにはおむすび処の唯一のメニューである塩おにぎりと、かつて蓬を信仰していた人間・セイとの間にあった優しい思い出と大切な借り物、そして蓬が犯した取り返しのつかない罪が深く関わっていたのだった。
「これも俺の運命だ。アイツが現れるまで、ここでアイツから借りたものを守り続けること。それが俺に出来る、唯一の贖罪だ」
蓬を助けるには、豊穣の神としての蓬の名前とセイとの思い出の味という塩おにぎりが必要だという。
莉亜は蓬とセイのために、蓬の名前とセイとの思い出の味を見つけると決意するがーー。
蓬がセイに犯した罪とは、そして蓬は名前と思い出の味を思い出せるのかーー。
❁.。.:*:.。.✽.。.:*:.。.❁.。.:*:.。.✽.。.:*:.。.❁.。.
※ノベマに掲載していた短編作品を加筆、修正した長編作品になります。
※ほっこり・じんわり大賞の応募について、運営様より許可をいただいております。
文字数 123,154
最終更新日 2023.07.25
登録日 2023.06.26